札幌岳   1,293m

 

2019930日 晴れ  豊滝コース

 

 

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GPSトラックログ

 

登り・3時間35分(休憩時間含む)

  林道ゲート〜1時間10分〜登山口〜1時間45分〜空沼岳縦走路分岐〜40分〜山頂

 

下り・2時間15分(休憩時間含む)

       山頂〜25分〜空沼岳縦走路分岐〜1時間〜登山口〜50分〜林道ゲート

 

 

 

 

 

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 札幌から国道230号線に沿って定山渓方向に向かう途中、南区の豊滝地区に『道路情報館』があります。ここから国道を左折すると正面奥に北側が切れ落ち、東西に両翼を広げる札幌岳が見えます。左手前には近年になって登山道が作られた急峻な盤の沢山が見えます。

 

 

 

 

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 住宅地を山に向かって真っ直ぐ走り抜けると果樹園が広がります。その果樹園を左折、右折を繰り返してからまた山に向かって走ります。左に小さな石の社と石碑が見えると道路は右にカーブして盤の沢川を渡る橋に出ます。この橋の手前左が登山口につながる林道入口になります。見過ごし易いですが、木に「札幌岳」の標識が取り付けられています。

 車1台分の狭い林道なので、対向車が来ないことを祈って進むしかありません。約500mで駐車スペースのある林道ゲートに着きます。

 

 

 

 

 

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 鋼鉄製のゲートには鍵がかけられているのでこれ以上車で入ることは出来ません。ここでしっかりと忘れ物がないかどうかチェックしてから歩き始めました。

 ゲート横には「ヒグマ出没注意」の看板もあるので、クマ除け鈴を2個ぶら下げ、クマ除け笛も持つことにしました。他に登山者もいないようなので笛を吹いてもうるさがられることはないでしょう。

 

 

 

 

 

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 ゲートからの林道は立派で、車がすれ違える程の道幅がありました。もう少しゲートを奥にしてくれたら登山者は助かるのにと思いながら歩きました。途中、札幌岳の山頂部が見える場所が1ヶ所だけありました。ずい分と遠くに思え、あそこまで歩いて行くのかと心が折れそうになりました。

 林道の分岐や分かりにくい場所には方向指示標識が取り付けられてあって、安心して進むことが出来ました。

 

 

 

 

 

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 約3,5キロ、1時間以上の林道歩きで「豊滝登山口」に着きました。林道の後半は大雨で路面が削られたのでしょう、車が入れない程に荒れていました。

 19年前はオフロードバイクでここまで乗り入れた記憶が残っているので隔世の感がありました。

 

 

 

 

 

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 登山口からは左に盤の沢川を見下ろしながら山すそを巻くように進みます。ほんの10数分で広い沢地形に出ますが、大雨に削られて相当荒れています。進む方向を見失いそうですが、要所には案内標識やピンクテープが付けられているので心配はありませんでした。

 途中、倒木を利用した「お休み処」も作られていて設置者の温かい心使いを感じました。この左に小さな渡渉がありますが問題なく渡ることが出来ました。

 

 

 

 

 

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 渡渉の後に沢地形を見ると相当の規模で川底が削られているのが分かりました。登山道は左の尾根を時計回りに回り込むように延びていました。

 

 

 

 

 

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 登山道が尾根上になると前方に顕著なピークが見えて来ました。方角から札幌岳と空沼岳を結ぶ縦走路途中にあるコブだと判断しました。

 この辺りから紅葉が目立つようになり、色付いたナナカマドやカエデが目を楽しませてくれました。

 

 

 

 

 

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 尾根の右側に登山道が移ると急登が始まります。どうやら「がんばる坂」と命名されたようでした。

 

 

 

 

 

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 「がんばる坂」を登りながら、やっと19年前の記憶が蘇って来ました。あの苦しかった場所はどこだったのか、それを思い出せないまま登っていましたが、やっと記憶と場所が一致しました。「そう、ここだったのだ!」と。

 目の前には紅葉越しに札幌岳山頂から北側に張り出した尾根の先端が迫っていました。

 

 

 

 

 

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 一応「がんばる坂」は終わりですが、ここからも油断は出来ませんでした。複雑な地形の中に急登のロープ場があり、一難去ってまた一難という思いでした。

 

 

 

 

 

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 陽が当たると輝くような黄金色に染まるのはカエデでしょうか。苦しい登りの中でこのような光景を目の当たりに出来るのは山登りの醍醐味のひとつです。

 

 

 

 

 

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 やっと札幌岳と空沼岳を結ぶ縦走路に出ました。ひと安心ですが、ここから札幌岳の山頂に向けて500mの急登が始まります。

 結局、豊滝コースは急登続きなんだと思い知らされました。でも世の中には急登が好きと言う人も多くいますから、一概にコースの善し悪しの判断は出来ません。

 

 

 

 

 

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 先に見えるのは山頂部ではありませんが、先ずはダケカンバの茂るあのコブを越えなければなりません。登山道に岩も出て来るので足元には要注意です。

 

 

 

 

 

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 コブに上がると今度は正真正銘の山頂が目の前です。山頂直下は露出した岩をよじ登るような急斜面ですが、笹刈りもされて見通しが良いので安心して登り切ることが出来ました。

 

 

 

 

 

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 「登ったぞ〜!」と大声を出したい気分での山頂写真です。雲が多くなって来ましたが、上空にはまだ青空が広がっていました。

 ニセコ方面は雲が多く、中山峠の向こうはやっと尻別岳が分かるくらいでした。もちろん羊蹄山やニセコの山々は見えませんでした。

 

 

 

 

 

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 支笏湖方面に目を移すと、手前に狭薄山、左に空沼岳(写真に入っていません)、奥に漁岳、そのまた奥に恵庭岳を見ることが出来ました。

 

 

 

 

 

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 札幌方面は雲が沸き上がって来て、あっという間に視界が遮られてしまいました。先ほどまで鮮やかだった紅葉も、静かなモノトーンの光景に変わってしまいました。滅多に見られない光景ですから、これはこれで渋い味わいがあります。

 

 

 

 

 

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 足を伸ばしての休憩と菓子パンの昼食を済ましてから、雲に飲まれた始めた山頂を後にしました。

 山頂直下から見下ろした縦走路の延びる峰には陽が当たり、黄金色に輝いていました。

 

 

 

 

 

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 札幌岳と空沼岳を結ぶ縦走路から豊滝登山口へ下りる分岐まで来ると沸き上がる雲もなくなり、札幌方面が望めるようになっていました。目の前には盤の沢山、その手前には「パゴダの塔」(矢印)が見えました。「パゴダ」とはミャンマー様式の仏塔のことだそうです。

 

 

 

 

 

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 分岐から急降下するように下りると、それまで見下ろしていた「パゴダの塔」が真横に見え、その内に見上げる高さにまでになって来ました。確かにミャンマー様式の仏塔にも見えます。名付けた人の眼力と知識に感服しました。

 

 

 

 

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 登山口からはまた長い林道を歩きました。ヒグマが出ても不思議ではない山域なので、何度も笛を吹きながら歩きました。他人が見ると臆病者に思えたかも知れませんが、安心して歩くにはなりふり構ってはいられませんでした。

 19年ぶりに訪れた札幌岳・豊滝コース、一人で登るには体力はもちろん、精神的にもタフさが求められるコースでした。

 

 帰りは最寄りの小金湯温泉「まつの湯」に寄って疲れを癒しました。露天風呂に浸かりながら今日の山行を思い返すのも乙なもので、自分の山歩きの楽しみの一つになっています。

 

 

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