オーシャンズ・11

  映画「オーシャンズ・11」
 ラスベガス。 三大カジノの現金を保管する大金庫から、ミサイル基地なみの警備システムを破って現金を盗み出す犯罪チームの強奪作戦。
 監督スティーブン・ソダーバーグ。 11人のプロフェッショナルの贅沢なキャストが見もの。
             
 ノースジャージー州刑務所の中、「おはよう!」。 「名前を・・・」 「ダニエル・オーシャン(ジョージ・クルーニー)・・・」。 ダニエルは言う「妻に逃げられ、自業自得になっていた。 もし釈放されたらまじめに更生し・・・」。 彼、ダニエルはこれまで12件の窃盗の罪により、四年前から収監されていたが、保釈のための審査が行はれている。 やがてダニエルの保釈が決定し仮釈放された。 預けておいた指輪を受け取り、彼は刑務所を後にする。

 アトランテイックシティ、ゲームコーナーに一人の男が遊びに来る。 「チップをもらおう」顔見知りのフランクが「ごゆっくり・・・」とチップを渡す。(ラスベガスの歴史的ホテル取り壊しと新聞の記事にある)保護観察官が声をかける。 「ラスティー元気か・・・・・」。 ラスティー(ブラッド・ピット)が答える「善良な市民に戻ったばかりだ」。 「バーコーか?」 「ハリウッドのビジネスマネージャーだ」。  ジョッシュがカードをくばる。 ラスティーが言う「ブルーに50だ」。 周りの客が言う「よせ、おりろ、おりろ」。 さらにラスティーが言う「スリーペアか?」。 「オールレッドだ」。 
 
ラスティーがまた入れ込んでいる。 「はったりに負けるな」と声が飛ぶ。 「おりた」と客の一人。 ラスティーは「もう500ドルレイズする」と言う。 女の客が「ホリーはコールよ」と言い「俺もだ」と周りの客は皆降りる。 ラスティーは「この上にあと2000ドル」と言い「俺はのこる、どうせハッタリだ」と言う。 しかし、親は「エースのフオーカード」。 ラスティは大負けして賭博場を出た。

 「ヒマだね、退屈だ。タッキーは届いたか?」。 ダニエルが4年間の刑務所暮らしで練りにねった計画をラスティーに説明した。 「警備は硬いが狙える」とダニエルは言う。 図面を見せられてダニエルも「マジに本気か?」と乗り気になる。「ペテンをかます仲間が12人は必要だ」。 「金が要るのか?」 「金じゃない」「なぜやるんだ」 「チャレンジだ」。 「資金提供者はいる」。

 二人は協力者探しを始める。 まずレーベンを誘う。 「君達はプロの中のプロだ。本当にできもしないことを言わないほうがいい」。とレーベンは言いながらも、「住所を書いていけ、やつに何か恨みか?」 「べネディクトを狙うならこれは忘れるは。バレたら殺す。殺される」。

 メカの知識をもて余している男に近ずく、ラジコン車・マニア。 ラスティーにはラジコンカーと四駆のトラックを競争させて、わざとタイヤで踏み潰す。

 G4プラスチック爆弾で金庫は破ったが、警報機に掛かり逮捕された爆破の達人バシュー(ドン・チードル)は、逃げるとき自分がビルに仕掛けた爆弾の爆発で混乱させて、パトカーの中から逃げるがラスティーはこれを救出し仲間に入れる。 バシューはパトカーにまで爆薬を仕掛けていたので、パトカーも吹き飛ぶ。

 二人は身軽い男として、中国曲技団の男イエンを仲間に選んだ。 
 
さらに二人はセントピーターズバックの競犬場にやってくる「わしをガキ扱いするな、ちゃんと話せ」という男を説得した。

 配線のプロの電気屋。 バカラ・ディーラー。 車輌のプロ運転手。 を仲間に選んだ。 「ソールで10人だ、何とかなる」。 「もう一人何とかしよう」。

 シカゴ、電車の中。 ダニエルはスリの男の行動を見ている。 男は電車を降りる。 ダニエルは男ライナス(マット・デイモン)の後をつけて、彼とすれ違う際にズボンのポケットに手紙を入れた。 ライナスが手紙に気ずいたときメモには「おみごと。エミッツで待つ。ダニー・オーシャン」とあった。 ダニエルがスリのライナスに言う「やらないなら他を探す。 何時までもスリでもやってろ」。

 「ようこそベガスへ、まだみんなは自由の身だ、おりるなら今のうちだ」。 皆を集めてダニエルが説明を始める。 ストリップ大通りのホテルの図面を広げる。 誰かが言う「これはべラージオの大金庫だ!」。 ダニエルが説明する「ここの警備システムはミサイル基地に負けない警備がされている。 カジノと金庫の双方の照合が必要で、警備は銃を持った二人が見張っている」。 続けて言う「平日でも7000万ドルの現金がある。 それを11人で平等に分ける」。 男が質問する「全部巧くいったとして、1億5.000万ドルの現金を持って無事に帰ってこれるか?」

 11人のプロフェッショナルは連日手分けをして下準備をする。 現場偵察を繰り返し行う。 地下の大金庫室と同じ室を作り、曲技団のイエンは台車の箱の中から折りたたんでいた身体を伸ばし出てきて、床に張り巡らされた防犯装置を避けて、空中バックテンで移動する練習をしている。

 女性従業員を買収し、男性従業員の胸の名札をキスをしている間に取らせたり。 間抜けな風船売りに成りすました男は、従業員にわざとぶつかり喧嘩をして、手を離したので天井まで上がった風船で監視カメラの眼ををふさいでいる間に、電気屋が配電室に入り込み電気の回線に特殊装置を取り付ける。 電気屋は手に書いた地図を頼りに出口に急ぐが、すれ違った内部の男が電気屋を怪しみ配電室に入る。 電気屋は出口の近くでその男に呼び止められる。 急いで逃げようとするが男に肩を捕まれる。 男が言う「手帳が落ちていたよ」。

 車を買いに行く。 1万8.500ドルという車を、現金で1万6.000ドルにさせる交渉の間、オーナーの態度に感激した素振りでオーバーに手をずっと握り締めて離さず、オーナーの指紋を写し取る。指紋がセキュリティキーになっている。

 ダニエルはホテルの中で偶然、元女房のテス(ジュリア・ロバーツ)を見かける。
 
ホテルのオーナーのベネディクト(アンディ・ガルシア)が言う「綺麗だ」。 テスが答える「ありがとう」。 ベネディクトが抱き寄せようとするが、「このホテルでは誰かがどこかで見てる」と言って逃げる。 ベネディクトガ言う「では今夜」。 テスはオーナーの恋人になっている。

 オーナーのベネディクトにベネガクレ支配人が声をかける「あの3番目にいるゼルガ氏がお話をしたいと・・・・。ゼルガ氏は20万ほど勝ってます。うちのスイートに泊まります」。 ゼルガと名乗っているソールは言う「7時5分に重要な書類が届く、地下の金庫で保管してほしい」と。

 ダニエルはレストランにテスを呼び出す。 「遅刻よ・・」。 ダニエルが言う「テス、なぜここに居る」 「あなたはあの日タバコを買いに出たまま・・・、指輪は売ったわ。 手紙書いたけど届いてないの?」。 ダニエルが言う「手短に言う。君を迎えに来た・・・」。 テスが言う「あの人なら何の心配も無いわ」。 「君を笑わせるか・・・・」 「泣かせたりしないわ・・・・。私のニューヨークの5年間を取り返したいの」。 ホテルオーナーのベネディクトがやってくる「最近出所されたとか?・・・」。 ダニエルが答える「久しぶりにあいさつしただけさ。もう会うこともないか・・・」。

 爆破の達人バシャーが部屋で爆弾の組み立てをやっている。 テレビにビルの爆破解体の様子が映っている。

 7時5分ちょうどにかばんを載せたリムジンがホテルの玄関に到着した。 「重要な書類です。バーニーラグル・トラブル」

 「カリフオルニア科学研究所にある装置で、核爆発させてラスベガスの町全体の電気を一瞬止めることができる。人を殺さず電気を止める」。 三人でそれを盗みに行き、ライナスに車のところで待っているように言うが、帰りが遅いのでライナスも後を追って研究所に入る。 装置を盗み出して車に帰った二人が「ライナスは?」。 探してみるとビルの中で、警備員に追われて窓から外に逃げているライナスが見える。 「あそこだ」。 「助けるのか?。そんなことしたら・・・」 「油断大敵だ・・・・」と走り始めていた車をバックさせてそばに行き、車の上に飛び降りさせて救出する。

 ソールが小型無線機を使ってしゃべる「やばいよマークされた」。 「かばんを受け取ったとたんに監視がついた」。 ダニエルとラスティーは行動を監視しながら指示を出す「イヤなら計画中止だ」。 ソールは自信がなくおどおどしている。 「ソール時間だ」と行動開始の時間を指示して、二人は「よし行こう!」と美しくネオンの輝くラスベガスのカジノに急ぐ。

 今夜は世界ヘビー級タイトルマッチがホテルで開催されている。

 貴重品の入ったかばんはチエンがついて、その先には手錠がついていてソールの手首に止められている。 警備員がついてオーナーのベネディクトとともに金庫まで台車に乗せて運ぶ。 「ベネディクトさんこの手錠の感触は好きじゃないですね」。 かばんを開けて検査をする。 ベネディクトが言う「かばんに危険物がないことを確認しました。ここからは彼が金庫に運びます。あなたはモニターでご覧できます」。

 サーカス団員の男イエンに行動開始の合図が行く。 荷物を運ぶ台車の中に身体を折り曲げて入る。 上にテーブルクロスをかける「よしッ。30分間で空気が切れる」。

 賭博委員会の係官を名乗って仲間の男が受付に現れる。 「奥でお話を・・・・」
 レストランでダニエルがテスといる「ダメよ。ダニー帰って・・・。私はもう取り返せないわ」。 「わかった。別れのキスを・・・」ダニエルは顔に軽くキスをしてそのまま去って行く。 テスは呆然と立ち続けて振り返りもせずつぶやく「さよなら・・・」。

 書類が金庫室に運ばれた。 モニターで見ていたベネディクトが言う「満足ですか?」。 ソールが言う「とても満足です」

爆破の達人バシャーがドジをして、用心棒の男に両手を捕まれて部屋に放り込まれる。 「カメラの無い部屋か?。中を見せたくないらしいな」。 二人が外で見張りをし一人が殴りかかる。 「殴るのは後だ・・・・」殴っている男は仲間であって、一人芝居で大騒ぎをしている間にバシャーは天井裏に入って行く。

 ボクシング会場はまもなく試合開始で観客は盛り上がっている。

 ソールが急に胸が苦しいと言って倒れて、皆が医者を探す。 医者に成りすましたラスティーが現れて脈を取っているが「残念ですがご臨終です」と言う。

 金庫室の真上に来たバシャーとライナスは、磁石で止めた滑車を使い赤外線警備のすぐ上で待機する。 核装置を操作すると、ラスベガスの街の明かりがすべて消えて、暗闇の街となりボクシング会場は大混乱。 レストランでも大騒ぎ。 その間に警備ラインをバシャーとライナスは超えて行った。  

 金庫室の前に銃を持った警備員が二人居る。 二人の足元にバシャーが起爆装置を音もなく滑らせる。 手元のスイッチをひねると二人は吹き飛ぶ。

 金庫室の中に台車に潜んで入った曲技団の男イエンは、折り曲げた身体を伸ばし台車の上に出て、バックテンで後ろの棚の上に乗り警備網を避けて壁伝いに動き金庫扉の内側に爆薬を仕掛けた。が、その時服の袖をはさまれてしまう。 外ではバシャとライナスが爆薬のセットを終わった。 カウントダウン。10、9、8、・・監視カメラで室内の様子を見ていたダニエルとラスティーは叫ぶ「ライナスやめろ!。中止だ!」。 携帯無線で伝えるがバシャー達に聞こえない。 スイッチオン「何だ変だな・・・・。電池の容量は・・・・」。 爆発しない。 イエンの服の袖がちぎれて取れる。 スイッチをあちこち触っていたら「ドカーン」と大音響とともに金庫の扉が外れる。 イエンは棚の間から何もなかったような顔で出てくる。

 オーナーのベネディクトがテスと言う。 「今夜は最高にセクシーだね・・・」とテスを喜ばせているとき携帯電話が鳴る。 テスがいう「私持ってないわ、誰のかしら?・・・」。 二人でキョロキョロすると、テスのコートのポケットから音がでている。 テスが電話に出る「替われって・・・」と電話をベネディクトに渡す。 「ベネディクトだ。・・・・誰だ」。 男が言う「金庫破りだ。モニターを見てみろ」。 警備員が監視を続けているモニターを見るが異常が無い。 「金庫はなんでもない。大丈夫だ・・・」。 「そのまま観てろ」とラスティーは言ってモニターの画面を切り替えてやる。 これまでは自分達が作った金庫室を写した映像をモニターに送っていたので、何事も無いように見えていたのである。 本物の映像では金庫室は爆破され、警備員は倒れている。 ベネディクトが言う「金庫を破っておめでとう。 そっちが勝つ気かね」。 「我々は半分だけもらえればいい。でなければ、全部爆破する」。 ベネディクトが小声で支配人に指示する「警察へ・・・・」。 外でパトカーのサイレンがし機動隊が到着したことを報告される。 ベネディクトが携帯電話で伝える「必死に逃げ回れ、必死にだ・・・・」 「絶対逃げる。もう渡さない・・・・」。
 怪しい小型バンが走り出る。 パトカーが追跡する。 「バンはマッカラン空港に向かってます」。 警官が叫ぶ「バンを止めろ」。 やがてパトカーが進路をふさぎ逃走車を止める。 「タイヤを撃て」。 四本全部タイヤがつぶれる。 「バンはおさえました」。 警官が銃を構えて取り囲む。 「ちょっと遊んでやるか」とラジコン・マニアの男が呟く。 警官が一斉にドアを開ける。 運転席には誰もいない。 運転席のギアが勝手に動いてバンが動く。 「はめられました」。 「それでは金はどこに・・・・・」。 車はラジコン操縦されていたのである。

 到着した機動隊員は全員ラスティーの仲間で、全員がジェラルミンケースを下げてポリスカーに乗り込んだ。 バンはフルスピードで街を走り抜けた。  「もう一度聞く。 ボクシングの試合もおまえの仕業か?」。 「ベネディクトいったい何の話だ」

 ベネディクトがテスを説得している。 テスが言う「このホテルでは誰かが見ているの・・・・」そういってテスは足早に去って行く。

 ラスティー達を乗せたポリスカーは倉庫の中に消えていった。

 ダニエルは逮捕されて警察に連行される。

 ラスベガスの夜はいつもに変わらず、なにも無かったかのようにネオンが輝いている。 テスがひとり夜の町を歩き雑踏の中に消えて行く。

 ホテルを遠く眺める広場に男達10人が並んで背中を見せている。 その先に巨大なホテルがネオンを輝かせている。 前の塀にもたれ覗き込むようにホテルを見ていた男が、気を取り直したように立ち上がると、隣の男の肩を無言でたたい去って行った。 一人、又一人言葉なく「元気でナ」といってるように手をあげてどこかに消えていった。

 数ヵ月後、ダニエルが釈放される。 ラスティーが迎えに来ている。 中古のロックンロールのジャガーをみて「1300万ドルも稼いでこんなオンボロ車か?」。  近ずきながら「俺の物だっけ?」と気づく。 車の中を覗くとテスが乗っている。  ダニエルが言う「指輪を売ったって・・・・うそつき」。 テスが答える「どろぼう・・・」。 ダニエルとラスティーが乗り込みどこかへ走り去る。 そのとき静かに動き出した車が後をつけて行く、屈強な男が二人乗っている。 終わり

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