銘木に感謝「草木共養」 
                               水沢の龍徳寺 

  水沢市姉体町の龍徳寺(宇津野満龍住職)は18日、境内の樹齢約500年の
黒松が松くい虫被害で伐採されるのを機に、県内でも珍しい草木(そうもく)供養
をした。曹洞宗の若手僧職らで組織する森林ボランティア「やまびこ隊」も協力し、
老木へ感謝した。
 読経が流れるなか、檀家(だんか)約20人が焼香。僧りょが松を塩で清め、酒と
米を捧げて供養した。
 宇津野住職は「長年、寺を見守ってきた歴史的名木が消え行くことは残念です」
とあいさつした。
 同寺は1450(宝徳2)年に開山。宇津野住職によると、黒松はその記念に植えら
れたのではないかという。
 二対の松のうち1本は数十年前に枯れ、残り1本を守ってきたが、昨年秋に県の調査で松くい虫被害が判明した。
 幹の内部まで幼虫が侵入しているため、19日にも伐採する。伐採後は供養塔を建立する。
 草木供養は盛んに行われている地方もあるが、本県では例が少ない。やまびこ隊代表の渡辺善幸さん(金ケ崎町
泰養寺副住職)は「供養の根底には、自然の万物に仏性を感じ取る気持ちがある。一種の自然崇拝だが、日本文化
のいいところだと思う」と趣旨を説明している。
                              【写真=伐採される松の木に米を捧げて供養する僧りょ】
                                                2002.5.19岩手日報の記事より