2005年10月19日

 

 樽前山のナナカマドが見ごろと思い、おばさんと紅葉見物と洒落込んでみた。期待に違わず、7合目ヒュッテ付近のナナカマドが見事に色付いて、まるで樽前山の山すそが燃えているような景観を作り出していた。天候が良いのにも関わらず東山山頂では強い風が吹き続き、じっとしていると体温が急激に下がっていくのが感じられるほどだった。ゆっくり時間をかけて樽前山を一周し、自然美に溢れたこの山の雄大さと、心に染み込むような紅葉の美しさを心行くまで堪能したのだった。

 

 

 東山山頂で寒さに震えるおばさん。風が強く、昼食もほどほどにして西山へ向かった。最初は左周りに歩こうかと考えていたが、溶岩ドームから噴出される火山ガスが登山道の上に流れて行くのを見て、右回りに変更したのだった。

 

 

 西山から不風死岳を見ながら火口原を歩く。砂礫の中に真っ白い実を付けた「シラタマ」が這うように広がっていた。のっぺりとした麦ワラ帽子のような樽前山と、複雑な山頂地形を持つ不風死岳は実に好対照である。

 

 不風死岳のすそ野に広がる紅葉。雲の切れ間から差し込む陽の光が見事な紅葉を浮かび上がらせる。赤、紅、朱、橙、様々な暖色が織りなして作り上げる景観は、まさに美の極致といえよう。

 

 

 少し陽が陰ってくると、朱色に近い赤だったナナカマドが、今度は寂しげな紅色に変身していく。白い穂をつけたススキと対照的に燃えるような紅色が奥まで続いている。

 

 7合目ヒュッテから少し登ったところにある展望台から“燃え上がるナナカマドの海”を見る。左の山は不風死岳。奥には支笏湖の湖面が輝いている。