全日本カレー工業協同組合 創立50周年記念

                                                       { 写真はすべて私が撮影したプライベート写真です }      河野 善福

     記念式典 

          日   時    平成23年5月20日
          場   所    ホテル  オークラ東京   本館1階 「アトランティックルーム」

  




     全日本カレー工業協同組合 江戸龍太郎理事長 挨拶 (要旨)
 
 式典の開催に当たり、全日本カレー工業協同組合を代表してご挨拶を申し上げます。先の大震災で被災された皆様には、一日も早い復興をお祈りし、お見舞いを申しあげます。
 本日、関係する多くの方々にご臨席を戴き、全日本カレー工業協同組合の創立50周年記念式典を開催できますことは、私ども組合員に取りまして大きな喜びであります。
 50年前といえば、日本が戦後の混乱期から経済成長期に差し掛かった頃であります。それからの50年は当組合にとっても、困難と起伏にとんだ50年ではなかったかと思いますが、それを乗り越えて、今日を迎えることが出来ましたことは、関係省庁・関係団体のご支援の賜物であると、深く感謝いたしております。
 カレーは今日、国民食と呼ぶにふさわしい料理になって、皆様に愛されております。
 本日はインド公使アラン・ゴヤル様のご臨席をいただいておりますが、カレーはインドの豊かな歴史・文化・風土の中で育まれたもので、その後イギリス、ヨーロッパを経由して日本に伝わったのは、明治維新の頃と言われております。それからの約150年の間に、日本ならではのカレー文化として発展してきました。その要因は、私たちの先輩が大変な創意工夫、ご努力をされた賜物であると思っています。
 当初のカレー粉は、舶来品が殆どでありましたが、明治から大正の頃に、資料も経験も無い困難な状況の中で、先輩たちがカレー粉の製造に熱い情熱を燃やし挑戦をいたしました。その努力で国産の良質なカレー粉が広まり始め、昭和の始め頃には初期の隆盛を見たと聞いております。
 その後、戦時色が強まるに連れて、経済統制が始まり、カレーの原料であるスパイスの輸入も困難を来たしました。その状況の中で先輩達は、共同して原料を確保するために、組合を相次いで設立させました。
 戦後、スパイスの輸入が再開されて、カレー業界は息を吹き返し、固形ルゥの開発や、始まったばかりのテレビを利用しての、カレーの普及に取り組みました。
 高度成長期に入り、業界の更なる発展を期するために、全国組織を結成しようと言う機運が高まり、1961年、現在の全日本カレー工業協同組合が設立され、このたびの50周年を迎えることになりました。
 日本が経済大国となって、貿易自由化への対応、公正な競争のためのルール造り、品質表示の対応など、カレー業界を取り巻く課題も多様化してまいりました。
 当組合は日本のカレー業を代表する唯一の組合として、組合員の結束力を高め、これらの課題に立ち向かい、発展して行くための努力を続けた半世紀であったと思います。
 業界の今後を展望いたしますと、グローバリゼーションの広まりや、市場の変化のスピードは益々加速していくでしょう。また、今回の大震災が今後の経済や食文化にどのように影響して行くのかは、極めて不透明であります。
 われわれカレー業界は、少子高齢化の進展・食品の安全性・環境問題、原料の価格高騰など食品業界共通の課題を抱えております。今こそ業界の更なる発展のために、伝統を守り、結束力を高めて行く必要性を感じております。
 インドで誕生し、ヨーロッパを経て、日本に紹介された西洋料理としてのカレーは、先人の創意と工夫により、日本の伝統と融合し、多様化し、日本料理として大きく変化してまいりました。和食や壽司などが世界で注目されているように、日本のカレーもグローバル化していく可能性を秘めております。
 カレーの基本であるスパイスは、自然志向・健康志向の高まる中で、注目を集める天然調味料となってきております。カレーに秘められたさまざまな可能性を探り、市場活性化を図り、来るべき未来にカレー文化の更なる多様化と進展を目指して行ければと思っています。
 このたびの震災に際しては、カレーが持つ特徴を生かした支援が行われており、被災者の皆様のお役に立っていると自負しています。今後も被災者に支援を継続してまいりたいと思います。
 カレーは具材として、さまざまな農畜産物が使われるため、被災地の復興にも結びつけば幸いと考えています。
 私たちがこのように記念すべき日を迎えることが出来ましたのも、苦労を重ね今日のカレー文化を築いてこられた諸先輩方、並びにご支援をいただきました多くの皆様の、ご指導のお陰であると、改めて感謝を申し上げる次第であります。
 今後も50年以上にわたって培われてきました組合の精神や結束力を持ち合わせて、携えて、次の世代でも価値ある組合であり続けたいと思います。何卒これまでにもまして皆様方のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 そしてカレー業界を始めとした食品業界全体の更なる発展と、ご参加の皆様のご健勝をお祈り申し上げ私の挨拶といたします。


  
       挨拶する理事長                            理事長および副理事長                         全日本スパイス協会理事長   

 

     全日本スパイス協会 浅見 徹理事長 祝辞 (要旨)

 創立50周年、真におめでとうございます。また本日はスパイス協会加盟各社をご招待いただき有難うございました。カレーの組合は全国カレー工業連合会の設立から数えますと、もう70年に亘ってカレーの普及・品質向上・安定供給にご努力をされています。組合加盟各社・役員の皆様のご努力に心から敬意を表します。
 組合のホームページによりますと日本人は月平均4.05皿分のカレーを食べられているそうです。カレーはまさしく日本を代表する国民食といえるまでに成長しています。これも組合員皆様のご努力の賜物と感ずる次第です。
 私どもスパイス協会は、カレー組合の不肖の弟分であると自負しております。カレーにはスパイスが欠かせない原料となっていますし、カレーの普及に伴いスパイスの消費量も増えていくからであります。
 私どもスパイス協会も来年は創立50周年を迎えます。今年は胡椒・ターメリック・クミンなどの産地相場が暴騰しておりまして、価格的にはご迷惑をおかけする公算が高いものの、私どもとしては、高品質の安全性の高いものの安定供給に加盟各社が全力を挙げてご協力致しますので、引き続きご指導・ご鞭撻のほどをお願いいたします。 
 最近アジアから見えられるお客様が、本場の日本式の美味しいカレーを食べたいといわれます。日本のカレーの美味しさが判る人々が世界に増えて来ていることは喜ばしいことです。この美味しい日本のカレーを今後はグローバルな食品として世界に普及させていただきたい。そのためにカレー組合様のいっそうのご努力ご活躍をお願いします。
 カレー組合様及び加盟各社様の益々のご発展及び、本日ご参集の皆様のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。


        
   日本食糧新聞社 副社長                       インド大使館 公使                         農林水産大臣感謝状 授与     


     日本食糧新聞社 副社長  服部 博様 祝辞 (要旨)

組合の創立50周年誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。このおめでたい席にお招きいただき感謝申し上げます。私は感無量でございます。
 私は日本食糧新聞社で、そのほとんどをカレー・香辛料業界と共に歩み、業界の礎を築かれた、本日ご出席の皆様の先代創業者にご指導をいただきました。その方々との思い出は尽きません。天上から「今日は我々のこともしっかり話しておけよ」と、言われているような気がいたします。
 私が始めて組合の方々にお目にかかったのは、組合設立の3〜4年後で、日本閣で開かれた関東支部の総会であったと記憶しています。諸先輩からは大正・昭和の草創期のお話や、戦時統制時代、また、戦後の復興期の苦労話を聞かせていただき、この目で現場を見ながら勉強をさせていただきました。
 当時は経済の復興成長期で有りましたが、業界では原料の入手難や諸経費の高騰から値上げが切実な問題でありました。しかし、値上げは公取の指導が厳しく簡単ではありません。小売が45円から50円の時代で、20%の値上げや外資の上陸阻止が話題になっていた頃でありました。
 その当時に、創業者の皆様は何歳くらいであったのだろうか、と調べてみました。松山寅之助さまが生誕123年、テイオーの大澤高蔵さまが119年、山崎峯次郎さまが108年、甘利辰夫さまが106年、水牛佐藤浩一郎さまが105年、小泉忠三郎様と森村武次郎さまが102年です。組合創立時で山崎様がまだ58歳、小泉様と森村様が52歳、交易の篠原様は44歳の働き盛りで、私の尊敬する人ばかりした。
 そのような意味でも、組合50周年の記念日は、私が魅せられたカレー、また、私を育んでくださったカレー業界の先覚者への感謝の日でもあると、私は思っております。  本日は誠におめでとうございます。


 
           農林水産省総合食糧局  局長感謝状 授与

   在日インド大使館  経済担当 公使 アラン・ゴヤル 様 祝辞  (要旨)

本日、全日本カレー工業協同組合の創立50周年の式典にお招き戴きましたことを大変光栄に思っております。このたびの大震災で甚大な被害を被った人たちに、インド大使館及びインド国民を代表してお見舞い申し上げます。
 今回の震災は日本人の気質や精神力を試されるような出来事でしたが、日本の人々が行った回復力や冷静な対応は賞賛に値すると思います。日本は強い決意を持って、必ず今回の逆境を乗り越えられると思います。私は友人としてどんな困難なときにもあなた方の味方です。
 インドは、日本政府の要請に応じ毛布・食糧などを被災地にタイムリーに提供できましたし、救難隊も派遣しました。一日も早く復興し活気を取り戻し、インドと日本の友好が輝かしいものになる日を楽しみに致しております。
 インドと日本は地理的には離れていますが、過去には歴史的に文化的に様々な交流があり、太古の昔から友好的な関係を保ってきました。
 カレーという言葉は、インドのタミール語でソースを意味するカリーという言葉に由来しています。カリーはスパイスで調理された野菜や肉を意味します。
 日本ではカレーは三つの調理法に分けられます。「カレーライス」「カレーうどん」「カレーパン」です。
 英国がインドを支配下にしていた時代に、英国はインドからカレーを持ち帰りました。そのカレーが英国から日本に紹介されたのは、150年も前の明治時代で、日本が鎖国政策をやめた後のことでした。当時の日本でカレーは欧風料理との位置づけで、豪華な高級料理だったのです。
 今日、日本のカレーは近年ポピュラーになったインドカレーと平行して存在しています。
 日本におけるカレーは海軍や陸軍が戦時中にメニューとして採用したことで急速に普及したと言われています。今でも海軍では金曜日がカレーの日と決まっているそうです。
 2005年に行われた調査によれば、日本人は年間125回カレーを食べるそうです。カレーが日本の国民食と言われるのも肯けます。
 全日本カレー工業協同組合は、日本の食品組合の中でも最も重要な企業が組合員として名を連ねています。また、日本の消費者にカレー文化を広め、組合員の様々な問題を解決するための役割を担ってきました。この組合がこれからも発展し、大きな成功を収めることを願ってやみません。


 
          カレー組合理事長 特別表彰


          
 
カレー組合理事長 表彰


     
          受賞者代表謝辞                            祝賀会理事長挨拶               農林水産省総合局長祝辞 


      
             消費者庁表示対策課長 祝辞                  副理事長 乾杯挨拶               副理事長 大締め挨拶       


     



 
  全日本カレー工業協同組合  組合員

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