米粉普及勉強会

                                                                              河野 善福 記
主    催  新潟県農林水産部  食品・流通課 米粉普及推進室 

日    時  平成24年7月19日(金) ・ 20日(土)

      【 プレゼンテーション 】   中条グランドホテルにて

   新潟県農林水産部 食品流通課    米粉普及推進室 室長  村田 明彦 氏          
 
 米粉は、和菓子などの原料として、馴染み深い食材であり、近年パン・洋菓子・麺などに使用されるようになったが、歴史が浅いため、どのような品質の米粉がどの用途に適するのか明確でない。この米粉の需要を拡大させるために、用途別に適する米粉の指標を示し、これを使用した商品の品質向上を目指すと共に、米粉ユーザーの利便性の向上を図って、米粉食文化を定着させたい。

         「 米粉及びその利用食品の開発 」    

   新潟県農業綜合研究所 食品研究センター    参事  吉井 洋一 氏

 米粉の県別生産量は、(平成21年)新潟26,739t、兵庫9,276t、栃木9,127t、で、新潟は全国計83,762tの32%を生産している。
 小麦粉の国内需要は500万トンで、米粉は国・県の補助が有るが利用が伸びず、小麦粉の10%・50万トンを、平成32年には利用することを政府は目標としている。このプロジェクトを「R10プロジェクト」と呼び、1、食糧の自給率アップ。 2、休耕田の有効利用。 3、環境負荷の軽減 を目指している。
 米粉は生米を粉にする製品(上新粉、白玉粉、もち粉など)と、米に熱を加えて糊にしてから粉にする製品(みじん粉、らくがん粉、道明寺粉など)に分かれる。現在は、パン、麺、菓子への利用が8割である。澱粉損傷度が60%以下の粉となることが望ましい。
米粉の製法は、精米→ぺクチナーゼ作用(ペクチンが分解されて細胞同士が離れやすくなる)→気流粉砕→乾燥→グルテン添加→製品 で、ソフト感、しっとり感、きめの細かさ、弾力感のある製品が作られて、ケーキ、カステラ、和菓子に適している。
現在は、製粉各社の製粉技術がまちまちで、一定の味が保てていないので、用途別に米粉を製粉するための製造指標に力を入れている。

         「 米粉製品試食会 」

  株式会社小国製麺 から米粉を使った商品を提供され、専務取締役(開発担当)  杉村 友喜美氏が商品説明を行った。
 自社の新潟産コシヒカリ米粉を30%配合した商品を 〔 ECIGOTTI 〕 シリーズとして発売している。  

  
     試食会場風景                             米粉使用の小国製麺 試食品                     専務取締役  杉村 友喜美 氏


        「 中条町農業協同組合  新潟製粉株式会社 」   新潟県胎内市本郷字家の下493−2

 国内で自給可能な米の消費量は、一人当たりの米消費量の減少と、人口の減少の相乗効果により減少しており、わが国では、国内の水田の40%が休耕している。これらのことに対応すべく、平成10年に第三セクター方式での会社を設立し、合併前の黒川村(人口6,500人)が主体で新潟製粉株式会社を立ち上げ、当時の副市長が社長に就任している。1、農家所得の減少抑制 2、米の用途拡大による消費拡大。 3、減反田の有効利用 を目的とし、農家所得の確保、民間活力との協調による研究、販路拡大を図っている。
新潟県が開発して特許をとった(2年前に特許は終了している)二段階米粉処理製法は、原料米→水洗い→水漬(水分を増やす)→水切り→圧縮ロール粉砕→気流粉砕→製品 となる。
鋼板サイロは、300トン瓶が5基あり、大型循環式乾燥機が50トン用6基ある。すべてのサイロを冷却装置によって14.5度に保てる。

        「JA全農 新潟精米工場」      新潟市西区山田2310−15

 鉄筋造り8階建ての工場で1日精米能力80トン。最新鋭のシステム管理室ですべての作業状態が管理されている。
@玄米は8階までエアー搬送され、3階まで自然落下の途中で風を送って異物を除去し、さらに光選別機で異物を除去する。 A再度エア搬送で持ち上げて「玄米タンク」に貯蔵する。 B計量した玄米をエアで持ち上げて精米機に自然落下で投入する。 C精米に混入している砕米を振るいにかける。 D光学式選別機で異物を除去し計量したものをモバイルタンクに投入してモバイルラック(クレーン倉庫)に運ぶ。 E包装する分のモバイルタンクが8階まで運ばれ計量タンクに投入の後、自然落下で計量包装機に投入される。 F空になったモバイルタンクは自動で洗浄作業がされる。 G包装品は印字、金属探知機、ウエイトチェッカーなどを通って、製品置き場に運ばれる。        

  
  新潟製粉 大型玄米貯蔵設備                    JA全農新潟精米工場 説明会会場                   JA全農新潟精米工場 精米完成品

      「 株式会社 タイナイ 」  製粉工場視察   新潟県胎内市清水9−153
 
 新潟製粉の米粉を活用するために、平成22年からパン用の米粉専用の製粉工場として稼動している。主に生協・学校給食向けの米粉を製造しているが、ハンドメードでは問題のなかったことが、オートメーション化してから出てきている。
原料米は100%新潟産米であるが、コシイブキのほうが反収1俵多いので価格差がまだ20%近くあり、6割はコシイブキを使用している。

  
 新潟製粉株式会社                          米粉用稲の作付け田んぼ                         モミを直播する方法で植え付け

      「 夕食時の米粉使用商品 」    TOKYUIN NIIGATA HOTEL

  

      「 朝食時の米粉使用商品 」     TOKYUIN NIIGATA HOTEL

  

     「 たいまつ食品株式会社 」     新潟県五泉市村松1345   代表取締役 樋口 元剛 氏

 包装おもちの主力会社。明治30年から米の商いを行っており、地域の米の集荷を主な業務としていたが、昭和33年から米の加工業に進出し、昨年9月に米粉の専用クリーン加工工場を新設して、加工販売を行っている。この工場では時間当たり100kgの生産を行っている。
米粉(微細粉)の特徴は、1、ケーキ、お好み焼き、パン、スープ、麺など幅広く使える。 2、ダマになりにくい。 3、小麦粉に比べて、吸油率が30%も低い。
米粉は作ることは難しくないが、新潟県以外の人は米粉を知らないので、マネキンによる販売をして居るが、注目してくれず販売が難しい。
現在米は40%の生産調整をやって、反当り8万円の補助金を出している。国は米粉の規模を50万トンと考えており、その際には720億円の補助金減額が考えられる。
たいまつ米粉の特徴は、1、新潟県産のコシヒカリを100%使用している。 2、湿式気流粉砕法なのでパンやケーキに適している。 3、完全独立クリーン工場なのでコンタミの心配がなく、小麦アレルギーの心配が無い。
湿式気流粉砕製法は、1、水で湿らせてお米を軟らかくするので、粉砕時に無理な力が掛からない。 2、お米同士を衝突させて粉砕するので、お米に無理な力が掛からない。
毎日6時間作業の後2時間を清掃時間としている。

  
たいまつ食品米粉工場                                 プレゼン会場                               米粉使用製品

  
パン(グルテン不使用)と舞茸・大葉の天ぷら(さくさくしてさっぱり)       コーンクリームスープ(ダマなし、あっさり)               シフォンケーキ(ふんわり、しっとり)    

  
ホームベーカリーで焼いた米粉使用パン                焼いたパンを手でちぎったもの(ふわふわ)                   たいまつ食品の製品

      「 新潟ふるさと村 バザール館 」

  
ふるさと村 バザール館                        ふるさと村 アピール館                               米粉使用商品

  
  米粉使用商品                                   米粉使用商品                              米粉入りたこ焼きのPOP

  
米粉使用のたこ焼き                       米粉使用の糸魚川ブラック焼きそば                         米粉使用商品

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