スター・ウォーズ 2 (上)
(クローンの攻撃)  

   「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」はジョージ・ルーカス監督と、ジョナサン・へイルズ氏が共同で脚本を書き上げた、シリーズ5作目の作品。 この作品の舞台は「エピソード1」から10年後の世界である。 「エピソード2」はこれまでの作品の、主要な登場人物を結ぶ複雑な関係を明らかにしてくれるが、この作品はストーリーを知っても面白くは無い。 映像の美しさ、奇抜さ、SFの世界の表現力、アニメーションの世界を観て楽しむしかない作品である。 この「映画のお部屋」はストーリーを紹介することが目的で、作品の批評はしないことにしているのでよろしく。   なお、今回は上下に分けました。   

                      (下)もお楽しみに・・・。              H,14,07,21鑑賞

  【キャスト】

 アナキン・スカイウォーカー(へイデン・クリステンセン)アミダラ女王の護衛としてジェダイ評議会が派遣した、19歳の騎士
 オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)アナキンの師、暗殺者を探し出すためにジェダイからアナキンと共に派遣された。
 マスター・ヨーダ      ジェダイの指導者
 アミダラ・パドメ(ナタリー・ポートマン)  ナブーを統治する女王だった女。 銀河元老院会議での選挙のためコルサルとにゆく。
 パルパティーン(イアン・マクディアミッド)銀河元老院会議の最高議長

 ドゥーク伯爵(クリストファー・リー)アミダラ女王の命を狙う男。理想主義者で、かつてはジェダイの騎士だった。
 ジャンゴ・フエット(テムエラ・モリソン)ドゥーク伯爵の部下。
 リンクス代議員(馬の顔をした男)
 メイス・ウインドゥ  (    )ジェダイ評議会の閣下
 アレックス(カエルの顔の男)喫茶店の店長

 ラマ・スー   (     )惑星カミーノの首相閣下。クローン兵を製造している。
 サイホ・ディアス (     ) 元ジェダイ・マスターで惑星カミーノにいてラマ・スーにクローン兵の製造を依頼する男
 ジャンゴ・フエット(テムエラ・モリソン)カミーノ星の国にいて、サイホ・ディアスに雇われている、 アミダラの命を狙う賞金稼ぎ。

                                                                                     
                           
  【ストーリー】
  大型の宇宙飛行体が3機飛んでいる。 「議員、まもなくコルサルトに到着します」 「ご苦労でした」。 かってナブーを統治する女王だったアミダラ・パドメ(ナタリー・ポートマン)が言う。 彼女は銀河元老院でナブーの代表を務めるためにやってきた。 共和国には通商連合や、共和国からの脱退をしようとしている星系団から自らを守るという名分のもとに、クローン軍隊の設立を望む者たちがおり、アミダラはこれに反対しているので、度々命を狙われている。 飛行体は静かにビルの屋上に着陸した。 周りを警戒しながら女性が船から降りる。 ロボットのドロイドが護衛として同行し船から降りる。 「警戒したが何も起きなかった・・」と言った直後大爆発が起こる。 「議員、お許しをご期待に添えなくて・・・」女性が一人倒れている。  アミダラの陰人として身代わりになったユーデニである。 「議員、ここは危険です」 「来るべきではなかった。ユーデニの死を無駄にしないで・・・」アミダラが言う。 「大切な投票です。 お許しを・・・」 

 銀河元老院会議が開催されている。 最高議長のパルパティーン(イアン・マクディアミッド)が言う「これ以上の投票延期は難しくなってきた。 共和国からの離脱組は増える一方だ。 1000年続いた銀河共和国を二つに裂くことだけは避けたい。 話し合いで決着がつかなければ、ジェダイに共和国を守る力はありません。 ジェダイは兵士ではないのですから・・・」 「マスター・ヨーダ。・・戦になると思われますか?」 「未来を見ることはむずかしいのォー・・」ヨーダが答える。 そこにアミダラ議員の到着が伝えられる。 「よろしい。お通ししろ!。」 「アミダラ議員、着陸場でのことは聞いた。 無事な姿を見てほっとしている。」 「背後に誰がいると思われますか?。」 「情報筋はナブーのスパイと観ております」 「私はドゥーク伯爵では無いかと・・・」 「彼は理想主義者です。 殺人者ではない。・・・ドゥーク伯爵もかつてはジェダイの騎士でした。 暗殺と言う手段は彼らしく有りません」 ヨーダが言う「確かなことはのう議員、そなたの身に危険が迫っておる、ということじゃ」 最高議長が言う「如何でしょう・・。アミダラ議員をあなた方の保護下に置かれては?」 アミダラ議員がいう「最高議長。それほど状況は切迫していません」 「これ以上警備を厳重にすることは、あなたにとって窮屈なだけかも知れんが、親しい者にすればどうであろう。 あなたを失う痛手には耐えられそうに無い。 直ぐあなたのもとに行かせます議員」 「ありがとう」

 エレベーターで二人の男が上っていく。 アミダラの護衛としてジェダイ評議会が派遣した、19歳のジェダイの騎士アナキン・スカイウォーカー(へイデン・クリステンセン)と、暗殺者を探し出すために派遣された、師のオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)である。 「落ち着きが無いな」オビ=ワンに言われて、アナキンは「別に・・・」とよそおうが「そんなに落ち着きが無いのはガンダークで落ちて以来だ」 「落ちたのはマスター、・・あなたです。 僕が救出したんですよ」 「ああ、そうだった・・フフフフッフ」 「落ち着け・・深呼吸をしてみろ・・」 アナキンが言う「10年ぶりに彼女に会うんですよ。」

                        
 ジャジャが迎えにくる。 「オビーッ。オビーッ!。お久しぶりや、あえて嬉しいよ」 「私もだよ、ジャジャ・・」 アミダラ議員が近寄る。 オビ=ワンが挨拶する「また、お会いできて光栄です。議員」 アミダラが答える「お久しぶりです。 マスター・ケノービ」 そばに控えているアナキンに気づいて「アニー、大きくなりましたね」 「あなたこそ・・大きくなられた・・いえ、その、さらに美しくなられた」 「腕白坊やは相変わらずね」 「目ざわりとならぬよう隠れてお守り致します。 ラブオーシツ親衛隊長のタイホです。 マスター・ケノービ・・・、ジャビロ女王よりあらかたのことは伺っています。 議員が思っていられるより深刻です」 「欲しいのは号令よりも答えです。 私を狙ったのは誰か?。」 オビ=ワンが言う「我等が派遣されたのは議員をお守りするためです」 アナキンも言う「犯人を必ず捕まえて見せます。 約束します」 「評議会の命令の枠を越えてはならぬ」 「もちろん彼女を護る過程でという意味です」 「出すぎた真似は許さない。 私の指示に従うのだ」 「僕らが呼ばれたのは犯人を捕まえるためでしょう。 身辺警護だけならジェダイが出る必要はない。 命令には犯人捜査も含まれて当然です」 「評議会の指示どうりに動けばいいのだ。 お前はまだまだ若い」 アミダラが言う「あなた方に期待するのはこの陰謀を明らかにすることです。・・・では失礼してもう休みます」

 「ともあれ心強いかぎり、私は下の管理室に移ります」親衛隊長のタイホが部屋を出る。 アナキンが不満そうに言う「直ぐに僕だとはわからなかった。 僕は1日として忘れたことは無かったのに・・・。 彼女はもう忘れてた。」 「喜んでるよ。 あんな嬉しそうな・・・お前は物事をマイナスに考えすぎだ。 アナキン。 彼女は喜んでいたよ。 さあ、見回りに行こう」

 アミダラの命を狙うドウーク伯爵(クリストファー・リー)のところにジャンゴ・フエット(テムエラ・モリソン)が報告にきている「やったと思いましたが身代わりでした」 「今度こそ確実に仕留めねば・・。 今度はしくじるなよ」

 「下の警備は厳重そのもの、まず、侵入は不可能だな。 こちらはどうだ」オビ=ワンが聞く。 「異常なしです」アナキンが答える。 「ここでただ立っているだけでは芸が無い。 彼女がカメラにカバーを・・」 「監視されてるのが厭なんでしょう。 侵入者があればR2から警報が来ます」 「暗殺の手段はいくらでもある。 判っているはずなのに・・・」 「暗殺者を捕まえることも考えているんでしょ」 「議員をおとりにする気か・・」 「彼女が自分から・・・指1ッ本触れさせません。 何か変化があれば感じます」アナキンは軽く答える。 「危険すぎる・・・お前の感覚もそこまではまだ磨けていまい」オビ=ワンが言う。 「あなたのほうは・・・」 「まずまず・・・」 窓の外のブラインドの影で、丸い小型の無人飛行体が宙にとどまって中を観察している。 オビ=ワンが聞く「疲れているな・・」 アナキンが答える「最近眠れなくて・・」 「お母さんのことかね・・・」 「なぜか、母の夢ばかり見ます」 「夢には意味がある・・」 「どうせなら、パドメの夢を・・彼女の身近にいると我を忘れる」 「気をつけろアナキン。・・・危険な兆候だ。 ジェダイの掟に従うと誓ったことを忘れるな、それに彼女は政治家・・・政治家は信用できん。」 「ほかの議員とは違います」

 窓の外の無人飛行体から二匹の大型ムカデのような生物が放出された。 二匹はアミダラのベットに取り付き、身体の上を這ってアミダラの顔に近づく。 アナキンが言う「議員の中にも例外はいます。 最高議長は立派な方です」 オビ=ワンが反論する「パルパティーンは政治家だ」 そのときR2が警報を発し二人が同時に感知した。 二人は寝室に飛び込みライトセーバーでムカデのような生物の胴を二つに切った。 「大丈夫ですか?・・」アナキンが心配して声をかける。 「ここにいろ・・・」オビ=ワンが窓際に走る。 中を監視していた小型飛行体が逃げようとするのを、オビ=ワンは窓ガラスを破って飛びつき飛行体につかまる。 アナキンは自家用オープン席の飛行体を、引っ張り出して飛び乗り後を追う。 無人飛行体はオビ=ワンを振り落とそうとして、急旋回するがオビ=ワンは手を離さない。 ジャンゴ・フエットが銃を取り出して、オビ=ワンを撃とうとして、撃つが飛行体にあたり、飛行体は爆発、炎上する。 落ちて行くオビ=ワンをアナキンがオープン席の飛行体の後部座席に受け止める。 「遅いじゃないか・・」 「すみませんマスター。・・・オープンタイプで、スピードの出るやつを選ぶのに手間取ってしまって・・」 「スピードを落せ!。なんて無茶をするんだ、飛ぶのは平気だがお前のは自殺行為だ」

 さらに飛行を続けていると、後を追ってきた別の敵に銃で撃たれる。 危うく弾がそれてアナキンは敵の飛行体の後に廻り敵を追う。 「何処に行く。 やつは向こうだ・・」 「このまま追跡を続けて、やつが事故れば何も判らなくなる。 やつの正体と黒幕を突き止めないと意味が無いでしょ。 先回りして待ち伏せする」 飛行体の姿が見えなくなる。 「見失ったぞ。 とんだ先回りだったな・・」  アナキンは「ちょっと失礼・・」と言って飛行体の外に飛び降りる。 ちょうど下を飛んでいる敵の飛行体の上に飛び乗る。 敵は機をゆすり振り落とそうとするがアナキンは手を離さない。 操縦室の上窓を破り操縦席に入ってもみ合いと成る。 アナキンが機から飛び降りる。 機が地上に激突する。 機から這い出た敵が走って逃げるのをアナキンも追うが、敵は「クラブ」に逃げ込む。 後を追ってきたオビ=ワンとアナキンも「クラブ」に入る。 オビ=ワンが言う「焦るなフオースを使え、やつは中に隠れているぞ。 片時も忘れるな、この武器を命だと思え」 「心します・・」 「いつかお前に殺される気がする」 「バカなことを言わないで・・あなたを父と思っているんです」 「クラブ」の中はケバケバシク化粧をした女や、いかつい男達であふれ酒を飲んだり、ゲームに興じている。 「彼を探せ」 「彼女ですよ。 今は姿を変えている」 「用心してかかれ」 「何処に行くんです」 「いっぱいやりにナ」 アナキンが「クラブ」内を探して歩く。 女と目が合い、女が銃を抜く。 アナキンがすばやく銃を落とし女を逮捕する。 「お静かに・・」周りの客を制して・・。 暴れる女を押さえ「殺そうとした相手を知っているのか?。」 「ナブーから来た議員・・」 「誰に雇われたのか?。」 「知らないね・・」 「雇い主の名前を言え・・」 「賞金稼ぎの名前は・・ウッ」何処からか打たれた毒矢があたり女は絶命した。 見る見る顔が変わっていく。 

                                                   

 元老院評議会が開催されている。 「その賞金稼ぎを突き止めよ。 オビ=ワ
ン!」ジェダイ・マスターのヨーダが言う。 「知りたいのは政府の黒幕だ。 アミダラ議員の警護はいかが致しましょうか?。」オビ=ワンが聞く。 「その役はパダワンに譲れ・・」 「アナキン。議員をナブーまでお送りしろ。安全第一だ。」オビ=ワンが言う。 「共和国軍創設の反対派リーダーとして帰りたくないと仰るかと・・」アナキンが言う。 「暗殺者の正体が判るまでは我等の判断に従ってもらおう」 「アナキン。元老院に行きパルパティーン議長に彼女の説得を頼め」 「私から話そう。元老院の総意だといえばきっと納得される。 だいじなお方だ、死なれたら困る」 「恐れ入ります閣下」アナキンが言う。 元老院最高議長パルパティーンが言う「やっと君も一人前と認められたようだ、辛抱した甲斐があったな」 「ご助言のお陰です」 「君に助言などいらない、後は迷いを無くすすべを知れば、やがて君は無敵となる。 いつも言ってることだが、君ほど才能豊なジェダイはいない」 「ありがとうございます」 「必ず最強のジェダイになると確信しておる。あのマスター・ヨーダさえしのぐだろう」 議長がアナキンに優しい手を差し伸べるのが、オビ=ワンは気にいらない「単独の使命を与えるのは早すぎるかと・・・」 「評議会が認めたことじゃぞオビ=ワン」 「彼が学ぶべきことはまだ多くあります。  才能が彼を変えました、傲慢に・・。」 「確かに自負心が強すぎるのじゃ」 「噂のとおり、予言が正しければフォースのバランスを取り戻せるのは彼しかいない」

 「私はやむなく議会を離れる。 私の代理として後をよろしく頼みます。 リンクス代議員(馬の顔をした男)あなたを信じています」アミダラ議員が言う。 「自分が代理を勤める・・・とっても、とっても名誉です」 「引き止めると悪いわ、やることがたくさんあるでしょ」 「もちろんです・・」
 
 アミダラが言う「このアイデアは気にいりません」 アナキンが言う「ご心配なく、評議会が捜査を命じました。 賞金稼ぎはすぐ見つかります」 「この一年間、軍の創設に反対してきて、いざ投票の時にその場にいないのでは・・」 「共和国のためにそれがベストならプライドなど捨てることです」 「アナキン、大人になったわ」 「マスター・オビ=ワンは認めてくれません。・・・誤解しないでほしい、オビ=ワンは偉大な師です。 マスター・ヨーダのように賢く、マスター・ウインドゥのように強い。彼の弟子になれて感謝しています。 僕はとっくに卒業していい、でも彼はまだ多くの点で僕が準備不足だという。 独り立ちさせてくれない」  「それが不満なのね・・」 「彼は慎重すぎて僕の話を聴こうとしない」 「アナキン・・成長を焦ってはダメ・・」 「もう大人だよ・・・あなたもそう言った」 「そんな目で見つめないで・・・」 「どうして・・・」 「気持ちが落ち着きません」

 大型の飛行体が飛んでくる。 「どうか、お気をつけて・・・」 「ありがとう隊長・・ドウメをよろしく・・気をつけるのですよ」 「私が護ります・・・」 「私のことより議員が心配です。 首都を発たれたと知れたら・・・」 アミダラが言う「きっとジェダイの強さを思い知るでしょう」 メイス・ウインドゥが言う「アナキン。 評議会の承諾なしにことを起こすんじゃないぞ」 「はい、閣下!」 「できるだけ早く議員にお帰り願えるよう、陰謀は暴いて見せます」 オビ=ワンが言う「期待しています。・・マスター・ジェダイ・・」 「お時間です」 「アナキン・・フォースと共にあれ」 「フォースと共にマスター・・」  船内でアミダラ議員が言う「急に怖くなりましたね」 アナキンが言う「初めての単独任務です。 僕も不安だ・・でも大丈夫R2が付いてます」  船外でオビ=ワンが心配している「彼がバカなことをしないか心配だ」 「彼よりも議員が無茶をしないで欲しい」  やがて飛行体が飛び立つ。 

 オビ=ワンは喫茶店の店長アレックス(カエルの顔の男)を訊ねる。 「店長にお客さまです。 ジェダイの騎士みたいですよ」女店員が店長に声をかける。  アレックスが奥から出てくる。 「オビ=ワン!。」 「やあ、アレックス!」 「掛けろよ、今そっちに行く。・・・やあ、友よ・・・よく来たアハハハ・・。 それで、オビ=ワン・・わしに何のようじゃ」 「これが何か教えて欲しい・・」オビ=ワンが小さな金属部品を見せる。 「こりゃまた、珍しいものを、その昔サーモテリンで観たことがある。 銀河のはずれにぽつんと浮かぶ星だ」 「どこのものか判るか?」 「例のクローン造りに熱心な連中のだわ・・。 カミーノ星に行けば観られる。 スリーバータートだよ」 「調べさせてたが判らなかった」 「この脇の所に切り込みがあるだろ。 表の文様だけ見てても判らんよ」  「カミーノ星から共和国のデンバーか?」 「いや、銀河系の外にある。 場所はイッシューメイズから約12パーセク。 公文書館の記録用ドイトでも直ぐ見つけられる。・・・カミーノは気難しいぞ、クローン造りは銀河一と言ってもいいがのォ・・・」 「社交的ではないと?・・・親しくなるには?」 「ひたすらへりくだる事、肝心なのは財布の中身だ」 

 オビ=ワンは公文書館に行き、女性館員に尋ねる「私に御用だとか・・・お探し物ね何でしょう?」 「カミーノと呼ばれる太陽系を探してます。 チャートを探しても見つからなくて・・・」 「カミーノ?。 そんな星は聞いたことがありません。 座標は間違いないんでしょうね」 「情報によれば銀河の外遊分。 このあたりです」 「申し訳ありませんが、あなたのお探しの太陽系は存在しないと思います」 「そんなバカな、・・・チャートに欠落があるのかも・・・」 「公文書館に記録がないということは存在しないと言うことです」彼女は怒り出した。

 アミダラ議員とアナキンはナブーの館で食事をしている。 ロボットのP2が料理を運んできた。 アミダラ議員が聞く「ジェダイの誓いを守るのは大変でしょう。 好きなことも好きなところに行くことも出来ないと聞きました」 「愛する人たちにも逢えない。」 「愛は許されているに・・。禁じられているのではなくて・・・」  「物資への執着や所有は確かに禁じられている。 思いやりの心は、僕は無限の愛と解釈しているけど、愛はジェダイの源です。 だから禁止どころか、おおいに奨励されているんだ」 「あなたは変わったわ」 「あなたはちっとも変わっていない。 夢に見てきたパドメそのままです。」 
                                    
 マスター・ヨーダがジェダイの若者達に、ヘルメットと宙に舞うレーザー・ボールを使って軍事訓練をしている。 オビ=ワンが尋ねてくる。 「休憩!。客人が見えた」 「こんにちはマスター・オビ=ワン・・」若者達が声を揃えて挨拶する。 「やあ、お邪魔してすみません。」 「わしに何のようじゃ、オビ=ワン」 「古い友人に教わった星を探しています。どう言う訳か公文書館のチャートに載っていないのです。 「マスター・オビ=ワンが見つけられぬか?。 困ったのう。」 「有るとすればここです・・・しかし無い」立体宇宙儀を指差す。 「重力で回りの星はこの中心に集まるはずです。」 「重力の痕跡は残っておるが太陽も、周囲の惑星もみんな消えおる。 誰か判らんか?」 若者が答える「マスター・・。 誰かが公文書館の記録を消したのでは・・・」 「フフフ、子供の心はまさしく脅威じゃのう・・・。 パダワンの言うとおりじゃ、重力の痕跡のある場所に行けば、そこに探している星があるはず。 データは何者かが消した」 「しかし、マスター・ヨーダ公文書館のデータを消すなんてことが可能でしょうか?」 「このなぞ解きには危険が付きまとうぞ。 データを消すことができるのはジェダイだけじゃ。・・・誰が、何のために・・・」

 大型のバス形飛行体で移動し、議員会館に入る。 アミダラ議員とアナキンの会話「今から思い返してみれば、女王に選ばれた頃、私は未熟でした」 「でも国民は熱烈に支持していた、憲法を改正してまで続投を望んだと聞いています」 「二期勤めれば充分です。 変わりに元老院へと言われて断れませんでした」 「当然でしょう・・。 共和国に必要な人が断らなくてよかった」 「投票で軍の創設が決まれば、内戦が始まります」 「共和国は全面戦争の経験がありません・・」 アミダラが言う「交渉で分離派の星を共和国に引き戻すことは出来ませんか?。 武力を行使すれば、彼等は通商連合やコマッキルドに走るでしょう」 老議員が言う「通商連合か・・・。四度も最高裁で裁かれながら、未だにヌートガンネンが総督の地位にあるとは信じがたい。 元老院にはこの危機を解決する力が無いことですな・・」 アミダラが言う「共和国を信じましょう。 民主主義への信頼を捨ててしまえば、お終いです。・・それだけは避けないと・・・」 「今はあなたの安全が第一です」 老議員が言う「あなたの考えは・・・マスター・ジェダイ?」 「アナキンはまだジェダイではなくパダワンです。 私は湖水地方に身を隠します、静かで人目にもつきませんから・・」 「すみませんが警備の責任者はこの僕です」 「ここは私の故郷よ。 だから戻ったの・・あなたよりはるかにこの土地には詳しいのですよ」 「失礼しました・・・」

 オビ=ワンがR4を連れて高速飛行体で星を探しに行く。 「見えたぞR4・・予測どおりの位置、なぞの惑星カミーノだ」 カミーノ星に着陸する。 女性が迎えにくる「マスター・ジェダイ・・・首相があなたをお待ちかねです。」 「この私を?・・」 「もちろんです・・どんなに喜んでおられるか・・・何年も待ち続け、正直諦めかけていました。・・・どうぞ、こちらえ・・」  「ご紹介します・・こちらがラマ・スー首相閣下。 こちらがマスター・ジェダイ」 「オビ=ワン・ケノービです」 「カミーノ滞在をお楽しみください。・・・どうぞ」  ラマ・スーが言う「では、早速用談に・・お約束の物はスケジュールどおり進んでおります。 20万ユニットが完成さらに100万が製造中です」  オビ=ワンが言う「それは良い知らせです・・」 「マスター・サイホ・ディアスにお伝えください。ご注文は期日までに満たされると・・・」 「それは誰のこと?・・・」 「ジェダイ・マスターのサイホ・ディアス殿です。今も彼が評議会をまとめておいででは?・・・」 「マスター・サイホ・ディアスは10年前に殺されています」 「アーアッ。 知らなかった。 お気の毒に・・・完成した軍隊を一目お見せしたかった」 「グッ、軍隊!・・」 「さよう、クローン兵です。 これまでに最高の出来と自負しています」  オビ=ワンが念を押す「マスターが、最初にその話をされたとき、軍の目的は明かされましたか?」 「むろん、軍は共和国のためだと仰った。 ご自分の目で兵士の出来栄えを確かめたいでしょう」 「そのために来ました」                    

 アミダラ議員とアナキンが、ナブーの静かな湖水の館にボートで来る。 「学生の頃、ゼミでよく来ました。 島まで泳ぐのが日課でした。 砂の上に寝そべって身体を乾かしながら鳴いている小鳥の名を当てるの・・・」 「砂は大嫌いだ・・・・ざらざらして、痛くて息が詰まる。 ここはすべてが優しく、なめらかだ・・・」  アナキンがアミダラ議員を見つめる。 二人に会話はなく、じっと二人は見詰め合う。 アナキンが唇を近づける。 アミダラが目を閉じ二人は強くキスをする。 ・・・アミダラが弾けたようにアナキンを押しのけて言う「ダメ。・・いけないわ・・・」 アナキンも「ゴメン・・・」と謝る。
  
              
 ラマ・スー首相閣下が、オビ=ワンをクローン製造工場に案内している。 オビ=ワンが言う「すばらしい・・・」 「キット、ご満足いただけるはず・・・。クローンは自分で考えます。 その優秀さはドロイドなど比べ物になりません。 彼らに施す戦闘教練のプログラムにも自信が有ります。 ・・・ このグループは5年前に作られたもので、成長を早めています。 人間と同じ成長速度では時間が掛かりすぎる。 半分の時間で大人になります。」 「なるほど・・・・」 全自動の工場でクローン兵が次々生まれている。 「彼等は従順でどんな命令にも決して逆らいません。 ・・遺伝子操作でオリジナルのホストの持っていた独立心を大幅に削っています」 「その、ホストとは誰ですか・・・?」 「ジャンゴ・フエットという賞金稼ぎです」 「彼は今何処にいます?・・」 「ああ、彼ならここにいますよ、 高額のホスト料とは別にフエットは一つだけ条件を出した。 自分と同じクローンを造れとネ・・・変わっているでしょ。・・遺伝的に純粋な複製です。 遺伝子構造をいじることなく、成長を早めることもないもう一人の自分・・・」 「そのジャンゴ・フエットにぜひ逢いたいものです」  女性担当者が言う「お望みなら逢えるように計らいましょう・・」 

 アミダラ議員とアナキンが話している。 「僕には言いたくないんだね」  「魔法を使かってしゃべらせたらどう、・・・いいわ、12の時です、名前はパロ。  同じ育成センターにいました。 二つか三つ年上だった。 ハンサムで黒い巻き毛・・、夢見る瞳。」 「それで、彼はどうなった・・・」 「私は公職を選び、彼は芸術を選んだわ」 「利口な男だな・・・」 「政治家が嫌いなのね」 「全部じゃないけどね、・・一人わからない人がいるな・・・システムが機能してない」 「どうすれば働くの?・・」 「まず、政治家がきちんと座って、問題を話し合うシステムが必要だ。 民衆の利益を第一に考えて実行する」 「今もそうしているけど・・・意見がまとまらないことが問題よ」 「一つに決めればいいんだ」 「一つにって、誰が?。 あなた?。」 「僕じゃないよ。 チエのある人だ」 「独裁性のようにも思えるけど・・・。 からかってるの?」 「まさか、議員をからかうなんて恐れおおいことだよ」  二人は美しい島の草原で遊ぶ。 アナキンは放牧された動物(バッファローとサイの仲間のようなやつ)の背中に乗り、はしゃいで振り落とされる。 「アニー!。・・・アニー大丈夫」 振り落とされて動かないアナキンを心配して、アミダラが走ってきて両手で身体をゆする。 「アハハハッ・・。」動けない振りをしていたアナキンと二人は、そのまま抱き合って草原を転んで遊ぶ。
 カミーノの星の国。 アミダラの命を狙う賞金稼ぎジャンゴ・フエット(テムエラ・モリソン)が帰ってきた。 妻が迎える「ロータ。・・お父様がおいでに・・。・・逢えるかしら・・」 息子、ロータ・フエットが「パパッ。・・ 」と走り出る。 妻が言う「ジャンゴ・・お帰りなさい。 実りある旅でしたか?・・こちらは、ジェダイ・マスターのオビ=ワン・ケノービ。 進捗状況を見にいらしたの・・」 オビ=ワンが言う「君のクローンを拝見したがすばらしい・・」 ジャンゴが言う「宇宙に自分の足跡を残しておきたくてね・・・」 「遠くコルサントにも足跡は残してあるな・・」 「何度か行った。・・・」 「最近かな」 「かもな・・・」 オビ=ワンが聞く「マスター・サイホデイアス殿をご存知だな・・・。 サイホディアス・・・。 君をこの仕事に雇ったジェダイだ」 「知らないなァ・・・。 俺を雇ったのはデラノスてやつだ」 ジャンゴが聞く「兵士が気にいったか」 「早く闘うところを観たい」 「最高の軍隊だ。・・俺が保証する」 「時間を取らせてすまん・・」 「ジェダイのためなら何時だって協力するよ」

 アミダラ議員とアナキンが、湖水の美しい館で二人だけで食事をしている。 「こんな所をマスター・オビ=ワンに見られたら怒られる。 君にはじめて会ってから何年になるだろう・・・その間君を思わない日はなかった。 でも、いざこうして会えると苦しいだけだ。・・・ 近づけば近づくほどより苦しくなる。 また君と離れることを思うと息が出来ない。・・・ 君にキスしたいけど、拒まれることが怖い。・・・怖いけどもし君が受け入れてくれたらどんなに幸せか・・・僕の心の中はいつも君のことでいっぱいだ。・・・・どうすればいい・・・君のためなら何だってする。・・・・君も同じように苦しんでいるなら、そう言ってくれ・・・」  アミダラが言う「無理よ・・・。 出来ない相談よ・・・。 不可能なことよ。 現実を見つめて・・・アナキン、あなたはジェダイの修行中よ。 私は議員。・・お互い感情のままに走っては取り返しのつかないことになるわ」 「君も同じ気持ちなんだろう」 「あなたの将来をダメにしたくないわ・・・」 「僕に理性的になれと言うのか、それこそ不可能だ・・何もそこまで頑なにならなくても・・・秘密にしていればいい」 「偽って生きろというの。 何時までも隠しとおせはしないわ。 私は出来ない・・あなたはできるの」 「いや、出来ないよ。破滅しかない」

 カミーノの星の国。 女性の担当者が言う「評議会に第一陣は完成したと、お伝えを・・・さらにクローントルーパーが必要なら、育成には時間が掛かると・・・」 「伝えましょう。 いろいろありがとう・・」  オビ=ワンはR4と高速飛行体に乗り込み星の国を離れる。 「R4 2番通信でコルサントのジェダイ評議会に連絡だ」 R4が操作する。 オビ=ワンが報告する「カミーノの首相のラマ・スーとの接触に成功しました。 ジャンゴ・フエットという賞金稼ぎをホストにクローン軍を造ってます。 この男が探している暗殺者ではないかと思います」 「クローン製造者がアミダラ議員暗殺に関係しているのか?・・」 オビ=ワンが続ける「いいえ、彼らには動機がない」  マスター・ヨーダが「油断は禁物じゃぞ、オビ=ワン。・・心を透明にもたねばこの陰謀の背後にいる巨悪はつかめんぞ」と言う。 「ラマ・スー首相は10年前マスター・サイホ・デイアスの注文でクローントルーパーの製造に掛かったといってます。 その時点で彼は死んでいたとも思われます。 評議会でクローン軍団の製造を命じたことわ?・・」 「ない。 誰が発注したかは知らんがジェダイとは無縁だ」 ヨーダが言う「ジャンゴを捕らえつれて来い。 ここまでな・・クローン軍団の製造に気付かなかったとは、我等の目も節穴じゃのう」 「元老院にジェダイの力にもかげりが出たことを知らせるべきです」 「元老院に知らせれば、敵対者を増やすことになりかねない」

 アナキンが寝ている。 うなされて苦しそうに何かを言っている。 アミダラ議員が見ている。 アナキンが目を覚まし言う「行かないで・・・」 アミダラが言う「邪魔したくないから、・・・また悪夢を見たのね」 「ジェダイも悪夢は見ない?」 「聞こえたわ・・」 「母が出てきた。・・・母は傷ついてる、今君を観ているようにはっきり観えた。・・・ああ、死にかけてる。 あなたを守れという命令にそむくことになるけど、行かなくては・・母を救わないと・・」 「一緒に行くわ・・」 「すまない・・」

 カミーノの星に行ったオビ=ワンはジャンゴ・フエットと戦う。 「パパッ!あいつだ。・・・」息子の操縦する飛行艇に乗ってジャンゴが光線銃で撃ってくる。 オビ=ワンが応戦する。 激戦の中で息子のロータが負傷する。 高速で飛び交い二人の闘いが続く、 ジャンゴはオビ=ワンの身体にロープを巻きつけ、ロープを張ったまま宮殿の柱の左右を飛んで行く。 ロープは柱に巻きつき高速飛行体は墜落する。 危うく脱出したオビ=ワンは落下の途中でロープの先端をビルに巻きつけ廊下に飛び降りる。 逃げようとするジャンゴの飛行体に発信機を投げつけくっつける。

                                    (下)に続く

               

ター・ウォーズ エピソード2 (下)  にリンク
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