自然見所スポット  

東谷山一帯

 


志段味橋からの東谷山

*観察ガイド*

名古屋市の最高峰にあたり、標高198mです。史跡としても有名ですが、照葉樹林として野鳥の観察地としても名が通っています。野生のリスが生息しています。
ここの山の名から取った「とうごくしだ」も健在です。
麓にはげんじぼたるの自然発生地で知られる大矢川を擁し、林は森林公園へとつながっています。
東谷山や大村池の周りは、雑木林に棲む昆虫・鳥や植物の観察には最適です。

 


東谷山からの展望
 
東谷山フルーツパーク入口

*観察便り*

東谷山は標高198mしかないが、しいやかしのきを主体にした照葉樹林が形成されていて、山に入れば高木が多くうっそうとした感じがします。広葉樹が少ないため、昆虫相はあまり豊かではありません。しかし、名古屋では、ここ一帯でしか見られない動植物が多く存在しています。「にほんりす」や「のうさぎ」はまだ棲んでいます。蝶では「じゃのめちょう」「くろひかげ」、草では「しらん」「じがばちそう」「いちやくそう」などです。しかし近年見られなくなった種類もたくさんあります。「かたくり」や「ぎんりょうそう」などなど。
この山の名前から付けられた羊歯の「とうごくしだ」は、むしろ麓や森林公園で見られます。この山から南西は濃尾平野が拡がり、渡り鳥の中継点となっています。「さしば」等大型のわしが頭上を飛び交います。

東谷山から森林公園にかけては、小川、湿地、池が雑木林のなかに点在し、守山(名古屋)で最も生きものが豊富なところです。蝶では、「とらふしじみ」「てんぐちょう」「みどりしじみ」がたくさん見られます。とんぼでは「はっちょうとんぼ」が湿地で、「おにやんま」「さらさやんま」「うちわやんま」が大村池等で見られます。甲虫も雑木林には「かぶとむし」や「みやまくわがた」、カミキリムシの仲間が見られます。

湿地では「かきらん」が見られなくなりましたが、「さぎそう」や「しらたまほしくさ」「すいらん」「みずぎぼうし」などはまだ見られます。東谷山の北側は庄内川が麓を流れるため、崖状になっています。崖には「やぶつばき」や「うつぎ」が多く、下草に「やぶさんざし」や「あおいすみれ」が見られます。ここでは6月始めにはおびただしい「おじろさなえ」の羽化が見られます。夏には「かわせみ」、冬には「おしどり」やカモ類がよく見られます。

 


蛭池

*アクセス*

公共交通機関:JR中央線高蔵寺駅下車、南へ徒歩25分で志段味
         フルーツパークに着きます。フルーツパークの南側の
         駐車場の道を挟んだ北側に東谷山の上り口があり
         頂上まで約20分。頂上には自販機や飲み水が
         ありませんので持参が必要。
         なお東谷山の北側から車道を上ることも出来ます。
         (案内の看板はありません)
         フルーツパークの南側の駐車場から南へ車道を進む
         と雑木林の中を大村池経由で森林公園のバス停
         (名鉄瀬戸線三郷駅に接続)迄徒歩30分程度です。
車       :小幡緑地公園から北へ県道を進み、東谷橋
          (手前に新東谷橋があるので注意)で右折、そのまま
         進みフルーツパークの駐車場へ。