人類の究極の夢である”瞬間移動”。 そんなことが出来る能力を持った人間 ”ジャンパー” をダグ・リーマン監督がSFアクション映画として完成させた。
ストーリーよりもこのようなSFアクションは絶対スクリーンで見なきゃダメです。
【キャスト】
デヴィット・ライス (ヘイデン・クリステンセン) 瞬間移動能力(ジャンパー)を身に着けた主人公の青年。
ミリー・ハリソン (ダイアン・レイン) デヴィットの幼な馴染。デヴィットが恋する少女。
グリフィン (ジェイミー・ベル) 同じくジャンパーとして生まれた若者。
ローランド(ロバート)(サミュエル・L・ジャクソン) 白髪で黒人のパラディンのボス。 デヴィットの命を狙っている。
【ストーリー】
デヴィットが世界中を瞬間移動しながら言う 「俺の日常はこんな感じさ、パリでコーヒー、モルディブで波乗り、キリマンジャロで昼寝をする。今からNBAを観戦しにジャンプするつもりだ。 そんなことは朝飯前さ。・・・テレポーテイションによって究極の自由を手に入れたんだ。 かっては君のように平凡な人間だった。」
学校でデヴィットが幼な馴染の少女ミリーに声をかける。 ミリーは自分のロッカーの扉の裏にローマ、パリ、ベニスなどヨーロッパの写真を貼り付けている。 デヴィットはミリーに聞く「そこに行って見たいのかい?」 ミリーは答える「いつかね・・夢なのよ」
学校から帰る途中で、ミリーが友達と立ち話をしているのを見つけたデヴィットは、ミリーに声をかけて「こんなのを見つけたんだ、君にプレゼントしたくて・・・」と言ってガラスの球の中にエッフェル塔が入った置物を手渡す。 ミリーは「すごく綺麗ね・・気に入ったわ」と言って喜んでくれる。
そこに同級生のマークが「おい、茶碗頭!!・・・」と言って近づき、「これは何だ?」といってミリーからガラス球を取り上げる。 マークはふざけて「こうやって遊ぶのか?・・」と言って氷が張った川にガラス球を投げ捨てる。 「悪く思うなよ・・あきらめな」と言って立ち去る。
デヴィットはミリーが「行っちゃダメよ。・・・危険よ!・・デヴィットあきらめて、戻ってきて!」と言うのを聞かず、氷の張った川の上を歩いてガラス球を取りに行く。
ガラス球を拾って、引き返そうとしたときに、足元の氷が割れて、デヴィットは川に落ち氷の下を流されて行く。 水の中でもがき苦しんでいたデヴィットが、気がつくと全身ズブヌレでアナーバー公立図書館の書棚の間に転がっていた。
デヴィットは言う「これが始まりだった。・・・冷たい川底から一瞬にして図書館へジャンプしていたんだ。・・・」 「母さんは俺が五歳のときに家出をした。・・・父さんはそのことについてなにも話たがらないんだ」
デヴィットが自分の家に帰る。 父親が「どこに行ってたんだ?・・帰りが遅いぞ!」と文句を言い、服が濡れているので「どうしたんだ?」と心配する。 デヴィットは部屋に入ってドアに鍵をかける。 父親が「ドアを開けなさい!」と言っても開けないので、ドアを壊して中に入るがデヴィットの姿が見えない。 ジャンプしたデヴィットは、自分がまた閉館後の図書館の書棚の間に居ることに気がつく。 デヴィットは「今、俺はテレポートしたのか?・・」と自分が瞬間移動したことを確認する。 立ち上がり、出入り口のシャッターに触っただけで、デヴィットは元の自分の部屋に戻った。 家の外にはパトカーが止まっており、父親が警官に「息子が急に消えたんだ・・・」と話している。
デヴィットは「今までの自分を呪っていた・・・でも、俺はテレポートで自由を手に入れたんだ」と気がつく。 母と二人で映っている写真を見ながら「母さんは逃げたんだ。・・・俺も逃げて何が悪い」と独り言を行って家を出る。
ミリーはデヴィットのことが心配で部屋で泣いている。 窓の下の公園を見るとブランコが動いている。 公園に行ったミリーは、昼間デヴィットから貰ったガラス球がブランコの上に置いてあるのを見つける。 デヴィットはミリーが「デヴィット!・・デヴィット!」と探すのを公園の影から見ていたが、ミリーには会わないようにした。 ”ミリーには本当のことを伝えたかったが、彼女は信じてくれないだろう・・・これが新しい人生の始まりだ”
デヴィットは見知らぬ町にやって来てホテルを借りた。 ”自分の住む部屋を探し、自分の力がどんなものか?、どのように制御するか?、いろいろ試してみた。 写真で観ただけの遠い国の公園に行ったり、ビルの展望室に瞬間移動した。 僕は15歳だった。 銀行からお金を拝借したのは・・・まあ、いつか返せるかなと思って”
デヴィットはイギリス銀行に行って、守衛に「トイレを借りてもいいですか?」と言って中に入り込む。 トイレで準備をして金庫室内に瞬間移動(ジャンプ)した。 ロッカーの棚に積み上げられた札束を布袋につめて、自分の住むホテルにジャンプして帰った。 デヴィットは布袋から札束を取り出しベットの上に振り撒いて喜び騒いだ。 紙幣が部屋の中一杯に広がった。 あまりの騒ぎに管理人がやって来て「うるさいぞ!・・・何やっているんだ!・・ホテル代を払わないと今日こそ出て行ってもらうぞ」とドアを叩きながら叫ぶが、足元を見るとドアの隙間から紙幣がはみ出していた。
銀行に白髪の黒人の男がやって来る。守衛が「警察やFBIには、すでにお越しいただいていますが、あなたは誰ですか?」と聞く。 男は「NSAのものだ」と言って身分証を見せる。 銀行の責任者が男に説明する「防犯カメラには何も映っていませんでした。・・・金庫室のドアは超合金製で、鍵は8ヶ所ロックされていました。・・・朝まで警備員も気がつきませんでした」 「1ヶ月前からの防犯ビデオを見たいんだ。・・・全ての出入りした人物の名前と、金庫を使用している方のリストを上げてくれ」 「秘守義務があるので、それは無理です」 「金庫を襲った奴は必ずここを訪れている。・・・リストとビデオを今日中に用意してくれ」
デヴィットは ”茶碗頭は死んだし、充実した日々だ、・・・今はニューヨークに住んでいるんだ” と喜んでいる。 部屋でテレビを見ていると、台風の大水で家や車が流され人が流木にすがりついている。 アナウンサーが「私たちには為す術がありません。・・生きるためには奇跡を信じるしかありません」と叫んでいる。 デヴィットは立ち上がり、傘を持って部屋を出る。
デヴィットはロンドンに現れる。 酒場に入って、店で働いている可愛い女の子を見つけカウンターに腰掛ける。 デヴィットが楽しそうに飲んでいるのを横目で見ながら、不機嫌そうな顔をしている、もみあげの長い若者がいる。 デヴィットは店員と仲良くなって店を出る。
海に行ってサーフボードに乗るが波が小さい。 「フイジーに行けば10mの波がある」と聞けばフィジーにジャンプしてサーフインを楽しむ。 エジプトに飛んでスフィンクスの頭の上でパンを食べる。 毎日を自由な生活で楽しんだ。
NSAの者だと言って銀行に現れた男がジャングルで活動をしている。 そこに電話が入り「銀行で手がかりが見つかりました」と伝えてくる。 「次の便ですぐ向かう。」と彼は言った。
デヴィットがニューヨークの部屋に戻ってくる。 部屋に入ると様子がおかしい。 「逃げるなよ・・8年間も我々はお前を探していた。」と白髪の黒人の男が言う。 デヴィットが聞く「あなたは誰ですか?」 「わたしはローランド」 「部屋で何をしている」 「すぐに済むさ」 ローランドは”IOU”などと書かれたメモ紙を見せて「こんなメモを残すなんてバカか」と言う。 デヴィットが「弁護士を呼んでくれ」と言うが、「なぜ?・・逮捕なんかしないぜ」と言う。 「警察か?・・」 「銀行なんて誰でも襲えるさ・・・だけど、ドアも開けずに襲える方法があるなら教えてくれないか?」 「警察じゃなくて、逮捕もしない・・・じゃ、話す必要もないね」 「正体は分かっているんだ。・・・化けの皮を剥がしてやろうか・・」 「なんの事か」 ローランドはいきなり光線を浴びせてデヴィットを倒し、「私の質問に答えろ!」と叫ぶ。 苦しむデヴィットに次々と光線銃を発射する。 「誰もお前を助けには来ないぞ」 デヴィットはジャンプしたが数m先に飛べるだけだった。 ローランドが「シビレてる間はジャンプは出来ないんだ」と言ってさらに光線を続けて発射し攻め立てる。 「早く答えろ!・・ジャンパーめ・・・何時までも続けられるとは思っていないだろ。・・つけを払わずに済むと思うな。・・もう逃げられないぞ」とローランドが言う。 デヴィットは力を振り絞ってジャンプし図書室の中に逃げる。
デヴィットは家を出たときの事を思い出す。 父親がドアチエンのかかった扉の外でデヴィットに言う「デヴィット!・・デヴィット! どこにも行くな!・・父さんの話を聞いてくれ。・・・俺は頭がおかしくなったかも知れない。・・誰も信じてくれない。・・どこにも行かないで、少しだけ話を聞いてくれ!・・帰りたくなったときだけでいいから頼む!」 デヴィットは「父さんはまともさ」と言って部屋からジャンプした。
ローランドがテレコミュニケーションに「やつに逃げられた!・・・ジャンプの場所は見当が付いているが、みんなで探し出せ!」と伝える。
ローランドはデヴィットの生家に行って家の中を探し、ミリーの写真を観つけ「これは誰だ!」と言って持ち帰る。
デヴィットはミリーの家に行く。 玄関に出てきた母親に「こんにちは、ハリソン夫人。・・私です、デヴィットです」と挨拶する。 デヴィットが死んだと聞いていたミリーの母親は「デヴィット・ライスなの?・・ミリーはあなたが無事なことを知っているの?」と聞き抱きしめてくれる。 「ミリーには何も言っていません・・・ミリーがどこにいるか知っていますか?」 「ミリーはウォートンの260番地に住んでいるの。・・・あの子は学校のそばのバーで働いているわ」と教えてくれる。
デヴィットはミリーの働いているバーに行く。 遠くから顔を見たがやっぱり何も言えずに帰ろうとする。 出口の近くで「おい・・”茶碗頭”か?・・マークだよ」と同級生のマークがすれ違いざまに声をかけてきた。 デヴィットは「人違いじゃないか、知らないよ」と言って外に出ようとする。 マークは「おい、皆!・・”茶碗頭”だぜ!・・神様か、幽霊か・・ビールでも飲んで行けよ、幼なじみだろ」と言って引き止める。 「デヴィットじゃないよ」と答えているところに、「デヴィットなの?・・」と言ってミリーが来る。 「ミリー・・?・・・知らないな」と首を振るが、「何も言わないで帰るつもり?」とミリーに言われる。 「ごめん・・気付かなくて・・」 「あなたが来てるのを見て、45分も待っていたのに・・・」とミリーが言う。 マークがミリーに「お前は黙って飲み物を運んで居ろよ」と言うのを聞いて、デヴィットはマークに殴りかかっていった。 取っ組み合いの喧嘩になり、デヴィットはマークに体当たりしてジャンプし、二人はアナーバー国立図書館の書棚の間にジャンプした。 一人でバーに戻ってきたデヴィットはミリーに「マークはもう帰ったよ。・・・しばらく帰らないと言ってたよ」とうそを言う。
カウンターで飲み始めたデヴィットがミリーに「入ったときから気付いていたのか?」と聞く。 ミリーは「そうかもね」と答える。 デヴィットは「なんて声をかけて良いか分からなくてね」と言う。 ミリーが「こんにちわとか、久しぶりとかあるじゃない」と言ったので、改めてデヴィットが「こんにちわ」と言う。 ミリーは「久しぶり・・・元気?」と尋ねる。 デヴィットが「ミリーは今でもこの町に居たんだ。・・・いろんなところに旅行したがっていたじゃない」と聞くが、ミリーは「大人になると変わるものよ」と答える。 デヴィットが「銀行に勤めているんだ」と言うと「銀行?・・すごいじゃない」とミリーが言う。 「たいしたことないさ」と答えると「計算得意だったかしら?」とミリーが聞く。 「いや」 ミリーが「これからどうするつもり?」と聞くとデヴィットは「旅行を考えてるんだ。・・・ローマとか・・」と答える。 「ローマに行くの?・・私の夢だと知ってて言ってるの?」 「俺と行かないか?・・」 「あなたと一緒に?・・・ローマに一緒に行かないかと誘ってるの?」 「僕とじゃ退屈かな?・・」 ミリーが瞳を輝かせる。 二人の会話をジッと聞いているもみ上げを伸ばした若者が居る。
デヴィットとミリーはローマのホテルに着いた。 ボーイがリュックを持とうとしたがデヴィットは「貴重品が入っているんだ」と言って奪い取る。 ミリーがデヴィットに「10時間前にはアナーバーに居たって信じられないわ?」と言う。
ローランドが警察署にやって来る。 CIAだと言ってマークに会わせろというが、署員は「あなたが言っていることは到底信じられません」と言って許可してくれない。 ローランドは署員を倒し、取調室に入ってマークに「マーク、銀行での話を聞かせてくれ」と言う。 マークは「何度も話したよ・・・あんたも信じないだろうが・・・」と言って、デヴィットとの喧嘩の途中に図書館の中に飛び込んだことを話す。
ローランドは「彼女の名前はミリー・ハリソン・・16時間前にローマに飛んだらしい。・・・しかも一人でだ」とパラディンの本部に伝える。
二人はホテルの豪華な部屋に入った。 ミリーがデヴィットに聞く「飛行機はファーストクラスで、部屋だって・・・わたし、気になってることは確かめずに居られない正確なのよ」 「銀行勤めだから・・」 「銀行?・・分かった。 もう聞かない。・・・言いたくないんなら・・・でも、ウソはつかないで」とミリーは言った。 「ウソは言わないよ」 「本当?・・いいわ」 ミリーはゆっくりとデヴィットのそばに行って、頬にキスをした。 ミリーが上着を壁にかけようとして「届かないわ・・」と言ってデヴィットを呼んだ。 デヴィットはミリーのそばに行って、両手を腰に廻しミリーを抱き寄せた。 ミリーはデヴィットの頭を両手で抱いて静かに唇をかさねた。 二人は荒々しく衣服を脱いでまた抱き合った。
ミリーが「次はどこに行く?・・」と聞きながら、二人はローマの町を見て楽しんだ。 ミリーが「ここが一番行きたかったところよ」と言って二人はコロシアムにやって来た。 二人の行動を屋上から見ながら「呑気なやつらだなあ」と独りごとを言っている男が居る。 ミリーが勤めていたバーにいた、もみ上げを伸ばした若者である。 デヴィットとミリーがコロシアムに近づくと、係員が閉門しているところだった。 「まって!・・待ってください」 「すみません、閉館です。・・もう入れません」 「少しだけ入れてよ」 「決まりですから、出来ません」 ミリーが「仕方ないわ、外からながめましょ」と言うが、デヴィットは「何とかして入ってやる」と言って立ち去る。 クサリのかかった通用門を見つけたデヴィットは、鍵を外してミリーをコロシアム内部に連れ込む。 「見つかったら怒られるわよ」 「折角来たんだから・・・向こうが閉まっているだけさ・・・コロシアムを見たくないの?」
二人は誰も居ないコロシアムの中を歩く。 ミリーが「感動的だわ」と言う。 「ここを見せたかったんだ」とデヴィットが言う。 「有難う・・素敵だわ!」 広場を見下ろしてミリーが「3000年前、彼らはトラとも闘ったのよ」と言う。 デヴィットは階段の先にある鉄格子の閉まった部屋に行き、鉄の扉の鍵を外す。 ミリーが「そこも開いていたの?」と聞くので「開いてたよ。・・見たいだろ」とデヴィットは答える。 部屋の先の”立ち入り禁止”と看板の張られた扉の前で、ミリーが「ダメって書いてある」と言うのを「イタリア語を読めたっけ?・・・押すって書いてあるよ?」と言う。 「向こう側に廻ってみるから、ここで待ってて」と言って、デヴィットは物陰から広場にジャンプする。
デヴィットが広場から観客席のほうを見ると、若者が一人で崩れかけた石の客席に腰掛けてデヴィットを見ていた。 若者はデヴィットに「忙しいかい?・・・前に会った事あるだろう?」と声をかけてきた。 もみ上げを伸ばした先ほども二人を見ていた若者であった。 若者は「別に後を付け回すつもりも無いし、邪魔するつもりも無い・・」と言った。 デヴィットが「こんなところで何をしているんだ?」と聞くと。 彼が「ローマにピクニックか?」と聞き返し「ちょっと話したいだけだ」と言った。 そして「俺もジャンパーのグリフィンだ」と言って、一瞬姿を消して、離れた場所で姿を見せた。 若者は「お前だけだと思っていたのか?・・・なんでこんなことが出来るか、考えたことがあるか?・・・ローマの休日を気取っているとヤツ等に気付かれるぞ。・・・ジャンパーがジャンプして、次々とジャンプすると何が起こると思う?・・・ヤツ等が来るんだ・・・俺のことじゃないぜ、・・あそこさ」と言ってドアのほうを指差した。
指差したドアの前に男が二人現れた。 男は銃を取り出して引き金を引いた。 光線が発射されてコロシアムの壁が砕けた。 グリフィンが「新しい武器か?」と聞いた。 男たちは光線銃を乱射する。 グリフィンはコロシアムの中を飛び回り、姿が見えたと思ったらすぐに消えて、また別の場所に現れた。 そのたびに光線銃が当たった壁や彫刻の像が砕け散った。 「これは戦争だ」とグリフィンがデヴィットに教えてくれた。 グリフィンが観覧席にいる男の後ろに廻って突き落とす。 即死した男を見てデヴィットがグリフィンに聞く「誰なんだ、こいつらは?・・」 「パラディンさ・・・パラディンはジャンパーを、俺はパラディンを捕まえるのさ」とグリフィンが答えた。 ミリーが「どうしたの?・・・」と扉の向こうから不安そうな声を出す。 コロシアムの女性職員が「何をしてるの、・・・誰か来て!」と叫びながら近づいて来たので、グリフィンはジャンプして姿を消した。 デヴィットも慌ててジャンプした。
二人は秘密基地のような部屋に転がり込んだ(グリフィンが研究所と呼んでいるアジト)。 デヴィットが「お前の後を追ってきたらここに来た。」と言うと、グリフィンは「何で付いて来た・・・さっさと帰れよ。・・・ここはお前が来る所じゃないんだ。・・ここはサハラ砂漠だ・・・多分彼女は生きているから・・」と言った。 デヴィットはまたジャンプしてコロシアムのミリーのところに帰ってきた。 ミリーが「何があったの?」と聞くので「なんにも・・・ここからすぐ出よう」と答えた。 「なんにも無い分けないでしょ」と聞くのを無視して、「博物館にでも行こう」と走って外に出る。 外にはパトカーが来て騒ぎが大きくなっていた。 ミリーが「デヴィット、説明して・・」と聞く、「何か聞こえたかい?・・」 「何があったのよ」 「ホテルに帰ってから話すよ」 「今ここで話してよ・・」 「なんでもないから・・・」 「これのどこが大丈夫なのよ」 二人の前に警察官が来て「警察です。・・今、コロシアムから出てきましたよね」と言って腕を掴む。 デヴィットは「誤解です・・・あの、ちょっとだけ入ったけど・・・放して呉れよ」と言って、ミリーに「先にホテルに帰っててくれ」と言う。 嫌だというミリーを「この人は関係ない、知らない人だ」と言って帰し、デヴィットは警察署に連行される。
警察署の取調室で係官は「死体はどこだ・・」と尋問する。 デヴィットは「なにもやってないさ、たまたま居合わせただけだ」と答える。 ミリーは警察署の面会所にやって来て、一晩中デヴィットが釈放されるのを待っている。 係官はデヴィットに「まもなく判事が着ます。・・パスポートは預かっておきます。・・もう必要ないでしょうから・・」と言って出て行った。 取調室に入ってきた女性判事は、デヴィットがまだ幼い頃に家を出て行った母だった。 母は「こんにちは、デヴィット・・・30秒しかないわ・・ここからすぐ出なくちゃいけない。・・・彼女を連れて逃げなさい。・・でないと彼女も殺されるわ」といって、テーブルの上に鍵を置いて出て行った。 「おかあさん・・・おかあさん!・・」 母は振り向いて「あと20秒よ、いそいで・・・」と言った。 デヴィットは母の後を追ったが、かけつけた警察官ともみ合いになり、ジャンプして逃げた。 デヴィットは、エジプトのピラミッドの前にジャンプした後に、ミリーの待つ面会所にジャンプして現れた。 「もう帰ってもいいの?」 「ああ、以外に簡単だったよ」 「何を言われたの?」 「たくさん質問されたよ」 「8時間も?・・・こんなのおかしいわ!」 「俺を信じて付いて来いよ!」
二人は空港にやって来た。 ミリーはまだ、何かおかしいと思っている。 デヴィットに「言いたくないなら、話さなくて良いって言ったの覚えてる?。・・・あれ撤回するわ・・・そのリュックの中には何が入っているの?」と聞く。 デヴィットは旅行中ずっとリュックを肩に掛けていた。 デヴィットは観念して、リュックサックを下ろしチャックを開いた。 中から無造作に放り込まれた札束が見えた。 ミリーは周囲を気にしながら、小声で聞いた。「そのお金どうしたの?・・」 デヴィットは「ウソはつきたくない・・・」と言う。 「本当のことも話したくはないでしょ?」と聞くミリーに、デヴィットは「僕は飛行機では帰れないんだ。・・・一緒に居れるのはここまでだよ」と伝える。 ミリーは一人でデトロイト行きの飛行機に乗った。
パラディンのロバートのところに電話が入る。 「二人で追ったが見失いました」 「全員でかかれといっただろ」 「彼女が二人で十分だと・・・」 「次の手を考える・・・引き続き報告しろ」
ロバートはデヴィットの実家に行く。 父親のウイリアム・ライスに「IOSのものだが、」とウソを言って家に入り込み、「息子さんのデヴィットのことで・・・」と切り出す。 「あいつ、何かをしでかしたのですか?」 「質問にだけ答えて呉れ・・・最後に息子さんに会われたのは何時ですか?」 「8年前だ」 「8年前?」 「そうだ」 「じゃあ、友達は?」 「あいつに友達なんか居ないよ」 「デヴィットのお母さんにお話を伺ってもいいですか?」 「俺も話をしたいよ・・・見つけたらな」 ロバートは写真を見つけて「彼女が母親か?・・」と聞く。 父親は「メアリー・ライス・・・その当時の名前はな・・」と教える。 ロバートは彼女の写真を手にとって「彼女に最期に会ったのは何時ですか?」と聞く。 「五歳の子供を置いて出て行ったよ・・・・それっきりさ」 写真に見入ったロバートは、自分の部下の女がデヴィットの母親であることを悟った。 父親が「息子のことで分かったら連絡するよ」というが、ロバートは「その必要はない」と答えた。
デヴィットはジャンパーのグリフィンのいるアジトに瞬間移動してやってきた。 部屋の壁にはパラディンの仲間の顔写真や情報が一面に貼ってある。 デヴィットが「ほかにも居るのか?」と聞いた。 「何百とね・・・10人は分かっている」 「残りは?」 「やつらはハンターだ・・・」 デヴィットが写真を取り出して「この男は?」と聞く。 「パラディンだって話しただろ?・・」 「ああ、聞いたよ、・・・やつらの目的は何なんだ?」 「単純なことだ・・・ジャンパーを殺すことだ」 「なぜ?・・」 「欲望のままに力を使うからさ・・・昔からパラディンはジャンパーを殺してきた。・・・中世の頃から、・・・魔女狩り以来ずっと続いているんだ。・・・彼らは頭が良くて、組織化されていて、ジャンパーの周りに居るものは、家族でも友人でも容赦なく殺す、・・・ローマで一緒に居たあの子もな、殺される。・・・」
デヴィットがジャンプして実家に帰る。 部屋に入ると父親が瀕死の重傷で床に転がっていた。 デヴィットは父と共に病院の中にジャンプして「誰か助けて!」と叫ぶ。 医者や看護師が駆けつける。
マークがまだ警察の取り調べ室に居る。 そこにデヴィットがジャンプして来て、「マークあいつに何を喋った?。・・・奴の名前はロバートだ。・・・質問に答えろ、さもないとエベレストの頂上に置き去りにしてやる」と迫る。 「ナンだって?・・・」 「おれの家のことを喋ったんだろ・・・アナーバー図書館のことも、ミリーのことも喋ったのか?」 「ああ、全部しゃべったさ・・・いけないのか?」 「何てことをしてくれたんだ!!」 そこに巡回してきた監視官がデビットを見つけて「お前は何者だ!」と聞く。 デヴィットはジャンプして姿を消した。
デヴィットはジャンパーのグリフィンの居るアジトにジャンプして来る。 グリフィンに「パラディンはどこに居るんだ?・・・必ずローランドを探し出す」と言う。 グリフィンは「やめろ。・・そんなこと」と止める。 デヴィットは「あと8時間しかないんだ。・・8時間後に飛行機が着く」と言う。 グリフィンはデヴィットに「まだ力に目覚めて4年しか経っていないくせに・・・高校で急に人生が変わったからって、何が出来るんだ。 俺は10年掛けて手がかりを掴んだんだ。・・・みろ、最初に奴から逃げたときの傷だ。・・・ローランドの事は忘れろ、時間の無駄だ」と言って、首に付いた傷を見せる。 デヴィットは「俺たちが協力すればヤツ等を捕まえられるだろ」と聞く。 「協力?・・・お前とか?」 「そうさ」 「俺たちがチームを?・・」 「そう」 「わるいけど、お前と遊んでる暇は無いんだ」 グリフィンは外に出て行ってジャンプし姿を消した。
グリフィンがジャンプしたので、デヴィットも後を追った。 二人が現れたのは東京だった。 グリフィンは「俺についてくるなんて100年早い」とデヴィットに言った。 新宿の雑踏の中を二人は歩いた。 デヴィットが「おれは東京は詳しいんだ・・・よくジャンプしてきたから」と言う。 グリフィンは「ただ歩きたいんだ」と答える。 デヴィットが「コミックのTeam−UPをよんだか?」と聞く。 グリフィンは「二人のヒーローが軍隊を倒す奴だろ・・読んだよ。・・・何が言いたいんだ」と聞く。 デヴィットは「俺たちはコミックのような力を持ってるってことさ・・・ローランドを探さなきゃ」と答える。 グリフィンは無言で渋谷の雑踏の中を歩いた。
グリフィンはジャンプしてベンツのショールームに飛び込んでいった。 グリフィンはベンツに乗り込むと、エンジンをふかして目の前のガラスを突き破り、道路に飛び出した。 グリフィンは「気分でも晴らすか?・・」と言ってデヴィットを助手席に呼んだ。 街の中をフルスピードで疾走し、正面衝突しそうになったときや、反対車線を走るときは車ごとジャンプした。 彼は「車のジャンプは簡単さ、一度ビルを越えようとして壊したことがある」と言った。 デヴィットが「いつからジャンプできるようになった?」と聞いた。 彼は「五歳から」と答えた。 「どうやって両親とか、皆に内緒にできたんだ?」 「簡単さ、親はいないからな」 デヴィットが言う「おれの母さんは五歳のときに家出したよ。・・・父さんは・・」 グリフィンは「お前の家族のことを聞いていいか?・・・俺たち、ヒーローで仲間なんだろ?・・・、彼女の乗った飛行機がもうすぐ着くぞ」と言った。 「急がなきゃ、・・時間がない」 彼が「彼女を救い、奴を殺す」と言った。
二人はジャンプしてデトロイト空港にやって来た。 「到着時刻表を見て若者が「一時間前に到着しているな」と言った。 「早く見つけ出さないと」 グリフィンは「心当たりを探せ!・・俺は武器を取ってくる。・・・隠れ家で会おう」と言って立ち去った。
デヴィットはミリーの勤めていたバーにやって来た。 ミリーの友達に「ミリーの友人でデヴィットと言います。・・・ミリーは居ますか?」と聞いた。 「あなたと一緒だと思っていたわ。・・・そうだ、あなたのお友達が来てたわ」 「誰だろ?」 「白髪で黒人の男よ・・・」
デヴィットはミリーのマンションに行きベランダから部屋の中に入った。 部屋の中にミリーが居た。 「デヴィット・・何してるの?」 「返事が無かったから・・・・」 「それで勝手に部屋の中に?」 「君が大丈夫か心配で・・・」 「大丈夫じゃないわ・・・ローマの空港で置き去りにされたんだから・・」 「ごめん」 ミリーが入り口のドアを開けて「ごめんですって?・・・帰ってよ!」と言ったとき、ビルの玄関に止まった車から数人の男たちが降りてきた。 デヴィットはパラディンの男たちがきたのを見た。 デヴィットはミリーに説明する「銀行はウソだ・・・あの金は銀行のだけど」 「つまり、銀行強盗?」 「まあ、ある意味では・・」 「出て行って!・・そばに来ないで・・警察を呼ぶわよ」 パラディンの男たちが階段を駆け上がっている。 デヴィットは逃げようとするミリーを抱き抱えてジャンプした。
デヴィットはミリーをジャンパーのアジトに連れて行った「信用してくれ・・・大丈夫だから・・何もしないから」 「近づかないで!・・・はなれて!」恐怖におののくミリーにデヴィットは「説明するから・・そこを動かないで」と言った。
ミリーの部屋にやって来たローランドたちパラディンは、特殊機器を持ち込んでデヴィットたちがジャンプした場所を探し、 部屋の壁のジャンプした位置を解き明かす。
デヴィットはジャンパーのグリフィンのところに行く。 グリフィンは「彼女は見つかったのか?」と聞いてくる。 デヴィットが「ヤツ等が襲ってきたので仕方なくジャンプしてここにつれて来た」と話す。 グリフィンは驚き「ここは共同アパートじゃないぜ」と言う。 ミリーは「いったい何が起こってるの?」と聞いてくる。 デヴィットが「君が頼りなんだ」と言うが、グリフィンは「そんなこと知るか!・・・ヤツ等は、ジャンプホールを再び開いて、後を追える機械を持っているんだぞ。・・・ジャンプしたすぐ後ならできるんだ」と言う。 ミリーが「何が起こってるの?・・・」と聞く。 デヴィットは「ミリー!・・隠れて!」と叫ぶ。 グリフィンが「デヴィット!・・何て事をしてくれたんだ!・・お前のせいだぞ」と言う。
グリフィンが「来るぞ!」と言ったとき。 グリフィンのアジトにローランドたちがジャンプしてきた。 ローランが剣を抜き、部下が光線銃を構えて部屋に迫った。 ミリーは部屋の外に出て、ここがエジプトであることを知った。
デヴィットはグリフィンの味との壁に母の写真が貼ってあるのを見つける。 「母さんん!・・」デヴィットが近づこうとしたときに、パラディンの光線銃が発射されデヴィットは撃たれる。 ローランドがロープの発射機でデヴィットの身体を岩盤に固定する。 ローランドが止めを刺そうとしてナイフを抜いて近づいてくる。 デヴィットが叫ぶ「待って!・・待ってください!。・・なぜ、僕を狙うんだ?・・・誰も傷つけないし、あなたも傷つけては居ない」 ローランドが答える「まだ、傷つけてないだけさ。・・・遅かれ早かれ、お前は邪悪な存在になる」 「俺は違うよ」 「同じだよ」
グリフィンがローランドを火炎放射銃で背後から照射する。 ローランドがデヴィットに「母親に会いに行く時が来たな」と言う。 グリフィンとローランドが激しく戦う。 グリフィンはバギー車で砂漠の中に逃げていった。 ミリーが岩盤にロープで固定されているデヴィットを見つける。
グリフィンは町の中にジャンプして大型車を乗っ取り、それを運転してアジトにジャンプして帰り、外に居るローランドに突っ込んでいく。 大型車はそのままアジトの壁を破り突っ込んでくる。 危うく助かったデヴィットとミリーは瓦礫の中から出てくる。 グリフィンが「危ない!・・ミリー走れ!」と叫ぶ。 ローランドがミリーに迫る。 グリフィンが火炎放射銃でローランドを照射する。 グリフィンとローランだが互いに譲らず闘っている。 ミリーがデヴィットのロープを解いて、「すぐに家に返してよね・・・連れてって」と頼む。 デヴィットは「分かった。・・・つれて帰るよ。もう関わらないから・・・ずっと君が好きだった。・・・五歳のときからずっと・・・」と話す。 デヴィットはミリーに「帰すから、大きく深呼吸をして・・・」と言ったときに、グリフィンがアジトにジャンプして戻ってきて、「ホールを壊すんだ!、ホールは追えなくなる!」と叫ぶ。 突然、壁からローランドがジャンプして来て、ミリーをさらって壁の中に逃げた。 グリフィンが「ホールはまだ消えていなかったんだ。・・分からなかったよ」とデヴィットに言う。
ミリーは自分の部屋に連れ戻されて、ローランドにロープで縛られている。 ローランドは「必ずヤツ等はやって来る。」とミリーに言った。
グリフィンが持ち出した箱を見て、デヴィットは「何なんだ」と聞く。 グリフィンは「ローランドは力ずくで俺たちを殺そうとしているんだ。・・もう終わりにしたいんだよ。・・・爆弾を使うのさ」と言う。 「ミリーが居るんだよ」 「生き残るためにはこれしかないんだ」 「分かった・・・こうなったのも俺のせいだ・・・とにかくここを出よう」 グリフィンは「多少の犠牲はしかたがないだろ」と言う。 デヴィットは「お前は大事なものをなくしたことが無いのか?」と聞く。 グリフィンは「俺だってある・・・俺は5歳だった。・・・ヤツ等が家に来て、両親を殺した」と語る。 グリフィンの隙を見て、デヴィットが起爆装置を外に投げ捨てた。 取りに行こうとするグリフィンにデヴィットが言う「少しの間待っていてくれ。・・・俺が彼女を救い出す」 二人が起爆装置を奪い合っているところは、エジプトのピラミットの頂上だった。 グリフィンが「俺に逆らうなら、お前を殺す!」と告げる。 「起爆装置を渡せ!」 二人は取っ組み合ったまま、サンフランシスコの橋の上や、中東の砂漠・・・東京の路上、ロンドンのビルの屋上にジャンプした。 デヴィットが高層ビルの屋上から起爆装置を投げ捨てると、グリフィンは飛び降りてそれを追った。・・・デヴィットも後を追って二人は空中でもみ合った。 二人はそのままプールに落ちてもまだ戦い、南極の氷の上でデヴィットが海に投げ捨てた装置を拾ったグリフインは、チェチェンの戦場にジャンプしていた。 それを追ってデヴィットはグリフィンに飛び掛り、高圧電線の鉄柱にグリフィンを閉じ込めた。
グリフィンはデヴィットに「もうすこし賢く成れ、お前は死ぬぞ。 降ろしてくれ、・・お前は負けるぞ。・・・お前はヒーローなんかじゃない。・・お前は救世主なんかじゃない。・・ただのジャンパーだ」と叫ぶ。 デヴィットは奪った起爆装置を投げ捨てる。
ミリーのマンションに来たデヴィットは、ベランダから様子を探り部屋の中に入る。 「捕まえろ!・・待ってたぞ!」と声がして、デヴィットの身体にロープで飛んで絡まった。 ローランドはロープの端を壁に固定した。 ミリーがデヴィットのところに駆け寄ってくる。 デヴィットはミリーを抱いてジャンプしようとするが、飛べない。 ローランドが「ロープを固定されているからジャンプは無理だ!」とデヴィットに言う。 デヴィットが全身の力を込めてジャンプすると、壁が砕けてロープの固定金具が外れた。 ローランドが「神のみが持ち得る力だ。・・・お前が持っていい力ではない」と叫ぶ。
デヴィットはミリーに「深呼吸して、・・・」と言って、再度全身の力を込めてジャンプし、マンションを飛び出し、川の中に飛び込む。 二人は後を追ったローランドと共に、アナーバー公立図書館の書棚の間に転がり込んだ。 ローランドはデヴィットに「来い、お前はまた罪を犯すぞ」と告げる。 デヴィットは「俺は違うと言っただろ」と答える。 ローランドが外に出るとそこはグランドキャニオンの渓谷の上だった。
デヴィットは郊外の瀟洒な住宅を尋ねて行く。 ドアを開けて応対した娘さんに「何かご用ですか?」と聞かれる。 デヴィットは「メアリーはここに居ますか?」と切り出した。 娘さんは不審そうな顔をして、奥に向かって「お母さん!・・」と呼んだ。 玄関でデヴィットを見た母親は「すこし、上に上がっててくれる?」と彼女に言った。 デヴィットは母親に「探したよ・・・」と言った。 母は「ここには来ないで・・・」と言った。 デヴィットは「確かめたくて・・・組織に一員なのか?」と聞いた。 「そう、事実ね。・・・あなたが最初にジャンプしたのは5歳のときだった。・・・あなたを殺すか、組織の一員に成って離れて暮らすか、選択を迫られた。」 「それで家を出たのか?」 「あなたを守るためよ」 「おれは5歳だったんだよ」 「そうするしかなかったのよ・・・1日たりともあなたのことを考えない日はなかったわ」 「おれはジャンパーで、あなたはパラディンだ。・・・だけど俺たちは・・・」 「新しい人生を生きてほしいの・・・あなたを愛しているから」 母はやさしくデヴィットを抱きしめて「幸運を祈っているわ」と言った。
デヴィットが家を出ると、外で待っていてくれたミリーが駆け寄って「大丈夫?」と聞いた。 「ああ」 「本当に?・・」 「本当に大丈夫さ」 ミリーは頷いて、「ここは寒いはね、暖かいところに連れてってよ」と言う。 「どこに行きたい?・・」 「驚かせてよ」 二人は手をつないで川の中にジャンプした。
終わり
2008.03.07 ロードショー公開
2008.03.15 鑑賞
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