草模様

Q&A

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Q1:大腸の検査(レントゲン)でポリープの疑いがあると言われました。
どうしたらよいでしょうか?


Q2:大腸がんの検診で便の検査(便潜血検査)をするのはなぜですか?


Q3:最近「みぞおち」のあたりが痛むのですが、どのような病気が考えられますか?

●回答一覧●

A1:ポリープと一口に言っても、そのポリープが良性なのか悪性なのか、また大きさによっても対応は異なります。レントゲン検査では、前処置が不良で便が残っていたためにポリープとまぎらわしいことがありますので、大腸内視鏡検査で確認するのがよいでしょう。大腸内視鏡検査ではポリープの組織検査が可能ですので、良性か悪性か診断できます。最近では内視鏡が進歩し、表面の性状の観察により、ある程度見当が付くようになりました。悪性であればポリープを切除しなければならないわけですが、それには二通りの方法があります。
 一つは内視鏡的ポリープ切除術です。これはお腹を切ることなく、内視鏡を使ってポリープを切除する方法です。この方法の良いところは、外来でも可能という点です。しかし、どのようなポリープでも内視鏡で切除できるわけではありません。大きいポリープでは、出血の危険性が出てきますし、癌が深くもぐっている可能性も高くなります。癌の場合、どの位の大きさまで内視鏡で切除できるかは一概には言えませんが、10mm程度までは問題なく切除できる事がほとんどです。それ以上は癌が深くもぐっている可能性が出てきて、20mm以上は次にお話しする外科的手術の方が無難でしょう。良性の場合は、大きくても出血に気をつければ切除可能です。

 もう一つの方法はお腹を切る外科的手術です。この手術も、最近はお腹を大きく切らずに小さい穴をあける腹腔鏡を利用した手術が普及し、術後の痛みの軽減や入院期間の短縮がはかられています。

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A2:一般にがんは大変出血しやすい性質を持っています。大腸がんがあるとがんの場所を便が通る時に出血し、便に血液が混ざります。出血量が多い場合は血便、あるいは黒い便として認識されますが、少量の場合は気付かずに見過ごされてしまいます。便の中に血液があるかどうかを検査するのが便潜血反応で、大腸がん検診に利用されています。
 以前の検査では薬や食事(魚や肉類)の影響で陽性になることがあったのですが、最近では人の血液にのみ反応する免疫学的便潜血反応が開発され、検査の精度が向上しました。上部消化管(口・食道・胃・十二指腸など)の出血は、排便までに消化酵素の作用で変質するため、陽性になる頻度は低くなります。
 しかし、便潜血反応で陽性になるのは大腸がんだけではありません。大腸ポリープ、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などでも陽性になります。また、痔核や生理による出血などでも陽性になります。検診で便潜血反応が陽性の場合は、「がんを含む大腸の病気の可能性がある」と考えて下さい。良性の場合もありますが、きちんと二次検査を受けることをお勧めします。
 逆に便潜血検査が陰性の場合でもがんの可能性が全くないとは言えません。小さながんでは出血しないことが珍しくないからです。自分で「痔からの出血」と判断してしまい、がんが発見された時には手遅れだったというのはよく聞く話です。大腸がんは40歳代でも珍しくありません。後悔しないためにもきちんと検診を受けるようにしましょう。
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A3:「みぞおち」とは上腹部の事ですが、この部位にある臓器としては、胃・十二指腸・膵臓・胆のう等があります。胃は皆さんに一番なじみのある臓器でしょう。実際、上腹部痛があると、「胃が痛い」と言って来院されます。
 診断に当たっては、@どの様な痛みなのかA何を食べた後に痛くなったのかB発熱があるのかC下痢や嘔吐があるのか等を参考にして診断にあたります。次に主な上腹部痛を伴う疾患について、説明します。
■1 胃・十二指腸潰瘍
 胃・十二指腸潰瘍は上腹部痛を来す代表的な疾患で、初期の頃は「重苦しい」程度ですが潰瘍が大きくなると次第に痛みは増強し、嘔吐や背部痛を認めることがあります。潰瘍がひどくなり穴が空いてしまうと、激烈な痛みとなり、ショック状態となることもあります。
■2 胆石症
 胆石症は中年以降の太った女性に多い疾患で、脂肪分の多い食事の後に、急に激しい痛みや発熱を認めることがあります。
■3 急性膵炎
 急性膵炎は飲酒や胆石が原因になることが多く、痛みは次第に増強し、しばしば発熱や背部痛を認める様になります。
■4 胃アニサキス症
 胃アニサキス症は寄生虫(アニサキス)による疾患で、魚の刺身を食べた後に激しい痛みと嘔吐を認めます。内視鏡で虫体を除去すれば症状は改善します。他にも上腹部痛を認める疾患は色々ありますが、急性虫垂炎(盲腸炎)や心筋梗塞の際にも上腹部痛を認めることがあり、注意が必要です。これらの疾患の鑑別診断には、腹部超音波検査、内視鏡検査、血液検査、心電図検査等が有効です。

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