浦臼山718.2m844m

 

2014827日  晴れ

 

 

 

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GPSトラックログ

 

登り・1時間15分  登山口から浦臼山まで(休憩時間含む)

下り・55分  浦臼山から登山口まで(休憩時間含む)

 

浦臼山から844mまで片道1時間15分(往復2時間30分・休憩時間含む)

 

 

 

 

 

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浦臼町から見た樺戸連峰(帰りに写す)。

 

 

 

 

 

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 国道275号線を北に走り、浦臼駅を過ぎると右手に「ホクレン・ガソリンスタンド」が見えて来る。その道路向かいにお寺があり、その左に山側に向かって延びる道路がある。道路入口には「樺戸連峰登山道入口」と書かれた立派な標柱が立っている。

 

 

 

 

 

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 「樺戸連峰登山道入口」の標柱から山に向かって5キロ少々で大きな砂防ダムのある登山口に着く。道はほぼ一本道。途中に分岐はあるが、走り込まれた左の道を進む。帰りに分岐点を注意深く見ると、ポイ捨て禁止の看板の下に、草に隠れた「登山道入口←」の標識があった。

 

 登山口には入山届出ボックスが木に取り付けられていたが、目の前のロープに下げられた注意書きには「クマ出没のため登山道閉鎖」と書かれていた。

 ほぼ同時に登山口に着いたオフロードバイクの年輩の男性と話し合って、お互い自己責任で登りましょうということになった。

 男性はこのコースの経験者で、樺戸山から隈根尻山のコースはブッシュが酷くて歩ける状態ではないと教えてくれた。

 

 

 

 

 

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 登山道は元車道だったようで幅が広くて歩き易い。気温もそう上がっていないから夏特有のむせ返るような暑さもないので気持ちが良い。

 

 

 

 

 

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 元車道とは言っても、手入れが行われていないので草は伸び放題になっている。途中に崩壊箇所もあるが、補修する考えもないようだ。今の地方自治体にはこんなところに経費を回す余裕がないのだろう。

 これでは国道脇にあった「樺戸連峰登山道入口」と書かれた立派な標柱が泣いているに違いない。

 先を歩く男性はクマ除けのホイッスルを吹いたり、要所で爆竹を鳴らしてくれるので、後ろに続く者としてこんな安心なことはない。クマ除けの鈴だけの独り歩きだったら、結構ビビッていたのだと思う。

 

 

 

 

 

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 道が開けて明るくなったころ、目の前に大きな反射板が現れる。道の右手の草むらにはペイントで描かれた樺戸連峰の案内図が転がっていた。

 

 

 

 

 

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 反射板を過ぎると道は傾斜を増し、快調だった歩みも段々と速度を落とすようになってしまった。それまで汗の出なかった額や首筋から、我慢しきれなかったかのように滴が落ちて来た。

 後ろを振り返ると、黄金色に色付き始めた滝川方面の田園風景が見えた。

 

 

 

 

 

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 傾斜が緩んで道が平坦になったころ、左手が開けて田園風景を一望出来る地点に出る。その開けた左を見ると浦臼山の山頂標識がある。ちょっと呆気なかったが浦臼山に到着である。

 同行の年輩男性とシャッターを押し合っての記念撮影。初めて登った山なので、やはり嬉しさは隠し切れない。

 

 

 

 

 

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 山頂から浦臼町を見下ろす。石狩平野の北端部に位置するこの辺りは、石狩川に沿って平野部が広がっている。

 残念ながら大雪山や十勝連峰は雲に隠れて見えない。夕張岳や芦別岳も山頂部が雲に隠れてしまい確認することが出来ない。

 

 

 

 

 

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 山頂から少し先に進むと、右手にまた山頂標識が現れる。こちらは先の山頂より展望が良くない。どちらも同じ高さだが、地図を見ると最高点は最初の山頂のもっと手前のようだ。

 こんな小さな山に山頂が二つとは・・・。

 

 

 

 

 

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 二つ目の山頂標識の前には立派な石板が置いてある。1970年に浦臼町の「ライオンズクラブ」が設置したようだ。

 ふた昔以上前は「ライオンズクラブ」の会員と言えば、成功した大人が社会に貢献する、そのステータスシンボルだった。儲けが何よりも優先する今の時代、そのステータスは生きているのだろうか。

 

 

 

 

 

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 浦臼山から少し先に進むと道は狭まり、細い踏み分け道に雑草が覆い被さっている状態になる。行く手にはいくつかのコブと隈根尻山(右奥)が見える。どうやら「夏山ガイドブック」に載っていた写真とは大違いの状況のようだ。もう何年も草刈りの手入れがなされていないのだろう。

 

 

 

 

 

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 先導を買って出てくれた男性もルートを探すのに四苦八苦の状態。両手で草や笹を掻き分けながら踏み跡を辿る作業は大変。まさに尾根の上での平泳ぎ状態になってしまった。

 

 

 

 

 

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 やぶ漕ぎをしながら後ろを振り返って浦臼山を見る。見ての通り浦臼山の山頂と言っても尾根の中のひとつのコブである。尾根上にはもっと標高の高いコブがいくつかあるのだが、名前の付いているのは浦臼山だけ。樺戸山は地図上では「890m」としか記されていない。

 

 

 

 

 

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 先導する男性が先が見えずに道を外れると、後ろに付いている自分が声を掛けて修正する。後ろにいると道の先がどの方向に延びているか予測し易いので、一人で進むよりも余程効率が良い。

 

 

 

 

 

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 一瞬、これが樺戸山かと思ったが、これは844mの前コブだった。結構アップダウンの多いコースだが、それよりも想像以上のやぶ漕ぎに泣かされた。

 両側が切れ落ちた尾根が多いので、残雪期でも苦労しそうなコースだ。

 

 

 

 

 

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 前コブを下るとまた深い笹やぶに突入する。背丈を完全に越えているので、前が全く見えない。ここでもルートを探すのに苦労する。踏み跡を少しでも外れると、もうお手上げ状態に陥ってしまう。

 もうこのコースは「夏山ガイドブック」から外した方が良さそうだ。

 

 

 

 

 

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 腰ぐらいのやぶ状態だとホッとする。周りの景色を楽しむ余裕も出て来る。時おり尾根上を吹き抜ける風が心地良い。

 

 

 

 

 

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 844mのコブ(帰宅後、確認して分かった)で男性が「ここら辺りが樺戸山だと思う」と言うので周りを見渡したが、山頂標識らしき物は見当たらない。GPSの高度を見ると844mと表示されていた。行く手を見ると樺戸山と思われる頂きと、そこから尾根続きになった隈根尻山が見えた。

 しかし、このやぶ状態ではここから樺戸山まで1時間は掛かりそうだ。もう戻る潮時かも知れないと、男性の言葉を受け入れることにした。

 男性と狭い頂きに腰を下ろして談笑しながら軽食をとる。右手の沢に延びている林道の無計画さを教えられ、いかに税金が無駄使いされたかを知らされた。公共事業の名の下に、湯水のように税金を使った時代の名残なのだろう。自然を破壊して、完成もせずにほったらかしの公共事業が、全国にどれ程あるのやら。

 

 

 

 

 

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 30分ほど休憩して来た道を戻る。今度は自分が先導役を買って出た。途中の深いやぶでは所々の草木の枝を折って来たから、多少だが戻りの目印になった。

 行く時は右手に、帰りは左手に、ずっとピンネシリ山が姿を見せていた。手前の山は待根尻山。写真を撮りながら、もうトンボが舞う秋空かと思った。

 

 

 

 

 

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 これが見納めの浦臼山から見た田園風景。登った時と違って、夕張岳や芦別岳はすっきりと頂を見せていた。しかし、期待していた大雪山や十勝連峰は残念ながら見えず仕舞いだった。

 

 戻りも男性と談笑しながら下った。もし一人だったら何処まで行けただろうか。やぶ漕ぎに負けて早々と退散したか、それとも蛮勇をふるって樺戸山まで足を延ばしたか。それは今でも分からない。

 

 次の日は足よりも両肩の筋肉の方が張っていた。やぶ中で踏み跡を探すために、平泳ぎをしたのが原因だろう。心地良い疲れだったと強がっておこう。

 

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