北海道・美瑛農業まつり

                                                           河野 善福  記
東京びえい会  「日本でもっとも美しい村」 視察旅行

    東京びえい会    会員は約100名で、美瑛町の出身者だけでなく、関東在住の美しき街・美瑛町をこよなく愛する人たちが、毎年東京銀座
                に集まり懇親を深めている。この会の会長さんは大瀧良雄氏、副会長は後路好章氏、古本勝美氏、佐藤孝二氏、の三名

    主     催    8月18日に、JR美瑛駅前・特設会場で行われた「丘のまちフェステバル実行委員会」主催の「どかんと農業まつり」を見学
                した。町長が自ら先頭に立って指揮し、町役場・教育委員会、観光協会、農業協同組合、商工業協同組合、婦人団体連絡
                協議会、青年会議、文化連盟、白金太鼓保存会、JR美瑛駅、白金温泉観光組合、社会福祉協議会などが構成に参加した。

    農業 まつり    10:00   開会セレモニー  町長の開会宣言 (花火打ち上げ)   約200人のよさこい演舞  
                10:30   地域対抗選手権     丸太切り ほか
                12:00   公開ラジオ放送    演歌歌手の山内恵介さんほか芸能人出演。
                13:10   かにの早食い選手権。
                14:00   ワンちゃん仮装コンテスト。
                15:00   カラオケ歌謡・民謡ショー
                16:00   コスプレ コレクションショー
                17:30   白金太鼓 演舞
                19:00   仮装盆踊り  町長も仮装参加(約500名参加  優勝賞金100万円)
                20:00   よさこい演舞  約200人の演舞
                20:30   紅白もちまき  
                20:40   花火大会

   美瑛町は旭川市と富良野市の中間にあり、人口11、000人の農業の町です。2,500軒あった農家が今は600軒で、1,200ヘクタールの農
   地が有ります。小麦、甜菜、ジャガイモ、豆類が主な産物で、美しく変化に富んだ丘陵地の田園風景が「パッチワークの丘」といわれる美しい丘の
   景観を作り出しています。 町名はアイヌ語の「ピイェ」から転訛したもので、「濁った川」という意味です。 後に美瑛という漢字があてられました。
   丘の上の畑の境界目印に1本だけ残された柏の木を、1976年に日本たばこ産業(現在のJT)がセブンスターのコマーシャルに使ったので、た
   ちまちどこにあるのかと話題になり、美瑛町に観光客が訪れるようになりました。周囲には色とりどりの畑があるだけで広大な丘の上に一本だけ
   木がある風景が、いかにも北海道らしく、その後、日産自動車がセドリックのコマーシャルに使った木が「ケンとメリーの木」と呼ばれ、マイルドセ
   ブンのCMに使われた丘は「マイルドセブンの丘」と呼ばれています。 この一万人余の町に昨年は120万人の観光客が訪れました。
   この町の町長を始め町役場、観光協会の皆さんが、人を如何にして集めるか、努力のあとが各所に見られます。全国の市町村の関係者はぜひ
   この町に行って、勉強して欲しいものです。 待っているだけでは人は着ませんから。

  
 羽田空港出発前の東京びえい会員            飛行機から見た美瑛の丘                           大豆畑  
 
  

肥料用のひまわり(2〜3日後にはトラクターでつぶすと言われました)

  
セブンスターの木              飼料用トーモロコシの畑                             

  
砂糖大根〔ビート)の畑                    ケンとメリーの木             そばの畑

  
(哲学の木)ちょっと傾いているソクラテスの木

   この地に初めて入植者が来たのは明治27年です。 「東京びえい会」副会長の後路好章氏のお話では、氏のお父さんが1歳の時の入植だそう
   です。 当時はこの地は原野で、自分が開墾した全ての土地は自分のものになるという約束だったので、寝食を忘れるほど毎日まいにち木を鋸
   で切り倒し、伐り株を一本いっぽん掘り起して切り開いた土地で、美瑛駅のあたりから北方の見渡す限りの土地が自分の家の土地だったと言わ
   れました。 ヒツジの尻尾は生まれたときには長くて、糞で汚れるので焼きごてで焼き切るのだそうで、氏が子供のときはその作業は子供の仕事
   だったと話されました。 この広大な農地の耕作は苦痛で見るのも嫌だった土地を、「美しい丘」としてわざわざ観に来ていただけるのだからあり
   がたい」と話された、東京びえい会の会員さんもいらっしゃいました。


   「ぜるぶの丘」     北海道上川郡美瑛町大三    TEL 0166−92−3160       入園料無料
   潟Aトム農機が旭川から美瑛にいたる国道237号線に面した場所にお花畑を開いている。 風(ぜ) 香る(る) 丘で遊ぶ(ぶ)から命名したもの
   で、入園料は無料。120台収容の無料駐車場もあります。 「ちびっこ広場」や「フォートギャラリー」も併設されています。

 

   「美瑛町」
   美瑛町の駅前商店街は、老朽化と廃業店舗が混在し駐車場も無い商店街でした。町が寂れていく現実に危機感を持った町民が、「びえい」に相
   応しい自然や丘と調和の取れた街づくりを行うべく一念発起し、官民一体となって「町並み整備」を行いました。
   平成三年に国指定のモデル事業として、この町に90億円を投入して駅前1,100uを整備したのです。175名の地権者の総意により、「人・石・
   緑・花」をまちづくりのテーマとし、住む人たちに愛される町、繁栄する町を願って、建築デザインの統一が定められたのです。住民は70%の建
   築補助金を受けて、@建物の腰50cmには必ず美瑛石を使う。 A建物のどこかを三角形にする。 Bその三角形の下に入植した年を書く。
   C電柱はなくして地下配線とする。 Dそのほか建物の高さ、屋外広告物、自動販売機、車庫などの制限を取り決めました。 

 
正面奥のJR美瑛駅も美瑛石造り           区画整理地内の家は美瑛石を腰に巻いて、三角屋根の下に入植年を書いている

  
区画整理地内の家は美瑛石を腰に巻いて、三角屋根の下に入植年を書いています
 



  

   「美瑛放牧酪農場」   北海道上川郡美瑛町字新星平和    TEL 0166−68−6777
   この牧場は牛舎を持っていません。したがって年間を通して冬の雪の中でも牛は外に居ります。毎日搾乳時間には牛は自ら搾乳室にやって来
   ると言います。 体重が普通の牛の半分くらいで、非常に濃いい美味しい乳を出します。併設の喫茶室でこの濃いくて美味しい牛乳と、ソフトク
   リームを販売しています。

  



   「美瑛農業まつり」
   東京都23区と同じ広さの町に人口は11,000人です。人影も探せないこの町で、農業祭には今年も3万人が集まりました。車両通行止めにし
   て屋台の並んだ駅前広場で、朝から地域対抗の丸太伐り競争、演歌歌手やお笑い芸人を呼んでのラジオの公開生放送、かにの早食い競争、
   カラオケ大会、コスプレショー、太鼓の演舞、町長を始め500名が参加した仮装盆踊りには仮装費用の半額が補助され、優勝賞金は100万円
   でした。よさこい演舞、餅撒き、打ち上げ花火と一日中大変にぎわっていました。

  
屋台が出てにぎやか                     紅白もち撒き会                      ゴレンジャーの戦い

  
仮装・コスプレ・盆踊り             優勝賞金100万円

  
仮装・コスプレ・盆踊り            仮想 優勝賞金100万円

  
仮装・コスプレ・盆踊り             優勝賞金100万円

  
仮装・コスプレ・盆踊り             優勝賞金100万円                     よさこい演舞

 
踊りの輪に入った町長(中央)                                            優勝者(中央66歳の女性)と

   「美瑛・青い池」    北海道上川郡美瑛町白金
   ニセコに移住した占い研究家の結城モイラさんが、「真っ青な水面が見えた瞬間、私は鳥肌が立ちました。それは、弱った心を癒すというよりは、
   訪れた人の心に”活”を入れ、強力に背中を押す、そんな力です。悩みやモヤモヤを吹き飛ばす圧倒的なエネルギーを感じます」と言い、「元気
   になりたい時に、青い池の写真をじっと数分間眺めた後、目を閉じて心の中でイメージしてください。池の持つエネルギーが自分の中に広がって
   くることを。そうすることで、あなたの中にまだ眠っている、あなたの潜在的なエネルギーが呼び覚まされるはずです」と言っています。
   この池は、美瑛川の砂防ダムを造る時に、水の迂回池として臨時に造ったものです。町では「あまりに美しい水の色であったので、このまま残し
   たい、と陳情し「工事のときの土砂置き場と引き換えに池を残すことに成功」、さらに「災害時の資材置き場として150台収容の駐車場」を助成金
   で造成したそうです。 この「青い池」は町内に住む白石健人さんの写真が、米アップル社のパソコン用壁紙として採用されています。



  

    「美瑛選果・レストラン」   北海道上川郡美瑛町大町2   TEL 0166−92−4400
   JA美瑛が経営する美瑛農産物の即売所・美瑛選果は建物の右側で、左側のガラス張りの建物にレストランがあります。このレストランは、美瑛
   産の農作物を使うことを原則としており、料理人は北海道洞爺湖サミットの時に会場となったウインザーホテルで料理を担当した、北海道を代表
   するシェフ・中道博氏が腕を振るっています。

  
美瑛選果(左レストラン・右農産物展示場)                   料理                       農産物展示場
      

   「日本で最も美しい村」 連合    TEL 0166−92−4330    http://www.utsukushii-mura.jp/
   フランスで起こった「フランスで最も美しい村」運動を手本として、平成17年に美瑛町長の呼びかけに応じて「日本で
最も美しい村」委員会が設置されました。当初七つの村からスタートし、現在は44の町村が加盟している連合体になって
います。
  「失ったら二度と取り返せない、小さくても素晴らしい地域資源、美しい農山村の景観や環境・文化を守ろう」 「小さくて
も輝くオンリーワンを持つ農山村が、自らの町や村に誇りを持って自立し、将来にわたって美しい地域であり続けよう」を合
言葉に、加盟町村は「景観や環境を守り、観光的付加価値を高め、資源の保護と地域経済の発展に寄与する」ことを目的
として、現在の加盟町村は44町村となっています。 加盟条件には人口が1万人以下。 人口密度が1平方キロメートルに
つき50人以下などがあります。
  右のロゴが「日本で最も美しい村」のシンボルマークです。自然と人間の営みが長い年月をかけて作り上げた、小さな美しい日本、それらを慈しみ、楽しみ、
しっかりと未来に残すために、自らの地域を愛して止まない町民の努力は立派です。


   「四季彩の丘」   北海道上川郡美瑛町新星第三   TEL 0166−95−2758       入園無料
   丘の町美瑛の丘陵に、7ヘクタール(東京ドーム3個分)の花畑があります。春から秋まで数十種類の花を次々と咲かせ、園内の一周のためには
   トラクターが引っ張る観覧車や、自分で運転して楽しめるバギー車などがあります。

 

   「皆空窒ギャラリー」   北海道上川郡美瑛町白金   TEL 0166−94−3354
   倉本聡のドラマ「優しい時間」でも有名になった窒(かいくうがま)です。 陶芸家 南 正剛氏と夫人の南 泉氏が経営しています。

  

  
赤とんぼのオスとメス                 指先に止まるほど人に近寄ります。                  南氏夫妻

   「後藤純男美術館」    北海道空知郡上富良野町東4線   TEL 0167−45−6181    入館料1,000円
   千葉県関宿の仏門に生まれ流山市に在住の、日本を代表する日本画家、後藤純男氏の美術作品展示室。 美術作品に触れることの少ない地
   方の人たちに、芸術作品を見せる機会を作りたいという町の要請にこたえて、この地に美術館が作られました。金閣寺、銀閣寺、清水、三千院
   など仏閣の春夏秋冬、中国の大地など部屋いっぱいに広がる日本画は観るものを圧倒します。

  
後藤純男美術館                      作品(パンフレットから)         美術館前の農場(飼料草のロール巻き)

   「写真ギャラリー拓真館」     北海道上川郡美瑛町拓進   TEL 0166−92−3355      入園料無料
   東京都八王子出身の写真家 故 前田真三氏が全国の風景写真を撮り歩いているうちに、この美瑛町の当たりで見たヨーロッパ的な丘の風景
   に魅せられて、「日本にもこんなに美しいところがあるのか」と上富良野の農家に泊り込みで美瑛の丘を撮影されました。その頃時、ちょうど千代
   田小学校が廃校になっていたので、その跡地8,000坪を町が提供し、体育館を自身の写真展示館として開設したものです。氏はここを通年見
   せる場所として開放したいといわれて、入場料は取っていません。敷地内には白樺の一周できる遊歩林があり、散策にも適しています。
   氏の作品は美瑛の雄大な自然が一瞬しか見せない光に合わせて、四季折々の風景を写真に収めているもので見る者を感動させます。

  
拓真館                        園内のしらかば林                 作   品

   「ふらのワイン工場」     北海道富良野市清水山    TEL 0167−22−3242      入館料無料
   富良野市の丘の上にある「ふらのワイン工場」は見学者コースが作られており、製造からワインの樽詰め熟成までが見られるようになっています。
   二階にはワインの試飲コーナーと販売所があり、外の丘の上は手入れをされたお花畑があります。

  

  

   「 和食 味のたらふく  ・  なんじゃもんじゃ 」 

  

  

  


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