守山の虫かご | |
守山のとんぼ |
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守山で見られるとんぼをご案内します。
*概要*
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守山には多くの池や湿地があり、たくさんのとんぼが以前は見られました。しかしいずこと同じく開発と水量の低下等から激減してしまいました。記録ではむかしやんまやえぞとんぼ類、まだらなにわとんぼの宝庫と記録には残っているのですが。(約70種) 今残された池は公園の池として多くが釣り池となってしまい、昔の面影はありません。少しばかり昔の面影が残っているところを中心に調査して行きたいと考えています。 |
*とんぼの分類*
とんぼはさなぎの形態がなく幼虫(やご)から成虫になります。これを不完全変態といって、かめむしやかげろうと同じです。
とんぼ目は分類上3亜目14科ですが、守山には2亜目10科55種を確認しました。 |
亜目 |
科 |
守山で見られる種(2000年〜) |
均翅亜目 (きんしあもく) (イトトンボ・ カワトンボの仲間) |
イトトンボ科 | アオモンイトトンボ、アジアイトトンボ、 キイイトトンボ、クロイトトンボ、セスジイトトンボ、 ホソミイトトンボ、ムスジイトトンボ |
モノサシトンボ科 | モノサシトンボ、 | |
アオイトトンボ科 | アオイトトンボ、オオアオイトトンボ、 オツネントンボ、ホソミオツネントンボ、 |
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カワトンボ科 | ハグロトンボ、ニシカワトンボ、 | |
ムカシトンボ亜目 | ムカシトンボ科 | 守山では見られません |
不均翅亜目 (ふきんしあもく) (ヤンマ・ アカトンボの仲間) |
ムカシヤンマ科 | ムカシヤンマ |
サナエトンボ科 | ウチワヤンマ、オグマサナエ、オジロサナエ、 オナガサナエ、コオニヤンマ、タベサナエ、 フタスジサナエ、ミヤマサナエ、ヤマサナエ、 |
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オニヤンマ科 | オニヤンマ、 | |
ヤンマ科 | カトリヤンマ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、 サラサヤンマ、ヤブヤンマ、マルタンヤンマ、 コシボソヤンマ |
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エゾトンボ科 | コヤマトンボ、オオヤマトンボ | |
トンボ科 | アキアカネ、ウスバキトンボ、オオシオカラトンボ、 コノシメトンボ、コシアキトンボ、コフキトンボ、 シオカラトンボ、シオヤトンボ、ショウジョウトンボ、 チョウトンボ、ナツアカネ、ネキトンボ、 ノシメトンボ、ハッチョウトンボ、ハラビロトンボ、 ヒメアカネ、マイコアカネ、マユタテアカネ、 ミヤマアカネ、ヨツボシトンボ、リスアカネ、 |
*左のメニューから生態画像をご覧下さい。(54種)
*観察便り(2004年)*
1.春のとんぼ(4〜6月上旬) |
春の池や川で最も普通に見られるのは「あおもんいととんぼ」と「あじあいととんぼ」です。「せすじいととんぼ」と「くろいととんぼ」は限られた池でしか見ることができません。越冬した「ほそみおつねんとんぼ」と「おつねんとんぼ」も2ケ所の池でのみ見られます。「にしかわとんぼ」もまだ健在ですが、これも2ケ所の川でしか見られません。「あおはだとんぼ」は絶滅して見られません。5月下旬には早い所では「はぐろとんぼ」が発生します。 さなえ類は「おぐまさなえ」が4月から5月一杯までほとんどの池で見られ数も多い。滝の水池の周辺では、さらに「たべさなえ」や「ふたすじさなえ」を見ることが出来ます。5月には、大きな池では「くろすじぎんやんま」と「おおやまとんぼ」が割合普通に見られます。5月中旬からは「しょうじょうとんぼ」や「ものさしとんぼ」「こしあきとんぼ」があちこちの池で羽化した姿が見られます。過去の記録ではたくさん記載されている「よつぼしとんぼ」は今回1匹しか見ることが出来ませんでした。多くの池では絶滅しているようです。 東谷山の麓から松川橋にかけての庄内川では流水性のとんぼの羽化がよく見られます。今回確認できたのは、「こやまとんぼ」「おじろさなえ」「おながさなえ」です。 湿地では「しおやとんぼ」が普通に見られます。5月一杯は「さらさやんま」が加わります。両者ともたいていの湿地で見られます。「はらびろとんぼ」も多くの湿地にいますが、個体数は各湿地で2〜3匹程度です。5月下旬には1ケ所の湿地で「はっちょうとんぼ」の姿が見られました。 |
2.夏のとんぼ(6月中旬〜8月) |
初夏6月の東谷山の麓の庄内川では引き続き「おじろさなえ」や「おながさなえ」「みやまさなえ」の羽化が見られます。わずか200m位の所に抜け殻をいっぱい見ることが出来ます。羽化し易い環境なのでしょう。庄内川の川辺ではどこも「はぐろとんぼ」で盛況。支流の川にもたくさん見られます。 夏のどの池も、「うちわやんま」「こしあきとんぼ」「しょうじょうとんぼ」「しおからとんぼ」「おおしおからとんぼ」でにぎわっています。緑ケ池と滝水池および大久手池では「こふきとんぼ」が普通に見られます。大久手池では「おおやまとんぼ」がたくさん見られます。他の池では、「うちわやんま」が優勢です。小幡の見返り池では白沢川からの流れの流入口にくろもがたくさん生えていて、各種のとんぼの産卵場所になっています。ここでは「ちょうとんぼ」が特にたくさん見られます。「ちょうとんぼ」は他のいくつかの池でもみることが出来ます。 大森新池や滝水池では、「きいととんぼ」が見られますがあまり数は多くないようです。滝水池では7月に「ほそみいととんぼ」が見られます。滝の水池の回りの林では、「あおいととんぼ」がたくさん見られます。守山ではここだけのようです。「おおあおいととんぼ」は各地の湿地や池畔で「はらびろとんぼ」とともに普通に見られます。夏の間は池のまわりの雑木林であかとんぼ類の未熟個体がたくさん見られます。 雑木林の林縁では「おにやんま」がたくさん見られます。「ぎんやんま」も各池でよく見られるのですが、他のヤンマ類はなかなかお目にかかれません。やんまの黄昏飛翔を見られる場所は緑地公園大池付近以外は少ない。9月初めに「やぶやんま」の産卵が見られました。「かとりやんま」は才井戸流れの藪や小幡大池、安田池の回り等で幅広く見られます。 |
3.秋のとんぼ(9月〜11月) |
「うちわやんま」や「おおやまとんぼ」は9月末まで大体見られます。遅くまで池をパトロールしています。最近も「おおるりぼしやんま」が長久手で確認されているため見られる可能性が高いのですが、私は確認できずに終わっています。9月は上記のやんまに「ぎんやんま」が加わって岸辺の争奪戦が激しく、割り込む隙間がないのかも知れません。「おにやんま」は秋はいたるところに出没し、低空飛行となりますので、見易くなります。 秋はなんと言ってもあかね属の出番です。10種類確認できています。最近少なくなったと言われる「のしめとんぼ」は緑ケ池や大村池周辺では普通に見られます。数が少ないものでは「りすあかね」「まいこあかね」「ねきとんぼ」でしょう。中でも「まいこあかね」はこの池の周辺に行けば必ず見られるというところが見つかっていません。隣の尾張旭ではあるのですが。きれいなとんぼだけに残念です。「ねきとんぼ」は逆に特定な池しか出会えません。個体数が少ないのでしょう。記録に残っている「きとんぼ」や「おおきとんぼ」は残念ながら確認できていません。 「おおあおいととんぼ」は広く分布していて個体数も多く、特に10月に入るといたるところの池畔に集まってきます。どこにこんなにいたのかとびっくりする数です。「あおいととんぼ」はそれより1ケ月早く9月半ばには下志段味の湿地に集まってきています。 |