室 蘭 岳 (鷲別岳) 911m

 

20071016   西尾根(新道)コース〜南尾根コース

 

登り(西尾根コース)・ 2時間(朝食休憩及び靴擦れ痛いタイム)

下り(南尾根コース)・ 1時間(休憩及び靴擦れ痛いタイム)

 

 

 

 

 

室蘭市の北にある「だんパラスキー場」の駐車場(ロッジまで行かず、手前左の駐車場)横に、登山口と登山案内板がある。朝方から降り出した雨がなかなか止まず、車の中で小一時間待機を余儀なくされる。なんとか雨は止んだが、念のため雨具をつけて出発する。

 

 

 

 

 

 

 登山口からキャンプ場を抜け、スキー場まで行くと右手にカムイヌプリが見えてくる。やがて10分ほどで赤い屋根の白鳥ヒュッテが現れる。誰か居るのだろうか、暖気を感じさせるように煙突から煙が立ち上がっていた。登山届けはヒュッテ前にあり、実質ここが登山口らしい。 ヒュッテ前が西尾根コースと南尾根コースとの分岐点になっていて、ヒュッテの階段上に指示板がある。

 

 

 

 

 

 

ヒュッテから左の林の中につけられた西尾根(新道)コースを緩く下ると、清流の流れる「ペトトル川」に出る。この沢を飛び石伝いに渡って、また林の中を緩やかに登る。

 

 

 

 

 

 

 林の中を歩いていると、いつしか登山道は笹の生い茂る明るい尾根道に変わる。途中、斜面から後ろを振り返ると、樹林帯の向こうに室蘭港の全景が見えてくる。本輪西の製油所、白鳥大橋、テレビ塔の林立する測量山、そして煙たなびく新日鉄の工場群などが確認できる。また噴火湾を隔てて、駒ケ岳など渡島半島の山並みが水平線の向こうに浮かんでいる。

 

 

 

 

 

 

汗をかきながら笹の刈り分け道を登り切ると825mのポコに出る。ここから先には反射板のある855mのコブがあり、右手には南尾根から高度を上げる室蘭岳が望まれる。天気が良ければ左手に羊蹄山が望まれるという。

 

 

 

 

 

 

825mのポコから少し下って反射板の右側を登り返すと室蘭岳山頂へと続く明るい稜線に出る。距離は短いが雰囲気の良い登山道が延びていて、気持ちが高揚してくるようだ。途中にある岩塔から室蘭岳を見上げると、北側斜面がガスに巻かれ、幻想的な風景を作り出していた。

 

 

 

 

 

 

 855mのコブ方向を振り返ると、秋色に染まった稜線の木々から風のささやきが聞こえてくるようだった。室蘭岳山頂へは勾配のきつくなった樹林の中を抜ける。南尾根コース・水元沢コースとの分岐点まで来ると、もう山頂は目の前である。

 

 

 

 

 

 

たどり着いた室蘭岳山頂は生憎とガスの中。天気が良ければ羊蹄山やニセコ山系、隣のカムイヌプリやオロフレ山が見えるそうだ。もちろん室蘭港や噴火湾、その向こうの駒ケ岳なども一望できるという。残念ながら今回は釣鐘を鳴らして我慢しよう。「室蘭岳」と彫られた山頂標識は実に見事で、まるで芸術作品のようだ。

 

 

 

 

 

 

ガスが流れる中、南尾根コースを下ってくると、小振りだが燃えるように色付いたカエデが疎林の中で光彩を放っていた。冷え冷えとした空気が一瞬和んだようだった。

 

 

 

 

 

 

下りもそろそろ終わりと思うころ大きな「ガンバリ岩」が現れる。岩の前からは「だんパラスキー場」が一望できる。

 

 

 

 

 

 

南尾根コースは下部の方がきつい。疲れた足に転倒は付き物だから、最後まで気を抜かずに歩きたい。コース右手に水神社の鳥居が見えたらヒュッテは近い。鳥居から先には祠と水源があるが、水源はコンクリートで覆われているため、直接飲むことが出来ない。

 

 

 

 

 

 

 帰りにヒュッテ内部を覗いてみた。先程まで誰かが居たのだろうか、まだストーブの温もりが残っていた。機会があれば是非泊まってみたい素敵なヒュッテだった。

 生まれ故郷の山「室蘭岳」。港を隔てて何時も眺めていた山だった。なぜか山頂の木々が蒸気機関車と客車のように見えたのを、今でも鮮明に記憶している。子供心が生む他愛ない妄想だったのだろう。