黒松内岳  740

 

2010529日 晴れ 単独

 

 

 

 ブナ林の北限地帯として有名な黒松内町。そこには登山を楽しみながらブナ林を見ることが出来る黒松内岳が聳えている。地名となっている黒松内とは黒松の木がある訳ではなく、アイヌ語の「クル・マツ・ナイ」(和人の女のいる沢)に由来するらしい(ウィキペディアから)。
 ブナの新緑が眩しいこの時期、札幌からはチョッと遠出になるが思い切って訪ねて見た。740mと低山の割にはコースに変化があって山歩きが楽しめたこと、そして何よりも頂上からの展望が見事だったのには驚いてしまった。

 

登り・1時間45分(休憩時間含む) 下り・1時間10分・迂回路使用(休憩時間含む)

PSトラック

 

 

 国道5号線、豊幌地区から黒松内岳(右手前)と長万部岳(左奥)を望む。これから向かう黒松内岳は雪解けが進んで黒っぽく見える。翌日登る予定の長万部岳はまだまだ残雪が多いようだ。

 

 

 

 

蕨岱(わらびたい)から黒松内市街に向かう道道9号線の途中にトイレ設備のある「狩場駐車場」がある。駐車場の奥左手に登山口(5km)へ向かう林道入り口に標識が立てられている。標識の位置が高いので見逃してしまいそうだ。

 

 

 

 

車のすれ違いが難しそうな細い林道を5キロ走ると、広い駐車場のある登山口に着く。古い標識の横には立派な案内板と登山届出ボックスが設置されている。登山道はこの案内板の背後から階段状になって続いている。

 

 

 

 

1合目に「ブナ林コース迂回路」の標識がある。3合目まで迂回路が続いているらしいが、登りは直登コースを選択する。それでも立派なブナ林が現れ、葉の新緑が目を癒してくれる。帰りに通った迂回路も同様のブナ林で、特別に時間をかけて迂回する必要はあまりなさそうだ。

 

 

 

 

急登も終わって歩き易い稜線上に出ると、左側の樹林越しに残雪模様も鮮やかな長万部岳が目に入ってくる。右側遠方には黒松内市街を見下ろすことが出来る。528mのコブあたりでブナ林は終わり、前方に急斜面の所々に雪を残す黒松内岳の頂上部が見えてくる。

 

 

 

 

6合目からは一旦コルに下り、稜線上に沿って延びる登山道を再び登ることになる。この辺りの登山道周辺や切れ落ちる崖のあちらこちらにシラネアオイが咲いていた。頂上直下はかなり急峻で、当然登山道はジグを切って付けられていると思っていたが、ほとんど直登の登山道で、雪の残る時期には難しい登山になると思われた。

 

 

 

 

8合目から9合目の岩の露出した急斜面にはロープが設置されている。足元のしっかりした夏場ならともかく、雪が付いたり、雨天時で滑る状況下ではありがたい存在だろう。この辺りの岩質は脆いようで、左側の沢で落石の音が響いていた。

 

 

 

 

すこぶる付きの好天で、山頂は360度の大展望。先ずは羊蹄山やニセコ連峰をバックに記念撮影。頂上標識は柱から外れていたので手で持った。積丹半島の積丹岳や余別岳、室蘭方面の山々や噴火湾越しに見える駒ケ岳、低いながらも太平洋も日本海も望める最高の展望台だった。

 

 

 

 

おっ!狩場山かなと思わせる大きな山容。しかし狩場山がこんなに近い訳がなく、オオビラウスユキソウ等の高山植物で有名な大平山(おおびらやま)だった。まだまだ残雪が多く、鮮やかな模様を作り出していた。

 

 

 

 

翌日登る予定の長万部岳をバックにして記念撮影。黒松内岳の山頂は三角点がある場所より奥の方(管理人の背後のコブ)が高そうだが、ブッシュが濃くて行って見る気にはならなかった。ニセコや羊蹄山を眺めながら早い昼食をとり、下りてから黒松内市街にある黒松内温泉「ブナの森」で汗を流した。