【キャスト】
ネオ/トーマス・A=アンダーソン(キアヌ・リーブス) 人工知能の支配から人類を解放するために反乱軍に加わる救世主
のサイバー人間。 モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)人間の街「ザイオン」のリーダーで「ネブカデネザル」という名のホバークラフトの船長。
トリニティー(キャリー=アン・モス) ネオの愛と信頼を支えにマトリックスに乗り込む女性。予言者からは「お前が愛する男が
救世主になる」といわれている。 ナイオビ(ジャダ・ピンケット・スミス)ホバークラフト「ロゴス号」の船長。ザイオン反乱軍(ネオ側)の黒人の女性戦士。
元はモーフィアスの恋人。今はロック司令官の恋人。 ロック(ハリー・J・レニックス)人間の住む唯一の地「ザイオン」の軍隊を率いる司令官
リンク(ハロルド・ぺリノー)黒人のサイバー人間で人工知能と闘うネオの仲間。ネブカデネザル号のオペレーター。
メロビンジアン(ランバート・ウィルソン) 情報の取引をビジネスにしている、マトリックスの実力者。 プログラムの一人。
パーセフォニー(モニカ・ベルッチ) マトリックスの実力者メロピンジアンの妻。 ネオのために夫を裏切った。プログラムの一人。
エージェント=人工知能が仮想現実空間(マトリックス)に放った黒スーツ姿の刺客。
ソフトからソフトへ渡り歩き、反乱をおこしそうな人間をチェックしている。 エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)マトリックスを守るボデーガードだったが、システムから削除されネオへの
復讐を企む刺客。 自己増殖する技術をもっている。 人工知能が人類の所に送り込みマトリックスに 紛れ込んでいる男。 オラクル(メアリー・アリス) ネオに平和への道を教える予言者の女性。 プログラムの一人。
キッド(クレイトン・ワトソン) 自力で現実世界に覚醒した少年
セラフ(コリン・チャウ)武道の達者な予言者オラクルのボデーガード。
ジー(ノーナ・ゲイ)リンクを愛する黒人女性。
サティー(タンビーア・アトウォル) 父のラマとモービル・トレイン・ステーションでネオに出会う少女。
ベイン(イアン・ブリス)センテイネルズに攻撃されたネブカデネザルのただ一人の帰還兵士。
元ザイオンの戦士だったがマトリックスでスミスに身体を乗っ取られた男。 トレインマン(ブルース・スペイン) メロビンジアンに雇われる悪の仲間で、機械の世界とマトリックスの間を動く列車を
管理しているプログラムの男。 ミフネ(ナサニエル・リーズ)ザイオン反乱軍のAPU(巨大な戦闘マシン)部隊のリーダーでセンテイネルズと戦い戦死する。
センティネルズ=人工知能が現実世界のゲリラに攻撃を仕掛けるイカ形のロボットで、ザイオンを攻撃する。
【ストーリーの続き】
評議委員会が開催されている。 ロック司令官が議員に説明する。「12時間以内に敵はドックの壁に達します。 何度シュミレーションをしても街の内部に侵入された場合、我々が生き残る可能性は殆どありません。 したがってまず敵の掘削機を破壊し、使用不能にすべきです。 成功すれば街への侵入を防げるかも知れません。 失敗した場合は寺院の門で闘うしかありません。 狭いために敵のボトルネックになり、我々も残された防衛力を集中できます」 女性の評議委員長が言う「あなたは追加の志願兵を求めていましたね」 「その通りです」 男性の評議員が聞く「その重要なドックの防衛に想定している部隊の規模はどの位かね?」 「もっかのところ全APU部隊と歩兵部隊の半分です」 「歩兵部隊の半分?・・・」 「決めるのが私なら男も女も子供にも一人残らず銃を持たせドックに向かわせます・・」 女性議員が言う「決めるのがあなたではなくて幸いです」 「すぐにわかります評議員・・・」 「司令官もう一つ、質問だ。・・ネブカデネザルからの連絡は?」 「いいえ、何も・・・。 現状では連絡がくる見込みはありません」 「だが希望はある」 「希望をあてにしている時間はないと思います」
黒人女性のジーが砲弾に火薬を詰めているところに、姉のドウザが子供を連れてやってくる「ジー何してるの?・・・避難するのよ」 「私は行かないわ。 ドックを守る部隊に志願する」 「気持ちはわかるけどジー・・・。 あなたにはムリよ。・・」 「やらなきゃ・・」 「なぜ」 「リンクのために・・・お互い愛し合ってるからよ。 立場が逆ならキットリンクも同じことをするわ」 「でも死にに行くようなものよ」 「そうかも知れない・・でもこれがドウザだったらどう。・・・又彼に会うにはドックを守るしかないとしたら・・・」
APU(巨大な戦闘マシン)部隊のリーダーミフネと砲弾を運んでいた少年キッド(クレイトン・ワトソン)がぶつかる。 ミフネが聞く「何だコリャ・・お前は誰だ・・」 「部隊に志願しました」 「こんなもやしみたいな男が私の部隊に志願しただと・・・」 「僕も役立たいのです」 「いくつだ・・・」 「18です」 「せいぜい16歳じゃ無いのか?・・」 「16です」 「部隊に入れる最低年齢は18歳だ」 「機械は年なんて気にしません。 同じように殺します。 使ってください後悔はさせません」キッドはAPUマシン部隊の手伝いをすることになった。
ナイオビ船長、モーフィアス船長、リンク隊員がライトをもってロゴス号の船内に入る。 コンピューターのスイッチを入れる。 「OK,、起動してみろ」 ロゴス号のエンジンが動き出す。 「生き返ったぞ! よーし上手く行ってる。オンラインに戻すぞ。」 リンクが言う「マトリックスからの信号がおかしい」 モーフィアスが「おかしいのじゃない・・・。俺も同じ物を見ている。 中で何かが起こっている」 「いいことじゃないよ」 「敵はジャンクション21を通ってる。 ということは、この接続可能レベルから降下して153を横切れば、不意をつけるはずだ」 モーフィアスが言う「まず我々ができる限り突っ込みEMPを作動させれば、上手く行けばロゴス号が通る穴をあけられる」 「現状ではこの方法しかないだろう」 ナイオビが言う「いいえ、ほかの方法もあるは・・・、点検用のトンネルよ。 ここから下に向かってて、敵から1000m離れて居る。 運がよければ敵に気ずかれずに潜り込めるわ。」 「やばそうだ・・誰があんな所に行ける?」 「私よ・・・」 「馬鹿言うな・・」 「昔だけどやったことがあるの・・」 「いけるのは君の船だけだ・・我々はどうやってついて行く?」 「・・・」
ハンマー号の中。 ロック司令官ほか大勢が作戦会議中にネオがやって来て言う「時間が迫っているのに遅れて来てすまん。・・一つだけ確かめたいことがある。」 「何を?・・」 「すべきことが判った・・説明するのは難しいが、船を一隻使わせて欲しい。」 ローランド船長が言う「何処に行く?」 「機械の都市だ」 「頭がどうかしたのか?・・。 この100年の間に100Km以内にたどりついた船は一隻も無い。」 「やって見るしかない・・」 「予言者にそう言われたのか?」 「違う・・」 「バカバカしい。 やるのはかってだが、大事な船を無駄には出来ない。 死にたかったら死ね。 だが船は貸せん」 「信じて欲しい・・どうしても行かないと・・」 「いい加減にしろ!。 この船の船長は俺だ、俺が判断する。 君には絶対に渡さんぞ」 女性のナイオビ船長が言う「私のロゴス号を使って・・」 「何を言い出す?・・」 「たった今、立派なスピーチをしたんだから、私が自分の船をどうしようと口出ししないでよ」 「よく考えろ・・ナイオビ」 ナイオビが言う「このハンマー号の操縦は私が引き受ける。 1時間以内に行けば敵より先にザイオンに着けるわ」 みんながあきれて引き上げる。 ナイオビがいう「二隻の船に二つの行き先・・・偶然の一致かしら・・」 モーフィアスが聞く「救世主を信じていたか?・・」 「信じていないわ」 「なら、どうして船をわたす」 「ネオを信じているから」
ハンマー号の病室。 ネブカデネザルの帰還兵士べインがベットに起き上がり女医マギーが注射をしようとしている。 「何の注射だ?・・」 「心が落ち着いて、思い出しやすくなるの」 「もし、思い出したくないとしたら・・・」 「なぜ、そんなこというの?・・」 「俺がEMPを発射したかも?。・・ザイオン艦隊を破壊したのも、大勢が死んだのも俺のせいかも知れない・・・もしそうなら俺がここに居ちゃ危険だってことだ・・」 ベインは隠し持っていたナイフをマギーの胸に突き刺して殺す。
トリニティーがネオにいう「用意できた?」 「トリニティー・・・言わなきゃならないことがある。 行くべき所は判っている。 でも・・・その後はどうなるか?・・・」 「判ってる・・・死ぬ覚悟だってこと・・・あなたが行くと言った時から知ってたわ。・・あなたが私を見て、私が一緒に行くと判ったように・・・」 「俺は恐いんだ・・・」 「私もよ・・・ブーツを片方履くのに20分もかかった。・・だけど聞いてくれる6時間前、私はメロビンジアンにあなたのためなら、全て投げ出すと言った。・・・この6時間の間に何が変わったと思う?。・・・何にもよ・・・恐い!」 ふたりは抱き合いいつまでもキスをする。
モーフィアスが黒人オペレーターのリンクに言う「弾薬は積み終わったか?」 「もう少しです・・」 「急げ!・・時間がないぞ」 リンクは恋人のジーに言う「さよならは言わないよ・・幸運を祈る」 「ありがとう・・」といって二人は分かれる。 モーフィアスは「君が正しい選択であることを願っている」と言い。 リンクは「俺もだよ・・あえて光栄だった」 「光栄なのは私の方だ。・・・幸運を祈る」といって握手して分かれた。
「準備完了です」整備兵が報告にくる。 ネオは「すでに遅れているぞ、出発だ」と言ってトリニティー立つ。 ナイオビが「さよならロゴス・・・二人をよろしくね」と見送る。 ネオとトリニティーが操縦席に座る。 「行くわよ」トリニティーがスイッチを入れるが始動しない。 「エンジンは動いてるけど・・・ヒューズだと思う、見てくる」トリニティーがハッチを開けて下部の部屋に点検に行くと、いきなり男に後ろから羽交い絞めにされて、ナイフを首に突きつけられる。 男はベインで「お前が見に来るとは意外だが、まあいい。 お前ほど私から逃れたやつは居ない。 今度こそと思ってもするりと指から抜けて行く」 「何言ってるのあなた・・・」 「お前を殺すのも、あいつを殺すのに劣らず楽しそうだ・・」 隙を見てトリニティーが一撃を加えて逃げようとするが、ベインに捕まる。 「ネオッ!・・」 叫び声に驚いてネオが、銃を持って部屋に飛び込むと、顔を血だらけにしたベインがトリニティーの喉にナイフを当てて後ろに立っている。 「ネオッ!。・・ベインが居る。気がふれているわ」 「よくも知らせてくれたな・・・」
ハンマー号のコントロールルーム。 オペレーターが「後27Kmで敵が着く」と報告がある。 隊員が飛び込んできて「船長大変なことになっています。 マギーが殺されています。・・・おそらくやったのはベインです」と告げる。 ローランド船長が「やっぱりな・・・あいつがいかれてるとは思ってた。 EMPもあいつか?。・・あの時口を割らせておけば・・」 「くまなく探しましたがベインは居ません」 「居場所は知ってる」 「ロゴス号か?・・」 「戻りますか?」 「手遅れだ」 「何で・・」 「危険だ。・・二人を殺していればEMPを使う。 自分達で乗り切るしかない」
スミスに身体を乗っ取られたベインが言う「アンダーソン君。君のすることには意外性がないな」 「なに!・・」ネオが問う。 トリニティーが「この人、気がふれてるのよ」 「お前にはそう見えても、アンダーソン君は見かけが当てにならないと知ってる。 銃を持って来てくれてありがとう。 銃を渡してもらおうか?」 「渡しちゃダメ!。 撃って!・・今すぐ撃って」 「そうだ撃て!・・この女も丸焼きにする」 「撃たなきゃ二人とも殺される」 「見ろ!・・判っていても彼は撃たない。 撃てない。・・」 ネオが静かに床に銃を置く。 「銃から離れて後ろを向くんだ・・」 「彼女を放せ!・・」 ベインが銃を取ろうとした瞬間にネオは、後ろ手にしばられたトリニティーをハッチの穴の中に落とす。 二人が銃を取り合いとなるがベインが銃を取る。 銃を突きつけながら「覚えているかね?。以前にもこんなことがあった・・・忘れたか?・・私は覚えているぞ」 「誰だお前は?・・」 「まだ判らんのか?・・たしかにこの腐りかけの肉をまとっていては考えが鈍る。 ヘドがでる。 哀れなほどもろい身体でこんな者が生き残れるものか・・」 穴の中でトリニティーが後ろ手をほどく。 「何が望みだ・・」 「君と同じだよ。・・肉体に惑わされず、この眼の奥に居る自分の敵をよく見てみろ。」 「ウソだ!」 「ウソではない・・本当だよ」 「ありえない」 「私は何処でも生きる。・・ どこでも君を見つけ出す」 「不可能だ、こんなこと・・」 「不可能ではない必然だ・・お別れだアンダーソン君」ペインが銃をネオの額に押し付ける。
この時穴の中にいるトリニティーが電気のスイッチを切る。 暗闇の中でベインが銃を乱射するが、二人は殴り合い激しく当たって乱闘の末ネオが銃を取る。 苦し紛れにベインは手に触った電気のコードをネオの顔に押し当てる。 「うわアアッ」 両眼にやけどを負ったネオは盲目でベインの後を追う。 逃げながらベインが言う「その姿を見せたいよ、アンダーソン君。 盲目の救世主だ。 無力で哀れで話すすべもない。」 ベインが鉄の棒を振り払うのを避けて、鉄棒を奪い取る。 「お前が見える」とネオが言う。 「終わりじゃないぞ、アンダーソン君」 「終わりじゃない!」 ネオの一振りでベインの頭が砕け飛ぶ。
ネオはトリニティーを呼ぶ「トリニティー!・・・」 駆け寄ったトリニティーはネオの異変に気ずき「どうしよう」とうろたえる。 ネオは「大丈夫だ・・・何でもないさ・・でも操縦はムリだ頼む」と言う。
ハンマー号のコントロールルーム。 オペレーターが「敵の到着まで後22分です」と報告する。 ロック司令官が「多分EMPがあるところに波状攻撃をしてくる、反撃は掘削機に集中せよ。・・・APU部隊を配置せよ」と命令する。
ミフネがザイオン反乱軍のAPU(巨大戦闘マシン)に乗り込む。 何百機と整列したAPUに次々と隊員が乗り込む。 ミフネの合図で操縦桿を引くと戦闘マシンが立ち上がり、巨体を揺らしながら配置につく。 部隊長のミフネが叫ぶ「いいかッ!・・いよいよ決戦の時だ!。 やつらに我々の力を思い知らせてやろう・・。我々が死ぬ時は今しかない。」
コントロールルームで画像を見ながらオペレーターが言う「見てください。・・ものすごいカズです」 「あとどれ位だ?・・」 「入り口まで1.4キロです」 「熱を出しすぎている」 「感知されないよう手動で進みましょう」 その時船底が引っ掛って大きな音が出てしまう。 音に気づいたセンティネルズの大軍が動き出す。 「侵入まで700メートルまで来た」 「もっと近づくのよ」ナイオビが部下のゴースト隊員に言う。 「後600メートル」 モーフィアスが「来たぞ!」と叫ぶ。 センティネルズの大軍が襲ってくる。 ナイオビも操縦席に座り「パワー全開!・・システムをフルにして!」と叫ぶ。
オペレーターが画像の中に船影を見つけ「来たぞ」と叫ぶ。 「減速しろ・・・ロゴス号じゃないぞ」と言うが。 ナイオビは「ローランド・・腹に力をいれて・・行くわよ」と言うなり、フルスピードで点検用のトンネルを進む。 ローランド船長は急カーブや反転するような操縦に「この船にこんなことが出来たのか?」と驚く。
ザイオンの天井に巨大な掘削機の先端が見えてきた。 先端を回転させながらそのマシンの全貌が出てくる。 落下してザイオンの床に刺さりそのまま轟音をたてて横倒しになる。
配置について戦闘態勢にあるミフネが「かかれーッ!」と合図する。 天井の穴から無数にセンティネルズが湧き出るように降りてくる。 「なんて数だ!」 「何をしてる!」 APU(巨大な戦闘マシン)が突入してくるセンティネルズの大軍に弾を打ち込む。 (この場面が最大の戦闘場面。帯状に連なるほど突入してくるセンティネルズを、ロボットマシンが立ち上がり、両手に持った機関銃を振り回して連射する) 幾ら撃ち落しても、仲間も次々やられる。 「嵐のように襲ってくる」 戦闘が続く。 センティネルズはいくら撃ち殺されてクモの子のように湧き出てくる。
「行くわよ」リンクの恋人ジーとニオベが、バズーカ砲を持ってパイプラインの裏側を、身を隠しながら前進している。 ミフネが叫ぶ「掘削機を止めろ!」 「アンテナを守れ!。 畜生!ッ」 APUが攻撃されて爆裂している。 「円陣防御!」 ミフネの合図でAPU三機が背中を合わせて闘う。 センティネルズは留まるところ無く攻撃してくる。
ジーとニオベ女二人が天井にたどり着く。 穴の眼下に巨大な敵のマシンがある。 「ベルトをつかんで・・・一発で決めてやる」 身体を引っ張ってもらって身を乗り出し、肩に担いだバズーカ砲の引き金を引く。 命中して轟音と共にマシンが炸裂する。
コントロール室のオペレーターが「ロック司令官!・・味方の船がやってきます!」 「なに!。・・そんな馬鹿な・・交信して、アクセスコードを聞け!」 「やってますが返事がありません」 「味方など来るわけが無い・・これはワナだ。・・点検用のトンネルを操縦できる者など居ない」
ハンマー号の船内ではナイオビが「右舷下60度20%!・・」と指示すれば、これをモーフィアス船長が復唱し船を操縦している。
「司令官!・・確認しました。 ハンマー号です。 損傷を負ってますが、現在の速度なら12分でゲート3に着きます」 「彼らの入り口用にどこかの敵を倒せ!」 「こっちの防御システムも吹っ飛びます。」 「ゲートを開け!・・」 「ゲート3が反応しません。・・損傷を受けてます」
ハンマー号ではモーフィアスが「出口が見えた・・」と言い、「合図をしたら右舷パワーを全開90度よ」とナイロビが指示する。 モーフィアスが復唱する。 「今よ!・・」 ナイロビの指示で船は急角度でトンネル内を疾走する。 「すごい!・・見事な操縦だ」モーフィアスがその操縦振りを誉めるが「まだ終わってないのよ」と彼女が言う。
ロック司令官が言う「APUは何機残っている?。」 「13機です・・」 「ゲートの一番近くにいるものをゲート3にやれ」 ミフネが全身傷だらけで闘っている。 機関銃の弾薬が切れた。 「装填!・・」 声を聞いてキッド少年が弾薬庫のシャッターを上げ、一輪車に弾倉箱を載せてAPUに向かって駆け出す。 新たに弾を得たミフネ隊長が狂ったように撃ちまくる。 しかし、圧倒的な数のセンティネルズがミフネのAPUに取りすがり、マシンが崩れるように倒れる。 「ミフネ隊長!・・」取りすがるキッド少年に、虫の息の隊長が「帰って来るぞ・・・ハンマー号が・・・。お前がゲートを開け・・錘を切るんだ」と命令する。 「僕はまだ訓練プログラムを終えてません」とキッド少年が言う。 「私もだ・・・」ここまで言ってミフネ隊長は息を引き取る。
キッド少年がAPUに乗って操縦する。 「だめだ止めろ!」 ロック司令官が「中には入れない!。ここでEMPを使おう・・」と言う。
ハンマー号ではないオビが「どこかゲートを開けて・・・お願い!」と祈るように言う。 オペレーターが「司令官!・・。今、ミフネ隊長のAPUがゲート3に向かっています」と報告する。 みんなが画面を見守る中をキッドのAPUが前進する。 「ミフネ隊長のAPUがゲートに着きました。・・後、2分でハンマー号が到着します」 司令官がマイクを握り「ミフネ隊長聞こえるか?・・」と言うが、「音声は途絶えています」とオペレーターが言う。 構わず隊長は、マイクを握り「ハンマー号は後2分で着く・・・ゲートを開けてくれ」と言う。 「EMP発射用意!」と爆破の準備を始めたとき、キッドがゲートの錘を切ることに成功する。 ゲートが開く。 ハンマー号でナイオビがモーフィアス船長に「行くわよ・・」と声をかけてゲートに向かう。 モーフィアスが「もうすぐ我が家だ・・・」と笑顔で言う。
センティネルズが一斉に逃げ出す。 ザイオンの洞窟に避難していた人々に知らせる。 群集は歓喜し抱き合って喜ぶ。 モーフィアスが「君のお陰だ・・」と言えば、ナイオビが「いいえ・・・みんなの力よ」と言って喜び合う。 ジーがリンクを見つけて「戻ってくると信じてた」と言うと、リンクも「約束しただろ」と言って抱き合う。 ジーはリンクが胸に着けているペンダントを見つけて「付けていてくれたのね」と嬉しそうに言う。 リンクは「二度と離すものか」とまた抱き合う。
ロック司令官が言う「全ての武器がダメになった。・・・急いで復旧させるんだ」 評議委員会が開催されている。 議長がナイオビに「彼の目的を承知の上で自分で船を渡したのか?・・」と責任を追及している。 モーフィアスが言う「ネオは信じてやっている。 我々はネオを信じている」と答える。
ロゴス号の操縦席にトリニティーと眼に包帯をしたネオがいる。 「温度が下がってきた・・行くわよ」 眼の見えないネオが「あそこだ・・・あれが道だ」と指をさす。 「今、発電所の上だな・・光を感じる。 管が三本見えるか?・・」 「君の道・・送電線をたどるんだ・・」 二人が進む先には光が見える。
コントロール室。 「敵は何をしている?」 「敵はザイオンの壁も破ります」 「生き残るチャンスはあるのか?」 モーフィアスが「奇跡を信じている。・・・彼だから」と言う。
ロゴス号に向かってセンティネルズが大量に発射された。 ネオが手をかざすとセンティネルズが、次々に爆発して砕け散る。 両手を広げその大軍を撃破する。 光をくぐりぬけたセンティネルズが船にすがりつく。 ネオが叫ぶ「空だ!。・・それしかない」。 船を一気に上昇させると雲を突き抜けた上空は快晴の青空。 センティネルズは追って来ない。 「綺麗だわ・・」トリニティーが言う。 「今だ!・・」再び突入する。 大きな衝撃を受けてロゴス号が停まる。 ネオが「着いたぞ・・・」 というが返事がない。 ネオは「トリニティー!・・何処だ!」と彼女を探す。 「ここよ・・」彼女の力ない声で、二人は手を取り合う。 トリニティーの胸や腹に数本の鉄の棒が刺さり、彼女は身動きも出来なくなっている。 「着いたぞ・・」 「あなたの言ったとおり・・・」 「信じられない光景だよ・・・光でいっぱいだ。 俺が見ているものを君にも見せてやりたい」 「もう充分見せてもらったわ。・・もう一緒には行けないのよ。・・私はここまでが精一杯」 「そん な・・」 「後はあなたに任せるわ。・・ザイオンを救って・・」 「出来ない。・・」 「出切るわ・・あなたになら・・信じてるわ.今だって・・」 「君が死ぬなんてウソだ」 「私はもう死ぬのよ。・・一度は生き返らせてもらったけど・・でも、今度はムリよ。・・あの時私が屋上で言った、最後の言葉。・・」 「ごめんネだった・・」 「あれは失敗だわ・・最後にそう思った。 もっと大切なことを伝えたかった。 どんなにあなたを愛していて、幸せだったかを言いたかった。・・思いを伝える言葉が見つかった時は手遅れだった。 生き返らせてくれた、チャンスも呉れた。 だから今度は本当に言いたかったことが言えるの。・・・” キスして ”・・もういちど・・キスして・・」 ネオは静かにキスをした後、泣きながら動かぬトリニティーを抱きしめる。
ロック司令官が「大砲も準備せよ・・・ここが最後の砦だぞ」と命令する。 天井に掘削機が再び刺さり、先端のスクリューが壁を破って出てくる。
眼に包帯をしたネオが船の中から這い出してくる。 ここはマシンシテー。 光がネオの足元を照らしている。 ネオは光の上を歩いてくる。 虫のような物(名前はわからない)が湧き出るようにネオの周りを取り囲む。 廃墟に立つて居るが、ネオには光の街に見える。 機械の前で立ち止まり、ネオが言う「まず、これだけは言わせて呉れ、・・後は好きにしていい、お前の邪魔はしない。・・スミスはもはや制御不能のプログラムだ。 間もなくマトリックスと同じように、この街にもまん延するだろう・・お前は阻止できない。・・俺ならできる。」 (殺せ!・・という声があがる) 機械が聞く「何が望みだ・・・」 「平和だ・・」
先端に眼がある蛇のようなマシンが何本も来てネオの身体を持ち上げる。 ネオは光の中にある。 ザイオンを攻めていたセンティネルズが攻撃を止めて、空中に停まりにらみ合うような行動を取る。 やがて一斉に退却する。
何千という増殖されたスミスが見守るビルの中庭。 土砂降りの雨の中で、眼に包帯をしたネオが一人で広場の中程に歩く。 同じく反対側からスミス一人歩み出て言う「アンダーソン君お帰り・・君に会いたかった。・・・壮観なものだろ」と周りの仲間を見回す。 ネオが言う「今夜決着がつく」 「判ってる・・だから分身たちがそろって勝負を高みの見物という訳だ・・私が君を倒すことは全員が知っている」 両者が対峙する。 雨が激しくなり、雷鳴が轟く。 二人が同時に走り出して取っ組み合い、手足による攻防を繰り返す。 宙に舞い、壁を蹴り、体当たりする。 もつれ合い、殴り、ビルの壁を破り、共に宙を飛ぶ。 スミスが言う「アンダーソン君。 君の死が近づいているのを感じるぞ。・・君のお陰で生物の目的が判ったぞ・・・すべての命の目的は死ぬことだ」 ネオの廻し蹴りでスミスの黒いサングラスが飛ぶ。 稲妻の轟く大雨の中で二人が空高く舞い上がり、 激しくぶつかり、取っ組みあったまま、もつれて落下する。 地面に激突する。 スミスの分身たちが集まって穴の中を覗く。 大穴の中でスミスが立ち上がり、 ネオが水溜りに顔をうずめて倒れている。 ネオがふら付きながら立ち上がる。 スミスが言う「なぜだ!?。・・アンダーソン君。なぜだ!。 なぜ戦い続ける?。・・命を捨ててまで、自分より大事なもののために闘ってると信じているのか?・・それが何か判ったのか?。・・それは自由か、真実か、平和か、それとも愛のためか?。・・それは幻想だ。 人間の劣った知性が、必死に正当化しようとする束の間の幻だ。 マトリックスと同じく虚構に過ぎない。・・・つまらぬ愛など作り出せるのは人間だけだがな。・・・アンダーソン君。君はまだ戦いつづけるのか?・・君は勝てない!。闘う意味は無い!.なぜ、そこまで闘う!?」 「自分で選んだからだ!」
立ち上がったネオの腹をスミスが一蹴し、ネオもスミスの顔に一撃を加え、右手が顔にめり込む。 ネオの一撃でスミスの身体が土壁の中にめり込む。 土の中から出てきたスミスは「私の世界だ!・・私のものだ!・・・」と叫ぶ。 ネオの首を持ち一撃でネオを倒す。 倒れたネオの傍らに立ち「待てよ・・見覚えがある。 これだ。これが終わりだ。・・君が倒れ、私がここに立って・・そう、この場所で私が何か言うんだったな。・・”始まりがあるもののは、終わりがある。”ネオ ・・・今、何と言った?。・・まさか!。違うぞ!。ありえない!」 ネオが立ち上がり迫ってくる。 「こっちに来るな!」 「何を恐れている・・お前の言ったことは正しかったぞ!。これは必然だ!」
ネオの腹にスミスが手を突っ込む。 ネオの身体は次第にスミスに分身化されて黒く増殖を始める。 スミスが「これで終わりか?」と言い、ネオがうなずく。 スミスに身体を持ち上げられているネオは苦しむ。 ネオが棒の上で苦しんでいる。 恐怖におののきながらスミスが叫ぶ「やめろ!。止めろ!・・こんなはずは無い・・」 ネオは棒に持ち上げられて光の中のいる。 周りにいた大勢のスミスが身体から光を出して壊れていく。 エージェント・スミスも光を身体の内から出しながら陶器が割れるように壊れていった。 ネオをゆっくり降ろして棒が消える。
ザイオンの中。 センティネルズ太刀が急に逃げて行く。 「どう言うことだこれは?・・」 モーフィアスが言う「やったんだ。・・ネオがやったんだ」 ナイオビが喜びないている。 キッド少年が洞窟に走る。 キッドが「やったぞ!・・終わったぞ!。・・ネオが戦争を終わらせた!」と叫ぶ。 洞窟の中に隠れていた人々が歓喜の声を上げ抱き合って喜ぶ。 「ザイオン!。・・ザイオン!。 みんな終わったぞ!。 戦争が終わった!」
モーフィアス船長が言う「この瞬間をどれだけ夢見たことか!。・・これが現実なんだ」 ナイオビが言う「ネオ・・・聞こえてるの?。 どこにいるか知らないけど・・ありがとう」 二人が抱き合って喜ぶ。 ネオは眼に包帯をしたまま、光の中で機械に載せられて消えて行く。
地下鉄の駅のホームに少女サティーが寝ている。 ネコがやって来てサティーを起こす。 「おはよう」といってサティーが起き上がる。
予言者オラクルの所にメロビンジアンがいる。 「危ないゲームをしたものだ」 オラクルが言う「変わるときはいつもそう」 「この平和がいつまで続いてくれるんだ」 「それは続く限りよ。 マトリックスから出たい人は・・」 「もちろん解放してやるとも」 「ウソじゃないでしょうね」 「私を人間と一緒にしないでくれ」
朝日が射している港の見える公園のベンチにオラクルとボデーガードのセラフが居る。 サティーが見つけて走り寄る。 「私・・もうあえないのかと思ってた」 「もう何にも心配ないわ。・・きれいね。・・あなたがやったの?・・」 「ネオのために・・・」 「それはいいわね。・・きっとネオも喜ぶわ」 「又ネオに逢えるかな?」 「逢えるかもしれないわね・・いつかね」 セラフが言う「全部ご存知だったんですか?」 「いいえ、知らなかったわ。・・でも信じてた。・・信じていたのよ」 朝の光り輝くビル街が遠くに見える。
= 終わり =
平成15年11月8日 観賞
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