夕日岳590m朝日岳598m

 

20111014日 晴れ

 

 

2011年の紅葉見物をどこの山で楽しもうかと考えた結果、まだ登っていない定山渓温泉を挟んで東西にある低山、夕日岳と朝日岳を登ることにした。

 夕日岳と朝日岳は低山ということもあって、これまで山登りの対象とは見ていなかった。しかし二つの山を続けて登れば、それなりの満足感は得られそうだ。

 ちょうど良い具合に色付いた定山渓周辺の山々がパッチワークのように美しい。紅葉を遠くから眺めるのも楽しいが、紅葉の中を歩くというのはもっと楽しい。

 山道を歩きながら色鮮やかな紅葉を愛で、帰りは小金湯温泉「まつの湯」で汗を流した。平凡な秋の一日だが、まったりとした充実感のある一日でもあった。

 

 

 

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 GPSログは樹林が濃かったのと、備え付け位置が悪かったこともあって受信状態が悪く、ログは荒れて使い物にならなかった。その荒れたログを参考にしながら歩行軌跡を作った。赤い線は登山道、青い線は歩いた一般道と散策路。

 

 

 

夕日岳594m

 

登り・1時間(休憩時間含む)登山口〜40分〜見晴台〜20分〜山頂

下り・45分(休憩時間含む)山頂〜15分〜見晴台〜30分〜登山口

 

 

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定山渓温泉の東側にある夕日岳には二つの登山コースがある。しかし白糸隧道の温泉側出口の登山口は現在、立ち入り禁止になっているので定山渓神社コースを往復する。

定山渓神社コースはバス停「定山渓神社前」のすぐ前に立つ大鳥居の横に登山口の標識があるから分かり易い。神社の右横には大きな駐車スペースが二カ所あるので駐車には困らない。しかし下山時には満車状態だったので、行楽シーズンには早めの駐車が必要だろう。

 

 

 

 

 

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神社前の狛犬は恐い顔をしているが、角度を変えて見上げると大笑いしているような可愛い顔になる。「アッハッハ〜」という声が聞こえてきそうだ。

 

 

 

 

 

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神社の境内から左横奥に登山道は続いている。少し歩くと「入林者名簿」ポストとコースタイムが記された標識が現れる。「見晴台まで50分、見晴台から頂上まで20分」と書かれている。枯れ葉を踏みながら沢沿いを進むと、次々と砂防ダムが現れる。沢が二股になっている所で標識に従って左側の小さな沢を登る。登山道は大きくジグを切りながら高度を上げる。

 

 

 

 

 

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紅く色付いた林の中を登ると、小さな尾根に出る。ここから見晴台までは平坦なトラバース道が延々と続く。樹林の中とあって展望は良くないが、時々樹間から定山渓天狗岳や小天狗岳が顔を見せる。

 

 

 

 

 

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トラバース道が頂上に続く尾根とぶつかった所が見晴台。ここは白糸隧道からの登山道と合流している。この山唯一と言って良い見晴らしの良い場所で、眼下に温泉街、遠くには名だたる札幌近郊の名山が見える。

 

 

 

 

 

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「さっぽろ湖」を堰き止める定山渓ダムの左に小天狗岳、その後ろに剣先のような姿で定山渓天狗岳が聳える。遥か後方には札幌近郊の山々の盟主、余市岳がどっしりと鎮座している。

 

 

 

 

 

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眼下に見える温泉街を隔てて、これから登る朝日岳が綺麗な紅葉に彩られている。その遥か遠くには札幌の母なる山「無意根山」がたおやかな山容を見せている。

 

 

 

 

 

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見晴台後方のすぐ上にはNHKのテレビアンテナが立っている。ここから頂上までは顕著な尾根をなぞるように進む。辿り着いた頂上には立派な山頂標識とベンチがあるだけ。成長した木々に遮られて展望はない。木々の隙間からやっと神威岳や烏帽子岳が見える程度である。「夏山ガイド」に載っていた、樹木が刈り払われてスッキリとした山頂の面影はもうない。

 

 

 

 

 

 

朝日岳598m

 

登り・45分(休憩時間含む)岩戸公園登山口〜30分〜分岐〜15分〜山頂

下り・25分(休憩時間含む)山頂〜10分〜分岐〜15分〜豊林荘登山口

 

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 夕日岳を下りてから、温泉街を通って朝日岳の登山口となる岩戸公園へ向かう。岩戸公園へ上がる階段左には岩戸観音、その右には足湯の東屋がある。この辺りには結構な数の駐車場があるが、すべてホテルや旅館の専用駐車場になっているため、少し離れた所にある廃業したホテルの空き地に車を停める。

 

 

 

 

 

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岩戸観音右の急な階段を昇り切ると高台は小さな公園になっている。その左奥に夕日岳と同じ仕様の「入林者名簿」ポストとコースタイムが記された標識がある。登山道は雨で少し荒れているが、程なくして歩き易い山道となる。

 

 

 

 

 

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 トドマツや広葉樹が茂る林は鮮やかに色付いている。歩く度に黄色から赤、赤から朱へと木々の色が変化する。この時期になるとまとわり付く虫がいないのもうれしい。楽しみながらの山歩きであるが、期待していた夕日岳の展望がまったくないのが寂しい。どこかにビューポイントがあるのではと期待しながら歩いたが、最後までその期待は叶わなかった。

 

 

 

 

 

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登山道に露岩が現われ始めてから程なくして豊林荘コースとの分岐に着く。ピンクテープが巻かれただけで少し分かり難いが、先の木に標識板が打ち付けられている(この標識板も分かり難い)。実際、帰りに気付かず通り過ぎてしまった登山者がいた。

 

 

 

 

 

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分岐を右に折れ、明るいトドマツ林の中を大きくジグを切って登る。傾斜も緩くなって来た頃、あっけなく頂上に着いた。

 

 

 

 

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朝日岳も夕日岳と同様に、まったく展望が利かない頂上でがっくり。どこか展望の良いポイントはないかとあちらこちらと歩いてみるが、定山渓天狗岳や小天狗岳、烏帽子岳や神威岳がわずかに確認出来るだけ。木々の間から余市岳の全容が見えているのがせめてもの慰めである。樹木に囲まれた広い頂上には夕日岳と同じ作りの標識とベンチ、そして石の祠が二つ並んで祀られている。

 ベンチに座って菓子パンを食べ、10分程度の休憩で山頂を下りた。

 

 

 

 

 

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 分岐から豊林荘コースを下りる。こちらは岩戸公園コースと違って急勾配が多い。自然と歩く速度も速まるが、目に鮮やかな紅葉が登山道を包み込んでいる光景に息を呑み、立ち止まること数度だった。

 豊林荘跡から延びる林道とぶつかる地点が豊林荘コース登山口。ここにも同じような標識が立っていた。林道を少し下ると施錠されたゲートがあった。

 

 

 

 

 

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 車を停めている岩戸観音の近くまでは紅葉を見物しながら豊平川沿いに歩いて戻った。散策路になっている渓流コースには多くの観光客が紅葉目当てに散歩していた。

 豊林荘跡地から豊平川を見下ろすと、真っ赤なモミジが周囲の黄色や緑と鮮やかな錦秋模様を作り出して綺麗だった。

 

 

 

 

 

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見事に紅く色付いたモミジ

 

 

 

 

 

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 河原で遊ぶ健康的な若い二人。何を語らっているのか楽しそうだった。管理人の若い頃はもっぱらの煤けたインドア生活で、身体全体がネオン焼けしていた。もう一度青春時代に帰れるのだったら、思いっ切り健康的なアウトドア生活を楽しみたいものだ。

 

 

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