遠藤淑子







『ヘヴン』第1話〜第3話収録
あらすじ
第1話
些細なことから核戦争が起こり、20数年経った世界。マットは軍隊を除隊になって職探しをしていた。
ある居酒屋でけんかを売られたマットは、勝った商品に人型ロボットのルークを譲り受けることになり、仕方なくルークと二人で新しい職場、「ヘヴン」に向かう。ヘブンとは医療刑務所の通称で、そこにいる囚人達は手術によって凶暴性を失い、何の感情も持たない従順な人間へと作りかえられていた。 刑務所の方針に疑問を抱くマット。そんな時、殺人鬼ジョン・モアが囚人達を唆して蜂起した。巻き込まれたルークを助けようと駆けつけたマットは、手術後の囚人達が『兵器』として使用されることを知ってしまう。
混乱のさなか、足を怪我して機能停止になりかけたルークは自分が要人暗殺用に作られたのだと告白する。マットは、自分を置いて逃げろと告げるルークを抱え、「ヘヴン」から脱出する。

お気に入りphrases

マット:人間は人間を殺さない
ルーク:彼ら(囚人達)は殺してる
マット:それでもだ。お前は殺すな

第1話だけでも考えることは山ほどある…。
いつも思うのですが、遠藤作品って「しょーもない 人間」とそれを許す「普遍の存在」「それでも世界は素晴らしい」ってことのかけあい(決して対立ではない)ですね。全部書いてたらキリが無いのですが、些細なことで滅ぶもろい世界や、犯罪を犯す人々。それを手術によって無害な人間に変えていくことの是非。犯罪とは何か?そういった重いテーマが山ほど詰めこまれているにも関わらず、何故か

ギャグ漫画^^;


まあ、普段の遠藤作品よりはギャグ度は低いですが。そして、もろい世界で強く生きている人間としてのマット。人を効率的に殺すために作られ、核戦争のために今はその目的が消えたまま存在し続けるルーク。
遠藤さんの特徴として、答えは出していません。でも、読んだあとに重苦しくない気持ちで真面目に「人の愚かさ」と「生きることの厳粛さ」を考えたくなる作品です。
なーんていう私のコメントの方が本編よりよっぽど重いや…。とにかく、「感動」より「考えたくなる」お話です。もちろん感動もできるし笑えるところもあるし。とにかく良いです!読んで見てください!
…第2話、第3話についてもそのうちに・・・



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