ザ・メキシカン


  監督ゴア・ヴァ−ビンスキーのアクションロマンス。 米・ピープル誌の「世界で
最もセクシーな男」に二度選ばれた、1964年オクラホマ生まれのブラッド・ピッ
ト。 95年にはアカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた、2枚目俳優の演ず
るドジでお人よしでアウトローの男ジェリー。  1作品の出演料が2000万ドル以
上で、昨年ついに「エリン・ブロコビッチ」で念願のアカデミー主演女優賞を受賞
した、1967年アトランタ生まれのジュリア・ロバーツ演ずるサマンサ。 2大スタ
ーのコンビが織り成すロマンチック珍道中。


  ジェリーと恋人のサマンサは、ラスベガスに行く計画を立てていた。     
しかし、急にジェリーが行けなくなったと告げたためにサマンサは大荒れ。  
「私を取るのか、組織が大事なのか?。 もう分かれよう、出て行け」と彼の荷
物を二階の部屋から外に放り出し、サマンサは一人でラスベガスに旅立つ。

 ジェリーは犯罪組織のボスの車にうっかり追突し、ボスは車のトランクに隠し
ていた麻薬がばれて刑務所に収監されるはめになった。 その代償として、や
むなく組織の運び屋として使われているジェリーだった。
 サマンサは彼の仕事を嫌って「足を洗って別の街でやり直そう」 「組織から抜
け出ることが出来ないなら分かれる」と言っていた。 そんな矢先ジェリーに組
織から「世界一美しいが愛を引き裂くというアンティークの拳銃 "メキシカン"」
を受け取りにメキシコへ行けと命令が下ったのだった。 「行かなきゃ殺される」
これを最後の仕事としぶしぶ承諾した彼に、「前からの約束なのに、私と組織と
ドッチを取るの」と煮へ切らない恋人に憤慨してサマンサが大荒れだったという
訳である。

 メキシコに飛んだジェリーは宝石箱に入った、金銀の細工をされた美くしい黄
金の銃を受け取る。 が、ドジをふんで何者かに銃を奪われてしまう。

 一方組織はジェリーが裏切らないようにと、ラスベガスに行ったサマンサを人
質に取る。

 この映画は二転三転する銃の争奪戦とその中で繰り広げられる複雑な人間
関係、銃職人の呪いがかけられた銃、銃にまつわるいくつもの伝説、予想外の
物語の結末。

 ストーリーを知ったほうが楽しく観れる映画もあるけど「ザ・メキシカン」はどこを
とってもストーリーを教えてしまってはいけない映画。 また事前に知ってしまう
とつまらない映画です。 今回は教えません。

 サマンサの行ったネオン輝く快楽の街ラスベガスと、ジェリーの行く土レンガ
の家に砂埃のする暗いメキシコの村。これを交互に見せる作品の構成は、最近
見た映画の中で私は一押しです。 でも映画を楽しむと言うより、ピットとロバー
ツを観に行く人のほうが多そう。
     終わり

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