空沼岳 1,251m

 

 

2014414日 快晴  同行者・S氏

 

登り・4時間30分(登山口〜山頂まで 休憩時間含む)

下り・2時間50分(山頂〜登山口まで 休憩時間含む)

 

その他、採石場〜登山口まで20

 

 

 

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GPSトラックログ  万計山荘から空沼岳山頂まで。

 

 

 

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 採石場近くの車道から空沼岳をズームアップ。望遠だと近そうに感じるが、5時間近くの歩きを覚悟している。山頂付近にはまだ雪が多く残っていそうなので、快適な雪上歩きが期待出来そうだ。

 

 

 

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 採石場の奥に車を停めて、登山口まで20分の林道歩き。固く締まった雪は踏み抜きもなく歩き易い。万計山荘までは約2時間半の歩き。1泊するための装備が入ったザックが重く肩に食い込んでくる。

 渡渉地点までは川に滑り落ちて行きそうな危険なトラバースもあるので、アイゼンを付けて来たのは正解だった。

 

 

 

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 静かな万計沼。乾いた冷たい風が凍てついた湖面を吹き抜けて行く。春夏秋冬、様々な装いを見せてくれる万計沼、空沼岳が多くの人に愛されるいちばんの要因かも知れない。

 山荘に宿泊装備の寝袋やコンロ、そして大事に運んで来たビールやワインや食料を置くとザックがフッと軽くなり、また山頂へ向かう意欲が強くなって来るのだった。

 

 

 

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 万計沼からマミス沼までは、方向さえ間違えなければどこを歩いても構わない。実際、数本のトレースが雪上に残されていた。

 当初、マミス沼の東にある1180mピークの北側を通って近道しようかと話し合っていたが、近道しているトレースがまったくないので、夏道に沿ったコースを選択することにした。

 

 

 

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 広い雪原と化したマミス沼。最奥に狭薄山の頂が見える。去年は同じ時期にあの頂きに登った。あの時から次は空沼岳と決めていた。最高の天候で実現出来たのはうれしい限りだ。

 湖面を吹き抜ける風が想像以上に冷たく、汗ばんだ身体がどんどん冷え込んで行く。さすがに耐え切れず、ここで風除けにレインウェアを着る。

 

 

 

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 マミス沼からの登りは1180mピークの近くを巻き過ぎたため、ちょっとスリリングだった。急坂を登り切ると目の前に空沼岳の頂が目に飛び込んで来る。

 ここからしばらくは平坦な歩き。どこを歩いても構わないのだが、足は自然と残されたトレースを辿っている。

 

 

 

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 目の前に現れた大きな雪壁。高さは50mくらいあるだろうか。空沼岳から札幌岳へ向かう縦走尾根に出来た大きな雪庇が、まるで衝立のようになって広がっている。夏山では見られない迫力ある光景に目を奪われる。

 

 

 

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 平坦な歩きが終わると、いよいよ縦走尾根に向かっての上りが始まる。ザラメ雪では問題なかったアイゼンへの雪付きが、この斜面の湿った雪ではダンゴ状態になってしまった。高下駄のようになったアイゼンの雪をストックで落としながら登る羽目になってしまった。

 

 

 

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 いよいよ山頂は近い。心配していた尾根の雪庇も簡単にクリア。うまい具合に雪庇の切れ間に吹き溜まった雪が、丁度良いスロープになっていたのだ。

 

 

 

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 北側が切れ落ちている空沼岳だが、南側は緩い斜面になっている。ハイマツや灌木に覆われた夏道とは違うイメージの斜面を歩いて山頂へ向かう。風雪に耐えたダケカンバが手を挙げて迎えてくれているようだ。

 

 

 

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 空沼岳には何度も登っているが、積雪期の登頂は初めて。やっと実現出来た喜びで自然と顔もほころんで来る。

 どこまでも澄み切った青い空。白く輝く様々な頂。見飽きることのない光景が目の前に広がっている。

 でも寒い! 山頂を吹き抜けていく風が強く冷たい。ゆっくりお弁当でも広げたいところだが、そんな余裕を持たしてくれるほど冬山は甘くない。周囲を眺め、写真を撮って、山頂滞在時間は終了。

 さあ、山荘に戻って酒盛りだ。

 

 

 

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山頂から支笏湖方面を見る。右から恵庭岳、風不死岳、樽前山。支笏湖を挟んで左にイチャンコッぺ山と紋別岳が見える。山頂直下にある「空沼」を見ようと、細長い山頂を南に向かって歩いたのだが、風が強いのと、雪庇上から覗くのが怖くなって途中で止める。

 

 

 

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 右手前には雪庇の出来た幅の広い縦走尾根。その向こうに狭薄山、その背後に無意根山が見える。ニセコ方面に目を移すと、秀麗と形容される羊蹄山がくっきりと姿を現している。

 

 

 

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 北側に目を向けると、右から手稲山、百松沢山、神威岳、烏帽子岳。左方向には手前に札幌岳、その奥に余市岳が見える。

 

 

 

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 帰りはバカ話をしながら、ゆっくりと歩く。好天だが気温がそれほど上がらないので雪が固い。それでも踏み抜きが嫌なので帰りはワカンを履いた。ワカンなら斜面をザックザックと下っても埋まることはない。快調に歩いて予定より早く山荘に到着。

 我々が戻ると、山荘前には万計沼まで上って来た単独男性が休んでいた。その後、少ししてから、また万計沼までの単独女性が上って来た。二人とも万計沼の上を歩いたり、写真を撮ったりしてから帰って行った。

 

 

 

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 まだ外は明るいのに酒盛り開始。薪ストーブから伝わる優しい温かさが心地良い。万計山荘の保存に尽力する「万計山荘を守る会」のみなさんのお陰で、こんな楽しい時間が持てる。感謝、感謝である。帰りに些少だが使用料として募金をさせて頂いた。

 今年の飲み物はビールとワイン。先輩はそれにウィスキーを加えていたのだが、それでも酒が足りなかったと反省?していた。肴は牛肉と玉ねぎの激辛中華風ワイン煮。家で仕込んできた物だが、意外と好評だった。山で食べる物は何でも美味い!・・・の類だろうか。

 

 

 

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 翌日も好天。陽が昇る頃に山荘を出発。トレース上が少し凍っているのでアイゼンを装着。またまたバカ話を繰り返しながらノンストップで登山口まで下る。

 最後の渡渉で川に落ちたら笑い話にもならなくなる。慎重に橋を渡ってやっと今回の山歩きが終わった。

 

 

 

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 採石場の奥に停めた車まで戻って着替えると、山歩きを終えた充実感がふつふつと湧いて来た。山頂での満足感、終わってからの充実感。これがあるから、また山に行こうと思えるのだろう。

 

 

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