まめなしの部屋 | |
まめなし通信 |
*まめなしが語りかけるもの*
2001年のまめなしの花の状況は、早く咲いたものの真っ白になる木が少なく、花付きは不良におわりました。2000年が豊作だったための休息のようです。 国や愛知県発行のレッドデータブックに、「まめなし」は絶滅危惧IA類に指定されています。もっとも危惧種に指定したり、天然記念物に指定することが保護ではないと思います。むしろ当地はなにも指定されてはいませんが、公園ならではの幼木を植えたり、まめなしの説明板の設置、池の整備など手が打たれているようで、一般的な保護はされていると考えられます。 守山以外の自生樹もいくつか観察しましたが、むしろ守山の場合は自然的に保護されていると感じました。したがってまめなしは、「まめなしを学術的に論じてみよう」の「世代交替」で述べたように湿地依存種であり、世代交替が難しくなってきている種である、ということを多くの人に知ってもらいたいと思います。 保護の第一は、なんと言っても湿地保全です。果たして今の湿地が何時まで続くかわかりません。その意味でまめなしの習性がわかっておれば、問題はないのです。今公園に幼木を植えその成長過程を見ることで種の保存になにが必要かはわかると思います。私の観察では、発芽さえすれば、あまり手がかからないのではないかと思います。自然環境は厳しいのですが、種の保存という点では、「そんなに難しい種ではない」と思っています。 つまり、人が保護すれば、応えてくれる種であり、寿命も長く、末永くわれわれを楽しませてもらえる花木であると思います。 |
*子孫を残そう*
自然状態では、湿地の保全が難しくなってきているため、世代交替は厳しくなってきています。将来今の量を確保するために皆さんの手で子孫を残してみませんか。花と実の鑑賞木としては一流と思います。種子を播いて庭木としてまた植木鉢で育ててみませんか。 また街路樹として並木道が出来ればいいなと思っています。特に志段味地区は、今急ピッチで開発が進んでいるので、守山の特産種(全国の60%以上が残っている)といっても過言ではないまめなしを、街路樹の形で残してもらいたいと思っています。ヒル池や雨池公園には植裁されたまめなしがありますので、可能性は大きいと思います。 守山近辺にお住まいの方は、11月に実をとって(拾って)ぜひ庭か鉢に植えてみてください。(ただし花が咲くまでに10数年かかると思われますので、出生記念とか何かの記念として播いたら如何でしょうか)。 今取り組みをしておかないと、22世紀に持って行けなくなるかも。もちろん私もあなたもそれを見届けるのは不可能ですが。 |
*まめなしに関する文献*
まめなしについての文献を記しておきます。残念ながら大変少ない。最近多く発刊されている樹木図鑑にはほとんど記述がありません。 ・「原色日本樹木図鑑」 北村四郎補・岡本省吾著 保育社 ・「樹木図鑑」 北隆館 ・「尾張の自然を考える会」 会報第15号(平成3年3月) ・「ふれ愛自然」(愛知県発刊)1998年6月号 No7 ・「日本列島花maps 中部の花PART2」 小幡緑地 北隆館 ・「東海の天然記念物」 岡田・志賀・白井共著 風媒社(イヌナシで紹介) 他に地元の観察会の会報には記述されていることが多いので観察会を記しておきます。 ・大森自然観察会:毎月第一日曜日AMに大森八竜湿地で開かれている ・志段味の自然と歴史に親しむ会:定期会合は不明 |
大森自然観察会から |
指導員の説明(6/4) |
まめなしは最近盆栽としても注目されている存在です(なんじゃもんじゃも同じ)。盆栽の関連書籍として記述があるのは次の通りです。 ・月刊誌「盆栽世界」 1998年11月号、1999年11月号他 ・「3年で出来るミニ盆栽」 郡 境介著 農山魚村文化協会 盆栽としては「まめなし」よりも、中国産の近縁種「マンシュウコナシ」の記述が多いようです。私は展示会でまめなしの盆栽をまだ見たことがありません。現在育てています。次のページをご覧下さい。 |