羊蹄山 1,898m
2014年8月31日 晴
真狩コース
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GPSトラックログ
青旗は1合目毎の印です。
登り・5時間15分(旧小屋跡経由・休憩時間含む)
下り・3時間20分(岩場経由・休憩時間含む)
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前日、真狩・道の駅から写した羊蹄山。道の駅入り口にある、大きな丸い鏡に映った画像ですから反転しています。
真狩・道の駅は風向きの関係か、絶えず周囲の畑の堆肥の臭いが流れて来ます。その所為でしょうか、広い夜の駐車場には自分の他に1台が停まっているだけでした。
駐車場から見上げる夜空は満天の星で、時おり流れ星が見え、ゆっくり移動する宇宙船が確認出来ました。
道の駅で食べた名物の「ユリ根かき揚げそば」(大盛り1400円)、かき揚げはユリ根の甘さが生かされていてマアマアでしたが、肝心の麺とつゆの味が今一つでした。特に麺が絡まってしまい、食べるのに一苦労でした。出来れば丼スタイルではなく、ザル盛りスタイルにした方が良いかも(これは私個人の意見です)。
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登山者専用駐車場の入り口から見た朝の羊蹄山。ちょうど東から朝陽が射し始めたところです。心配していた天候も、雲ひとつない空が今日の快晴を保証してくれているようでした。
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真狩コースの登山口。朝5時半でしたが、届出ノートを見ると、もう何組かが出発していました。歩行時間の長い羊蹄山、やはり早立ちが鉄則のようです。
スタートしてすぐに後から歩いて来た男性に声を掛けられました。熊本から来た年輩の男性で、車で全国を旅しているとの事でした。旅をしながら山に登り、ここまで大山、鳥海山、岩木山などを登って来たと話してくれました。羊蹄山の後は旭岳、利尻岳、羅臼岳を登る予定とのことで、まだ登山を始めて1年だと教えてくれました。
どうやら登るペースも同じようです。羊蹄山は初めての男性ですから、歩きながら色々なことを聞いて来ます。それならと最後まで同行することにしました。
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2合目を過ぎると樹林の間から尻別岳が見え始めます。男性に横に見える尻別岳の姿を記憶しておくと良いですよと話し、山頂に着いた時、また尻別岳を眺めて羊蹄山の高さを感じて下さいと話しました。何だかガイドみたいですね。
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3合目からは真狩側の山頂部が見えます。岩場になっていますから少しゴツゴツしています。昇り始めた朝陽が登山道に差し込んで来ます。汗が少しづつ下着に浸み込んで来ました。
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8合目を過ぎた辺りから洞爺湖を見下ろします。真ん中に見える小さい山が昭和新山ですよと教えると、男性は「あ〜、あの有名な山ですか」と言って写真に収めていました。
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9合目の分岐を過ぎてから新しく出来た避難小屋を写しました。大きさは旧避難小屋の半分くらいでしょうか。もう大きい小屋は必要のない時代なのかも知れません。
登って来る途中で、大きなゴミ袋をザックにぶら下げた若者グループと行き違いました。ゴミ袋の中にはビールの空き缶がたくさん詰まっていました。さぞかし避難小屋での宴会は楽しかったことでしょう。
自分もウン十年前、同僚と二人で鍋と酒を担ぎ上げ、小屋の管理人さんと3人で小宴会したことを思い出しました。
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9合目から外輪壁はすぐ目に上に見えますが、実際に歩くとことのほか長く感じます。疲れがピークに来ているからでしょう。男性は、鳥海山もきつかったが、こちらの方がきつく感じると話してくれました。息継ぎも大変なようで、話す言葉も段々と少なくなってきました。
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男性にとって最初で最後の羊蹄山になりそうですから、時計回りに外輪山を1周することにしました。
旧避難小屋を過ぎてから、比羅夫コースと合流して大外を周ります。
湧き上がって来た雲の切れ間から倶知安の町や岩内港が見え、その奥に積丹半島が見えます。泊村の原子力発電所を指差しで教えてあげると、九州でも川内(せんだい)原発が再稼働で問題になっていると話してくれました。
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外輪壁の北側に来ると眼下に京極の町が見えます。その奥に前日に登った喜茂別岳が確認出来ました。男性は明日は休養日にあて、札幌から富良野の町に行くと話し、富良野の風景を楽しみにしているようでした。
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またも来ました羊蹄山、と言ったところでしょうか。この山に登る度に、その大きさを感じます。山頂までの所要時間もそうですが、外輪壁から「お釜」を眺めた時、この広大な風景すべてが山頂部だと、その山の大きさに感動するのです。
男性もその「お釜」の大きさに、ただただ感動しているようでした。
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山頂から尻別岳を見下ろします。登る時に横に見えていた尻別岳が、今ははるか下方に見えることに男性は驚いていました。これだけの高度差を自分の足で登って来たことに感動しているようでもありました。
山頂下で少し早い昼食です。互いに差し出す食べ物はほとんど同じ。「考えることは同じですなあ」と笑われてしまいました。男性は自分より4歳年上でしたが、気持ちの若さは自分よりも下に感じてしまいました。
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昼食を終えてから、岩場を通って真狩コースに戻ります。本当に怖い岩場には巻き道が付いています。注意深く歩けば怖い所ではありませんが、コースを間違えて足を滑らせれば大怪我する所もあります。
風の強い時やガスの濃い時には避ける方が賢明かも知れません。
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岩場から「お釜(父釜)」を見ます。その向こうの北側には「母釜」と「子釜」があります。「母釜」と「子釜」の周辺には秋の花「エゾオヤマリンドウ」が見事に咲いていました。
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岩場の終点近くから山頂(中央)を見ます。男性はお釜の撮影に余念がありません。この感動を写真に収め、帰宅してからまた感動に浸るのでしょうか。その時はガイド役?の自分のことも思い出してくれるのでしょうか。
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外輪壁の分岐点に戻りました。ちょうど若者のグループが到着したところで、その内の一人はかなり疲れてへたり込んでいました。そんなに疲れるほどのペースで登ることもないのにと思いながら、若いから出来ることだと少し羨ましく感じました。
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8合目で休む男性。下りもゆっくりとお喋りしながら歩きました。膝を痛めてしまっては男性のこれからの計画に支障が出ます。膝が痛くなる前に休憩と言って下さいねと伝えました。安全策を取って2合目毎に小休止しました。
7合目辺りから雲が湧いて来て、下の方が見えなくなりました。そうなるとお喋りは世間話に変わります。九州の女性のこと、九州の結婚式はお金が掛かること、趣味のこと等々、楽しく話してくれました。
北海道にはフェリーの往復割引期間ギリギリの2週間滞在するそうです。楽しい北海道を満喫してくれたらと思いました。
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無事に下山しました。男性と交互に下山記念の撮影です。男性にはガイド役を深く感謝されました。拙いガイドでしたが、これが少しでも北海道のイメージアップになったと思えば、こんな喜ばしいことはありません。これは単なる自己満足ですから悪しからず。
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