黒岳1984m北鎮岳2244m

 

2014729日 晴れ

 

 

      登り・リフト終点・7合目→黒岳 1時間15分(休憩時間含む)

         黒岳→北鎮岳 2時間30分(休憩時間含む)

 

      下り・北鎮岳→黒岳 1時間45分(休憩時間含む)

         黒岳→リフト終点・7合目 45分(休憩時間含む)

 

 

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 大雪山には毎年のように来ているが、北鎮岳に登るのは9年ぶり。もうそんなに前だったのかと驚く。段々と年月の経過がおぼろげになって来るのは加齢のせいだろう。

 そんなことを考えながらリフトに揺られて7合目へ。目の前にそびえる黒岳の右側は断崖絶壁となって切れ落ちている。左側には黒岳登山道のシンボルとも言える「マネキ岩」が見える。

 

 

 

 

 

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 家を出たのが午前5時。一般道をトロトロ走って来たから、7合目の登山口を出発したのは午前10時近く。この日は下界で30度を超えた真夏日。陽の当たる登山道もむせ返るように暑い。

 前後を歩く登山者の歩みも暑さのせいか一様に遅い。立ち止まっては水を飲んで体温の上昇を防いでいる。登山道の脇にはウコンウツギやシナノキンバイが咲いて目を楽しませてくれる。

 目に前の「マネキ岩」が下に見えるようになると山頂は近い。

 

 

 

 

 

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 急な石段を昇ると視界が一気に開ける。目の前に広大な大雪山の中心部が広がる。千鳥の雪渓を中腹に持つ北鎮岳、その右にはお椀を伏せたような凌雲岳、中央のくぼ地はお鉢平。左手には北海岳や白雲岳。お鉢平の向こうに頭だけを見せる北海道最高峰の旭岳と、名立たる山々が並んでいる。

 

 

 

 

 

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 賑わう黒岳山頂を早々と後にして北鎮岳へ向かう。黒岳を振り返って見ると「クマが振り向いた」と形容される山頂部がネコのように可愛く見えた。

 

 

 

 

 

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 ポン黒岳から見る北鎮岳方向は大好きな風景。あまりにも有名で通俗的な風景になってしまったかのようだが、ここから眺めているだけで心がほっとするのだ。これで石室がかやぶき屋根の日本的な民家だったら申し分のない景色になるのだろうと勝手に想像する。

 

 

 

 

 

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 黒岳石室も通り過ごして先を急ぐ。横に見える桂月岳は小さな頂きだが、この頂から眺める黒岳の断崖絶壁は迫力満点。石室に泊まる人には絶好の憩いの場所になるのだろう。

 

 

 

 

 

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 高山植物が咲き乱れる「雲の平」から北鎮岳を見る。残念ながらイワウメやキバナシャクナゲの時期は終わり、チングルマも終焉の時期をむかえていた。やはり満開の高山植物を楽しみたいのなら、7月上旬に登って来なければならない。

 中腹に見える千鳥の雪渓が角度の変化で七面鳥に見えるのが可笑しい。登山道は左側の雪渓を縦に割るように延びている。

 

 

 

 

 

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 盛りを過ぎた高山植物だが、1か所だけエゾコザクラやチングルマの咲き乱れるお花畑があった。遅くまで雪が残っていたのだろうか。前方に見えるのは凌雲岳。この山には登山道がないので、登るには積雪期か残雪期に限られる。

 

 

 

 

 

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 斜度のある雪渓を上ると北鎮岳と縦走路の分岐点に着く。山頂は目の前だが、疲れた身体にはここからがキツイ。縦走する登山者はここに重荷を置いて空身で登る。

 

 

 

 

 

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 山頂手前から分岐点を振り返る。目の前には有毒ガスが噴き出る広大なお鉢平。その向こうにお鉢平の外周壁の一部でもある北海岳、その奥にはくちびるのような白雲岳が見える。

 

 

 

 

 

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 北鎮岳の山頂から凌雲岳(左)、黒岳(中央)、烏帽子岳(右)を眺める。やっと気持ちの良い風が吹き抜ける場所にたどり着いた感じでホッとする。

 空気が少しもやっているから遠望は望めない。それでもこれだけ見渡すことが出来れば十分である。小さな岩に腰を下ろして少し遅い昼食をとる。ベンチもあるが、腰を下ろして足を伸ばした方が疲れも取れるようだ。

 

 

 

 

 

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 北方向に目を移すと、右手前の鋸岳に登山道が延びている。その先の中央に比布岳、左に雪渓を残す安足間岳、右には鋭い山頂の愛別岳を見ることが出来る。

 今回は暑くなることを予想して凍ったスポドリを持って来た(コンビニで販売している)。新聞紙に包んで持って来たので、山頂で丁度良くシャーベット状態になっていた。頭がキンキンするほどのスポドリは渇きを癒すには最高の飲物だ。これに味を占めて翌日の平山にも持って行った。

 

 

 

 

 

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 山頂から北海道最高峰の旭岳を見る。黒岳から旭岳、またその逆も大雪山では人気の縦走コース。俗に表銀座とも呼ばれているようだ。では裏銀座はどこ?

 

 

 

 

 

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 当初の予定では北鎮岳からお鉢平を1周して北海岳を通り、黒岳に戻る予定だった。しかしトロトロ運転のお蔭でスタートが遅くなってしまい、ギリギリの時間予定になってしまった。

 お鉢を1周しても急げば最終リフトに間に合うだろうが、山では何が起きるか分からない。安全率を考えたら無理な行動はしたくない。何度も歩いている場所なので目新しい見どころもない。来た道をゆっくり戻るのが賢明だろうと判断すると、気持ちはすっかりと弛んでしまった。

 

 

 

 

 

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 時間に余裕が出来たので、黒岳石室と黒岳山頂で大休止。暮れて行く山の雰囲気を満喫してから黒岳を下りた。途中、斜面に咲き乱れるシナノキンバイの向こうに「影黒岳」が映っていた。

 

 ロープウェイを降りてから、温泉街にある「黒岳の湯」で汗を洗い流したのだが、いつも休憩所で風呂上りの楽しみにしていた缶ビールが販売されなくなったと聞いてガックリ。今後は1杯500円の生ビールを階下の店から買わなければならない。それでもビールの誘惑には勝てず、2杯注文して喉を潤した。

 

 

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