E.T  20周年特別版 

 スティーブン・スピルバーグ監督の代表作、「E,T,」が20年ぶりに特別版として公開された。 スピルバーグ監督が少年時代から映画化を構想し、出世作ともなった作品である。 今回の作品はE,Tの顔をCGで表情豊にし、最新の音響技術でサウンド処理しているほか、前回はカットされていた未公開のシーンも取り入れられている。    (アニバーサリー特別版)
                
       【ストーリー】
 満天に星がきらめく深夜の夜空。 森の中、満月の月明かりで宇宙船が着陸しているのが見える。 窓からもれる明かりが点滅し、森を一瞬明るくしている。 キノコのような形をした生物が、列を作ってヨチヨチと集団で動いている。 先頭を行く一体が満月に向かって指を差し何かを調べている。 遠くに街の明かりが美しい。 急に宇宙船への帰艦命令が出され、彼らは奇声を発し急遽帰艦し、あわただしくハッチが閉められる。

 数台の車が乗り付けられ、懐中電灯の明かりを照らしながら、軍人らしき人たちがあたりを捜査している。 帰艦に遅れた一体が草むらに身を潜めていたが隊員に見つかる。 「何かいたぞー!」隊員に追われキーキー奇声を上げて逃げる。 「あそこだ・・」隊員が後を追う。 宇宙船は夜空に浮かび上がって、やがて天高くいずこかに消えていった。 一体の生物が森の中に取り残された。 
生物は遠く眼下の街の明かりに向かって山を降りてゆく。 

 ふもとの街のエリオット少年(ヘンリー・トーマス)の家。 兄のマイケルとグレッグがゲームをしている。 「おまえはこれで死んだ。」 「大丈夫俺が生き返らせてやる・・・。死人は呪いを掛けられるんだゼ」 「それにしてもさ、ピザ遅いじゃん。・・・ピザ屋に呪いをかけたらどうだい」 「ねえ、僕もゲームに入れてよ。さっきから待ってんだよ」 「まだだよエリオット、このゲームが終わるまで待ってなさい」 「お兄ちゃん・・」 「スティーブに聞きな、このゲームの王様はスティーブなのだから・・」 「スティーブ僕もいれて・・・」 「それよりピザとって来い」 エリオットが訊ねる「そしたら・・・」 「そうしたらゲームに入れてやる。グレッグと交代だよ」兄のマイケルが言う。 エリオットが玄関の前に出るとちょうどピザが配達されて来て、彼がピザを受け取る。
 その時、前のガレージから変な物音がする。
 「ハービー(犬の名前)今のお前か?・・」 エリオットが物音の場所を探して近づく。 落ちていたボールを拾って、ガレージに投げ込むとボールが戻ってくる。  エリオットは家に中に駆け込み台所に走る。 「ママ早く来て・・・!。物置に何かいるよ。・・ボールを投げたら投げ返したよ。」 「何かいるよ・・化け物かな・・・ アハハハ」兄たちが笑う。 「だめよ、ここにいなさい・・・・」ママが言う。 「絶対何かいるんだよ」。 あきらめないエリオットに、仕方なくみんなで物置に近づくが何も見えない。 母親が言う「誰もいないわ・・」 兄のマイケルは「戸が開いてる・・こいつはコヨーテだ」と言う。 「もういいから、みんな家に入って。 さあ、早く・・・」とママがみんなを家の中に入れる。 「ママほんとにいたんだよ・・」とエリオットが言うが、誰も振り向いてもくれない。 エリオットが受け取ったピザを取りに行き、食卓に広げると一部が食べられている。 「グレッグ!。お前が食べたんだろ・・」とグレッグが疑われる。

 物置で皺だらけの怪物E,Tが動いている。 寝ていた犬のバービーがE,Tに気づき起き上がる。 エリオットが懐中電気をもって、そっと物置を観に行く、カエデのような変な形の足跡がついている。  足跡は奥に続いている。 エリオットが足跡をたどって行ってE,Tと目が合う。 「アーッ!。」「キャアーッ!」 E.T.がゴミ箱を倒して逃げていく。 エリオットも家の中に逃げ込む。

 朝、エリオットは自転車で学校に行く。 「オーイッ!」朝の挨拶を交わしながら、仲間が途中から増えてくる。 山では調査官が、奇怪な生物のおびき出しのためピーナツを撒きながら歩いている、 「何処だい!・・」調査官が足跡を探っている。

 夜、エリオット少年の家、テーブルを囲んで夕食中。 妹のカッシュが言う「ハロウインの衣装決めた?・・」 エリオットが言う「ハロウインなんかくだらない・・」  アニのマイケルが言う「お前は怪獣だろ?」 「うるさい!。何度言っても信じない・・・ママッ!・・ほんとに見たんだ!」 母は相手にもしないで妹に聞く「カッシュは何になるの?」 「私はカウボーイになる」 「グレッグはきっとオオトカゲだよ」 「オオトカゲなんかじゃない・・」 「それじゃ・・下水道に捨てられてるワニだよ。・・ワニだよな」 母がエリオットの方を見て「夢の中で見たのよ・・・きっとあなたが・・・」 エリオットが言葉をさえぎり「夢なんかじゃないよ!」 「それじゃ・・変態か、覗き魔だよ」 「それとも妖精か、精霊かもナ・・」みんなで茶化し始める。 エリオットが声を荒げて言う「違う!。そんなもんじゃない!。」 母が言う「「エリオット、後で話がある・・・」 「パパはサリーとメキシコだよ」 「メキシコって何処?。」  食事の後片付けをしながら母がエリオットに言う「今度それを見たらママに言うのよ・・誰かに頼んで持ってって貰うから・・」 エリオットが言う「保健所に電話するの・・かわいそうだよ・・そんなの」 カッシュが言う「実験か何かに使われちゃうんだよ」  ママが言う「お皿洗うの誰の番・・」 グレッグが「僕じゃない・・」と言う。 「お兄ちゃんだよ」 「朝、やったぜ!・」 「朝は私よ・・・」  兄のマイケルが母の顔を見て言う「どうしたの?」 母が思い出したように泣き声で言う「アーッ。メキシコなんか・・この余計なことを・・・少しは人の気持ちを考えたらどうなんだ」

 夜、エリオットが庭にハンモックを吊って外で寝ている。 ガレージの方で物音がして、皺だらけの生物ETがのこのこ出てくる。 エリオットが物音に気づきE.T.を見る。 手招きすると怖がらないで、よちよち歩きで近づいてくる。 E.T.はエリオットが捨てたマーブルチョコレートを彼に差し出す。

マーブルチョコレートに興味があることを知ったエリオットが、家の中にチョコレートを点々と置いて歩く。 E.T.が拾って食べながら食堂までくる。 テーブルの上のものを取ろうとして足元に落す。 エリオットが音の高さにびっくりしてあわててドアを閉める。 エリオットがやる動作を真似して動く。 「すごい!」 エリオットが指を1本出すと、E.T.も指を1本出す。 E.T.は眠そうな目をしている。
 E.T.があくびをする。 イスに座って眠る。

 調査隊が探査機でE.T.の捜査をしている。 探査機が音を立てて反応した。 草むらにマーブルチョコレートが集められている。 

 朝、エリオットは熱があると言って起きてこない。 ママが外出の準備をしている。 兄のマイケルが車を動かしているが一向に出てこない。 マイケルは車を門に接触させてしまう。 ママがエリオットの頭に手をやって「熱があるわ・・」と言う。 さらに「夕べ又外で、その何かを待っていたのね・・・。ママ仕事に行くわよ。 ・・テレビはダメ・・」  みんなが外出した後、仮病で休んだエリオットがE.T.に声をかける。 「おいで・・・怖くない・・・おいで・・こっち・・おいで」 E.T.がエリオットに呼ばれて、部屋の中に入ってくる。 「君話せる?。ねえ、話せる。 僕人間、男。エリオット。 エ・・リ・・オ・・ット」 E.T.がキョトンとしている。  コーラを差し出して「コーラ・・飲み物だよ。わかる?。飲み物だよ。」 一つずつ手に持ちながら教える「これはオモチャ。・・人形だよ。 こいつはハンマーヘッド・・これはランドカルリジアン・・これはボホヘット。・・こうして闘うんだよ観て・・」と言って人形の戦いを教える。 「観て・・さかな。・・魚は餌を食べている・・その魚をさめが食べる。さめは誰にも食べられない。・・これはキャンデー・・食べられる。 食べるかい。・・これはお金・・いい、ここに入れる・・貯金箱、(入れて見せる)いい、・・じゃあ、ほら、観てみい・・これは車・・・よそに行く時に乗るものだよ」 E.T.がかじろうとする。 「ダメ・・ちょっと待ってよ。・・食べちゃダメ。 おなかすいた?。僕もだ・・待って・・待ってて・・直ぐに戻る。」 出て行こうとしてドアを開けたとき犬のハービーとE.T.の目が合う。 E.T.が驚いて奇声を発する。 「ハーァッ。・・・ギャアーッ。」 エリオットが「ハービー!。ハービーッ。大丈夫・・」と犬の方を制する。 ハービーも「ワン、ワンッ・・」と吠え出す。 「大丈夫かい・・びっくりしたんだね。  コーラ飲む?」と冷蔵庫をあけてコーラを取り出す。 E.T.がオモチャ置き場のヌイグルミの中に隠れる。 顔を出すが人形との見分けがつかない。 体重計に乗る。 「16キロ?。 16キロなの?。 そんなにデブなの?・・・」 エリオットは風呂場に行って水道をひねって見せて・・・「ここから水が出る。・・いい、・・こっちがお湯。 全部パイプを通ってくるから、ときどき死んだ虫が流れてお風呂に浮いてたりするの、気持ち悪いよ・・。のど渇いた・・僕も!。」 そのとき電話のベルが鳴る。 エリオットが急いで電話機のところに走り受話器を取る「はい・・大丈夫だよ。ほんと熱はないけど・・心配しないでママ、平気・・・じゃ、僕もう寝るよ、いい、・・バイバイ・・。(水を出しっぱなしの浴槽の中でE.T.が溺れている) ママ、風邪なんだよ・・・いいよ、お医者様に行かなくても。 だって熱は36度5分に下がってんだから・・・わかった。じゃあね・・ママ、早く切ってくれないと、ここでハクよ。・・ア・ア、ウエーッ。」 やっと電話を切ってそばにいないE.T.を探す。 風呂場に行ってみるとE.T.が浴槽の水の中に沈んで動かない状態になっている。 持ちあげて「おぼれちゃう所だよ・・・なんだ、僕をからかったの?・・・」

 兄のマイケルが帰ってきて冷蔵庫を開けるが何もない。 「お兄ちゃんちょっと来て・・・」 「気分はどうだ?・・」 「もう治ったよ・・それより大事な話があるんだ・・怪獣だけど」 「またその話かよ・・」 「あれ戻ってきたんだよ・・」 マイケルはおどけて見せて「ほんとに・・戻った!。 ほんとだ出たーッ!。」 「お兄ちゃん!。 僕が王様だからね、誓って、お願い!」 「なんなんだよ、やっぱコヨーテか?」 「違うよ。入って」マイケルを部屋に引き込む。 「いい、・・まず、本気で誓って、命をかけて絶対に秘密を守るって。兄弟二人だけの大切な秘密なの」 「オーバーだな。誓うよ」 「それではそこに立って、それから肩パットを外して・・」 「なんだと・・・」 「怖がると困る。・・それから目を閉じて・・・」 「お前、やりすぎだぞ・・」 「目をつぶんなきゃ見せてあげないよ」 「わかったよ、これでいいか・・・」と後ろを向く。 「いいよ。じゃあ、もう一度誓って、・・僕が王様だ・・」 「王様の言うことを聞くよ〜、命にかけて〜ッ」 そこに不思議な生物がいる。 妹がはしゃぎながら帰ってきて、いきなりドアを開け、部屋に飛び込んで来る「キャ〜ッ」 E.T.も声に驚き「ウオッ〜オ〜ア〜」 お互いに部屋の中を走り回る。

 ママも帰って来る「みんないるの・・。エリオット具合ヮ・・。どうなっているの?。(二人が逃げ回った部屋を見て) ひどい部屋・・地震だったの?」 「だから・・ かたずけてたの」 「オモチャもかたずけてね・・ママ、シャワーを浴びるから・・」とママが部屋を出る。 (ママにはE.T.は見つからなかった。) エリオットが言う「ぼくが守る。・・怖くないよガーテー・・怖がらないでいいよ。もう大丈夫だよ」  妹が聞く「女?・男?。」 「男の子だ。」 「お洋服は着てなかった?」 「着てない、・・・いいか、このことママには絶対秘密だぞ」 「どうして・・」 「なぜって、大人には見えない。 小さな子供だけにしか見えないんだ」 「冗談でしょ。」 「いいか一言でも言ってみろ・・こうなるぞ」 (人形を壊す真似をする) 「誓うか?」 「うん」 「お兄ちゃんもだよ・・・」   

 街が遠くに見える丘の上。 奇怪生物の調査隊員がまだ捜査を続けている。

 夜、ママが妹のカッシュを見て「何してるの・・・・」 「エリオットの部屋で遊ぶのよ・・」 「いいわ、いじめられないようにネ」 「大丈夫よ、ママ・・」 

エリオットの部屋に入る。 エリオットが言う「きっと、突然変異の動物だよ・・」 「程度低いよ」 「猿かオランウータンの一種だよ」 「毛がないサルなんて・・・キット豚よ、よく食べるもん」 地球儀を見せて「うちはここだよ、・・ここ、・・いい、ここだ、ここにいる。・・君は何処?。」 二人は窓の外の夜空を見せる。 満天の星がきらめいている。 エリオットが妹に言う「お前は黙ってろよ。・・・何か言いたがってるだろ?。・・・地球・・おうち・・おうち」 おいてあった果物が宙に浮く。  「すごい・!・・」エリオットが目を丸くする。 部屋の騒ぎに兄のマイケルがやってくる。「エリオットどうした?・・・」 「わかんない・・。 怖くなった」 みんなで外に出る。 花畑のかれた花が急に生き返る。

 朝、兄のマイケルが聞く「学校を説明してやったか?・・」 エリオットが言う「あんな、高等生物に・・・」 「そんなことは、わかんないぜ・・・機械の事たいしたことないから、下等生物ってこともある。」 次兄のグレッグがやってくる「エリオット!。怪獣はどうしたんだい?」 「うるさい!。・・怪獣なんかじゃない。・・宇宙人だ。」 「ウォーオー」みんなではやし立てる。 「宇宙人か?・・・そいつ何処からきたんだ・」 みんな学校に行く準備をしている。 ママが車を出してきて「車に乗って・・。遅刻よ・・」と声をかける。 出かかるが家の中から音がするので二階に上がり子供部屋を覗く。 E.T.はオモチャ置き場のヌイグルミの中で、並んでジットしていてままに見つからない。

 学校でエリオットが授業中。 E.T.の似顔絵を書いている。 全員の机の上にビンに入ったカエルが一つづつおいてある。 先生が言う「さあ、今日はいよいよカエルの解剖を行う。 前にも説明したように、解剖しているとわかると思うが、カエルと人間の内臓は基本的に同じ・・」

 部屋の中、E.T.と犬のハービーがいる。 「ウオーツ」とハービーが吠える。 E.T.がおびえてウロウロしている。

 先生が続ける。「メスはよく切れるから気をつけること。 カエルは解剖しても血はあんまりでない。

 部屋の中。 E.T.とハービーが仲よくなっている。 E.T.が冷蔵庫を開けてアイスクリームを出し、一口なめてハービーにやる。 ジュースを飲む。

 先生が続ける。 「いいか、いよいよ解剖をはじめるぞ。 前の時間にノートに取ったことをよ〜く観て・・。解剖してまず見て欲しいのは心臓だ。 まだ動いているはずだからよく観察する。 繰り返すが人間の内臓と帰るの内蔵はよく似ている・・・観ればわかるが大腸は延び縮みしている・・・」 

 エリオットの部屋の中。 E.T.がテレビのスイッチを押す。 突然音が出て画像が映り、E.T.は部屋の中を奇声を発し逃げ回る。

 学校で先生が続ける。 「これはクロロホルムを染み込ませた綿だ。 一つづつビンに入れるから、直ぐに蓋をしなさい。 カエルはじき眠ってしまう。 麻酔が掛かればもう痛みは感じない。  麻酔が掛かるまで、観たくない人は観ないでよろしい」  エリオットがカエルに話し掛ける「僕見える・・話せる・・言葉判る・・」

 エリオットの部屋。 E.T.がテレビの漫画を見ている。 

 学校で、エリオットがカエルに言う「助けよう・・。早く逃げよ!」と言ってビンを逆さにしてカエルをビンから出す。 近くの少女がそれを見て悲鳴をあげる。  「早く逃げろ!。・・早く家に帰れ!。早く逃げるんだ!・・」 エリオットはみんなのビンの蓋を開け、カエルを次々と逃がす。 「逃がすなよ・・」と叫ぶ子もあり教室は大混乱。 教室はカエルがいっぱい。 みんなで窓からカエルを逃がす。 「先生にまかせて・・・」

 夜。 エリオットの家。 ママが帰って来る。 妹のカッシュが言う「ママ、紹介するは・・」 ママは相手にもせず「冷蔵庫一週間たまった」 「ママ紹介するってば・・」(ママが部屋の中を動き回るが、E.T.が後ろに居たり、ちょうど物陰だったりしてママには見つからない)  「お願い、・・・これを肩是けるまで待ってて・・」 電話が鳴る。 ママが出る。 「・・ええ私ですが・・・うちのエリオットが・・・ハイすぐ行きます」(学校の先生からのデンワ) 「カッシュ。 エリオット迎えに行って来るからお留守番しててね・・」 「ママ、言葉を話してる・・」 「当たり前よ。・・じゃ、いいわね。・・10分でもどるわ」 ママが出て行った。 E.T.が電話機に触ろうとする。  カッシュが「デンワ。・・デンワ」と言うと。 E.T.も「デンワ」という。 カッシュが「誰かに電話したいの・・」と聞くがわからない。 「いい子で、ここに居るのよ・・いいわね、誰にも言っちゃダメよ。・・・いい子にしてるのよ」カッシュはそう言って部屋を出て行った。

 エリオットが部屋に入る「これなんだよ!。・・・」 E.T.がしゃべる「イリオット。・・エリオット・・」 「何だよ!・・」 「イリオット!」 カッシュが言う「私が教えたの・・言葉が話せるようになったのよ。 見てこれ、自分で運んできたのよ。 これで何をするのかしら・・」 E.T.は「イリオット。・・エリオット」と繰り返す。 エリオットが言う「いってご覧。・・イーティー・・。 イーティー。」 E.T.が言う「イーティー・・・。イーティ・イーティ・イーティー」 エリオットが言う「こんなひどい格好させて・・イーティの気持ちも考えてあげような・・」  E.T.が「デンワ・・」と言う。 「電話?・・」 カッシュが「電話だって?。 電話?。 そうよ聞いたでしょ。 電話って言ったのよ」  E.T.が言う「オウチ・・」 エリオットが言う「そうだよイーティーのおうちだよ」  E.T.空を指差しながらが続ける「イーティー・・デンワ・・・オウチ」  エリオットがが真似をする「E.T.・・おうち・・でんわ。 誰かに電話したいの・・」 

 調査隊がまだE.T.の捜査をしている 

 兄のマイケルが帰って来る。 「イーティー・・デンワ・・・オウチ」  E.T.がしゃべりつづける「オウチ・・オウチ・・」 「こいつしゃべってる・・」  マイケルが言う「レーダーの部品になりそうなものを集めるんだよ」 エリオットが言う言う「レーダーの部品って?・・迎えが来るの?・・」 「俺が知るか・・E.T.を見つけたのはお前じゃないか・・僕があいつを守ってやるって・・」(この会話を調査隊の隊員が聞く) みんなでレーダーの部品になりそうなものを車庫で探す。 「あいつなんだか元気ないみたいなんだ・・・」 「僕たちは元気だ」 「僕達、僕たちって、大丈夫か?。 」 

 マイケルがシャツを広げている。 エリオットが言う「パパのシャツ?・・」 「そう」 「覚えてるかい・・パパとよく野球を観に行ったね・・ポプコーンを買ってくれた。」 「又連れてってくれるよ・・」 「そうかなあ・・」 シャツを両手で顔に近づけて「パパの匂い・・・」 「覚えてるよ」

 ママがベットでカッシュに本を読んで聞かせている。 隣の部屋でE.T.がそれを聞いている。 エリオットが鋸で謝って指を切る。 「アイタッ!」 指先を上げたエリオットに、E.T.が指を近づける。 指先が触れ合ったとき指の傷が治る。 カッシュがママに言う「もう一度最初から読んで・・」 「いいわよ・・」

 外に調査隊の車が来る。 エリオットが言う「組み立ててるよ。・・頭いいって言っただろ」 マイケルが言う「まさか、バカな真似はしないだろうな・・今、何感じてる?」 「すべてを感じている・・」 

 みんなでハローウインの化粧中。 マイケルがカッシュに言う「お前は幽霊の格好をしているんだ。・・仮装をしていることを忘れちゃダメだぞ」 「わたしお馬鹿じゃないのよ」 「いいかい」 「いいよ」とあたまから毛布をかむせる。 エリオットが「ママ見ないで・・・」とママを遠ざけてから、E.T.にも布をかけて連れ出す。 「よし、観ていいよ・・」 ママは「アーハハハッ。 可愛い!かわいい」と大喜びでカメラ撮影。 ママは「暗くなったら戻るのよ。キットよ・・バーイ」と言って送り出す。 エリオットが「ガーティーこっちへおいで」と呼ぶ。 子供達とE.T.は仮装して祭りの会場に急ぐ。 

E.T.が「オウチ。・・オウチ・オウチ」と言い出す。 「暗くなったら戻るよ」 「お兄ちゃん、お願い手を貸して」 マイケルが言う「いいか、エリオット早く戻ってこいよ・・」 エリオットは自転車の前駕籠にE.T.を載せて山に急ぐ。 自転車がフワッと浮いて空を飛ぶ。 「高いよ!。・・高いよ」 自転車をドンドンこぐとさらに高く空を飛ぶ。 山の空き地に下りて倒れこむ。

 ママが家でローソクを並べて待っている。

 山の空き地に傘を逆にして広げて、集めた部品でE.T.がアンテナを作る。 みんなが帰らないのでママが車で出かける。 誰もいなくなった家に調査隊員がやってきて、検査計器を持って家に入る。

 ママがマイケルに聞く「エリオットは何処?。・・どこかって聞いてるの・・」 妹のカッシュが答える「エリオット。・・森へなんか行ってないわよ。 あんな所へ行くわけないわ。 

 山の中の空き地。 傘で造ったアンテナとレーダーでE.T.が交信をはじめた。 エリオットが喜ぶ「交信している。・・やったー。・・E.T.・・うまくいった」

 家の中。 調査隊員が捜索をしている。

 山の空き地。 エリオットが言う「もう帰らなきゃ。・・もう真っ暗だよ。 早く家にかえろうE.T.・・・直ぐには来ないよ」 喉を指差してE.T.がいう「いたーい」 「地球でこのまま僕と暮らそうよ。 僕たちが守ってあげる。何時までも僕と暮らそうよ」  E.T.がやっと声を出して言う「オ・ウ・チ〜」 エリオットの泣き顔を見て悲しそうに続ける「オ・ウ・・チ〜。オ・ウ・・チ〜〜」

 朝、エリオットはその山の広場で目を覚ます。 E.T.がいない。 「イーティ〜〜」

 エリオットの家。 ママが警察に届出したので係り官が来て聞き取りしている「それでお子様の服装は?・・・」 「家でしたって可能性は有りませんか?・・家庭のごたごたとか、親にしかられたとか?・・」 ママが言う「最近、夫と別居して子供達はつらい思いを・・」 カッシュが言う「パパはメキシコにいるの・・」 そこにエリオットが帰って来る。 ママが言う「家出なんて・・どこえ・・エリオット、・・今まで何処に行ってたの!?。・・大丈夫ね。・・」 警察官に「ありがとう。・・お騒がせしてすみません・・」と頭を下げる。 エリオットが泣きながら言う「E.T.は?・・探しに行って・・」 「どこに・・」 「森の中、空き地の所・・お願い探して・・」  

 兄弟が森に向かう。 「E.T.〜。E.T.〜。」 無線交信をした跡を見つける。 夕べE.T.が冠っていた布が落ちているがE.T.の姿はない。 川の水に身体が半分浸かって倒れているE.T.を見つける。 空には調査隊員の乗るヘリコプターが旋回している。 エリオットはE.T.に布をカむせて見えないように隠す。 E.T.を病院に連れて行く。 カッシュがいう「E.T.は病気なの・・。 E.T.はいい子よ、月から来たのよ・・」 エリオットも言う「E.T.はいいやつなんだよ・・そばに居させてよ」 ママが子供達を遠ざけようとしたとき、宇宙服を着た人たちが家の中に入ってくる。

ママが言う「ここは私のうちよ!・・・出てって!」 たくさんの調査隊員がエリオットの家を取り囲む。 E.T.がやっと呼吸をしている。

 アメリカ軍の軍服を着た人たちが家の中に入ってくる。 病院に連れて行ったE.T.が「オ・ウ・チ・・オ・ウ・チ」と言って泣いている。 

 防護服を着た隊員が家のなかにエアーパイプを運び込み、送風をはじめる。 隊員がママに質問するがママは「私は何も知らないわ・・」 「あいつは何か書いたり、造ったりしたか?・・・言葉は判るのか・・・」 「エリオットを通じて解かります・・」 「パターンが完全に一致している」 隊員が検査をしようとしたときエリオットが「こんなこともうやめて・・怖がってるよ・・お願い僕が面倒見るから・・」と言う。

 エリオットのパパが戻ってきた「エリオット、森へ行って来た。・・・重要な話しなんだ。・・機械があったがありゃ何なんだ・・」 エリオットが言う「彼は友達なんだ・・彼を助けたい。・・どうしたら救えるか教えて・・・」 パパが言う「彼は何かの間違いでここに取り残された・・」 ママが言う「ママはE.T.の友達になって面倒を見て上げたい・・」 「E.T.は運がよかったのだ・・・」 

 E.T.が「エ・リ・オ・ット・・」と弱弱しい声でエリオットを探している。 エリオットが「一緒にそばに居るよ・・」と励ます。 E.T.が「イ・ル・ヨ・・・イ・ル・ヨ・・」と言う。  E.T.の心拍数が戻らない。 エリオットは「お願いE.T.をたすけて・・・」と泣きそうな顔になっている。

 エリオットの家。 次兄のグレッグが子供部屋でヌイグルミの中に入って眠る。 周りが明るくなって花瓶に差した花を観ると、花は急にしおれてしまう。 

 病院の中。  E.T.の呼吸が止まった。 医者が言う「無菌エリアに運べ・・・子供を早く出せ・・・」 エリオットは「僕のところに来たんだ・・」と叫ぶ。 心臓マッサージを行う。 「呼吸していない・・・。」 「・・脈がない・・」と看護婦が言っている。 心配で泣き出しそうなエリオットの所にママが来る。 「ママ・・・」とエリオットがママの胸に飛び込み、母子は抱き合う。 

 エリオットの家は調査隊員がまだ調査中。・・

 病院の中。 「生命反応がない・・・。15時36分。引き上げだ」と言って医者達は電気を消して、無菌室から出て行った。 エリオットがE.T.のそばに行く。 博士がE.T.の目を閉じてやる。 妹が「死んじゃったの・・・いつか又戻ってくる?・・・」と聞く。 

 看護士が言う「カプセルを用意しました・・。時刻は15時36分。・・投与した薬は・・・・・」 E.T.が無菌室から運び出される。 エリオットが言う「みんなに解剖されるんだね・・・。お別れをするから、みんなここを外してくれ・・・」 「向こうへ行きましょう・・・」 エリオットだけが残る。 E.T.が冷凍されている。 エリオットが言う「ひどいことをされたね・・・ごめんネ・・・許して・・君が死んじゃったから、僕はもう何も感じられない。・・・君はどっかに行っちゃうの・・・君のことは一生忘れないよ・・E.T.君が好きだ」  エリオットがカプセルの蓋をする。 枯れていた花がまた生き返る。 「生き返った!」   E.T.が「オ・ウ・チ・・・・ デ・ン・ワ・・」と言う。 「迎えが来るの?・・」 「デ・ン・ワ・・・デ・ン・ワ」 「黙って・・・」 医者がやってくる。 エリオットは泣く真似をする。 医者が出て行く。 「生き返った!・・E.T.がいきかえった」 マイケルに知らせに行く。 マイケルが伝える「ママ、みんな帰った?。・・みんな帰ったらママにこれを渡せって・・」 「まあ、なんてこと・・・」

 E.T.を車に乗せる。 マイケルが運転して車を走らせる。 「これじゃ免許証は永久にもらえないよ・・・」 家の中に持ち込んでいたエアーホースを後片付けしていたいた調査隊員に見つかる。 「何処に行く・・・」 カッシュがしゃべる「宇宙船が来るの・・・」  E.T.を自転車の前駕籠に載せて走るエリオットたちを警察車輌が跡を追う。  エリオットたちが公園につくと仲間の子供達が先に来て待っている。 「みんな・・彼は宇宙人だ。・・・宇宙船まで連れて行く・・」 エリオットたちは車が通れない狭い場所や、道のないところを走って逃げ森へと急ぐ。 パトカーが追跡する。 しかし、つかまりそうになったときも子供達仲間が守ってくれる。 パトカーが先回りをし、道路を封鎖している。 「二手に分かれようぜ・・・」 「やったぞ・・・」 みんな空に上がって飛んで行く。 頭の上を越えていく子供達を隊員たちが呆然と見送る。 5台の自転車が一列になって空を飛ぶ、子供達が全速力でペダルをこぐとぐんぐん自転車が上昇する。 森の広場につくと、E.T.が造った交信器が有り、交信した跡がある。

 船体にいっぱい明かりをつけた、大型の宇宙船がやってきて静かに下降をはじめる。 E.T.がだまって観ている、宇宙船は少年達の目の前に降りる。 「ママ観て・・・あそこよ・・・あそこに居るわ・・・」 車でママとカッシュがやって来て言う「E.T.帰っちゃうの?」 エリオットが言う「サヨナラは知らないよ」 カッシュがE.T.にキスをする。 マイケルが頭をなでる。 E.T.が言う「アリガトウ・・・」 エリオットが「ぼくこそ・・・」といって花の鉢を置く。 E.T.に近づき人差指を出す。 E.T.も人差指をだし指が触れ合う。「イタイ・・」 エリオットも「イタイ・・・」と言い二人は抱き合う。 静かに目を閉じるE.T.・・・。

 
 宇宙船から迎えが来る。 指を顔の前に出してエリオットが「ずっとここにいるよ」と言う。 E.T.は花の鉢を抱えて宇宙船のはしごを上って行く。犬のハービーがはしごの途中まで跡を追い引き返す。 はしごが仕舞われ、宇宙船が静かに上昇をはじめる。  

                 =  終わり
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                                                H.14.4.27  鑑賞 
                                                  
                      
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