アメリカン・スウィートハート

  今、ハリウッド女優のNo,1。女性に大人気のジュリア・ロバーツに会いに、
朝一番で出かけてみた。オーシャンズ11以来のお姉さんはやっぱり素敵。  
 最初に姉の役はジュリア・ロバーツに来たが、台本を読んだジュリアが地味な
付き人である妹のほうを希望したそうで、姉を演じたキャサリン・ゼタは実はジュ
リアより年下(夫はマイケル・ダグラス)だそうな。  監督、ジョー・ロス   字
幕版翻訳、松浦美奈


 女優のグウェン・ハリソン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と夫のエディ・トーマ
ス(ジョン・キューザック)は映画スター同士の大物カップルで、共演が縁で結ば
れた二人は結婚後もコンビで話題作をヒットさせていた。 が、現在は別居中、
理由は1年半前に、グウェンがスペイン人俳優のヘクター(ハンク・アザリア)と
浮気をし、それがばれたからである。  しかし、夫婦は理想のカップルを演じな
ければならなくなった。  二人の最後の共演作の、プレス・ジャケットを製作する
こととなったからである。

 「二人は最高、アメリカ理想のカップルだ。宣伝も楽だよ・・。」 宣伝担当のリ
ー・フイリップス(ビリー・クリスタル)が言っている。 

 映写編集室でプロデューサーのキングマンが呼んでいるので、リーが編集室
に行く。 リーがキングマンに言う「君が編集したのか?・・」 「いいえ、チャド
が・・・」 「いい編集だ・・」 映写室に入る「誰よりも先に君に見せたいと思って
ね・・・」と監督のハル・ワイドマンが言う。  ”時を越えて”映写が始まる。  2
〜3行の文字が写って映像が切れる。 「何事だ、これは・・・。」リーは故障かと
思って映写技師の方を見る。 「フイルムはなんでもないよ、この先はまだ無い
んだ・・・。届いたのはタイトルだけだよ。」キングマンが平然と言う。  リーは
「タイトルはブルーでもいい、早く作れ。」  「オスカーを3度ももらった天才です
から・・・。」 「天才の話はするな、あの小屋が仕事場だ」   電話のベルが鳴
る。・・・ 「彼(エディ)から電話です。」 キングマンが電話を受け取りエディに答
える「完成試写会は2週間後、フイルムは私が持ち込みます。」 そしてリーに
「リー頼む、ジャケットを手配してくれ・・・」と言う。
 
 プロデューサーのキングマンと宣伝マンりーが会っている。キングマンが言う
「りー君は伝統的な宣伝マンだ、"時を越えて”のプリントはどんな内容になる
か、まだ分からない。話題つくりのため二人のよりを戻してくれ」。 リーがエディ
にグウェンと二人一緒にラジオに出演して欲しいと頼み込む「頼むよ、やってく
れ・・・・。」 エディが言う「俺にどうしろというんだ。表向きの顔をして、仕掛けし
ろと言うのか?・・・」 キングマンがリーに言う「興行のためだ・・・。よりを戻さね
ばクビと取り消しだ。」

 グウェンとエディがコマーシャルをとり終えた。 グウェンが言う「もう今週は仕
事はイヤ・・。ほっといてと叫びたいわ」 エディも言う「早く行こう・・ここに居たく
ない」  部屋を出るとフアンが花をくれる。  エディが言う「ジャケットの打て合
わせの時も花を持ってきてもらおう。」

 グウェンが言う「チャイナタウンの小さな店に彼とよく行った。彼は美味そうに
ワンタンをよそってた」 浮気に逆上したエディが二人のいるレストランにバイク
ごと飛び込んだ。 

 記者たちが話している「昨夜の放送にグウェン出ていたよ」  「でも、エディが
そばにいないとダメだ」  「天罰が下ったんだよ」  「たのむよ新作のため・・・」
 グウェンが来て「イヤだ」と言う。
 「悪い男が出来た・・。良くあること。 太陽に感謝、星に太陽に感謝。」 「ぼく
には花だ。」  

 グウェンとキキのいる所へリーが来る。 「キキ、しばらく・・・。すごく綺麗だ。」
 キキが答える「30キロやせたの・・」  「見違えたとても綺麗だ」 グウェンを
見て「事故は許してやれよ」と言うが、 グウェンは「彼は私を殺そうとしたのよ」
と口を尖らす。 リーは二人を復縁させようとグウェンを説得するが、グウェンは
「だれも私の気持ちを考えてくれない」と不満顔。 リーはキキに「姉さんに話し
てくれ」と頼み込むが、キキはエディが気がかりだけど、グウェンの手前「廃人に
なったエディを見たくないの」とそっけなく言う。 グウェンは「惨めなエディのす
がたに誰もが私を攻めるわ」と言い「エディと別れたことで世界中が私を責める
の・・・」と不満顔。 リーは「だからこそエディに優しくして、世界中のフアンの気
持ちを呼び戻さなくちゃあ・・」とヨリを戻させようとするが、グウェンは「あなたは
結婚生活について無知よ」と反論する。 ご機嫌取りに、キキのことを「最高の
妹だ」と誉めるが、グウェンは「最高の助手よ」といなす。

 車2台が山道を行く、リーの作戦で何処にも逃げ場のない、保養地のホテル
にマスコミを招待し、二人も別々の車で向かう途中である。 「ホビー止めてく
れ・・・」リーが運転手に命令する。 リーはホテルに到着するのは、どちらが先
になるかエディに聞きに来た「君が先か、それともグエンか」  グウェンが答え
る「彼の後がいい、彼の前座はいやよ」 エディが言う「彼女が後だ、傷ついた
ぼくの背中を見せてやる」 グウェンは「やっぱり私が先・・」と言う。 リーが「エ
ディ・・・君は彼女の後だ」と告げる。  「太陽に感謝、月にもそよ風にも感謝」

 ホテルでマスコミ代表の司会者が、「フアンが待ち望んだ夜です。 理想のカ
ップルが別れたのは1年前・・・」とマイクをもって叫んでいる。 エディが「行く
ぞ!・・・」と合図し手を上げて、二人が会場に入る。 「後からの到着で正解だ
った。 リー、ジャケットはムリだ」

 二人は離れたコテージを取った。 エディが言う「ぼくは分裂症だから、ハーブ
茶を飲んで寝るからルームサービスはいらない」 そう言ってコテージに入った
エディが、夜中にあたりを気にしながら部屋を出る。 監視カメラのモニターを警
備員が見ている。 なにも知らないエディが、グウェンの部屋の塀につかまり、
塀の中を覗く。 プールサイドに水着の女性が見える。 塀に登ろうとして、手を
滑らせて落ちる。 ズボンについた草の実を採っては、前に捨てている動作を、
後ろから写しているモニターを見た警備員が仲間に言う「おい、見ろ!。マスか
き男が励んでいるぜ」。

 エディが「ズボンについた花を取っていただけだ」と説明するが、かまわずリー
が警備員とテープを買い取る交渉をする。 警備員が言う「報告は止めます。み
やげ物で充分です。」  テープを手に入れたリーは「買収したテープをダニーに
渡してくれ」とたのむ。  リーはすぐにエディに「ここで何してた・・」と聞く。  エ
ディは「もう一度彼女が見たくて・・・」と正直に言うが。  リーは「部屋に戻って
寝ろ」と言う。

  ”大スター、トーマスは覗き屋” のタイトルで、”あらぬ行為にふけるエディ
の姿”とテレビで放映される。
別居中のグウェンからエディに「ニュースで見たのよ。 私のコテージの外でよく
ない行為をしてたでしょう。 また私を殺そうとしていたの?」と電話が入る。  
エディが怒っているので、リーから電話が入る「エディ待ってくれ。放送はローカ
ルだけだ、心配しなくても一過性のできごとだ。 テープを君に見せるよ・・・・宣
伝が第一だから」と宣伝のためわざとテープを渡したことを認める。 キキが言
う「デイクと話したいの・・何か心配で・・・。だめよいけないわ・・」 グウェンは
「私は変な関係に巻き込まれたくない」と言う。

 キキは療養施設に入院したエディを慰めようと思って、エディの部屋を訊ね
る。「調子どう?エディ・・・。お気のどくに」 エディが言う「ぼく達はうまくいってい
ると思っていたのに・・・。なぜこんなことに・・・。 でも、来てくれてありがとう。 
君はとても優しい・・・。」エディがキキに軽くキスをする。 キキはエディに寄せる
自分の気持ちが恋であることに気づいてくる。

 別の日キキとエディが会っている。「君の好意に甘えてしまって・・・・。酔った
勢いでキスしたから・・・」 キキは「覚えていないわ・・・」ととぼけている。 エデ
ィは「プールサイドを覗いたのだって、僕は彼女を取り戻そうと思って・・・」と言
い訳をする。

 キキとエディが二人でカートに乗って夜のゴルフ場を走る。 グウェンには秘密
のデート。 「エディ、ごめんなさい悪かったわ。・・・でも、あなたはどこかの女と
同棲しているくせに・・・」と探りを入れる。 エディがいう「僕は浮気なんかしてな
いよ」  コテージでエディがキキにキスをする。 キキもそれに答えて二人は長
−くキスしている。 

 キキとエディがテレビのための録画取りをしている。テレビの司会者にリーが
言う「アメリカ理想のカップルです。質問は5分まで。マス事件に触れたら中止す
る。」 司会者が質問し「いい感じですか?。よりは戻ってんですか?。」 他社
の記者たちが「事件は元のままか?。」 「仲の良い所を見せて・・・。」と撮影の
ための注文を出す。 突然エディが記者に向かって言いだす「3Pをやった。三
人でやった。」 キキが問い返す「何の真似・・・。」 エディは「ジョークさ、インタ
ビューに飽きた・・・。」と答える。 宣伝マンのリーが言う「でも、よく頑張ってくれ
た。期待以上だ」

  夕食時に、リーは、フイルムはハルが人質にとっていて持ってない、と言い。 
グウェンはエディに離婚届を渡す。 グウェンは「一方的に愛されてるっての辛
いのよ」と言い。  キキは「ボーイフレンドと別れたいってとき、私に言わせた
わ」と言う。

 キキとエディが話している「ネックレス素敵でしょ」 「何を考えてる・・・。それは
ぼくがグウェンに預けたものだよ」 「姉がくれたのよ」 キキがエディの眼を見な
がら言う「今、私は考えてはいけないことを考えてる」 「ぼくもだ・・・。」 「何を
考えてるの・・・・?。」  そこにグウェンがやってくる。 キキは「もう直った
わ・・・」と言って立ち上がろうとするが、エディは「行かないで・・・。」と言って部
屋から出て行こうとするキキを引き止める。

 グウェンは赤いドレスを着て、恋人のへクターといる。 宣伝マンのリーがやっ
てくる「これも宣伝だ。 何してんだ」 「おまえは黙ってろ。私を信じないの
か?。」  「もうたくさんだ。おまえ達は人前で騒いでろ。」 「頼む一発やれ。」
 グウェンが言う「心の平和がほしいよ。へクターやめてッ。」 

 へクターが犬に言っている「腹減ってるか?。・・喰え!」 犬をテーブルに抑え
る。 リーが見ていて「何てことを・・・。くされスペインやろー。」と言う。
 グウエンが部屋にいる。 「何事・・・。またネタを探してるの?」  トレーで殴
っておいて、なでてやり傷を「かわいそうに」という。 宣伝マンのリーとハル「今
のは救いようもなく素敵だよ」 「彼の自殺未遂なんてのはどうだ」 「考えて見
る」 「バカ売れするかな」
 
 キキとエディがコテージのベットで朝、眼を覚ます。 キキが聞く「おはよ
う・・・。気分は?」 エディが答える「いいよ。妙だけど気分いい。・・・食事にしよ
う」  二人が食事をしていると電話が鳴る。  エディは「グウェンからだ、行っ
てくる・・・。」と一人で部屋を出てグウェンの部屋に行く。 キキも後からエディの
部屋を飛び出して、姉と自分にためのコテージにウラ口から入る。

 グウエンが寝起きのような顔でリビングのソファーに座っている。 エデイがや
ってきたのを見て「キキッ・・。いるのー。」と部屋の奥に向かって声をかける。 
キキが今起きたというような顔で出て来る。 「・・どこにいたの?・・。」グウェン
が訊ねると、キキは「つまらない用事をしてたの・・・。」と答える。  エディがグ
ウェンに問う「話って何だ・・。」 「顔をみて安心したわ・・・。 魅力的な方
ね・・。」 エディが「食事にしよう・・。ルームサービスをとったら?・・・。」と言う
と。  グウエンが言う「キキは料理上手なのよ・・。」  キキがキッチンに行く。
  グウエンがエディに聞く「新しい恋人は出来たの?・・・。」  エディは言葉に
詰まりながら、キッチンを気にして「そのゥ・・。特にいないよ・・・。」と答える。  
キッチンで二人の会話を聞いたキキは、フライパンをわざとガチャガチャ音を立
てて、膨れっ面で料理をしている。 やがて半熟の卵焼きを、フライパンのまま
二人の所に持ってきて、わざと二人のひざの上にうつ伏せて部屋を飛び出す。
 
 
 キキがエディに言う「恋人がいないのは姉さんのためだけど、私はやっぱり過
ちを犯したの。 ・・・あの晩プールサイドに最高の人がいたと思ったでしょ。 あ
れ、私だったの・・・」

 リーがエディに言う「君とグウェンは終わった」 エディが言う「キキはぼくがこ
の世で唯一過ごせる女だ」 

 ヘリコプターが来る。監督のハル・ハイドマンが乗っている。 ハルが「フイル
ムを受け取れ・・・」とプロデューサーのキングマンに叫ぶ。 "時を越えて” が
完成している。 キングマンは「私はハルとの仕事を20年もやっている」という。
  ハルがいう「ハル・ハイドマンだ。私が撮ったこの作品は涙なしには観れな
い作品です」 映写会始まる。 ハルがいう「撮影に何回もカメラを回し、そこに
描かれたことこそ真実なのだ」という。  

 キキが言う「撮影中で気がたっていたの、・・・彼と寝たのハンサムだし、すご
く利口よ」

 キキが言う「この1年間大変お世話になりました。彼とやり直します。皆さんど
うもありがとう」

 エデイが「1年間悩みつづけた。・・・君を失いかけたけど、・・・君には感謝して
いる。世界中で誰よりも愛している。今のは本心だ」とキキに言う。  

 リーが言う「君達はすばらしかった。 この興行はすばらしいもうけだ。 みん
な君達のおかげだ。 しばらく楽しんで来いよ。 表に車が来ているから使
え!。」   終わり



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