野牛山(やぎゅうさん)539.2m

 

 

2012921日 晴れ

 

登り(清水沢林道コース)50

下り(野牛山林道コース)1時間15

 

 

朝から思わぬ涼しさで、空気もカラッとしています。何もしないのは勿体ないので、ハイキング気分で南区にある未踏の低山「野牛山」(やぎゅうさん)を歩いてきました。

 北海道新聞社発行の「夏山ガイド」には載っていないので、管理人が昔買った「札幌周辺さわやかハイク」(1986年発行)が参考資料です。ネットを見ると、「滝野すずらん丘陵公園」側から多くの人が登っていました。
 片道1時間程度の低山なので、同じ道の往復では面白味がないと、登りは公園側から、下りは「さわやかハイク」のルートを選びました。

 「滝野すずらん丘陵公園」側から入ると、入園料や駐車料金を取られるので、地図を見ながら民家近くの林道から登ることにしました。

最初は林道入り口を間違えて、立派な祠のある所で行き止まりになり、往復で40分程無駄な時間を費やしてしまいました。
 

二度目は慎重に林道入り口を探して出発しました。山頂までは50分。急な登りもなく、軽いハイキング気分で山頂に着きました。
 下りは・・・んんん。道がない!いや笹に覆われて下が見えないのです。きっと何年も笹刈りが行われていないのだろうと突き進みました。
 しかし段々ひどくなる笹と絡みついたぶどうツルで、なかなか身体が前に進みません。前も見えず、何とか足元に見える道らしきものを頼りにして下りました。
 もし道が違っても下には必ず林道が横切っているはず・・・という楽天的な考えだけが頼りでした。

 ハイキングのつもりで来た山で、まさか20分のヤブ漕ぎをするとは思いませんでした。この下る道は、もう廃道なのでしょう。
 参考にした資料が古過ぎました。26年も前の本だと、こういうことも起きるのです。

 山は変わらないと言いますが、道は変わるものです。

 

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GPSトラックログ

 

赤線が登り、青線が下り。山頂から林道合流点までの下りは踏み跡もない廃道で、先の見えないササ薮漕ぎになった。

 

 

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「札幌周辺さわやかハイク」(1986年発行)に載っている野牛山のページ

 

もう参考にはなりません。

 

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 真駒内滝野霊園から見た「野牛山」の全景。牛が寝ている姿に似ているから付けられた名前らしいが、どうもそのイメージが湧いて来ない。見る方角が違うのだろうか。それにしても「野牛(やぎゅう)」とは猛々しい。山の雰囲気からしても「野牛(のうし)」の方が似合っていると思うのだが。

 

 

 

 

 

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 最初は集落から先に進んだところにある「アイケン工業且ミ有地」のゲート前に車を置いて歩き始めた。ゲートは開放されていたのだが、立ち入り禁止の看板があったので遠慮したのだった。

 林道は2本に別れ分岐していたのだが、迷わずに整備された左の方を選んで進んだ。振り返るとススキの穂先に藻岩山が見えた。

 しばらく歩くと大きくカーブした林道の先に立派な祠が立っていた。周りを見渡しても祠の先から進む道がない。どうやら道を間違えたようだ。もう一度地図を確認すると、立ち入り禁止の看板の手前に林道の入り口があるようだ。

 地図を見ながら戻ると、車で通り過ぎた三角屋根の民家の横にある道が林道入り口だった。どう見ても民家の入り口だと早合点したのが間違いだった。

 結局、40分の時間ロスをしてしまった。

 

 

 

 

 

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 林道入り口近くには駐車スペースがない。仕方なく使用されていない古い石橋の上に駐車した。下には深い小川が流れている。写真は道の上方から撮ったもので、林道入り口は右側にある。

 

 

 

 

 

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 林道は車一台が楽々通れるほどの広さだった。道は奥まで延びているようで、どうやら今度は間違いなさそうだった。

 

 

 

 

 

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 鼻歌気分で林道を歩いていると、大きな土のうを大量に積み上げた広場に出た。その先には長々とフェンスが張られている。どうやら公園側に動物が入り込まないためのフェンスのようだ。

 林道はこの土のうに沿って続いていた。

 

 

 

 

 

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 土のうのある広場から少し進むと、「清水沢作業道」と書かれた標識の下に、車止めゲートがあり、施錠は開放されていた。

 

 

 

 

 

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 ゲートから少し進むと林道は二股になっている。予定通り公園側から登るので、清水沢の標識がある林道を進む。

 

 

 

 

 

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 林道歩きは気持ち良いが、猛烈な轟音が頭上から落ちてくるのには参ってしまった。近くにある自衛隊島松演習場に飛んでくるジェット戦闘機が、ロケット弾や機銃掃射の訓練をしているのだろうか。低空で頭上をかすめて飛んで行くから、中途半端ではない音が森に響き渡る。

 そんな喧騒の中を歩いていると、左手から上がってくる公園側のコースと合流する。右手の標識を見ると公園からのコースには「長尺コース」と名が付いているらしい。

 

 

 

 

 

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 「長尺コース」と書かれた標識を右手に見ながら直進すると、程なくして「野牛山登山道入口」の標識が見えてくる。これまでの林道歩きと違って、ここからが本格的な登山道になるようだ。

 

 

 

 

 

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 登り始めは少し湿り気のある登山道だが、傾斜も緩く歩き易い。途中、小さな沢に架かる丸木橋を渡るくらいが変化らしい変化だろうか。

 登山道の先陣きりはクモの巣との戦いがある。油断していると顔にべったりとクモの巣が貼り付く。ポールでクモの巣を払い除けながら進んだ。

 

 

 

 

 

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 山頂が近くなって、少し傾斜がきつくなってくるとロープ場が数ヶ所現れる。ロープに頼る必要もない斜面だが、子供も登る山なので安全対策なのだろう。

 

 

 

 

 

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 頂上に着くと、大きなオンコの枯れ木が出迎えてくれる。朽ち果てたような枯れ木の下部には「昭和5712月雷が落ちて燃えたオンコ=イチイ」と書かれた看板が取り付けられていた。

 じっくり見上げると、なかなか味のあるオブジェのようだった。中央部は土偶やテナガザルに思えてしまうから可笑しい。

 

 

 

 

 

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「札幌周辺さわやかハイク」(1986年発行)には、頂上からの展望は素晴らしいと載っていたが、それは26年前の話しで、今は成長した樹林の間から臨む光景を楽しむだけである。

 いちばん良く見えるのが北の藻岩山方向。右手に札幌市街、手前に真駒内滝野霊園にあるモアイ像が並んで見える。

 

 

 

 

 

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 三等三角点のある立派な頂上だが、地図上には山名が記されていない。ゆっくり休憩を取りたいところだが、眺望も良くないしジェット機の爆音も凄いので、写真だけ撮って下山することにした。

 

 

 

 

 

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 下りの道は山頂の一段低い平地から南側に延びている。しかし、あまり利用されている形跡が見えない。少し進むと登って来た登山道につながるように左側の笹が刈り込まれていた。

 しかしわずかに直進する道が判別出来る。かなり笹が覆いかぶさってきているが、何とか歩けるようだ。かなりの間、笹刈りの手入れをしていないのだろう。そう考えながら迷わず足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

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 笹を手でかき分けながら進むのだが、段々と密集度が増してきて、挙句の果てにはブドウのつるに捕まってしまった。

 どうやら笹刈りの手入れをしていないのではなく、もう廃道になっているのだと気付くのに時間は掛からなかった。途中からは踏み跡らしきものも無く、ただただ笹をかき分けながら進んだ。

 写真はカメラを高く掲げて写した笹やぶなので低そうに見えるが、実際は先が見えない。それでも必ず林道に出られるはずという楽天的な考えで突き進んだ。

 

 

 

 

 

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 時間的には20分ほどのヤブ漕ぎだったが、何だか小一時間も笹ヤブの中にいたような気分だった。林道から下りてきた笹ヤブを振り返ると、とてもここに登山道があるとは思えないぐらい笹が密集していた。

 

 

 

 

 

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 密集した笹ヤブ登山道に比べると、戻る野牛山林道は一級国道に思えてしまう。針葉樹の多い山だが、所々で見られる広葉樹が葉を落とし、もう秋なんだと感じさせてくれた。

 

 

 

 

 

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 戻り道の野牛山林道はなかなか眺めが良いポイントが何ヶ所かある。樹林の間から空沼岳や狭薄山、藤野の山々越しに烏帽子岳や百松沢山、遠くに余市岳を眺めることが出来る。

 

 

 

 

 

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 野牛山林道と清水沢作業道が合流する二股で山歩きは終了。後は林道を歩いてスタート地点に戻るだけ。途中でオフロードバイクが追い抜いて行った。30年ほど前、まだ林道ブームが起きる前に管理人が林道をかっ飛ばしていた頃と装備が違う。なにかモトクロスレースから飛び出て来たようなカッコイイ出で立ちだった。

 凄まじいジェット機の爆音とバイクのオイル臭。そしてスターとのコースミスと想定外のヤブ漕ぎ。楽なハイキングを決め込んだ割には色々あって充実した山歩きとなった。

 

 

 

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