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定山渓天狗岳から見た初冬の余市岳

札幌近郊の山々をまとめる大親分 

  

 

余市岳 1488m

 

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札幌近郊の最高峰「余市岳」。山好きな先輩の話では昔は近くにありながらも遥かな山だったらしい。白井川本流、右股川、左股川から沢を詰め、疲労困ぱいの状態で頂上に辿り着いたという。しかし今は小樽側から「赤井川ルート」(昭和47年開通)が設けられ、誰もが日帰り登山を楽しむことができる身近な山になった。平成3年にはスキー場を抱える大型リゾート「キロロ」が進出して、夏冬問わず一層の賑わいを見せるようになった。リゾート開発直後は山肌の赤土が剥き出しとなって悲惨な様相を呈していたが、10年近くも経って緑が回復してきたせいだろうか、当時、自然を破壊する開発に抱いていた嫌悪感が、時とともに薄れてきている自分に驚いている。 

晴れた日の余市岳山頂からは札幌近郊の山々は勿論のこと、積丹半島の山々、暑寒別の山々、羊蹄山を始めとするニセコの山々が大パノラマのように一望できる。空気が澄んでいれば夕張や十勝、そして大雪の山々まで見通すことができる超一級の展望の山なのである。山容も文句無しの一級品で、春先に豊羽鉱山へ向かう途中から見る余市岳は最奥に鎮座して、その雄大な姿を真っ白に輝かせている。他の山々を圧倒するその姿は神々しいまでの気品と貫禄に満ちている。まさに札幌近郊の山々の中で、高さ、気品、展望、どれを取っても最高の山なのである。

 

登り (2時間25分) 登山口 → 1時間20分 → 見晴台 → 1時間05分 → 山頂

  下り (2時間10分) 山頂  → 1時間05分 → 見晴台 → 1時間05分 → 登山口

 

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登山口の標識・・・札幌から「毛無峠」を通り、登山口のあるスキー場・リフト下まで1時間30分程度。「マウンテンホテル」右から伸びる林道は結構荒れているので、慎重に運転したい。登山口の駐車スペースは広く、近くに立派なトイレがあるのが嬉しい。

 

 余市川源流(右股沢)・・・歩き始めは川音を聞きながら清涼感のある山歩きが楽しめる。途中に徒渉個所があるが、飛び石伝いに渡れるので心配はいらない。岩魚がいそうな清流は自然がそのまま残っている。このまま手付かづの状態で残してほしいものだ。

 巨大化したホウレンソウ?・・・尾根への急登手前に小さな湿地帯がある。7月の初め頃まで白い花をつけていたミズバショウなのだが、今は巨大なホウレンソウと成り果てている。茹でてカツオ節なんかふりかければ食べられないかな?

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 となり尾根に建つゴンドラ山頂駅・・・休日にはゴンドラが営業運転しているので、これを利用すれば余市岳山頂まで2時間で登れる。まだそこまで堕落したくはないので、当然歩いて登る。

 

 

 尾根上の刈り分け道を歩くおばさん・・・尾根への急登を登り切れば、後は緩やかな道が続く。気温の上昇と比例するように水分補給に余念が無いおばさんはマイペースで歩く。

 朝里岳から続く稜線上にある見晴台から余市岳山頂を見る・・・しかし北東コルの上部に雲がかかり山頂部を隠している。この辺りから多くの下山者とすれ違う。何せ出発が11時と遅かったからなあ。

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 余市岳山腹を登るおばさん・・・見晴台からいったん下ると北東のコル。ここからの登りが最後の頑張りどころ。背後には歩いて来た登山道がはっきり見える。ササの中、右手に伸びている道は「白井右股川コース」。

 

 山腹を登り切り、ぐったりのおばさん・・・最初はジグザグに登り、途中から涸れ沢状の道に変わるが、それも少しの間。最後はハイマツ帯を抜けて頂上台地に出る。背後には朝里岳の通称「飛行場」が広がっている。

 山頂でシャッターを押すおじさん・・・埼玉県から来たおじさんに撮影を頼まれる。定年退職後、全国各地の山を巡っているという。先週は羊蹄山に登り、このあと羅臼岳でも行こうかなどと言っていた。うーん、羨ましい。

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 山頂から見る定山渓天狗岳・・・岩肌が露出した特徴のある山容を見せる「定天」。その奥には百松沢・南峰、烏帽子岳、神威岳(左から)が並んでいる。ハイマツに覆われた山頂は遮るものが無い最高の展望台である。

 これはナンダロウ?・・・植物でもない苔でもない、キクラゲ状の不思議な生命体。“南方熊楠”大先生に聞かなければ解らないのだろうか。意外と小学生でも知っていたりして。

 山頂のハイマツに埋もれるおばさん・・・ご飯も食べたし、景色も堪能したし、あとは下山してからキロロの「森林の湯」に入るのが楽しみ。山頂のお花畑は盛りを過ぎていたが「エゾオヤマノリンドウ」が綺麗だった。

 

 

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