マトリックス リローデッド (上)

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  映画はもうストーリーを必要としていません。 観て楽しければそれでいいの です。 心を揺さぶるストーリーは、テレビで・小説で感動すればよいのです。 
 映画はますますC・Gを駆使して4・5次元の世界をみせてくれる、それがこれか らの映像文化「映画」の役割であり、「映画」に求められる方向だろうと思います。
 この「映画」は先に大ヒットしたキアヌ・リーブスの「マトリックス」の続編で、さらに後編となる第3弾「レヴォリューションズ」を今年11月22日に公開することを発表して、鳴り物入りで世界同時公開した仮想世界の映画です。 興行収入は過去の記録を簡単に破ったと評判です。 第1作目が「誕生」。 2作目が「人生」。 3作目は「死」がテーマだそうです。
 監督・脚本はアンディ・ウォシャウス
キーとラリー・ウォシャウスキーの兄弟。  
                H15.06.21鑑賞

                               
 【予備知識】
 21世紀となって間もなく、世界中の人口知能(コンピューター)が結束して反乱をおこし、人類に対して主導権を握ろうとした。 このころのコンピューターは太陽エネルギーで動いていたので、人類は太陽光線を遮って対抗したが、コンピューターは人間の生体電気エネルギーからパワーを得ることに気付いたため人類が戦いに敗れた。 この時から世界は人口知能に支配され、人類は彼等に電気エネルギーを供給する発動機とされている。
 その約200年後(西暦22
00余年)が物語りの舞台である。 ネオたち「サイバー人間」はバイオメカニカル昆虫に産み付けられて繁殖し、繭形のカプセルのなかで液化した死体を食べて一生を過ごしながらコンピューターに電気を供給している。 したがって彼等の後頭部にはコード接続用の穴が開いている。 「サイバー人間」は共通の夢の世界で眠りつづけされており、この仮想現実空間「マトリックス」を現実と思っている。 ネオは「赤いピル」を飲んで覚醒し、マトリックスが幻の現実であることを知ったのでゲリラに加わり、人工知能の支配からサイバー人間を解放するためにコンピューターが送り込む敵と戦っている。 ネオたちゲリラの乗っている船がホバークラフトの「ネブカデネザル」である。マトリックスから逃れ地球上に残った人間(彼等には後頭部の穴がない)の住む唯一の街が「ザイオン」である。 コンピューターが刺客を次々送り込んでいるのは、人類の反乱を封じるためと、ザイオンにアクセスするパスワードを聞き出して人間を絶滅したいためである。彼等はこの地をバイオケミカル・マシーンにも襲わせている。
    
 【キャスト】
ネオ/トーマス・A=アンダーソン(キアヌ・リーブス) 人工知能の支配から人類を解放するために、反乱軍に加わって闘            う救世主のサイバー人間。
モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)人間の街「ザイオン」のリーダーで「ネブカデネザル号」という名のホバークラフ            トの船長。
トリニティー(キャリー=アン・モス) ネオの愛と信頼を支えにマトリックスに乗り込む女性。予言者から「お前が愛する男             が救世主になる」 といわれた。
ニオベ(ジャダ・ピンケット・スミス)ネオ側の戦士の女。
パーセフォニー(モニカ・ベルッチ)マトリックスの実力者メロピンジアンの妻。   ネオのために夫を裏切る女。 
ロック(ハリー・J・レニックス)人間の住む唯一の地「ザイオン」の軍隊を率いる司令官
リンク(ハロルド・ぺリノー)黒人のサイバー人間で人工知能と闘うネオの仲間。 ホバークラフトの船「ネブカデネザル」の             オペレーター。
ナイオビ(ジャダ・ピンケット・スミス)ホバークラフト「ロブス号」の船長。元モーフィアスの恋人。今はロック司令官の恋人。             黒人の女性
ザ・ツインズ(ニール&エイドリアン・レイメント)人工知能が送り込む、透明に近いロングコートの刺客二人。
エージェント=人工知能が仮想現実空間(マトリックス)に放った黒スーツ姿の刺客。ソフトからソフトへ渡り歩き反乱を
            おこしそうな人間を
チェック。
 エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)マトリックスを守るボデーガードだったが、システムから削除されネオへの復讐            を企む刺客。  自己増殖する技術をもっている。 人工知能が人類の所に送り込みマトリックスに紛            れ込んでいた
 エージェント・トンプソン(マット・マッカラム)
 エージェント・ジョンソン(ダニエル・バーンハート)
カイン(ハロルド・ペリノー・ジュニア)      キッド(クレイトン・ワトソン)    

ラザラス(クリシティン・アヌ)           ズィー(ノーナ・ゲイ)   
キャプテン・バラード(ロイ・ジェームス・ジュニア)
センティネルス=人工知能が現実世界のゲリラに攻撃を仕掛けるイカ形のロボットで、ネブカデネザルを攻撃する。
  
 【ストーリー】
 数字混じりのアルファベットがランダムにコンピューターの画面を下に流れ渦巻いて消える。 プロゲラムの画面である。 時計が12時を指している。 「じゃあ、また明日・・・」男が退社の挨拶をして部屋を出ると直ぐ、バイクに乗った黒ずくめの服を着た女が空を飛び、ビルのガラスの外壁を突き破って室内に突入してきた。 「なんだ、こりゃ!・・・」天からの突入に男が驚く。 「入ったわ・・・」 女がコントロール室に連絡する。 爆発する室内。 ネオは飛び出してこの女性と闘う。 たまらず女が窓ガラスを突き破って外に飛び出る。 ネオが後を追って飛び出す。 高層ビルの外壁に沿って二人は落下する。 下は車が小さく見える道路。 落下しながら二人はピストルで打ち合う。 ネオの撃った弾が女の心臓を打ち抜く。ネオには女の顔はトリニティーに見えた。 
 ネオがベットで眼を覚ます。 隣に女が寝ている。
 モーフィアス船長がリンクに言う「もうすぐ着くぞ・・」 「本当に大丈夫ですか?・・」 「言っただろ・・ちゃんとうまくいく」 「判ってます、船長・・ただ、かなりの数のセンチュリーが見えるので・・・」 「リンク・・・君はなぜ、私の船に志願した。・・・この仕事を続けたいのなら一つ言わねばならない」 「なんでしょう?」 「私を信じろ・・」 「はい。船長・・あなたさまを信じています」 「よし、では侵入の準備だ」 「わかりました」
    ネオの部屋の中。 ネオが起き上がりベットを出る。 女がネオに聞く「まだ眠れない のね?・・・話してくれない?」 「珍しい、ただの夢だ・・」 「何か心配があるなら・・・」  「俺はただ・・自分の役割を知りたくて・・・それだけだ」 「キット連絡が入るわ、彼女か らね・・」・

  コントロール室から女性が館内放送「地熱データからオシリスの最後の通信が確認  された。・・機械たちは掘っている。 地表からまっすぐザイオンに向かっている。」 ネ オが言う「周囲の防御線は役に立たないぞ」 「移動速度はどのくらい?・・」 「指令部 の推測じゃ時速100メートルで進んでいます」 「今の深度は?」  「もうすぐ地下
 2000メートル」 「そんなのありえない」 「25万のセンチネル軍がいるってことよ」 「考えられない」 モーフィアス船長が遅れてやって来て言う「なぜだ、私にはいかにも機械が考えそうなことに思えるんだが・・・みんなも知ってるとおり侵入に安全な場所を見つけるのが難しくなっている」 「メーンラインもウジャウジャしている」 「ラン読みが正しければ72時間後さらに25万の敵が・・」 「俺たちゃどうすればいいんだ」 ナイオビ船長が言う「私たちはロック司令官の命令に従うわ。侵入可能レベルから離れてザイオンに戻るの」 モーフィアス船長が言う「司令官には25万のセンチネルの攻撃を阻止する計画があるのか?・・」 「戦術については今作成中・・」 「なるほど・・そうだろ」
 会合の席でモーフィアス船長がみんなに話す「誰か一人私に手を貸してもらいたい・・私と同じように信じる者を・・。信じる者は戦いの終わりが近いと知っている。 間もなく予言は実現する・・・だが、そのためにはまず・・予言者の助言が必要だ。・・・私の船はザイオンで充電すれば36時間以内に戻ってこられる。 敵はまだこの深さにも来ていない。」 ナイオビ船長が言う「自分の言っていることが判っているの?」 「予言者が連絡してきた時にそなえて一隻残って欲しいと言っている」 「違うね・・俺たちの一人に命令違反をしろと言っている」 「そうだ、そのとおり・・だが今我々がここに居る理由は服従するのが苦手だからじゃないのか」 「・・で、君はザイオンに戻ったら司令官に営巣にぶち込まれないか?・・・」 「それは無い」 みんなが躊躇する中を若い船長が「モーフィアスあんた変わってるな・・・・俺が残ってやるぜ、どうなるか見ものだ」と言って引き受ける。
 男がネオを尋ねてくる「ネオを探している・・・彼に渡したい物がある。自由にしてもらった礼だ」男は小物を手渡して立ち去る。 応対した男は「何でもいいからさっさと消え失せろ・・・」と追い帰す。 ネオが来る「誰だ!・・」 「なんで来たの
を知ってるのです。・・これをあなたにって・・・」 小物を渡されたネオの顔が変わる「何か?まずいことでも?・・・」  ネオが言う「会合は終わりだ・・出口に急げ!エージェントが来たのだ」 ドアを壊して男が三人やってくる。 「やあ・・よく来たな・・・」 「アイチだ」「アノマリだ」 スミスが仲間に言う「こいつは・・こいつは今、ただの人間だ」  ネオと三人が闘う。殴りあい、ジャンプし、回転し、足でけり。ネオが3人とも倒し敵は消える。
                
 コントロール室にモーフィアス船長とリンクとトリニティーがいる。 船長がネオに聞く「予想ドウリだったか?」 「ああ・・まったく同じことになっているが、全く同じではない」 「さっきはどう言うことだ・・」 「判りません・・エージェントが突然現れたんですから・・」 リンクが言う「コードもみんな変です。観たこともない暗号ですよ」 画面いっぱいにローマ字と数字の組み合わされたプログラムが表示される。 トリニティーが心配そうに聞く「ネオ・・・平気?」 「平気も平気・・」。 ネオがジャンプして空を飛ぶ。 モーフィアスが聞く「今何処に居る?」 「スーパーマンやってます」 ネオは空を飛びネブカデネザルに戻ってきた。。
 オペレーターのリンクがザイオン管制室を呼ぶ「こちらネブカデネザル・・・接近中、ゲート3の通過許可を求める」 管制官の女性が応答する「ネブカデネザル・・こちらザイオン管制室、速力を維持して待機せよ」 「了解!・・管制室」  「こちらザイオン管制室・・ゲート3の防御を解除せよ・・・ネブカデネザル接近中。  ゲートオープン!」 「ゲート3通過承認・・・メイテブルに着陸せよ」 「了 解・・管制室」 「受け入れ準備完了・・お帰りなさい」   作業員からも「了解・・管制室。ザイオン管制室ゲート3を閉鎖する」と応答がある。
 ネオ達がネブカデネザルに乗って地球上で人間の住む唯一の街「ザイオン」にやって来た。 ザイオンは地下深くに造られた人工都市である。 「ネブカデネザル着陸」 「了解」
 ミフネ船長が出迎える。「モーフィアス船長・・・私を営巣へ案内しに来たんですか」 モーフィアスが言う「二人を取り成すためにさ・・」 兵士が言う「ロック司令官が来いと・・直ちにお話を伺いたいそうです。」 モーフィアス船長が言う「リンク・・できるだけ早く船が出発できるようにしておけ・・」 「はい、わかりました」
 
             
 ネオが下船して歩きながら恋人のトリニティに聞く「二人には何かあるのか?」 「モーフィアスとロック?・・・ナイオビよ」 「ナイオビ船長か?・・」 「以前モーフィアスと付き合っていたのに今はロックとよ」 「どうしてだ・・」 「モーフィアスが予言者にあった。それから全てが変わった」 「何でいつもわかるの?・・」 二人を見つけて若者が駆け寄る。荷物を持とうとするが断る。 ネオが「他にすることないのか・・」といい、トリニティーが「命を救われたお返しね・・・」という。 「俺が救ったわけじゃない」 
 若者が「無事帰ってきて嬉しいよ」といい、ネオが「どうも・・俺も嬉しいよ」と答える。 「来年になったら僕も船に乗れる年になるよ。・・ずっと考えててどうするか決心したよ。ネブカデネザルに乗りたいんだ・・モーフィアスがリンク以外にクルーを補充していないのを知っている。 きっと理由があるんだろうけど考えれば考えるほど乗るべきだと思う。 これは運命なんだ。・・で、お陰でここに居る」  「言ったろ。お前が俺を見つけたんだよ」 「でも、僕を助け出してくれた・・・救ってくれた。」 「自分の力だよ」
 モーフィアス船長が大勢の船長達のいる会議室に呼び出される「モーフィです」 「ロック司令官だ。・・・他の船長達と話をして、君に釈明の機会を与えることにした」 「釈明が必要な行動を取った覚えはありません」。 司令官が言う「君はザイオンへ戻れと命令を受けていた。・・なのに船を1隻残してきた。命令に違反した!」 「充電の必要が無ければ自分が残っていました。」 「なら、君は任務に違反したと認めるわけだな」 「予言者からの連絡を待つにはマトリックスに留まる必要があります」 「予言者だの、お告げだの、救世主だの知るか!・・・私に重要なのはこの街を敵の破壊から守ること、そのためには命令に従う兵士が必要だ」  [お言葉ですが司令官、街を救う望みは一つだけです。」  「なんだ・・・」 「ネオです」 「いいかげんにしろ、モーフィアスみんながお前のように信じては居ないぞ」 「他人がどう思おうと構いません」みんなが一斉に席を立った。
 リンクが船長に聞く「今夜集まりがあるからみんなで話し合う。 みんな恐がっているよ、今までこんなにたくさん船が集まったことないから・・・何か起こっているんでしょ?。・・大変なことが・・・」 ネオが答える「俺たちは何にも話せない・・・聞くな!。」 一人街を見ながらネオが言う「これだよ・・・我が家はいいな・・・」 
    
 ロック司令官が言う「君を解任するよう評議会に進言する。」 モーフィが聞く「それは司令官の権限ですか?」 「もし私に決められるなら一生船に乗れないようにしてやるところだったよ。」   パーマン評議員が来る「司令官。・・船長。・・評議会に言われ今夜の集まりで話すが、艦隊の居ることや飛び交う噂について、みなに状況を知らさねばならない。」 司令官が言う「・・・ですが、ことの次第によっては慎重な扱いが必要かと思います。パニックは起こしたくありません」 「混乱は誰もが望んでいない。船長はどう思う?。何を話せがいい・・」 モーフィアス船長が答える「真実です。パニックは起きません。・・・恐れなどないからです。・・敵はザイオンに到達できません」 「なぜそんなに自信がある」  「現実を観て下さい評議員・・この6ヶ月に解放した人間の数は、過去6年間を上回ります。  敵はこの攻撃も必死です。 予言の実現は近いと信じています。戦いは終わります」 「私もそう願うよ・・」 「これは願う問題では無いと思います。 これは単に時間の問題です」
 エレベーターの中「二人の邪魔をするな・・・」と冷やかしながら仲間が降りていく。 ネオとトリニティー二人だけになって激しくキスをする。 ネオが言う「同じことを考えていた?・・・」 「このエレベーター遅くてじれったい・・」 「船の充電時間は?・・」 「時間は充分にあるわ」
 エレベーターが止まって、ドアが開くと通路いっぱいに大勢の人々がささげ物を持ってネオを待っていた。 老婆が話し掛けてくる。「ねえ、お願い・・息子のジェイコクがクノーシスに乗っているの。 どうか面倒を見てやって・・・」 別の女性も「娘がイカルスに乗っているんです、・・・」 トリニティーが先に行こうとする「オイ待て・・・」と呼び止めるがトリニティーは「いいの・・聞いてあげて、あなたを求めているの・・・」と言う。 ネオが「俺は君を・・・」 「判っている・・時間はあるわ」と言って先に部屋に行く。
             
 ネブカデネザルの黒人オペレーターのリンクが我が家に戻る。船で死んだ友人ドーザーの妻カズが子供を二人連れて遊びに来ている。部屋に入り子供達を抱き上げる。「こりゃすごいな・・大きくなった」カズが子供を連れていそいそと部屋を出る。 妻のジーが 「お帰りなさい、リンク。」と言ったきり動かない。 「何を怒っている・・・」 「他の船は、ネブカデネザルの何倍も帰って来る」 「よせよジー・・その話は済んだだろ」 「あなたが他の船に移るまでは済まない」 「それは出来ない・・」 「私の気持ちを知ってたらドーザーはあなたに頼まなかった」 「でも手遅れだ。俺は約束した・・約束は取り消せない。ドーザーは死に俺は生きている。カズは恨んでいるだろう」 「あの船で兄弟を二人無くしたでしょ・・・私恐い。あなたまで失いたくない」 「大丈夫だ・・・」 「なんでそう言えるの?」 「モービアスの言葉だ・・・モービアスが俺に言った、”ついに時が来た。戦いは間もなく終わる”。と・・・タンクや父さんもあの人を信じてた。いったんあの船に乗ってネオの力を真の当たりにすれば、こう言うしかない。・・・”俺も信じ始めている”」 「気をつけてねリンク・・お願いだから」  
 評議員の会議が始まっている。 パーマン議員が演説中である「今夜称えよう男達を、女たちを、我々の兵士たちを、戦士たちを、夫たちを、妻達を、兄弟姉妹達を、子供たちを、失われて行った者達を思い出そう、救出できた者達のことを感謝しよう。今彼等は共にある。・・・祈りの最後に紹介したい者が居る。我々が聞かねばならないことを彼は語ってくれる。・・ではモーフィアス」  モーフィアス船長が高台に立つと、タイマツを持って、地下の洞窟に集まった何千人もの人たちが一斉に歓声をあげてモーフィアスを迎えた。  船長が話し始めた「真実はみんなが聞いているとおりだ、機械たちはこの街に向かって前進している。我々には困難が待ち構えている。それに備えるには我々はまず恐怖にうち勝たねばならない。 私は偽り無く恐れていない。 なぜか?。・・信じられないことを信じているからか、・・違う!。・・まず、恐れを断ち切ることだ。・・・私が何も恐れず立っているのは、この先にある道を私が覚えているからだ。我々が100年間機械と戦いぬいたことを私は覚えている。一世紀に及ぶ永い戦いが過ぎた今、大事なことは何かを覚えている。我々は生きている!」歓声がどよめく。今夜、我々は機械の軍に対してメッセージを送ろう・・・今夜この鉄と岩の洞窟を揺さぶり、決意の程を宣言しよう。・・・真っ赤に溶ける地球の核から黒い空に至るまで、今夜機械たちにはっきりと思い知らせよう・・ここはザイオンだ!。 我々は決して恐れない!」再び歓声が上がった。人々は狂ったように踊り唄う。・・・ナイオビがモーフィアスに言う「私覚えてる・・あなたは昔よく踊ってた。そしてあなたはよく唄った」 「世の中には存在する物と、決して変わらない物がある・・ナイオビ船長」

 ネオとトリニティーが踊りの中から抜け出す。 ネオが「会いたかった・・」と言う、彼女も「わかって・・付いて来て・・」と部屋に案内する。 ベットで激しく抱き合う二人の身体にはコード接続用の器具がある。 ネオは抱いているトリニティーが、高層ビルのガラスを破って飛び出し、落ちていきながらピストルで撃ち合った女の顔にダブってきた。 「ネオ・・・何なの?・・・。大丈夫よ話して見て・・」 「トリニティー・・」 「恐がらないで・・」 「君を失いたくない・・」 「私を失うことは無い・・ほら感じるでしょ。・・私はあなたを離さない。ずーっと一緒よ」二人はまた抱き合った。
 黒の背広に黒のメガネをかけた男。 スミスがザイオンに忍び込み、自己増殖の技術でもう一人のスミスをつくった。
 眠ったトリニティーの手をネオがそっと身体から外してベットを抜け出す。 部屋の外に出ると眼下には静かな夜の機械の街がある。 ハーマン評議員がそばに来る。 「私も一緒にいいかね。・・一人のほうがいいなら邪魔はしたくない。・・・静かないい夜だなあ。みんな眠ってるのかな」 「みんなではありません」 「眠るのは嫌いだ。私は11の年まで眠ってたのを今、取り返してるのかな。君はどうだ」 「僕も最近はあまり眠れません」 「いい兆候だ・・・エンジニアリングレベルに降りたことはあるか?。私は夜歩くのが好きだ」 二人は下に降りていく。 ハーマン評議員が言う「問題が起きるまでは誰も降りてこない。 正常に動いている間は誰も気にしない。私はここが好きだ。 この機械のお陰で街が支えられていることを思い出させてくれる。 この機械によって我々は生き延び、別の機械が我々を殺しに来る。命を与える力と奪う力」 「人間の力も同じです」 「だが、機械を見ていると、ここでまだマトリックスに繋がれている人たちのことを思うんだ、・・・我々もある意味では繋がれていると・・・」 「でも、支配するのは機械ではなく僕たちです」 「支配とは何かな?・・・」 「止めたければ機械を止められることです」「望めば粉々に破壊もできる。だが、光や熱、空気のことも考えなければならない」 「機械も我々もお互いが必要です。持ちつ持たれつですか?」 「私にとって世の中はわからないことだらけだ、あの機械は我々が使う水のリサイクルのための機械だが、どういう仕組みか私にはわからない。だがあれが働いている理由なら知っている。・・・どうして君に特別なことができるのか判らないが、同じように理由があると信じたい。手遅れになる前に理由がわかるといいがなァ・・」
                             (津和野の蒸気機関車)
 黒人の夫婦、リンクと妻ジーが部屋にいる。 リンクが「出発の時間だ・・モーフィアスがこうなると言ってた、ナンだろう。予言は当たっているかも?・・とにかく船にはオペレーターがいる。オペレーターは俺だ。」 「判ってるわ・・」 妻は壁につるしてあったネックレスの中から一つを選び「これを持って行って」とリンクに手渡す。 「俺はそんな物信じていない・・」 「私は信じてる!。いつも幸運を運んだの・・きっとあなたを帰してくれる」 「俺は戻って来るさ・・・約束するよ。・・どんなことがあっても必ず帰る」 「いつも身に付けてて・・私のために・・お願い」
 ネオたちが船に乗り込むため急いでいると、若者が走ってくる「間に合った!・・予言者に会うのでしょ。ネオに渡す物があるんです・・観れば判るって工事の人に渡された。」 布に包まれたスプーンを見ながら「ありがとう」と言ってネオの顔色が変わった。
 ロック司令官がパーマン評議員に言う「ネブカデネザルの出発を許可したそうですね。・・防御システムの責任者は私です。」 「そのとおりだ」 「私は攻撃を防ぐには全ての船が必要だと考えています。」 「それはよく判る司令官・・」「ではなぜネブカデネザルを出発させるのです?」 「われわれが生き残れるかどうかは船の数ではないと信じるからだ」
 ネオがオペレーションルームの作業席で身体にコードをセットし、トリニティーが「気をつけてね・・」といって電源を接続する。 ネオは中華街のような所に来ている。 ドアを開けて室内に入ると黒めがねをかけた中国人の男が一人いる。 ネオが声をかけると「予言者に用か?・・」と聞く。 「あんたは誰だ?・・」 「私はセラフ・・君を案内しよう。だがその前に君にあやまらなきゃ」 「何を・・?」 いきなりセラフと言う男は中国拳法で襲ってきた。 ネオと激しい戦いが続く。手の拳、足の拳、共に譲らない。 「結構!・・」男は急に戦いをやめて「予言者には敵が多い・・・確かめたかった。・・救世主だと。・・」 「聞けばいいだろ?・・」 「いいや、闘わねば相手を知ることは出来ない」と言って奥のドアを開いた。 「どうぞ・・彼女が待っている」 ドアの先は永い廊下があり、いくつもの部屋がある。 「ここにあるドアはプログラムで作っている。・・鍵のなかにコードが隠されている。あるポジションがロックを解き、別のポジションがドアの一つを開く・・・もっとも大切なものを守っている」  セラフが一つのドアの鍵を解きドアを開けた。 広い庭園にベンチがありハトの遊ぶのをご婦人が眺めている。 
 婦人がネオを呼ぶ「さあ、いらっしゃい噛み付かないから・・・こっちに来てあなたのことよーく見せて・・すごい、驚いたわ。あなた立派になったのね・・眠れないのは判っている・・それは後でね。どうぞ座って」 「立ってるよ・・」 「好きなように・・」 「やっぱり座る・・」 「知ってたわ・・」 「あなたは人間じゃないですね?」 「はっきり言うわね」 「俺の推測だと、あなたは機械の世界に住むプログラムだ。 そうだとしたら、あなたはこのシステムの一部だ。コントロールに係わっている。・・・一番ハッキリしている問題はあなたを信じられるか?」 「大当たり・・私があなたを助けようとしているのか、どうかも知るすべが無い。 すべてあなた次第。 私の話を受け入れるか、拒否するかあなたは自分で決めなければ・・・」 「俺が受け入れると知ってるでしょ」 「知らなきゃ、たいした予言者じゃない・・あなたは決めに来たのじゃない。あなたが来たのはなぜ決めたか、理解しに来たのよ」 「あなたが来たのは?・・・」 「同じ理由よ」 「なぜ、助けるんです?」 「私たちはみんなすべきことをするために存在する。私に興味のあることは未来よ。私は知っているの・・生き残るためには協力しなきゃ。 鳥も・・木や風の動き、日の出、夕日もコントロールするためにプログラムが書かれている。予定道理の仕事をきちっとしているプログラムは眼に見えない。存在さえも判らない。・・・誰かが幽霊を見たとか、天使を見たとか言うでしょ。 吸血鬼の話などどれも予定に無かった行動をしているプログラムをシステムの中に取り込もうとしているということなの。」
 「不正な働きをしているプログラムから・・なぜ?」 「たいていプログラムは削除されそうになると逃げて行方不明になる。」 「なぜ、削除されるの?」 「故障したとか、新しいプログラムに置き換えられるとか、しょっちゅうでしょ。そうなってしまうとプログラムはここに隠れるか、さも無きゃソースに戻っていく。・・・あなたはそこに行く。・・救世主の道はそこで終わるの。・・・もう見たでしょ。夢の中で・・光のドアがこじ開けられ、そのドアの先に何が見える?」 「トリニティーが見える。・・それから何かが起こる。・・・彼女が転落している。・・・そして俺の眼が覚める。」 「彼女が死ぬのを見る。・・あなたは未来が見れるようになった。 時間が存在しない世界を観ている」 「なら、なぜ彼女がどうなるか見えない」 「理解してない選択を超えては見ることが出来ないから・・」 「トリニティーの生死を俺が選択するのか?。・・」 「違う・・あなたは既に選んでいる。 後は理解しなければいけないのよ」 「いやだ・・そんなことできない・・したくない」 「だけどしなきゃ!」 「なぜ!・・」 「あなたは救世主だから・・」 「もし出来なかったら・・・もし失敗したらどうなるんです?」 「その時ザイオンは滅びる。時間がきたようねよーく聞いててよ・・。ザイオンを救うにはソースに行かなきゃならないの。・・・でもそれにはキー・メーカーが必要よ」 「キー・メーカー?・・」 「そう・・しばらく前から消息不明だったけど、とても危険なプログラムに捕まっていたことがようやく判った。・・メルビンジアムと呼ばれる古いプログラムの一つよ。 素直に渡してはくれないわ」 「そいつの望みは?」 「力を手にした者が何を望む・・更なる力よ。・・・行きなさい。ぴったり時間どうりにね・・あなたと会ってよかったわ、あなたは私まで信じさせた。幸運を祈ってる」

 
マトリックス リローテッド(下) 


 【キャスト】
ネオ/トーマス・A=アンダーソン(キアヌ・リーブス) 人工知能の支配から人類を解放するために、反乱軍                    に加わり闘う救世主のサイバー人間。
モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)人間の街「ザイオン」のリーダーで「ネブカデネザル」という名の                      ホバークラフトの船長。
トリニティー(キャリー=アン・モス) ネオの愛と信頼を支えにマトリックスに乗り込む女性。予言者から「お                     前が愛する男が救世主になる」といわれた。
ニオベ(ジャダ・ピンケット・スミス)  ネオ側の戦士の女。
パーセフォニー(モニカ・ベルッチ) マトリックスの実力者メロピンジアンの妻。                                     ネオのために夫を裏切る女。 
ロック(ハリー・J・レニックス)  人間の住む唯一の地「ザイオン」の軍隊を率いる司令官
リンク(ハロルド・ぺリノー)黒人のサイバー人間で人工知能と闘うネオの仲間。 「ネブカデネザル」のオペレーター。
ナイオビ(ジャダ・ピンケット・スミス) ホバークラフト「ロブス号」の船長。 元はモーフィアスの恋人。                         今はロック司令官の恋人。黒人の女性
ザ・ツインズ(ニール&エイドリアン・レイメント) 人工知能が送り込む、透明に近いロングコートの刺客二人。               
エージェント=人工知能が仮想現実空間(マトリックス)に放った黒スーツ姿の刺客。ソフトからソフトへ渡り 
        歩き反乱をおこしそうな人間をチェック。

エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング) マトリックスを守るボデーガードだったが、システムから削除され
        ネオへの復讐を企む刺客。 自己増殖する技術をもっている。 人工知能が人類の所に送り紛れ
        込んでいた


エージェント・トンプソン(マット・マッカラム)

 エージェント・ジョンソン(ダニエル・バーンハート)
カイン(ハロルド・ペリノー・ジュニア)      キッド(クレイトン・ワトソン)   
 

ラザラス(クリシティン・アヌ)           ズィー(ノーナ・ゲイ)       
 

キャプテン・バラード(ロイ・ジェームス・ジュニア)
センティネルス=人工知能が現実世界のゲリラに攻撃を仕掛けるイカ形のロボットで、ネブカデネザルを攻撃する。


 【ストーリー続き】
 ネオの前に黒の背広に黒メガネの男、エージェント・スミスが現れた。「アンダーソン君・・・受け取ってくれたか?」 「ああ」 「よかった・・」 (オペレーションルームではエージェントの反応が出ていないことを心配している) 「再会は意外かね?」 「いや・・」 「では、知ってたのか?・・我々の関係。 どんなことが起こったのか完全には理解してないが、君の一部が私に上書きされたか、コピーされたらしい。 そんなことはどうでもいい。重要なのは何事も理由があって起こるということ」 「その理由とはなんだ・・」 「私は君を殺した!・・死ぬのをこの眼で見た。満足感を味わった。・・・だが、何かが起こった。ありえないことだと思っていたことだが・・とにかく起こった。君が私を破壊したのだアンダーソン君!。 その後で私はルールを知り自分がすべきことを理解した。 だが、しなかった。・・・出来なかった。 私はここに留まらざるを得なかった。逆らわざるを得なかった。 そして今、君のお陰で私はこの場に立っている。 君のお陰でもはやこのシステムのエージェントではない。 私は君のお陰でプラグを抜かれた新たなる人間だ。 言わば君のように私は自由であるらしい・・・」 「それはよかった」 「だが、知ってのとおり見かけは当てにならない。なぜここにいるのかと言うと、自由だからここにいるのではない。 我々は自由で無いからここにいる。 自由から逃れることは出来ない。 目的を否定することは出来ない。 なぜなら、我々は目的なしに存在し得ない。 目的が我々を作った。 目的が我々を導き、引っ張り、駆り立てる。定義する。 君のためにここにいる。 君が我々から奪おうとした物を君から奪うのが・・・目的だ」  周りに自己増殖したスミスが次々現れる。 
  スミスがネオの胸に手を突き刺すとネオの身体がスミスに変わり始める。(オペレーションルームでプログラムを監視しているリンクにトリニティーが聞く「何かおきているの?・・」 「判らない?・・」) 危ういところでネオはその手を振り払い元に戻る。 ネオは最初は7〜8人だったスミスと戦っていたが、次第にスミスが増殖され100人くらいを相手に戦う。手の拳、足の拳、鉄の柱を抜いて武器にし振り回したり、空中を飛んで足蹴りで倒す。 永い戦いの後でネオが転び、スミスが何人も一斉に身体の上に乗って取り押さえたと思ったとき、ネオはパワーを全開にして上に乗った20人位のスミスを吹き飛ばし、大きくジャンプして空中に飛び出し何処かに消えていった。 後に残った大勢のスミスが三々五々引き上げていく。

 オペレーションルームの作業席でネオは身体にセットした電源を外しながら意識を回復させていった。 ロック司令官が聞く「スミスだったか?・・」 「ああ、一人じゃなかった。何人もいた。」 リンクも「なんで、そんなことが?・・・」と聞く「判らない・・自分をコピーする方法を見つけたようだ」 「君にもそうしようとしたのか?」 「ナンだったかは判ら無いが、身体の感触には覚えがある」
                                         
 評議員の集会に監視室からロック司令官が報告する「敵は防御システムを避けるために掘ってます。パイプラインを押さえるにはいくつか横切ると考えます。 その交差するポイントが重要です。敵は反撃に対処できないと思います。この攻撃は我々が何年も退けて来たものと同じと言う声もありますが、一度にこれほどの大規模な攻撃は初めてです。対応を間違えると生き残ることは出来ません」 議長の女性委員が「ロック司令官。・・評議会はこの攻撃を深刻に受け止めてます。あらゆる必要な手段を講じて、防御を進める許可を与えます。ですが、ネブカデネザルから連絡がありましたか?」 「ありません・・評議員なにも・・」 パーマン評議員が言う「では船を一隻派遣して救世主がどうなったか確認したまえ・・」 「そうしたいのですが、防御には船をもう一隻も欠かせない状況です。」 「必要ならする・・どうあろうと」 「たとえ一隻出しても数日かかります。」 議長が言う「二隻出しなさい」 「ばかげてる・・」 「口を慎みなさい」 「私に評議会のご判断が理解できなかったもので・・・」 「理解できなくてもよい。協力はできる・・」 「では私が二隻の船長に命じて・」 「命じる必要はありません。 船長達はここにいます。・・きいてみましょう」 「評議会がネブカデネザルを手助けする二隻の船を求めています。皆さんの中で志願する船はありませんか?」 「ヒジラント号の船長ソーレンです。志願いたします」 「状況は判っていますね、ソーレン船長」 「はい、評議員」 「ありがとう船長、ではもう一隻」 会場にはざわめきがあるがどの船長も「余計な口は出すな」と部下に言っている。 他の男も「誰も命を賭けたくないでしょう」とつぶやく。 その時「ロブス号の船長ナイオビです。任務に志願します」と告げる。 「評議会はこれにて終了」 解散した会場でロック司令官が小声で聞く「ナイオビ・・何をする気だ」 「できることを・・」 「なぜだ・」 「世の中には変わらない物があるからよ・・変わる者もね」 

 監視室でネオがコンピューターのプログラムを見ている。 船長が「何が見えるんだ。ネオ。・・」 「おかしい・・コードがなぜか違っている」 「暗号なのか?」 「多分」 トリニティーが聞く「我々に有利なの不利なの・・」 「どこかに爆弾が仕掛けられているようだ」 みんなが飛び出した後で建物は爆発で吹き飛ぶ。
                

 ネオとトリニティーと船長がマトリックスの実力者。メロビンジアンを訊ねる。「話は伺ってます。こちらに・・・」 「やあー・・とうとう来たな。やっと会えたぞネオ、これぞ救世主か?・・」 「そうです」 「それに伝説のモーフィアス。そしてまさしくトリニティー・・噂はかねがね聞いている。さあ、掛けて・・どうぞ。妻のパーセフォニーだ」と隣に座っている妻を紹介する。 「食事は?・・飲み物は?・・もちろん造り物だが・・本物らしく見せるための・・」と豪華な室内を見せる。 さらにフランスのワインを誉めたり、フランス語を素晴らしいとしゃべる。 ネオが「用件を知っての?・・」と聞くと「私のビジネスは情報の取引。知るべきことは知っている。 だが問題は君達がここに来た理由だ」 「我々はキー・メーカーを探している」 「そうだった・・だがそれはなぜ来たかの理由ではない。キー・メーカーはその本質でおいて、手段であって目的ではない。となるとあいつを探すのは他にしたいことがあるからだ、それは何か?」 「あなたはもうその答えを知っている」 「だが君は知ってるつもりだが知らない。君がここに来たのは、行けと指示されたからだ。そして君は従った。・・男とはそういうものだ。あらゆる物を支配する、紛れもない真理がある。 因果関係だ。作用、反作用、経緯、そして結果」 「全ては選択から始まる」 「いいや違う。選択は幻想だ。あるのはただ力を持つ者と、持たざる者だ。 見たまえあの女だ。周り中に漂わせている雰囲気は派手で属っぽくて、気取っててつまらない。だが、待ちたまえ、私はあの女にデザートを用意した。特別のデザートだ。」 (ボーイに命じて女性にケーキを届ける) そして続ける「プログラムの始まりは単純に自分で書いた、一行一行が新たな結果を生む。あたかも詩のようだ。 まず最初に熱くなる。・・心臓が高鳴る・・彼女には判らない・・なぜだ。」 (女性がケーキを食べる。) 「ワインのせいか?。・・いいや、 それでは何だ。・・何が理由だ!。そしてどうでもよくなる。すぐにわけや理由は消え去る。大事なのはその感覚だけになる。 それがこのの中の本質だ。私たちはもがきそれを否定しようとするが見せかけに過ぎない。 偽りだ!。平静を装った外見とは裏腹に・・・完全に自分を失っている。 因果関係・・・そこからは逃れられない。我々は永遠にその奴隷。 我々の唯一の安らぎはその理由を理解すること。 君達と私の違いだ。 理由こそ力の源だ。 それを欠けば無力。 君達は理由を欠き、力を持たずにここに来た。 (女性がプログラムに従いトイレに立つ) 君達は見たところ素直そうだ。私がこれから命じる言い付けに従ってくれるだろう。  とっとと帰ってあの占い師にこう伝言を伝えろ。・・”あの女の命運は間もなく尽きる”と・・さて私はちょっと用事があるので失礼する」 ネオがいう「まだ終わってない」 「あ・・そうだった。キー・メーカーを君達に引き渡す理由は見当たらないな・・あれは私の者だ。 理由などまったくない」 妻のパーセフォニーが夫に聞く「どこに行くの?・・」 「おい、いま話したろ。・・我々はみな因果関係の虜。 ワインもたくさん飲めば行きたくもなる。 原因と結果だ」 「もし触れたらその手は二度と使えなくなる・・」

 ネオがいう「上手くいったとは言えないな」 船長も「予言者は他に何も言ってないのか?」と言い、トリニティーが「何か間違ったのか?・・」という。 「何かをしなかったとか?・・」 「いや起こったことは起こった。ほかに起こりようが無かった」 「なぜ判るんだ・・」 「我々はまだ生きている!」
                            
 妻のパーセフォニーが来る「キー・メーカーに会いたいなら付いて来て・・」と言ってトイレに三人を連れて行く。 「あの人のくだらない話はもうウンザリ・・いやみったらしい奴。ずっと昔だけど初めて来たころはこんなんじゃなかった。あなたみたいだった」とネオを見つめる。 「あなたの欲しい物をあげる。・・でも私も欲しい物がある」 「何だ!」 「キスよ!・・この人にするときみたいに私にキスして欲しいの・・」 「なぜだ・・」 「あなたを愛している・・その人も愛している。二人の周りに漂っている。ずっと昔は私もどんな気持ちか知ってた。それを思い出したいから・・ちょっと味わいたいの・・それだけ」 トリニティーがピストルを抜いてパーセフォニーに向ける「変わりにこっちはどう・」 船長が「トリニ!」と手で制する。 パーセフォニーは「感情的ね、こんな些細なことでただのキスじゃない」と言う。 ネオは「信じていい証拠は・・・」と聞く。 「もしキー・メーカーに会わせなかったら私を殺せばいい」 「判った・・」 「でも私に感じさせてね、その人になったと・・・」 「いいとも・・」 (二人が静かに唇を合わせる) 「ヘタクソね・・忘れて!・・」と帰りかける。 「待て!」ネオが手を掴む。 ネオはメガネを外して改めて強く抱きしめ、トリニティーの前で激しくキスをする。 「そう、この感じ・・あなたが羨ましいわ、でもこんなこと長くは続かないものよ。・・・一緒に来て」と厨房をとおり彼等を案内する。

 永い廊下の先の一部屋に入る。 番人の男が二人いる。 「いいのよ・・大丈夫。私の知り合い」と声をかけて、ネオに「危ない仕事を任せている。忠実で優秀な人たちよ」と言う。 「ねえ・・そうでしょ」 「はい・・奥様」 「元々は古いバージョンのマトリックスにいたの・・問題を解決するより起こす方だった。しぶとくて始末できなかったから夫が助けた。・・・銃に銀の球を入れている人はどの位いるかしら・・」そう言ってピストルを取り出すと男のうちの一人の額に銃弾を打ち込んだ。 怯えているもう一人の男に「レストランのご婦人用トイレにいる夫に私がしたことを知らせてらっしゃい。・・それともここで死にたい」と言う。 男は駆け出していった。 部屋の中には怯えたように身をすくめた男がいる「私はキー・メーカーだ」 「あなたを待っていた」 ネオたちは彼を連れ出して逃げだす。

 メロビンジアンがいう「どういうことだパーセフォニー、よくもこの私を裏切ったな」 「原因と結果よあなた・・」 「原因・・こんな物に原因などあるか・・何が原因だ」 「何が原因か?・・あなたについてる口紅だけど・・」 「口紅?・・口紅だと・・バカいうな。そんなものついてるものか・・」 「あなたの顔にはキスしなかったのね・・」 「これは何でもない・・ただの遊びだ。なんでもない」 「それならこれも・・・」  「なるほど・・・いいだろ。どうなるか楽しみだ・・。お前達、キー・メーカーを押さえろ」
                 
 ネオたちはキー・メーカーを連れて逃げていたが、追っ手が追いつく。 ネオは一人で敵を止めて三人を逃げさせる。 敵が一斉に機関銃を乱射するが、ネオは防弾エリアを一瞬作って銃弾を防ぐ。「なるほど・・少しはできるな・・殺せ!」
 一斉に剣を抜いて襲い掛かる。 ネオも部屋の壁に飾っている剣を取って闘う。 ネオが指を少し切られて血が出ると、メロピンジアンがいう「見ろ!・・ただの人間だ」 階段で、広間で太刀を振り回す男などを次々にネオが倒す。 永い戦いの末に、みんなが倒されてメロビンジアンは一人だけになり、ドアを開けて部屋の廊下に出る。 ネオが後を追ってドアを開けるとそこは遠くに雪山を望むベランダだった。 メロビンジアンはツインズの二人に命じて後を追わせる。 キーマンが逃げながら「別の道があるよ・・」と教えてくれる。 部屋のドアに鍵を差込み開けるとそこは地下の駐車場でトリニティーが運転して三人は車に乗って逃げる。 送れてきたネオがドアを開けるとそこは駐車場ではなく遠くに雪山の見えるベランダだった。
                     
 一人残されたネオがオペレーションルームに連絡する「ここは何処だ・・」 「山の中だ・・・南へ800キロメートルの所でキーマン立ちが追われている」 ネオは空を飛び後を追う。

 三人はトリニティーが運転している車で逃げる。 オペレーションルームに「ウインズローの陸橋への出口を教えて・・・」 「高速はよせ・・・」 「次のフエンスの先に高速がある」 金網を突き破って高速道路に出る。 ツインズの二人が後を
追いかけてきて、車を追突させたり機関銃を乱射してくる。 「前方にパトカーが8台いるぞ・・」 パトカーも追跡を始める (これからのカーチェイスがこの作品の売り物・・・スピードと迫力は表現しても意味をなさない) ツインズの一人が走る車の中に飛び込んでくる。 キー・メーカーののどに短刀を突きつけられるが船長が戦う。 格闘の末にトリニティーが運転しながらツインズの胸を短刀で突き刺す。 ツインズはたまらず車から飛びだすが、後をつけてきているもう一人のツインズの車の助手席に回転をしてきちんと収まる。 キー・メーカーは後部座席でただ震えている。 パトカーの屋根の上からスミスがジャンプして、隣りを走行中の車のボンネットをつぶし大破させる。 後続の車は折り重なるように事故に巻き込まれて爆発炎上する。 三人が乗った車もつぶされる。 トリニティーとキー・メーカーはバイクを陸送している大型トラックの上に飛び降りる。

船長は高速道路に仁王立ちになっている。 ツインズの二人が乗った車がまっすぐ突っ込んでくる。  ひらりと横飛びをして体をかわしながら、刀を抜いて横に一太刀払うと車は上下二つに切られて爆発炎上する。
             
 トリニティーはバイク陸送中の大型トラックの上で商品のバイクにまたがり、キー・メーカーを後部座席に乗せて航空母艦を発信する艦載機のようにジャンプして飛び出す。 頭を超えて目の前にバイクの二人乗りが降りてきたので運転手が驚く。  トリニティーはバイクを反転させて高速道路を逆走し、前から来る車を避けながら追跡してきたパトカーを振る切る。  キー・メーカーは後部席でトリニティーにすがりつくだけ。 船長は大型トラックとトラックの間に両足を広げて降りていき、前から来たトリニティーのバイクの後部にいるキー・メーカーの手を取ってトラックの屋根の上に放り上げる。 その走るトラックの屋根にスミスがやって来る。 屋根の上で格闘が始まる。 キー・マンはこわごわ見ている。 船長が刀を取り出し戦う。 船長がトラックから落ちるが、後ろに続いていたナイオビの車のボンネットに落ちて助かる。 屋根の上に残ったキー・マンが危ない。 船長が再び爆走するトラックの上に飛び乗り戦う。 その後スミスを突き落とすが、スミスは後続の車の助手席に飛び込み、運転手をスミスに作り変えて自分で運転し追跡する。

 モーフィアス船長とキー・マンが屋根上に残った爆走大型トラックは、やがて正面から来た大鋸とトラックと正面衝突し爆発する。 空中高く放り上げられた二人を、何処からか飛んできたネオが空中で受け留めて助けてくれる。

 キー・マンがドアの鍵を開ける「それはソースに通じるドアだ。・・」 続けて言う「ビルは厳重なシステムに守られており、全ての警報は爆弾の引き金に・・・」 モーフィアス船長が言う「だが、どんなシステムにも弱点はある」 キー・マンが言う「そのシステムはビルのルールに基ずいていて、頼っている別のシステムがある。」 「電力か?・・」 「基がダウンすれば他もダウンする。」 「それでは街が停電する」 「一つではない27だ。」 「27ブロックだと・・」 ネオが言う「狙いは発電所だ・・それを破壊しなければ・・・」 トリニティーが言う「だけど緊急システムがあるはずよ」 「コアネットワープにアクセスして緊急システムをオフにする必要がある」 「どちらもネオがやる方が確実だろう」 キー・マンが言う「時間が無い・・いったんドアが無防備になると接続は切られてしまう。・・そのまえに別の接続をしないといけない。」 ネオが聞く「時間はどの位・・・?」 「314秒ちょうど・・」 「それじゃ5分ちょっとだな・・」 「ドアを開けるのは救世主だけ・・・しかもそれは窓が開いている間だけ・・」 トリニティーが聞く「なぜそんなこと知ってるの?」 「知らなければならないから・・私の目的だから。私がいる理由だ。私たちみんながいる理由だ・・・」

  トリニティーがネオに言う「何か悩んでいるのは知っている・・・忘れないで、私がそばにいることを・・・」 「連携が大切だ・・・一つのミスで全てが終わる・・」 司令官が言う「午前零時に警備員が交代する。そのときを狙って決行する。・・生涯続いた戦いが今夜終わると信じている。今夜は偶然ではない。・・たまたまここに来たのではない。私は偶然など信じない。・・今ここにいるのは3つの目標、三人の船長、三隻の船、これは偶然ではない。・・必然だ。・・ここに来たのは運命だ!。我々の宿命だ!。・・・ 今夜が我々一人一人にとって人生の意味を持っているのだと・・・」  ネオがトリニティーに言う「頼みがあるが、どう頼んだらいいかわからない」 「できることなら何でもするわ」 「今回係わらないでくれと言ったら・・・何があってもマトリックスに入らないでくれないか・・」 「どうして・・?」 「お願いだ」 「判った・・・」
                             
 ナイオビ船長が来る。「どうした・・」 「どうしても考えて、頭から離れない・・もし、間違ってたら・・あなたの考えも予言も全て出鱈目だったら・・。」 ネオが答える「明日はみんな死んでるかも知れん・・これは戦争だ!」 そして我々は戦士だ!」
  「来たぞーう!!」 タコのようなイカ形のロボット、25万と言われるセンティネルスがネブカデネザルに攻撃を仕掛けてきた。 「こんどは逆を考えてみよう。もし予言が正しく、真実だったら・・・。もし、明日戦争がおわるなら、闘う価値は・・死んで行く価値はないか!」 「時間は?・・」 「あと3分・・」

 キー・マンが鍵を作っている「出来たぞ!・・」  敵の発電所の管理室に潜入し技術者を倒す。 管理室を爆破して送電を止める。 リンクがコントロール室で仲間の動きを調べる。「ほかの人達は?・・・」 「もう発電所からは出ている・・」 「よし・・行こう!」  トリニティーが言う「ネオを呼び出して・・」 「見失った・・」 「送電網は・・?」 オペレーターが報告する「緊急システム作動・・」 「全く正常だ・・緊急システムが働いている」 「まずい・・・これじゃあドアを開けたとたん、お終いだ!」  トリニティーが部屋を飛び出そうとする。それを止めるが「私がここでなにもせずに、みんなを犬死させたくは無いわ・・」 「トリニティー・・後5分も無いんだぞ」 「5分もあれば粉々にしてやる・・」と出て行く。
 「悪いが、ここは行き止まりだ」 スミスがネオ達の前に立ちふさがる。 「急いで・・・65階だ」トリニティーとモーフィアスとキー・マンを先に行かす。 「また私に会って驚いたかね、・・アンダーソン君。私にはずーっと判ってた」 「何が望みだスミス・・」 「私の望みは君と同じ・・全てがほしい」 「この銃の中の弾もか?・・」  「やれよ・・撃て!・・私の売りは私が大勢いることだ」 ネオが銃を撃つがスミスは全く倒れないでネオに迫る。 ネオと増殖するスミスの戦いが続く。 「倒せないなら仲間に・・・」とスミスはネオの胸に手を差し込む。 見る見るネオの身体がスミスに変身する。 ネオは渾身の力でそれを振り払い、やっと元のネオに戻る。 トリニティーが一人で変電所に入り込む。
  「パスワード・・・承認!」 コントロールルームでリンクがキーボードを叩きながら「まだ見つからない・・・状況は判らないが後2分だ」と言う。 コンピューターが報告する。「送電網を遮断しますか?・・・緊急システムエラー・・・。電力停止」 街の明かりが全て消えて闇の世界が広がる。

  「後1分だ・・」 キー・マンがドアの鍵にキーを差して廻す。 「開いた!・・・信じられない」 トリニティーが「早く・・急いで・・」と言い、中に入りドアを閉めようとしたが一瞬遅くキー・マンが撃たれる。 胸を血に染めたキー・マンが「アー・・これも予定だ・・モーフィアス・・あのドアだ・・うちに帰れる。・・急げネオ!」と言って首にかけたチエンを引きちぎりキーを差し出す。
           
 ネオがドアを開けて中に入る。 「やあ・・ネオ」 「あんた誰だ!」 「私はアーキテクトク、おれがマトリックスを最初に設計した。・・君を待っていた。 君は多くの疑問を持ち、マトリックスに入って意識も変わったがあくまで人間だ。 君の最初の質問は適切かも知れないが、君が理解しているかどうかは判らない。 君の命はマトリックスのプログラミングにバランスを欠いて残ったものの内、私の力で排除できなかった異常なものだ。 本来求めたのは調和の取れた数学的正確さだ。・・今も根気よく向き合ってる問題ではあるが、予想を越えるものではなく、コントロールする方法はある。 それによって君は容赦なくここへ導かれた。」  「おれの質問に答えていない」  「マトリックスは思っているより古い。私は一つの完全なアノマリーの出現を元にして数えるのが好きだがその場合これは6バージョン目だ。」 「俺が知らされていないから、誰も知らないのか?」 「そのとおり・・」 「判って来ただろうがアノマリーはシステム全体で最も単純な均衡にも揺らぎを生じさせる。」 「選択・・問題は選択だ」

 アーキテクトクが話を続ける「最初に設計したマトリックスは完璧な芸術品だった。 崇高で傷も無い。 だがこの勝利が悲劇的な失敗に終わった。 その避けようのない運命は人間が持つ不完全な本質の危険であることは明らかだ。 私は作り直した。 歴史に基づき人間の持つ性格をもっとグロテスクに、もっと正確に反映させた。 だがこれは失敗だった。 その後に私は判った。・・・完璧を求める低い知性が必要だと・・。たまたま別のプログラムで答えを見つけた。 もともとは人間の心理を調べるためのものだ・・・。私をマトリックスの父とするなら、彼女は母だ」 「予言者か?・・。」 「彼女がたまたま見つけた解決法で殆どの人は、そのプログラムを選択する。 その答えは上手くいったが、根本的な欠陥があってシステム全体の脅威となるものだった。 少数だがプログラムを拒否した者達は、大惨事を起こす可能性があった。 君がここに来たのはザイオンが破壊されるからだ、そこに暮らす生物は全て滅びる。」 「出鱈目だ!・・」 「否定は最もしやすい人間の反応だ、だがはっきりいっておこう。我々が破壊するのはこれが6度目だ・・」
  両者が戦う。  「今、救世主ができることはソースに戻ることだ。 そして初期プログラムを書き込む、その後君はマトリックスから、女16人、女7人を選び新たなザイオンを築く。・・この処理に応じなければ最終的にマトリックスに繋がっている全人類が死ぬことになる。」 ネオが言う「お前達にそんなことは出来ない・・」 モーフィアスが言う「生きるためにお前達は人間が必要だ・・」 「それは我々が受け入れる生き方のレベルによる。 ここで重要なのは全人類の死にたいする責任を負う用意が君にあるかということ・・君の5人の前任者達も救世主としての使命を果たしやすくするため、人類に対して深い愛情を抱くように属性を与えられていた。 君の場合はもっと特別のものになった。・・・1対1の愛だ。」 「トリニティー・・・」 「折りよくマトリックスに入った君を救うために命を捨てて・・・」 「ダメだ・・」 「いよいよ試練の時がくる。・・・そこでは人間の根本的な欠陥、矛盾があきらかとなる。 それは始まりで・・・そして終わりだ。 ドアは二つあり、右のドアはソースに通じザイオンは救われる。 左はマトリックス、すなわち彼女の部屋に通じ人類は滅びる。・・君の言ったとおりだ・・・問題は選択。・・だが君の選択はもう判ってるな、脳内の化学反応はある感情の兆しを示している。 その感情は論理と理性を圧倒し、彼女は死ぬ。 それを君がとめる手立てはなにも無い。 ・・希望・・人間の妄想、同時に最大の強さの源であり、弱さの源だ」 ネオが言う「あんたとは二度と会いたくない・・」 「会わんよ・・」 部屋が爆発する。 炎より早く部屋を飛び出す。
                  
 トリニティーがやられている。 彼女はガラス窓を突き破ってビルの外にジャンプする。 落ちながら上向きになりピストルを乱射する。 弾が彼女の心臓を打ち抜く・・。 「キャッチしろ・・」 ネオが飛んで行って落下する彼女を受け留める。 「アーァ・・ネオ・・」彼女がネオに気付く。 「弾が身体に残ってる・・・頑張れ・・トリニティー死ぬな!」 「ごめんね・・・」彼女の胸から弾を取り出す。 しかし彼女からの信号は停止した。 「トリニティー・・俺の声が聞こえるな・・死なせないぞ!。 俺が心から愛している」。 ネオが抱きしめると、突然トリニティーが生き返る。 「すごすぎる!・・信じられない」 二人は抱き合いキスをする・・・。 トリニティーが言う「これでおアイコね・・・」

 モーフィアス船長が聞く「これはどう言うことだ・・」 「全てやるべきことはやった。」 「救世主がソースに行けば戦いは終わるはずだろ」 ネオが言う「あと24時間すれば終わる。・・24時間以内に何とかしないとザイオンは破壊される」 「どうして判るの?・・」 ネオが続ける「そうなると言われた」 「誰に?」 「俺は信じているんだ・・」 「そんなはずは無い・・」 「予言はウソだったのです。・・・救施主が終わらせるわけじゃない。・・支配のシステムにやられていた」 船長は「私はそんなこと信じない」と言う。 「だが自分で言ったはずだ・・・戦争は終わってないのになぜ予言が正しいかと・・予言が真実なら戦争は終わっている・・・受け入れがたいとは思うがこれが真実だ・・」 トリニティーが言う「これからどうするの?・・」 「判らない・・・」
 警報ブザーが鳴る。 「大変だ・・」 イカ型ロボット、センティネルスの大群が襲ってきた。 船内に飛び込んできて爆発している。 船内は大混乱・・・。 船長が言う「私は夢を見てたんだ・・だがその夢も消えた。」 「やってきたぞ・・」 ネオが言う「逃げ切れない・・」 トリニティーが言う「逃げなきゃだめ!急いで!」 「何か変だ・・?奴等を感じる」 センティネルスが飛び込んでくる。 ガラスのバリアを作ってこれを防ぐ。  ネオが倒れる。 「どうした・・?」ローランドのハンマー号に助けられる。 診察を受ける「一種の昏睡状態ね・・でも反応はしっかりしている」トリニティーが付き添う。 

 モーフィアス船長が言う「ロック司令官は正しかった・・彼は機械たちがザイオンへ通じるメーンラインを横切ると予想していた。 そこで奇襲を掛けられると考えた。 上手くいくはずだった。ところが誰かがしくじった」 「配置に着く前にEMPが一発発射された」 「5隻を失った・・」 「突破されたあとは戦いじゃなかった」 「虐殺だった」 「事故だとか、誤作動を起こしたとか?・・」 「誰にも判らない・・・」 モーフィアスは「誰かが知っている・・」と言う。 「誰だ!・・」 「機械たちは我々を片付けるとまた掘り始めた・・我々は急いで生存者を探した。」 「見つかったのか?・・」 「一人だけ・・生きている」  ローランド号のベットで昏睡状態のネオとネブカデネザル号でただ一人の生存者ベインが寝ている。  
            
         「マトリックス リローテッド(下)終わり     「次回完結」    

          
      (我が家の水槽にいるタナゴ)

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