十勝岳 から 美瑛岳 

2006828

 

望岳台から「十勝岳」に登り、そこから「美瑛岳」へ縦走し、ポンピ沢を通って望岳台に戻るコースを歩いた。十勝岳非難小屋を過ぎた辺りから風が強くなり、前日「上ホロ・富良野岳」を歩いた時の涼風とはうって変わって、火山灰混じりの冷たい風が行く手を阻んだ。真正面から吹き付ける風は「十勝岳」山頂に着くまで吹き続けた。

「十勝岳」からは、どこが山頂か分からない平坦な「平ヶ岳」を通って「美瑛岳」へ向かった。十勝側に埋め尽くされた雲海が、いつガスとなって流れてくるのかヒヤヒヤしながら、後ろからの風に押されるように歩いた。「美瑛岳」の爆裂火口では、火口壁の内側を迷って歩く登山者と遭遇し、あまりの危険さに唖然としたのだった。

「美瑛岳」山頂から「ポンピ沢」までの急下降では膝が笑い、久し振りに肉体を酷使した充実の山歩きを堪能したのだった。

 

望岳台→3時間15(休憩時間含む)→十勝岳→2時間(休憩時間含む)→美瑛岳→2時間55(休憩時間含む)→望岳台

 

 スリバチ火口下の火山礫。崩壊寸前の非難小屋から本当の登りが始まる。澄み切った青空だが、風が強く、雨具を着てもまだ肌寒い。

 火山灰混じりの強い風に吹かれながら山頂直下まで来る。深い“雨裂”にえぐられた山頂はまるでひび割れた「設楽焼き」のようだ。

 十勝岳山頂から富良野岳方向を見る。噴火によって大きくえぐられた稜線は、爆発当時の凄まじさを物語っている。

十勝岳山頂から美瑛岳方向を見る。手前の平坦地は「平ヶ岳」。ここから美瑛岳までは複雑な地形となっていて、ガスに包まれると道を失う危険性がある。ぽっかりと口を開けた美瑛岳の後ろには「トムラウシ山」が聳えている。その右には「石狩連山」「ニペソツ山」、左に目を移すと「旭岳」を中心にした大雪山連峰が広がっている。

 十勝岳山頂を背後から見る。深い“雨裂”が渦を巻くように刻まれている。まるで大きな手で山頂がねじりあげられたようだ。

 「鋸岳」と「美瑛岳」。まるで刃の欠けたノコギリのような「鋸岳」の背後に雲海が流れ込んでくる。道を失っては大変と歩みを速める。

 雲海に包まれる「オプタテシケ山」。厚い真綿のような雲海が静かに押し寄せてくる。背後の山は「トムラウシ山」。

「美瑛岳」山頂から「十勝岳」を遠望する。手前の爆裂火口からは荒涼とした風景が広がる。この爆裂火口壁の内側に踏み込む登山者がいて驚く。

 たどり着いた「美瑛岳」山頂。爆裂火口を取り囲むように火口壁が並ぶ。十勝方面に敷き詰まった真っ白い雲海が美しい。

 爆裂火口から流れ出る水が「ポンピ沢」を作る。「美瑛岳」山頂から「ポンピ沢」までは膝が笑ってしまうほどの急下降。顔を洗ってさっぱりとする。