初夏尾瀬燧ケ岳至仏山

1991年 67日〜 68

 

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「沼山峠休憩所前にて」

6月6日の夜11時、新宿西口ターミナルに集合。満員のツアーバスは高速道路を北上し、一路「桧枝岐村」を目指す。車中でうつらうつらしているうちにバスは山間部を走っていた。夜も白々と開ける頃、沼山峠に到着。朝早くというのに結構な数の登山者というか観光客というか、なんとも判別できない人たちが休憩所の前にたむろしていた。

 

「大江川湿原を歩く登山者」

朝5時に沼山峠休憩所を出発。尾瀬ヶ原の一部が望める「沼山峠」見晴台のベンチで軽い朝食をとる。尾瀬沼に続く大江川湿原を歩く頃には朝モヤも切れ、空もすっかり晴れわたるという幸運の山旅となった。

 

 

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「尾瀬沼付近の湿原から見る燧ケ岳」

リュウキンカの黄色、湿原の新緑、残雪の白、抜けるような青空、ああ〜「遥かな尾瀬」が目の前に広がる現実に酔いしれる。

 

 

「燧ケ岳の第2峰・俎(まないた)グラから尾瀬沼を見下ろす。

長蔵小屋から燧新道(長英新道)を通って燧ケ岳に登る。尾瀬沼を見下ろしながら残雪を踏みしめての登りは、心地好い風に吹かれて疲れも忘れるほどの爽快感だけが心に残った。それにしても登山者の多いことったら。

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「俎(まないた)グラから見る最高峰の柴安グラ」

山頂部にある残雪の登りが結構急斜面でスリリングだった。後方には越後三山が聳える。

 

「最高峰の柴安グラにて」

 

 

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下田代十字路にて。後ろには燧ケ岳。

宿泊先となった「尾瀬小屋」にて。

広大な尾瀬ヶ原。遥か前方には至仏山。

 

燧ケ岳からは「見晴新道」を通って下田代十字路へ下りる。意外と寂しい感じがする登山道で、すれ違う登山者もなく一人黙々と山を下りた。宿泊先の尾瀬小屋は満杯で、風呂も三人一組となって短時間だけの入浴が許された。寝る時は当然ながらぎゅうぎゅう詰めの雑魚寝状態。ああ、これも尾瀬の一面なのだと妙なところで感心をする。

 

 

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「竜宮」にある池塘の前で一休み。

朝もやに煙る尾瀬ヶ原とミズバショウ。

「山の鼻」にて。至仏山名物の「竜の雪渓」

 

尾瀬小屋を4時45分に出発。朝もやに煙る尾瀬ヶ原の木道を黙々と歩く。無数の池塘、流れる小川、咲き誇る花々が朝もやの中から姿を現しはじめて幻想的な風景を作り出している。「山の鼻」に着く頃には鳩待峠から来る対向登山者が多くなり、二本の木道は一方通行のマナーも守られずにいるため、こちらが頭を下げて道を譲ってもらった。多勢に無勢で力負けしたが、「横に並んでお喋りしながら歩くオバサン達よ、冗談じゃないぞー」と叫びたかった。 

 

 

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幻想的風景・尾瀬ヶ原

 

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たおやかな至仏山も裏側は岩肌で厳しい。

至仏山中腹に咲くピンク色のシャクナゲ。

混雑する「鳩待峠」。

 

  「山の鼻」から「鳩待峠」までは緩い登りの登山道。ここでも対向者の多いことに驚く。7時15分「鳩待峠」着。ここからは半円を描くように至仏山を目指す。途中、重く湿った雪渓の中を歩くと段々と登山靴が濡れてくる。「ワル沢の頭」「小至仏山」を抜けて945分、至仏山に到着。山頂から「山の鼻」へ下りる登山道は荒らされ放題となり、通行禁止となっていた。1235分「鳩待峠」に戻ると、バス待ちの登山者で休憩所前は大混雑。やっと自分が乗るバスを見つけて乗り込んだ。すこぶるの好天に恵まれた尾瀬の旅、一生の想い出になる山旅となった。

 

 

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