宮脇俊三


 たくさんのふしぎ 御殿場線ものがたり

 月刊「たくさんのふしぎ」(「かがくのとも」小学生版)1986年3月号として福音館書店から発行。絵は、黒岩保美さんが担当。下記に紹介した絵本すべて担当しました。内容は、御殿場線の沿線の紹介(ちなみに出てくる電車は115系)と開通から丹那トンネル完成 (御殿場線に改称)までを紹介しています。
 巻末に、御殿場線を走った蒸気機関車とディーゼルカーを紹介していますが、電車も紹介してほしかったなぁ。
 たくさんのふしぎ 青函連絡船ものがたり

 月刊「たくさんのふしぎ」(「かがくのとも」小学生版)1988年1月号として福音館書店から発行。青函連絡船廃止直前に発行されたものです。青函連絡船の船内案内(十和田丸)と歴史、青森港、函館港の紹介が主な内容です。
 たくさんのふしぎ シベリア鉄道ものがたり

 月刊「たくさんのふしぎ」(「かがくのとも」小学生版)1990年12月号として福音館書店から発行。ウラジオストクからモスクワまでの旅行記です。車内の案内と歴史も簡単に紹介しています。
 たくさんのふしぎ スイス鉄道ものがたり

月刊「たくさんのふしぎ」(「かがくのとも」小学生版)1986年3月号として福音館書店から発行されたものを傑作集として装丁し直し、
1995年に再発行されました。
 ピラトゥス鉄道、氷河急行、ブリエンツ・ロートホルン鉄道、ユングフラウ鉄道、ゴルナグラード鉄道などを紹介しています。



 時刻表2万キロ

 御存知、宮脇氏のデビュー作でもあり、鉄道紀行文を文学の一ジャンルとして、確立したエポック的作品であると思います。
 内容は、国鉄全線完乗まで2700キロ、昭和50年当時で約13%、266線区となったときから、乗り終えるまでの涙の物語。ユーモアも一流で、今読んでも決して古びていません。私は、鉄道ひとり旅のおりには、この本の文庫版を持っていきます。
 最長片道切符の旅

 国鉄の路線を一筆書きで、しかも最長距離を実際に乗ってみようという一大鉄道旅行のその実体験旅行記。ただ、一度に決行した訳ではなく何回かに分けて、昭和53年10月13日から12月20日にかけて、旅行は行われました。広尾から枕崎まで13700キロあまり当時で6万5千円の旅です。現在では、廃線もありこんな距離は乗りません。
 この本も、旅行鞄に忍ばせるにはもってこいの一冊です。
 
 「最長片道切符の旅」取材ノート

 上記の「最長片道切符の旅」を旅行した折に、取材ノートに記載されたメモを起こしたものです。解説は明治学院大学教授の原武史氏です。
 なるほどこのメモがこうなるのかととても興味深いものです。改めて氏の観察力、洞察力、ユーモア、そして文章力に敬服です。
 汽車旅12カ月

 四季折々の車窓を楽しむ鉄道歳時記。月刊誌「潮」に昭和53年10月号から54年11月号まで連載。
 北はサロベツ原野、石北トンネルから、南は高千穂峡まで月ごとに12の旅。一部、最長片道切符のルートと重なっているところもありますが、内容的には別の視点からの切り口です。宮脇氏の初期の味わい深い一作品です。
 時刻表おくのほそみち

 地方のローカル私鉄めぐりの旅行記。
 「オール読み物」に昭和56年1月号から16回にわたって連載されたものです。訪れた私鉄は、北は三菱石炭鉱業大夕張線(現在は廃止)から、南は鹿児島交通(これも現在は廃止)までの27私鉄。同行の編集者は、文藝春秋の名取氏。氏の旅行記は、一人旅が多いですが、この本の途中から登場するね明円氏など、個性的な人も登場し、この何とも言えない掛け合いが紀行にひと味加えています。
 終着駅へ行ってきます

 地方の国鉄ローカル路線の終着駅を訪ねる旅行記。
 JTB(当時は、日本交通公社)の「旅」に昭和57年1月号から昭和58年12月号まで24回に渡って連載されたものです。北は増毛、東は根室から南は枕崎まで25駅。既に、廃止された谷汲、瀬棚、熱塩なども含まれています。
 もちろんも終着駅での食べ歩きも楽しんでいます。
 旅の終わりは個室寝台

 「小説新潮」に昭和57年1月号から59年7月号にかけて連載されました。
 当時日本最長鈍行列車だった門司港−福知山間824列車に乗る旅、東京−大阪間を国鉄を利用しないで行く旅など、宮脇氏あこがれ(?)の列車、コースの紀行文。今では、できない旅行ばかりです。
 今回の同伴者は、藍色の小鬼こと藍氏。
 線路のない時刻表

 昭和60年頃未完成だった路線を訪ねるルポルタージュ。「小説新潮スペシャル」などに連載されました。
 智頭線、北越北線、三陸縦貫線、樽見線、宿毛線、瀬戸大橋線、青函トンネル、そして完成した三陸鉄道を訪ねる旅です。その後、平成10年に講談社文庫から「全線開通版 線路のない時刻表」として増補されて刊行されています。
 途中下車の味

 「旅の終わりは個室寝台」の続編というべき旅行記で、「小説新潮」の昭和60年4月号から62年8月号まで掲載されました。「上野−盛岡・各駅停車」「雪見列車は舟で終わる」など9編です。
 今回の同行者は松家さん。今回も各地の美味も楽しめます。
 ローカルバスの終点へ

 ローカルバスに乗って山村や漁村へ通じる田舎道をたどるバス紀行。「旅」に昭和62年から2年間にわたって連載されました。
 バス路線は、乗車時間は1時間以上など著者の基準に従って選定されました。訪ねた場所は、下北半島の九艘泊、薩摩半島の野間池、岐阜県の濁河温泉など23カ所です。
 日本探見二泊三日

 観光地でもない、秘境でもない、だからこそ日本の良さが残っている所を訪ねる旅。「旅」に平成2年1月号から12月号に掲載されました。訪ねた場所は、熊野古道、親不知、夕張、五島列島、三春などで、紀行文13編です。鉄道の旅ばかりではなく、歩く旅、船の旅などバラエティーに富んでいます。
 夢の山岳鉄道

 宮脇氏が現地踏査に基づき登山鉄道を建設したルポ。その鉄道は、上高地、富士山、屋久島、比叡山、祖谷渓など12鉄道13路線。そして、海外のシンプロン峠にまで進出。また、実例としてスノウドン登山鉄道、ブリエンツ・ロートホルン鉄道、シーニゲプラッテ鉄道を紹介。
 「旅」に平成4年から1年間連載したものに海外4編プラス。



廃線跡紀行

 失われた鉄道を求めて

・沖縄県営鉄道 ・耶馬渓鉄道 ・歌登村営軌道 ・草軽電鉄 ・出雲鉄道
・サイパンの砂糖鉄道 ・日本硫黄沼尻鉄道 の7編を収録。
 沖縄県営鉄道はオール読み物に、それ以外は別冊文藝春秋に連載されたもの。その後の「鉄道廃線跡を歩く」の原点
 七つの廃線跡紀行

・夕張鉄道 ・下津井鉄道と琴平参宮電鉄 ・南薩鉄道 ・奥羽本線旧線
・南大東島の砂糖鉄道 ・上山田線、漆生線、油須原線 ・北陸本線旧線
 の7編を収録。各編は「鉄道廃線跡を歩く」のT〜Zの巻頭に掲載された紀行文。

 文庫化に当たり「鉄道廃線跡の旅」に改題
 鉄道廃線跡を歩く

「鉄道廃線跡を歩く」の第一弾。付録は全国廃線鉄道史全データ。
・定山渓鉄道 ・赤城登山鉄道 ・草軽電気鉄道 ・静岡鉄道駿遠線 ・北恵那鉄道 ・加悦鉄道 ・鹿児島交通 など

 宮脇さんの廃線紀行は「夕張鉄道」

 鉄道廃線跡を歩くU

付録は全国廃線私鉄停車場一覧。
・岩手軽便鉄道 ・東武鉄道矢板線 ・旧東海道本線(御殿場線) ・湘南軌道 ・清水港線 ・伊勢電気鉄道 ・淡路交通 ・沖縄県営鉄道 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「下津井電鉄と琴平参宮電鉄」
 鉄道廃線跡を歩くV

付録は全国廃線鉄道地図。
・旭川電気軌道 ・胆振線 ・秋保電気軌道 ・東京都水道局小河内線 ・九十九里鉄道 ・山梨交通 ・千頭森林鉄道 ・江若鉄道 ・尾道鉄道 ・大分交通 ・熊本鉄道 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「南薩鉄道(鹿児島交通)」
 鉄道廃線跡を歩くW

付録は国鉄廃線区間の変遷史。
・天北線 ・仙台鉄道 ・東京鉄道郵便局専用地下鉄 ・御殿場馬車鉄道 ・沼津港線 ・伊賀鉄道 ・大阪市内の臨港貨物線  ・宇和島鉄道 ・宮崎交通 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「矢立峠と大釈迦越え−奥羽本線旧線」
 鉄道廃線跡を歩くX

付録は全国廃線国鉄の停車場一覧。
・根北線 ・岩手軽便鉄道 ・水戸電気鉄道 ・京都市電北野線 ・姫路モノレール ・琴平参宮鉄道 ・大隅線 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「南大東島の砂糖鉄道」
 鉄道廃線跡を歩くY

付録は全国廃線国鉄の停車場一覧その2。
・足寄森林鉄道 ・福島鉄道軌道線 ・駿豆鉄道旧線 ・名古屋鉄道尾西線 ・近畿の市場貨物線 ・出雲鉄道 ・宮崎県営鉄道 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「上山田線・漆生線・柚須原線」
 鉄道廃線跡を歩くZ

付録は「鉄道省文書」所蔵箇所一覧。
・美幸線 ・花巻電鉄 ・白棚鉄道 ・朝熊山鉄道 ・長門鉄道 ・大分交通別大線 ・屋久島安房森林鉄道 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「北陸線の旧線跡」
 鉄道廃線跡を歩く[

付録は全国線路変更区間一覧。
・根室拓殖鉄道 ・西武鉄道安比奈線 ・都留馬車鉄道 ・沖縄電気軌道 など。

 宮脇さんの廃線紀行は、「信越本線碓氷峠」

 
 鉄道廃線跡を歩く\

付録は全国主要線路変更区間地図(東日本編)。
・芦別森林鉄道 ・京成電鉄白髭線 ・三国線 ・呉市営電気軌道 ・北九州市交通局 など

 宮脇さんの廃線紀行は、「住友別子鉱山鉄道」
 廃線跡懐想 北海道編
上記、「鉄道廃線跡を歩く」を地域別に編集しなおしたもの。
なお、掲載された廃線跡に関係する文章を、宮脇氏の著作から選んで掲載している。
狩勝峠旧線「時刻表昭和史」、美幸線「時刻表2万キロ」、歌志内・上砂川支線「時刻表2万キロ」、白糠線「時刻表2万キロ」、天北線「最長片道切符の旅」、大夕張鉄道「時刻表おくのほそみち」、士幌線「終着駅へ行ってきます」
 廃線跡懐想 中部信越編

上記、「鉄道廃線跡を歩く」を地域別に編集しなおしたもの。
なお、掲載された廃線跡に関係する文章を、宮脇氏の著作から選んで掲載している。
草軽鉄道「失われた鉄道を求めて」、清水港線「時刻表2万キロ」、新潟交通・蒲原鉄道「時刻表おくのほそみち」、親不知「日本探検二泊三日」、福井鉄道南越線「時刻表おくのほそみち」、北陸線の廃線トンネル「車窓はテレビより面白い」
 鉄道廃線跡を歩く]

付録は全国主要線路変更区間地図(西日本編)。「鉄道廃線跡を歩く」総索引。
・登別温泉軌道 ・陸軍鉄道連隊 ・駿豆電気鉄道軌道線 ・唐津軌道 ・北大東島東洋精糖燐鉱専用軌道 など

宮脇氏没後に発行されています。


全集

 鉄道紀行全集 第一巻 国内紀行T

(収録作品) ・時刻表2万キロ ・最長片道切符の旅 ・汽車旅12ヶ月

(月報)  「快い文学」吉村昭  「宮脇俊三さんのこと」種村直樹
「横川駅と旧沓掛駅」宮脇俊三
 鉄道紀行全集 第二巻 国内紀行T

(収録作品) ・増補版時刻表昭和史 ・時刻表おくのほそ道 ・終着駅へ行ってきます

(月報) 「宮脇さんと汽車」北杜夫  「『時刻表戦後史』をお願いできませんか」原田勝正  「「小江戸」号と川越」宮脇俊三
 鉄道紀行全集 第三巻 国内紀行V

(収録作品) ・旅の終わりは個室寝台 ・線路のない時刻表 ・失われた鉄道を求めて ・途中下車の味  

(月報) 「鉄道趣味の世界と宮脇さん」和久田康雄  「「鬼軍曹」は語る」中村彰彦  「東京湾岸一周」宮脇俊三
 鉄道紀行全集 第四巻 海外紀行T

(収録作品) ・シベリア鉄道9400キロ ・中国火車紀行 ・インド鉄道紀行

(月報) 「市電の切符リレー」小池滋  「宮脇さんの懐かしい旅」川本三郎  「ゆりかもめ、水上バス、国技館」宮脇俊三
 鉄道紀行全集 第五巻 海外紀行U

(収録作品) ・台湾鉄路千公里 ・椰子が笑う 汽車は行く ・汽車旅は地球の果てへ ・韓国 サハリン鉄道紀行

(月報) 「シグナルは青」青木玉  「宮脇さんと海外鉄道紀行」青木栄一
  「舟運の商都、栃木市」宮脇俊三
 鉄道紀行全集 第六巻 雑纂

(収録作品) 「国鉄全線大集合」「東京駅素顔の24時間」など92篇

(月報) 「小学校時代と宮脇俊三君」田村明  「中央公論社時代の宮脇さん」藤田良一  「水郷の鉄道周遊」宮脇俊三


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