全日本カレー工業協同組合通常総会


     日    時   平成27年5月22日 (金)

     場    所   全日本カレー工業協同組合    通常総会     KKRホテル東京 10階 平安の間 
               カレー業全国公正取引協議会      通常総会     KKRホテル東京 10階 平安の間  
                            
     講 演 会    「食品への異物混入」                KKRホテル東京 11階 白鳥の間  

     懇 親 会                                  東京駅 八重洲口前 
 
                              

     【 全日本カレー工業協同組合  理事会 】                         

 開会に先立ち、事務局より来賓の紹介があった。 
 農林水産省 食品製造卸売課 ご担当の斎藤さま。   消費者庁 表示対策課 松川係長さま。

    [ 浦上理事長挨拶 ]

 平成27年度の全日本カレー工業協同組合の通常総会開催にあたり、一言ご挨拶を申しあげます。 風薫る新緑の中、皆様にはご多忙の中を遠路お集まりいただき、ありがとうございます。消費者庁の松川係長さま、農林水産省の斎藤さまご多忙の中をご出席、こころよりお礼申し上げます。
 さて、この一年を振り返りますと、政府・日銀のデフレ脱却に向けた様々な取り組みが功となって、株式市場が活況を呈しています。新聞テレビ等の報道でも、自動車などの輸出産業を中心に、最高益を更新しているというニュースに接し心強く思っております。
しかし、私たち内需型産業である食品産業においては、一段と進んだ円安による原材料の高騰、雇用環境の厳しさなど新たな課題が出てきております。
 お客様にお伺いしますと、食生活が改善されて、高単価のメニューが好調であると聞きますが、身のまわりのものを観ましても首都圏と地方の景色は異なりますし、人口減と少子高齢化と言う口数が減っていく現実の中で、要求度の高い商品を求められているのが現状です。
 この中で、川上でのコスト高という現況もあり、板挟みとなって経営のかじ取りが難しくなっております。
 一方で政府・農林水産省の働き掛けで、農林水産物の出荷は好調ということですし、インバウンドの増大もあるので、私達食品産業に携わっているものとして、明るい日差しと言えると思います。
 また、皆さまご承知の通り、この5月1日からイタリアのミラノで食の万博が開催されます。この万博では、世界遺産に登録された「和食」など日本の食文化が紹介されます。世界の皆様に日本の食のすばらしさが紹介できると思います。そうした機運が盛り上がれば、カレーは多くの皆様に愛される国民食ということで、カレーのすばらしさをお伝えするために、全社で力を合わせて行きたいと思います。
 一方昨年末にも食に対するお客様の信頼を揺るがしかねない事件が発生いたしましたが、情報の拡散には十分に注意し、対処していきたいと思います。本日はこの後、食の安全・安心財団の中村啓一理事長から「食品への異物混入」というテーマで、ご講演を戴くことになっております。
 今日はこの後、前事業年度の活動に対するご審議を戴きますが、参会の皆様の組合の活動に対する一層のご協力をお願いいたします。
 終わりにあたりまして、皆様方のご事業の発展と、今日ご参集の皆様のご健康を心よりご祈念申しあげまして、ご挨拶と致します。

 
    [ 議   事 ]

   第1号議案  平成26年度決算関係書類承認の件
    ・      
Ⅰ 概況
       Ⅱ 庶務事項 1組合員数 2出資口数 3会議の開催 ①通常総会 ②理事会 
                          ③委員会 ア運営委員会 イ技術委員会 
       Ⅲ 消費税の転嫁および表示に係わる共同行為
       Ⅳ 広告宣伝事業 
       Ⅴ 業務関連主要事業の提供
       Ⅵ 各種調査の実施
 
    ・       
財産目録  貸借対照表  損益計算書  剰余金処分案


    第2号議案   平成27年度事業計画決定の件

    第3号議案   平成27年度収支予算並びに賦課金決定の件

    第4号議案   役員の一部改選の件

    第5号議案   農林水産省 「消費者の部屋」特別展示へ「カレー」の参加の件

    第6号議案   その他
       ・   運営委員、技術委員の変更
       ・   平成27年度の会議日程 
       ・   運営委員会・技術委員会の報告  ①食品の異物混入問題、SNS情報拡散問題  ②トランス脂肪酸低減の取り組み

 

  【 カレー業全国公正取引協議会 常任委員会 】

    [ 高橋委員長挨拶 ]

 カレー業全国公正取引協議会の平成27年度通常総会を開催するにあたり一言ご挨拶申し上げます。本総会に消費者庁表示対策課の松川係長様、農林水産省食品製造卸売課の齋藤様のご臨席を賜ることが出来ましたことは、誠にありがたく感謝申し上げます。かわらず、遠路はるばるご出席を賜りましたこと、誠にありがたく心よりお礼申し上げます。
このところ毎度同じような話を繰り返していますが、原産地の天候不順、新興国の旺盛な需要と、急激な円安による原料価格の高騰により、川下に大きな変化は見られていないのが現状ではないでしょうか。
 国内消費に多少の明るさが見えているのですが、昨年四月の消費税率の引き上げで、全体的には景気は停滞しており、食品業界を取り巻く環境は改善しておらず、すべての企業の景気回復が待ち望まれているところではないでしょうか。今年は景気の好転を切に願います。
 このような厳しい環境の中で食に係わる事件・事故が多発し、食品の安全と安心が損なわれ、信頼性の確保が課題となりましたが、当業界ではこのような事件もなく、表示法上の違反もなく、消費者の信頼を確保できましたことは、大きな成果でございましたし、皆様方のご尽力のたまものと深く感謝を申し上げる次第です。
 昨年の景品表示法の改正、4月の食品表示方の施行に対しましても、消費者庁、農林水産省のご指導を仰ぎながら、会員の皆様と一丸となって、これまで以上に安心・安全と業界の発展を達成いたしますよう考えておりますので、ご協力をお願いいたします。
結びにあたりまして会員企業の益々の発展と、役員皆様方のご健勝・ご多幸を祈念いたしまして私の挨拶といたします。


    [ 議   事 ]

   第1号議案  平成26年度決算関係書類承認の件
            事業報告書 
         1 通常総会  (26年5月23日、ホテル・オークラ東京に於いて開催)
         2 常任委員会 (4月9日KKRホテル・東京、5月23日ホテル・オークラ東京、
                  27年1月23日KKR・ホテル東京で開催)
         3 当公正競争規約違反事件 (当カレー公取恊関係では違反はなかった)
         4 会員の移動状況
         5 消費税の転嫁および表示に係わる共同行為(カルテル)
         6 消費者庁関係 ①景品表示法 ②景品規制 ③景品表示法違反行為に対する処置
                  ④景品類の提供および表示の管理上の処置 ⑤消費者の権利を守る

               7  公正取引委員会の概要
               8  社団法人 全国公正取引協議会連合会の主な動き
           財産目録  貸借対照表  損益計算書  剰余金処分案

  第2号議案     平成27年度事業計画決定の件

     第3号議案   平成27年度収支予算並びに会費決定の件

   第4号議案  任期満了の伴う役員改選の件

   第5号議案  平成26年の景品表示法改正の要点

   第6号議案  その他

 

     【 講 演 会  】

        [ 食品への異物混入  ~ 混入のルートは、3+1  ~  ]
             公益財団法人 食の安全・安心財団   理事・事務局長 中村 啓一氏

 私は、カレー組合の皆様とはかかわりが深く、1981年から84年の間農林水産省の調味料係長を拝命しておりました。私が係長の時に日米貿易摩擦があり関税の引き下げが議題となりました。消費生活課長をやっているときにはBSE問題があり、食品の監視業務にもかかわりました。
 化学調味料という呼び名は商品の特性をうまく表していないのではないか、ということが問題になり、うまみ調味料と呼ぶことにしたことなどを思い出します。

 東京都における食品の要因別苦情の総数は、平成24年に4.867件で1位は有症苦情1.472件、2位が異物混入681件です。全国の統計はありませんが、食品苦情の推移は社会的問題が発生するとクレームは増えており、クレーム数の統計は意味がありません。平成12年には乳業会社の集団食中毒事件があり、20年には事故米の不正流通事件がありました。
 平成12年にはスナック菓子にトカゲの死骸、ぱんにハチ、おにぎりにハエ、漬物に蛾、素麺にカビ、冷凍食品にプラスチックなどの苦情があり、連日お詫びと回収広告の騒ぎが続きました。企業モラルが問われていました、問題が発生したらまず謝ることが必要です。
 異物混入の苦情件数は、平成24年の場合総数681件のうち、1位は虫で194件、2位ガラス・石・金属の109件、3位人毛68件です。 平成24年の施設別苦情件数は、4.544件でその60%の2.710件は外食施設で発生しています。飲食店における異物の種類は、1位ゴキブリ63件、2位合成樹脂49件、3位人毛43件となっています。
 加工食品と外食環境の違いは、加工食品の場合には、工場は閉鎖された環境で商品は包装されており消費者は立ち入りできない。一方、外食店舗は、解放された環境で、厨房へは立ち入り禁止であるが、接客時は消費者と双方向にある。
 食品の異物混入ルートは①原料への夾雑物混入。②加工段階で製造工程の異物と従業員起因の毛・繊維・装飾品の混入。③従業員の持ち込み私物や身体付着物の混入があるが、プラス1の消費者による異物混入がある。
 異物の混入時には、健康被害があるか否か、ある場合にはレベルに応じた適切な即対応が必要です。健康被害の心配のない場合でも、加工段階に原因はないか?。拡大の可能性はないか?。さらに原料に原因はないか?。出荷時に原因はないか?。調査をし、商品のお取替えや消費者への説明を個別に対応しなければなりません。
 食品への異物混入に対する行政の考え方は、都道府県は「健康被害につながる
恐れが否定できないものを受け付けた場合」保健所等に速やかに報告する。また、異物混入等の相談情報が寄せられた場合には、食品衛生担当部局等の連絡先についてもお伝えいただきたいとし、行政も健康被害に対応しています。
 消費者安全法を抜粋しますと、「行政機関の長は、重大事故が発生した旨の情報を得た時は、直ちに内閣総理大臣い対し、通知しなければならない」とあり、「当該消費者事故等による被害が拡大し、または、同種もしくは類似の消費者事故が発生すると認めるときは、内閣総理大臣に対し通知するものとする」とあります。
 異物混入問題で、必要なことは、事業者の品質管理の徹底と十分な従業員教育。消費者の理解。メディアの冷静な報道です。信頼性が確認できない情報への慎重な対応が望まれます。
 虚偽の風説を流布しまたは偽計を用いて、人の信用を毀損する行為は、信用毀損罪となります。
 ネット社会における情報の開示は、事業者の公表とSNSによる拡散がある。事業者の公表は、①責任の所在が明らか ②専門家の検証 ③関係者の確認と組織決定 ④双方向の対応(リリース等) ⑤社会的責任が不可避であり、SNSによる拡散は①匿名(責任の所在が不明) ②個人の見解(思い込み) ③個人の判断で拡散 ④一方的(顔が見えない) ⑤一過性です。
 農林水産省の消費者の部屋には、通常入ることのないものが入っていたとの報告もあるが、消費者の間違いもあります。従来は個別に処理していた事案がネット社会で拡散している事案もあります。
 消費者にお願いしていることは、①商品の保管(レシート含む)
 ②状況の記録 ③相談窓口の活用 ④行政(消費生活センター、保健所)の活用です。この場合に注意すべきことは、①事業者は代金(代替品)以上の対応はしない。 ②消費者の責任にはしない。 ③異物は家庭内(店舗内)でも混入するということです。
 混入時における事業者の基本的な対応は、①相手の話を十分に聞いて、届け出に対する丁重な感謝と、迷惑に対する心からの謝罪をする。 ②返金の話から始めると、親切心から申し出た人が、クレーマー的扱いをされたと感じさせない。 ③事業者や担当者が逃げている、隠している、嘘をついていると申し出者に感じさせない。ことが大切であり、空気を読んで臨機・適正に対応することが必要です。



        【 懇 親 会 】

    

    

  
    

    

 
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