洞爺湖・有珠山 フットパス巡回

 

201368日 快晴

 

 

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GPSトラックログ 「四十三山(よそみやま)コース」

 

 

 

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 早朝、ニセコの町から洞爺湖へ向かう。途中、国道230号線にある「サイロ展望台」近くから洞爺湖を見下ろすと、湖面は厚い雲海に覆われていた。まるで湖面の上に真綿を敷き詰めたようで、その中央に中島が真綿を破ったように突き出ていた。

 

 

 

 

 

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 国道を温泉街方向に下って行くと、途中からヘッドライトを点けなければならない程の濃い霧に包まれ出した。湖面を覆う雲海の中に入ったのだった。

 温泉街のホテル群を抜けて湖畔の駐車場に車を停める。近くのコンビニからコーヒーと朝刊を買って来て、霧の晴れるまでの小一時間、車の中で待機する。

 やっと背後に有珠山が見え出したので、「フットパス明治新山(四十三山)コース」と書かれた標識があるアスファルト道をスタートする。

 

 

 

 

 

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 緩いアスファルト道を上り切った先に、コース入口の階段がある。周りは新緑に包まれているが、朝からの強い日差しで熱気が漂っている。

 

 

 

 

 

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 入口の階段から少し進むと、大きな河石を丁寧に敷き詰めた散策路が続いている。よくぞこれだけの河石を集めたものだと感心する。これが最後の出口近くまで続いているのだから、敷設するにあたっては大変な労力を要したに違いない。このコースは散策路自体に価値があると言っても良いだろう。

 

 

 

 

 

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 四十三山(明治新山)と噴火口跡を分ける分岐から噴火口跡へ向かう。少し歩けば四十三山の頂上だから、登っておけば良かったと後で後悔する。

 階段が設けられ、上から見学することの出来る小さな「噴気口」からは水蒸気が吹き出ていた。

 

 

 

 

 

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噴気口のある階段に設けられた説明板

 

 

 

 

 

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 深い沢の淵を迂回しているように歩いたのだが、何とその沢状に見えたものが噴火口跡だった。100年も経って植生が進み、今では周りの景観と違いがないので、あらためて噴火口跡だと言われないとなかなか気が付きにくい。後で地図を見ると、確かに噴火口跡だと分かるくぼ地になっていた。

 帰りも整然と河石が敷き詰められた散策路を下って湖畔のホテル群横に出た。

 

 

 

 

 

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 駐車場までは湖畔の道を通って戻る。湖畔に並ぶ彫刻像やモニュメントを掃除するボランティアの人たちが、水の入ったバケツや雑巾を持って汚れを落としていた。

 

 

 

 

 

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 今度は車で移動して「昭和新山・有珠山コース」を巡る。駐車場のおじさんに「有珠山に歩いて登る登山道はないのですか?」と尋ねると、「昔はあった!!」という返事だった。近くの観光案内所に行っても分からないので、ロープウェイで有珠山に上がることにする。ロープウェイ(往復1,450円)で上がる途中、ゴンドラの下をのぞくと、何やら登山道らしきものが見えた。しかしその道は明瞭ではなく、木陰に消えているから、果たして山頂駅までたどり着けるのかどうかは定かではない。

 駐車場から見た昭和新山は、子供のころ見た時よりカドが落ちて、丸みを帯びて来たように感じた。

人間も(とくに管理人)こうありたいものだ。

 

 

 

 

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 ロープウェイを降りて外輪山遊歩道へ向かう。右手には大有珠の岩頭が見える。観光客の半分以上はロープウェイ駅まで。残った観光客は火口原展望台まで歩くが、そこから先の外輪山遊歩道に踏み込むのは数人だった。

 

 

 

 

 

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 火口原展望台から有珠新山や小有珠方向の火口原を見下ろす。中央に銀沼大火口の噴煙が見える。ここからは大有珠、有珠新山、小有珠、銀沼大火口、そして噴火湾が一望出来るのだが、残念ながら伊達方向から吹き上げてくるガスのために視界が悪くなっている。

 

 

 

 

 

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 外輪山遊歩道の階段を下りて銀沼大火口を見る。遊歩道の最終地点まで歩こうと思ったが、想像以上にガスの吹き上げが激しく視界が悪いので、階段終了点から戻ることにした。

 

 

 

 

 

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 昭和新山前の駐車場から車で移動して、今度は「洞爺湖ビジターセンター火山科学館」前から始まる「金比羅火口災害遺構散策路」を歩く。

 目の前には2000年の噴火で廃墟となった「やすらぎの家」(左)や、「桜ヶ丘団地」(右)が遺構として保存されている。

 

 

 

 

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 最初に現れる噴火口跡の「珠ちゃん火口」。2000年の噴火以後植生が進んで、噴火口だった面影がわずかに残るだけ。こんな近いところから噴煙が上がるとは、当時の住民は生きた心地がしなかっただろう。

 

 

 

 

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「珠ちゃん火口」の少し上にある「有くん火口」。ここは2000年の噴火で出来た最大の火口。火口の直径は約200メートルと大きく、湖面はエメラルドグリーンに輝いている。

 

 

 

 

 

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「有くん火口」から温泉街方向を見る。手前に「やすらぎの家」や「桜ヶ丘団地」が見える。この火口から温泉街中心部まで1キロと離れていない。

ここから「西山山麓火口散策路」まで歩いて行くことが出来るが、また戻って来なければならないので、ここから駐車場まで引き返す。

 

 

 

 

 

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 「西山山麓火口散策路」の駐車場前に見える「西新山沼」。国道が噴火による地殻変動で陥没して沼になったという。左は元消防署の建物で、今は火山資料が展示されている。

 

 

 

 

 

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 お車で展望台まで行けます!の文字に誘われて、車を先に進める前に下の料金表を見て欲しい。何と二輪車・乗用車が1,000円、大型車が5,000円となっている。たかだか1キロ先の高台の駐車場なのに、あまりにも高い料金設定と言わざるを得ない。個人経営の駐車場だから、このような料金設定になるのだろうが、昭和新山の立派な駐車場だって二輪車は100円、乗用車は410円、マイクロバスが820円、大型バスが1,630円の料金なのだ。

 観光客のリピーターを本当に多くしたいと考えているのなら、観光地の評判を落とすような料金設定は如何なものかと考えてしまう。 

 

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