岩手県曹洞宗僧侶有志が菩薩行実践
頑張れ!緑のボランティア「やまびこ隊」
西有禅師「人と木を育てよ!」
 明治時代祖父が随身した西有禅師は「人と木を育てよ!」と申されたことを師匠が受け継ぎ、事有る毎に
聞かされていた。
 時も世紀の節目「後世の子孫に何を残せるか?」と言う命題に答えが多かったのは「緑」だった。
 折しも、曹洞宗がグリーンプランを打ち出し、總持寺の板橋猊下が「千年の森」創造に歩み始めたときだ
った。
邂逅「草木供養塔」
 平成11年6月スタッフで山形市千歳栄氏を尋ね「草木供養塔」と出会う。
 千歳氏は『草木供養塔』を「日本人の自然に対する感謝と畏敬の念が具現化した塔。」と言われた。また
「人間は自然の恵み無くしては生きられない。恵みを頂くには自然を侵し傷つけなければならないのも事実。
先人達はそのジレンマを儀礼や習俗で和らげ自然との関わりを保ってきた。云々」
 文字も定かでない苔むしたその塔を目の当たりにし懐かしくそして言葉にならない厳かな気持ちになった
のは私だけでは無かった。
 この無言の古塔が我々に語りかけた言葉が、それからの「やまびこ隊」のバックボーンとなった。
出動「やまびこ隊」
 今我々に出来ることは何か。暗中模索の中ある日有志で清掃登山。幾多の提案が出たが「流れる水は腐らな
い」と、先ずは実行有るのみ。
 平成11年8月24.25日岩手県北の軽米町山林火災跡地植樹後の下草刈りボランティアを実施。2日間で延べ50
名近い宗侶が参加し、実質的な「やまびこ隊」の旗揚げとなった。
緑に関して有志が沢山居られることに力を借り、先ずは隊員募集で40名の登録を得た。軽米町のボランティア
は3年間。その間に山火事の為か豪雨による土砂災害があり川沿いの町は壊滅状態。隊は復旧作業にも携わった。
その後の活動
●平成11年より平泉の地域民と共に5年計画の「ふれあいの森」(里山造成)創造がスタート。現在(平成15年)
までにブナ・ケヤキなどの落葉樹を2000本あまり植樹。(サンワ緑基金苗木助成)春の植樹祭と育樹(梅雨時・
お盆後の二回蔓払い・下草刈り)は隊員と地域民の総出で行われている。
●民間・寺院からの間伐・除伐の依頼
●「やまびこ隊」基地「ヤッホウアン八峰庵」建設(いわて NPO信託助成事業・平成14年12月完成浄円寺菊地浄
雄師命名)平成15年4月 体験楽習・間伐材利用の作業小屋建設開始
●平成15年4月より3年計画で前沢町浄円寺寺有林「ふれあいの森」造成スタート。30年生の荒れ果てた杉林を強
間伐し落葉・広葉樹を植樹。(地域民と共に子供会・森林愛護少年団・スポーツ少年団が参加)
●平成15年4月 より毎月青少年体験楽修 
●平成15年7月 子供会一泊山寺小屋体験楽修 20名参加。 
●間伐材利用のカナディアンカヌー造り開始。
青少年の体験楽修(山寺とアウトドアーのハイブリッド楽修)
 「人と木」の「木」に関してのハード面は軌道に乗ってきた。「人」は森に入って草に座ればそれで育つ。体験
楽習に参加したY君「こんな森の中で安らげる山小屋があったらなあ!」と。学校・家庭に安らぎの場はないのか?
 森の中で遊びながら、自然の大切さを学んでいく。「子供は遊びの達人」。我々は、段取りと安全管理のみ。子
供達が一番喜ぶ事。
   自分で作って遊ぶ。
   自分で作って食べる。
 森に入ったら先ず箸やコップ・皿等を自分で作る。火を熾す。
 我々が生きていく上で大切な自然と、それを生かすための「火」と「刃物」の使い方を
習得する事が楽修の大きな眼目である。
今後の目標
1.間伐材を利用し木工クラフト等様々な活用。2.宗侶のみならず幅広い層との共同活動。
3.草木供養塔の建立。
 現在「ヤッホウ庵」での「体験楽修」へ子供会・福祉関係・緑陰禅・学校より申込みがあります。今後隊ではヤッ
ホウ庵を広く沢山の方々に利用して頂きたいと願っております。

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