積丹岳   1255.3m

 

20121027日 晴れ

 

登り・2時間50分(休憩時間含む)

下り・1時間45分(休憩時間含む)

 

 

 

 天気予報はどこもグリグリの晴れマーク。秋山最後のチャンスとばかり、早寝早起きして積丹岳を歩いて来ました。1992年の秋以来、なんと20年ぶりの再訪です。

実は8月中に旬の「ウニ丼」狙いを兼ねて、積丹岳の再訪を考えていたのですが、あの暑さで何もする気が起きず、結局はウニ丼も積丹岳も頭の中から消え去ってしまいました。
 20年ぶりの再訪とあって、記憶にあるのは「小屋があった」、「山頂から余別岳が見えた」くらいでした。
 そんなこともあって、まるで初めて登る山のように新鮮な気持ちで登ることが出来ました。
 確かに小屋から山頂までは記憶に残っているものが何もありませんでした。20年の歳月は記憶の断片すらも消し去っていました。
 それでも山頂に立つと、薄っすらと記憶の中から余別岳が浮かんできました。そうだ、この景色だったのだ!と20年前を思い起こすことが出来ました。

 早朝に家を出たおかげで一番乗りの積丹岳でした。登山者が少ないと言われる積丹岳ですが、好天の土曜日とあって、後から4組の単独行者やグループが登って来ました。
 山頂付近は残雪が氷化して滑りましたが、総じて緩い登山道で、快調に登ることが出来ました。

 帰りは「日本海ふるびら温泉・しおかぜ」で汗を洗い流しました。浴後に身体がポッカポッカになる温泉でした。

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GPSトラックログ(登りのみ)

 

 

 

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美国町から朝焼けの積丹岳を望む。

 

 

 

 

 

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国道229号線沿いにある登山口の標識。

 

 

 

 

 

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 国道沿いにある登山口の標識からアスファルト道1km、未舗装道2kmの3kmで積丹岳休憩所に着く。札幌北区の自宅から積丹岳休憩所まで85km。一般道を走って2時間10分。ニセコに行くより近いかも知れない。

休憩所の手前には大きな駐車スペースがある。未舗装道は整備されて走り易く、乗用車タイプの車でも安心して走れる。ただ道幅が狭く、待機場所も無いことから、対向車とのすれ違いに苦労しそうだ。

 

 

 

 

 

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 木の階段を上って休憩所の中をのぞいて見る。新しいタタミときれいに掃除された部屋は清潔感にあふれている。電気は通っていないようだが、石油ストーブがあるので発電機でもあるのだろうか。

 手前のテーブルに載っているのが入山届け出ノート。

 

 

 

 

 

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 休憩所の前には立派な水場があり、伏流水が常時流れ出ている。帰りに登山靴やスパッツが洗えるようブラシが備え付けられている。

 伏流水は程よく冷たく、のど越しがやさしくて美味しい。

 

 

 

 

 

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 駐車スペースの右側にある登山道入り口。車から「入山届」の文字が目に入ったので、この近くに届け出ボックスがあると思っていたら、左に小さく「小屋の中に有ります」と書かれていた。また休憩所に戻って入山届け出を書くことになった。

 草木が霜で濡れていたので、スパッツは着けずにレインウエアの上下を着て出発した。

 

 

 

 

 

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 休憩所登山口を出発して間もなく3合目の標識が見えて来る。そこから9合目まで1合目毎に標識がある。新旧が並んでいるので、見比べるのも面白い。

 登山道は手入れ良く刈り分けがされて歩き易い。明るくて緩やかな登山道だが、展望の無いのが惜しまれる。グループでお喋りしながら歩くには最高だろう。

 

 

 

 

 

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 5合目過ぎにある「ミズナラ」の巨木。枝が青空に投網を放ったように広がっている。根元には人の歩いた跡がはっきりと残っている。やはりこの位の巨木になると、木肌に触れて見たいと思う登山者が多いのだろうか。

 展望の悪い登山道だが、この巨木の脇から左手上部に積丹岳の山頂が望まれる。

 

 

 

 

 

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 7合目辺りまで来ると、登山道はかなり明るくなって来る。笹やぶの上を覗くと、これから向かう主稜線が見えて来る。右手は「ピリカ台」だろうか。山頂はその陰になって見えないようだ。

 

 

 

 

 

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 未明に結構な冷え込みがあったようで、登山道の水溜りに薄氷が張り、霜柱が立っていた。周囲の木々の葉や落ち葉には霜が白い縁取りを残していた。

 退屈な登山道だが、「フンベツの沢」、「テントの沢」と名付けられた小さな沢が変化を与えている。流れる水量も少なく、ひと跨ぎ出来る沢だが、古い標識が立っている。

 

 

 

 

 

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 主稜線に上がると「・・・台」としか読めない標識が立っている。ここが「ピリカ台」なのだろう。急に背後の展望が開けて、羊蹄山やニセコの山々が望まれるようになる。

 

 

 

 

 

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 「ピリカ台」を少し進むと余市や塩谷の海岸線が見えて来る。薄っすらと朝もやがかかった光景は幻想的に思える。

 

 

 

 

 

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 8合目を過ぎた辺りから日陰に残る雪が目立って来る。まだ気温が低いせいか、一部が氷化して滑る。足跡が残っているから、23日前に降った雪なのだろうか。

 

 

 

 

 

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 9合目から山頂部を見上げる。笹とダケカンバ林の間に登山道が見える。一番乗りの積丹岳だから、ちょっと熊が心配。所々で立ち止まり指笛を吹く。管理人の指笛はホイッスルよりも大きな音だから、たぶん熊は驚いて逃げて行ったに違いない。・・・と、思う。

 

 

 

 

 

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 山頂に上がる登山道から石狩湾越しに暑寒別の山並みを望む。雲ひとつ無い青空、最高の山日和だ。やはり早寝早起きして来て良かった。

 

 

 

 

 

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 北側の斜面を登り、三角点のある頂上に出ると、一気に眺望が広がる。西にそびえる余別岳は薄っすらと雪化粧をしている。20年ぶりに訪れた登山者を、頬に白粉でも塗って出迎えてくれたのだろうか。

 欠けた三角点、台座だけが残る積丹観音様。この頂上は少し淋しいので、「積丹岳」と彫られた丸木の頂上標識の方に移動して休息を取る。

 濡れた下着を着替えし、フリースを羽織る。シャツとレインウエアは風に飛ばされないようにして日干しにする。

 少し早いが、魔法瓶のお湯でみそ汁を作り、おにぎりの昼食を取る。おかずは無いが、これだけの景色を眺めながらの食事は最高だ。

 

 

 

 

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 山頂から見る羊蹄山とニセコの山々。尻別岳からアンヌプリ、そして雷電山まで、すべての山を確認出来る。それにしても、やはり羊蹄山は大きい。

 

 

 

 

 

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 ニセコ方面から少し左に目を移すと、幾重にも連なった山並みの向こうに、余市岳(中央)や無意根山(余市岳の右)などを盟主とする札幌近郊の山々が望まれる。

 

 

 

 

 

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 山頂から野塚の町と積丹岬(右)をズームアップ。帰りに野塚にある夕日の見える「岬の湯」で露天風呂でもと考えたが、帰路とは反対方向なのと、行楽日和で混雑が予想されるのでパスし、古平にある穴場温泉「ふるびら温泉・しおかぜ」で汗を洗い流した。

 

 

 

 

 

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 余別岳から南に派生する尾根上にあるポンネアンチシ山(手前左)。その向こうに見えるのは珊内岳。遥か彼方、雲上に浮かんで見えるのは狩場山(たぶん・・・)。

 紅葉を期待した登山ではなかったが、やはり見るべきものがなかった。紅く色付くナナカマドやカエデ等の植生が少ないのか、ほとんどがくすんだ黄色や赤褐色に山肌が覆われ、むしろ「わび・さび」という言葉が似合いそうだった。

 

 

 

 

 

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 後から登って来た単独行の男性にシャッターを押して頂いて記念撮影。一点の曇りも無い青空と、雑念だらけで暗雲立ち込める管理人とのコントラスト。1時間10分に及ぶ頂上での休息で、暗雲の半分は消し飛んだ・・・と思う。

 帰りは登山道に残っていた雪も融け、快調に歩くことが出来た。

 今度は立派な休憩所に泊まって見たいものだ。さぞかし楽しい登山になるに違いない。

 

 

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