守山自然雑記帳  

10月の観察記録

*2022年*

 
ウラギンヒョウモン
残暑厳しい。庄内川の土手のカワラナデシコはまだまだたくさん咲いていました。カワラケツメイにたくさんのツマグロキチョウが群がっていました。ネコハギもたくさん咲いていました。稲がたわわに実り例年この時期になるとやってくるノビタキはまだ見られず。まだまだ夏の気配が続いていました。才井戸流れではノダケの花が咲いていました。ギンヤンマが飛び交いまだ夏の風情。そんな中、野添川の土手では夏草に混じってハッカが咲いていました。近くにヨウシュハッカも見られ交雑種の可能性も高い。顎片の先は鋭利になっているのでハッカと考えています。この辺りにあったツリガネニンジンは土手の改修工事で絶滅したようで見つからない。

緑地公園のトンボ池ではシラタマホシクサが目立っていました。サワヒヨドリが咲いていましたが夏眠を終えたヒョウモンチョウの姿は見られず。まだ夏草のサワギキョウが咲いていました。ゲンノショウコの赤いかわいい花がたくさん見られました。林の中のスズカアザミは一輪だけ咲いていてやっと秋を確認。北側の大池の周りで見られたネキトンボは今回も見られず。秋はまだまだだと思っていましたが鳥羽見地区の畑でツマグロヒョウモンに混じってウラギンヒョウモンが百日草の花に吸蜜に来ていました。守山では久しぶりの出会いとなり嬉しさ爆発です。(2022/10/3)



*2021年*


ヒクイナ 
暑い日が続いています。庄内川の中志段味の田んぼでは稲がたわわに実っています。今年はノビタキの姿がほとんど見られない。この時期の風物詩であるのだが今年は異変。変わってハクセキレイが大挙やってきていました。野添川のハッカを散策。ほとんどが洋種との交雑種と思われるのだが、やっとニホンハッカと呼べる株を見つけることができました。葉が大きく細長い形をしていてほかのものとは明らかな違い。交雑種とは少し離れて咲いていました。ツリガネニンジンはやはり見つからず。水際の草むらにヒクイナを見ることができました。守山では初めての観察。草の生い茂った水際を餌を探して移動していました。南への移動なのか、夏季住みかとしていたのかは微妙な時期でどちらとも考えられます。日中はなかなか姿を見ることができない種だけに見ることができて感激。蟹原湿地ではコバノカモメズルの花はほとんど終わっていました。ヨメナはまだ花をつけていました。ノダケもまだ花をつけていて株も増えているようでうれしい限り。リスアカネがここでも見られました。

小幡緑地公園では今年もスズカアザミが咲き始めました。トンボ池ではシラタマホシクサが見頃。サワヒヨドリやスイランもその中に咲いていました。サワギキョウもまだ咲いていました。ゲンノショウコの赤い花もまだまだ花をつけていました。ただフジバカマはまだつぼみばかりでした。アキアカネも林縁で休んでいました。ミドリヒョウモンも姿を現し秋本番。竜巻池ではミミカキグサがひっそりと咲いていました。林縁ではヒカゲチョウがまだ見られました。(2021/10/6)


*2020年*

*10/6/2020*
やっと朝晩は涼しくなり秋到来。

志段味橋付近の庄内川土手を散策。カワラナデシコは所々で咲いていましたが数はずいぶん減っています。土手の高い草木の先にノビタキが止まってあたりを見回していました。虫を探して監視している姿がいじらしい。稲刈りが済むとノビタキも移動するので、稲刈り前の今ならではの光景。土手にびっしり生えているコセンダングサにキタテハが吸蜜していました。まだ果実の引っ付き虫はできていなくて安心して草むらに入れた。アレチヌスビトハギは実をつけだしているのでよけて通るしかない。

緑地公園のトンボ池ではシラタマホシクサの頭花が大きくなって見ごろを迎えていました。湿地は一面に白いじゅうたんを敷き詰めたようで見ごたえがあります。サワギキョウの花もまだ咲いていて白とのコントラストが美しい。サワヒヨドリも咲き出しました。公園の中のヒヨドリバナも咲き始めましたが虫の姿はない。ヤマハギの花もまだまばら。スズカアザミも咲き始め、栗はすでにイガがいっぱい落ちて秋の到来を実感。ヤマハギの花もまだまばら。またコバノガマズミなどの赤い実はやっと黄色いままで駆け出しの秋の風情。小川のほとりにあるヤブミョウガはまだいっぱい咲いていました。まだまだ気温も高く赤とんぼも少なく秋の実感は薄い。
 
ヤブミョウガ キタテハ

*2019年*

*10/5/2019* 
まだまだ暑い。秋はいずこ。

吉根の開発された造成地に隣接している小さな湿地を見にいってきました。ほとんど水はなくスゲ類がはびこっているだけでしたが、この時期は一面のミゾソバが咲きほこっていました。周りにはヒヨドリバナが満開でミドリヒョウモンやオオハナアブが来ていました。ミゾソバにもキマダラセセリがやってきていました。林縁ではヒカゲチョウも見られました。ツクツクホウシの声も聞こえまだまだ夏が残っているものの周りはノシメトンボも見られ秋の装いになっていました。

小幡緑地公園のトンボ池のシラタマホシクサは見ごろを迎えていました。スイランはほとんどがつぼみですがわずかですが咲いているものもありました。サワヒヨドリは満開でここにもミドリヒョウモンがやってきていました。オオハナアブも見られました。サワギキョウも満開。ゲンノショウコはまだいっぱい花をつけていました。フジバカマもやっとつぼみがはっきりして一部咲きかけていました。池ではオオシオカラトンボが池の主のようににらみをきかせていました。竜巻池の周りではノシメトンボ、コノシメトンボにリスアカネなどに混じってアキアカネの姿もあり秋本番となっていました。ここの池も水は少なく湿地も干上がってトウカイコモウセンゴケやミミカキグサは瀕死の状態。干潟状の浅瀬でアオサギが餌を探していました。雑木林ではエゴノキにヤマガラが盛んに実をつついていました。栗の実も落ちていました。スズカアザミはすでに花盛り。ホシホウジャクが吸蜜にやってきていました。大池の周りで見られたネキトンボが今年も見られなくなって寂しい感じ。池は渇水状態でここから流れ出す小川もほとんどが干上がっていました。岸辺のヤブミョウガは花が済んで実が黒く変色しかかっていました。
 
サワギキョウ  コノシメトンボ


*2018年*

*10/9/2018* 
やっと秋らしくなってきました。

中志段味の田んぼも実りの秋。しかし今年は渡って来ているノビタキの姿が少ない。杭には全く見られず。庄内川の土手に2羽しか見られず。土手ではまだカワラナデシコが咲いていました。ヒナギキョウはいっぱい可憐な花をつけていました。草むらではクルマバッタモドキがたくさんいて歩くたびに草むらから飛び立っていました。荒地では多くのツマグロキチョウがヒロハホウギクで吸蜜していました。才井戸流れではヤノネグサが咲き誇っていました。ノダケもまだ咲いていました。アオイトトンボやノシメトンボが見られました。ここではよくヨコジマオオヒラタアブを見ることが出来ます。今回も草の葉にとまっていました。流れのそばの湿地にあるミョウガは花をいっぱいつけていました。誰にもわからないようにひっそりと咲いていました。

近くの野添川近辺は工事もほぼ終わった感じ。今年も土手に有ったツリガネニンジンとワレモコウを探してみたのですがやはり見つからず。やはり改修工事で絶滅してしまったようです。川べりのハッカの交雑種は今年も台風の影響もなく咲いていました。顎片が鋭くとがっているのでハッカに近いようですが葉が少し短く同定できず。このあたりの変貌も著しい。自然がいつまで残るのであろうか。

大村池の下の流れにあるヌマダイコンはたくさん増えて花盛りでした。林の栗の木はいっぱい実をつけていました。このあたりも造成が進み建築ラッシュの勢い。この造成の土が進出し以前にあったヤマハッカを探したものの見つからず。守山でどれほどの種が生き残れるのかとても心配。
 
ミョウガ  ヨコジマオオヒラタアブ

*2017年*
*10/4/2017*
中秋の名月。

大森の八竜湿地では萩とススキが季節をあらわしていました。湿地ではシラタマホシクサやサワヒヨドリが満開。しかし例年ヒヨドリバナに集まるミドリヒョウモンやアサギマダラはまったく見られず。入り口に自生していたヤクシソウも他の草木に被陰されて姿が見られず。湿地上部の高台ではススキに混じってウンヌケが穂を出していました。ちょうど開花のものもあり穂が開いていました。

小幡緑地の湿地もシラタマホシクサは満開。サワギキョウやサワヒヨドリに混じって早くもスイランが咲き始めていました。ここもヒョウモン蝶はツマグロヒョウモンのみでした。雑木林では栗の実がほとんど落ちていました。ツクツクホウシの声がまだ聞こえていましたがアオマツムシの鳴き声のほうが大きく秋を実感。ここのスズカアザミも花が咲き出していました。近くのたんぼではキカシグサやキクモ、ホシクサ、コナギが咲いていました。

野添川に自生していたツリガネニンジンが見られなくなっていたので確認しにいって来ました。やはり見られず。土手の改修で消滅したようです。大森のヤクシソウ同様守山で見られなくなるのは寂しい限りです。代わりにヨウシュハッカが川べりで咲いていました。葉は卵形で柄も短いので外見上はヨウシュハッカに近い。しかし顎筒の裂片が鋭く尖っていたので日本ハッカとの交雑種のようです。以前吉根の小川にあったヨウシュハッカが台風の豪雨で消滅してしまいましたが、同じような環境下にあるのでとても心配。

東谷山麓の愛知用水路脇ではワレモコウがいっぱい咲いていました。ここのアキノキリンソウは早くも咲いていました。しかし1株だけになっていました。ヤマラッキョウは花茎が伸びてきてやっとつぼみが形成された状態のものがこちらも1株のみ。両種とも他の草に負けてこのまま消え去ってしまうのでしょうか。熟したエゴノキの実をヤマガラが盛んについばんでいました。ここの栗の実もほとんど落下していましたが、何かに食べられてきれいに殻だけが残っていました。どんな動物が食べているのでしょうか。興味は尽きない。
 
ハッカの交雑種 ヤマガラ


*2016年*

*10/7/2016*
やっと秋らしくなってなって来ました。

守山でもようやく稲刈が始まりました。この時期稲刈が始まる前にはノビタキが渡ってくるのですが今年は少ない。水田が少ない当地ですがそれでも見られるのはうれしい限りです。庄内川に面した水田にはいつも見られるようです。お目当てはイナゴではなくトンボや蜘蛛のようです。土手ではまだカワラナデシコが咲いていました。トンビもくるりと輪を描いて飛び去り、のどかな田園風景は都会のオアシスの雰囲気。

大村池の周りを散策。アキアカネが多く見られました。ヌマダイコンは花盛りでかわいい花がびっしり。毎年株が増えているようです。クロコノマチョウも飛び出してきました。ヤマガキも色づいてきて秋本番の風情。

小幡緑地でも同じようにヤマガキが鈴なりになっていました。ノシメトンボが風に吹かれながら止まっている姿はいじらしい。栗のイガがいっぱい落ちてさらに秋を満喫。トンボ池ではシラタマホシクサが白いじゅうたん模様。その中に青いサワギキョウの花が点在。サワヒヨドリやヒヨドリバナの花にはミドリヒョウモンや守山では珍客のオオウラギンスジヒョウモンが見られました。ここではまだまだ自然は残っていると感じられました。植栽されたフジバカマもきれいに咲き出しました。ゲンノショウコはまだ咲いていました。気持ちよい秋の到来となりました。
 
ヌマダイコン ノビタキ

*2015年*
*10/12/2015*
秋が静かに進行。

緑地公園の湿地のシラタマホシクサの中にスイランが咲きだしました。黄色が鮮やかでサワヒヨドリは影が薄くなっていました。そのスイランの花にホシホウジャクが数匹吸蜜に来ていました。南のトンボ池も同じ状況。ここに植栽されているフジバカマがやっと咲きだしました。自然のものは見られなくなっているだけに貴重。コムラサキの実がきれいに色づいていました。アキノウナギツカミはミゾソバに隠れるように咲いていました。林の下草としてアキノキリンソウもきれいに咲いていました。同じ秋を冠した植物にアキノノゲシやアキノエノコログサは荒地で多く見られます。また吉根にあるアキノタムラソウは花はすっかり終わっていました。秋といえど咲く花の時期は様々なようです。秋に活発に活動しているオオスズメバチがコナラの樹液に来ていました。
竜巻池ではキカシグサがまだ咲いていました。水田の雑草ですが守山には水田が少なく、残っている所は除草剤の影響で田んぼでは見られずここ竜巻池でしか見ることが出来ません。守山ではこの緑地公園でしか見られなくなったカワラハハコが咲いていますが、今日は花茎が1本しか残っていません。他は折られてなくなっていました。公園の中の花なのでみんなの花でありたいものです。

下志段味にある田んぼでは稲刈りが始まっていました。刈り終えたところにはハクセキレイやヒバリ、モズが来ていました。9月末には多く見られたノビタキはほとんど渡ってしまったようですが、わずかですが見られました。稲刈りが始まったのでこれが今年の見納めとなるのでしょうか。9月末に早く見られたものはすでに羽は茶色ぽいものが多かったのですが遅く見られるものは今回のようにまだ夏羽の黒いものが多く、羽の色は渡りの時期と関係しているように思えてなりません。
キカシグサ オオスズメバチ

*2014年*

*10/4/2014*
秋も本番。
志段味橋付近を散策。堤防は内も外も新しい雑草で覆いつくされていた。特に目を引くのがカワラケツメイ。群生していました。これを食草としているツマグロキチョウがいっぱい発生していました。とても絶滅危惧U類指定種とは思えない状況。野添川の堤防も改修工事で新しくなり心配していたツリガネニンジンは手がつけられていない堤防にわずかに残っていました。今が花盛り。いつまで残る事だろうか。しかしワレモコウのあった場所は工事されて全く見当たらない。

吉根の水が滴っている崖でサワギキョウが咲いていました。ここも近くまで開発が進み風前の灯。近くの沢筋に生えているハッカはニホンハッカとヨウシュハッカの交雑種と思っていたがいまだ良くわからない。ガク筒の裂片は鋭くとがっているものの葉はそれほど長くない。安原氏が著したなごや野の花には長戸川のハッカの写真が掲載されているが、葉の長さはあまり長くない。ここと同じ感じである。長戸川はここと近いので同じものだろうか。長戸川流域を捜したものの見つからなかったので確認しようがない。同定の悩みは尽きない。ミヤマアカネが涼んでいました。

緑地公園のカワラハハコが咲きだしました。庄内川のものは見当たらなくなってしまったので私の知見ではここが守山唯一の生息場所。しかし残念な事に雄株なのでいつまで見られることだろうか。他の株を捜してはいるもののいまだ見つかっていない。湿地ではシラタマホシクサが満開。サワホヨドリもたくさん咲いてオオハナアブもたくさん来ていました。別の湿地ではさらにスイランも咲きだしこの時期の主役がそろい踏み。林の下草のアキノキリンソウはまだ蕾。ヒヨドリバナには最近守山ではめったに見られなくなったミドリヒョウモンが来ていました。公園の北側のトンボ池ではミズアオイがまだ咲いていました。林では9月にはいっぱい花をつけていたヤマウドが刈られてすっきり。公園の管理は難しい。
カワラハハコ ミヤマアカネ


*2013年*

*10/6/2013*
いつまでも残暑が厳しい。

今夏の猛暑の影響で秋の花の時期が遅れている。JR中央線の土手にあるクサツルフジバカマはやっと花茎が伸びて花芽がはっきりしてきた。例年ならとっくに満開になっているのに半月は遅れている。近くのワレモコウは例年通り花を付けた。同地区にあるヒメマツバボタンはまだたくさん花をつけている。スズバチが地面を盛んに掘り起こしていました。

久しぶりに才井戸流れを散策。神社の裏手の林はヒカゲチョウでいっぱい。流れの周りはまだヨメナが咲き誇っていました。ノコンギクも咲きだし競演。ノシメトンボも行き交い秋たけなわ。ミドリヒョウモンは翅がすでにボロボロ。暑い夏の影響でしょうか。ノダケやケヤマウコギはすでに花が終っていました。花によっては猛暑の影響がほとんどないもの、大きく影響を受けるもの様々ということだろう。柿の実もたわわに実り、百舌が高らかに鳴いて秋は本番。

雨がしばらく無く乾燥している影響でしょうか東谷山の山腹が山火事で6時間も炎上とのこと。遠くから眺めながら先月気になったオクモミジハグマを観察。ここも乾燥しきっていて今回は葉も確認できず。また懸念される事態。ここのシマジタムラソウやミズギボウシはいっぱい実をつけていました。大村池へ立ちよる。相変わらず水位はさがったまま。ヤナギタデはいっぱい花をつけていました。イヌコウジュやキツネノマゴにはたくさんのツマグロキチョウがやってきていました。キチョウはただ1匹のみ。全国的にも絶滅危惧種の同種がここでは逆転現象で自然界は面白い。川べりではヌマダイコンがいっぱい花をつけていました。
ワレモコウ スズバチ

*2012年*

*10/2/2012*
台風は大した被害も出さず無事過ぎ去った。暑かった9月ともお別れ。

9月から10月は湿地の季節。各地の観察会も盛況。小幡緑地の湿地を見て回る。せせらぎ広場の整備も進みトンボ池ではわずかながらシラタマホシクサが咲いていました。サワヒヨドリが多くミドリヒョウモンがきていました。湿地の周りのヒヨドリバナにはトホシオサゾウムシが見られました。コムラサキの実も美しく湿地らしくなっていました。遊歩道の足元ではベニバナゲンノショウコが咲き乱れていました。たぶん移植されたものでしょうが花を見られるのは嬉しい限りです。スイランはまだつぼみの状態。近くの湿地も同じ状況でした。ミミカキグサやムラサキミミカキグサも健在。アキアカネも元気。大池のほとりのトンボ池周りの水田ではキクモがかわいい花をつけていました。ここにはコナギやアブノメなど水田雑草も多く守山では貴重な存在。林縁ではガマズミやウメモドキの赤い実がヤマガキの小さな実とともに秋本番を告げていました。リスアカネも元気。ここにある一本のみかんの木にナガサキアゲハが産卵にやってきていました。9月初めには家の近くでも目撃したのですが、この時期まで見られるとは思いませんでした。気に入らなかったのかすぐに飛び立ってしまい、またもカメラにはぼけた映像ばかりでした。この蝶とはいつも相性が悪い。みかんの木は方々の庭や畑に植えられているので今後が楽しみ。

気を取り直して別の湿地へ回る。こちらもシラタマホシクサが満開。守山ではここしか見られないサワギキョウの様子を観察。すっかり花は終って一輪だけ残っていました。幾本かの茎が見られ元気な姿に安堵。先月尾張旭の湿地で見られたミズギクやキセルアザミが、守山の湿地では見られなくなり、まさにここのサワギキョウもその予備軍候補である。オオスズメバチが蜜に群がっていました。ここでは2グループが見られ別のグループ同士ではけんかが始まるとのこと。エサ(蜜)があるうちは襲われないとのことであるが羽音だけでも身震いする。いろんな人がいるものだ。

JR中央線の土手のツルフジバカマは、先月見られなかった北側の群落にも花がつきまだ元気に咲いていました。
キクモ オオスズメバチ

*2011年*

*10/9/2011*
すがすがしい秋の一日。
上志段味の湿地では台風の大雨の名残が見られた。シラタマホシクサは潅水のためかことごとく倒れていました。湿地の縁でサワヒヨドリやサワシロギクがシラタマホシクサに混じって咲いていました。オオアオイトトンボやアキアカネ、ツマグロキチョウがが見られました。湿地の奥は様変わりでヤマラッキョウはどこにあるか見ることが出来ません。

東谷山を北西の車道(現在は車は通行止めになっている)を登る。虫や鳥の姿はほとんどない。頂上は訪れる人もほとんどいないのか、たくさんの栗がいがに入ったまま落ちていました。中には器用に皮だけ残った栗も見られ、リスか何かの食べ残しなのだろうか林の中でアサギマダラに会いました。飛び方も弱弱しくこの先1000キロ近くを飛ぶとはとうてい思えなかった。まだ避暑の最中という感じでした。南斜面を下って愛知用水に出る。珍しくシマヘビに出会いました。キセキレイも出迎えてくれました。川べりはミゾソバやアキノウナギツカミが咲き誇っていました。

JR中央線の土手の彼岸花も終わりを迎えました。イタドリの中にあるツルフジバカマはまだ花をつけているものがありました。
アキノウナギツカミ アサギマダラ

*2010年*

*10/13/2010*
秋本番。

 小幡緑地を散策。北の端にある大池ではネキトンボが縄張り争い。萩も満開で秋らしい風情。近くのトンボ池では植栽されたのだろうかサワギキョウが1株花をつけていました。休耕田はミゾソバの花の絨毯。ヒメスズメバチが盛んに蜘蛛を探し回っていました。この時期蜘蛛を狩る姿をよく目にします。蜂やイチモンジセセリ等はスズメバチに何食わぬ格好で求蜜に忙しい。ヒメガマは夏草の中でまだ健在。ヤブマメも夏草に絡まって咲いていました。
 緑ケ池近くの雑木林ではまだヤブミョウガが咲いていました。ここでやっとゲンノショウコに出会うことができました。尾張旭で見た赤花とは異なり白花でした。きのこもいろいろ出ていましたが、ヌメリイグチくらいしか特定できず。

 上志段味の大村池に出向く。狙いはヌマダイコンの生育状況でしたが、今年は小さい水路にまでびっしりと繁殖していました。ここでやっとアキアカネに会うことができました。ニホンアカガエルも顔を出しここだけは別天地。しかしここも近くまで工事の手が伸びてきて、将来はあるのだろうか。ヤマハッカの生えていた辺りも工事で掘り返し、1つづつ消えていくのは寂しい。
ゲンノショウコ ニホンアカガエル


*2009年*
*10/10/2009*
台風の影響も少なく、恵みの雨をいただいた。

東谷山の麓ではヤマラッキョウの花芽が伸びてきていました。秋の風物詩であるノコンギクは探さないと見つからないほどに少なくなってしまいました。ヒヨドリバナも見られなくなり、セットで見られたウラギンスジヒョウモンやミドリヒョウモンでしたが、どこかに行ってしまっているようで、ツマグロヒョウモンしか見られないのは残念。生物多様性は大きく崩れてしまっている。モズの甲高い声で秋が深まっているのを感じるくらいです。雑木林でシラホシオナガバチを目撃。

大久手池は水位も変わらず改修の効果が出ているのだが、以前クロホシクサのあった場所は水没したまま。周りを探したのだが見つからず。イヌノヒゲ(の仲間)ばかりがはびこっている。遠浅の部分が存在せず絶滅の可能性もある。池の周りでアキアカネを確認。数は多くないがほっと一息。我が家でも見られるようになるのだろうか。里の秋はもう昔物語になってしまっている。

吉根の沢に立ち寄る。スズカアザミはたくさんの花をつけていました。めっきり少なくなった在来種のヌスビトハギは健在でした。

ニッポンイヌノヒゲ シラホシオナガバチ


*2008年*

*10/18/2008*
秋本番。しかしアキアカネの姿はほとんどない。
異常気象では済まされない。われわれの未来を暗示して、警告を発しているのでなければ良いのだが。他の地区ではどうであろうか。非常に気になります。

庄内川の土手を散策。志段味橋の近辺はきれいに草刈が済んで草が伸びてきた状態。ガードレールにはジャコウアゲハの蛹がびっしりついていました。草丈が短いので幼虫も直ぐに見つけられる。支流のワレモコウとツリガネニンジンは覇を競うように咲いていますが、笹の勢力には勝てないようです。でも健在なのはうれしい限りです。

見捨てられた畑に隣接しているヤブにあるミョウガに花が咲いていました。
ミョウガ ジャコウアゲハの蛹



*2007年*

*10/12/2007*
やっと平年気温に戻り秋本番。

最近見てないイヌハギとイヌセンブリを求めて散策。この時期ヌスビトハギやイノコズチの仲間に好かれて足元はびっしり並んでいる。キセルアザミとともに数年前から見られなくなってしまった。いずれの地も笹類がはびこってしまいそれらの環境が合わなくなってしまったのだろう。
今回も生育環境からありそうなところも見出せないくらいで絶望的。池にはギンヤンマとオオアオイトトンボ、アオイトトンボが見られた程度。いつものアサギマダラも1匹確認できただけ。笹と松だけが勢力拡大。周りは宅地造成で人と共生できる虫しか見られなくなってしまうのだろうか。
守山から尾張旭に移動したところでゲンノショウコやヤマハッカの花が見られてほっと一息。ゲンノショウコですら守山では最近お目にかかってない。

ヤマハギにウラナミシジメが盛んに吸蜜に訪れてきていました。栗の木もはじけて秋本番なのですが、新聞報道でも有ったとおりアカトンボが激減しています。暑い日が続いたので里に戻ってきてないのでしょうか。観察場所のせいもあるのですがシノノメアカネが割と見られたものの、アキアカネはわずか。今後の観察テーマになりそうです。

ゲンノショウコ アオイトトンボ


*2006年*

*10/14/2006*
野山を歩くのは気持ちが良い爽やかな季節。
今回初めてニホンリスに出会いました。東谷山を中心に野生のリスが生息しているのですが、いままでなかなか出会うことが出来ませんでした。まるまると太ったリスでした。東谷山の南に位置する松とコナラの雑木林で観察することが出来ました。リスの方が早く私に気づいて梢の方まで上っていきこちらを伺っていました。まもなく梢伝いにどこかに消えてしまいました。この季節だからこそ観察できたのでしょう。予想もしなかったのでとても感動的な出会いでした。

近くの林にあるオクモミジバハグマは今年たくさんの花をつけています。今までは葉がほとんどなくなって花は数個つければ良いほうでした。しかし直ぐ近くまで開発がされており、いつまでこの状況が続くか予断を許しません。どこもかしこもアレチヌスビトハギとイノコヅチなどで、くっつきむしの襲来を避けられないが、歩くのは楽しい。

オクモミジバハグマ ニホンリス


*2005年*

*10/30/2005*
下志段味のため池ではまだホソバリンドウが咲いていました。松のかげで条件が良かったのでしょう。桜の幼木にドロ蜂の巣がありました。赤とんぼの姿も少なく池はひっそりとしていました。

庄内川の土手は、草刈後あまり草丈も伸びずマルバルコウのかわいい花が目立っていました。アキカラマツもそこかしこで花をつけていました。河川敷のシャクチリソバは満開。カナムグラが全てを覆っていました。クコの姿も埋もれていました。ホウジロだけが元気に歌っていました。

マルバルコウ ドロ蜂の巣


*10/9/2005*
先週庄内川の河川敷で見たギンセンカは葉の形状が違っているようなので再度見に行きました。ギンセンカは通常5深裂するのですがこちらはヒルガオの葉に似ています。花は確かにギンセンカなのですが。同じフヨウの仲間なのでしょう。

久しぶりに下志段味のため池に行きました。池の周りは笹と松で覆われてしまいました。昔ここにあったというイヌセンブリの姿は全く見られず。わずかにホソバリンドウやムカゴニンジンは他の草に埋もれてはいたものの何とか生きながらえていました。自然らしいといえば聞こえは良いのですが、人もほとんど入らず放置されているためか日差しがさえぎられ下草は壊滅状態。ヒヨドリバナもすっかり少なくなりヒョウモンチョウやアサギマダラの姿もめっきり減ってしまいました。チョウも寄り付かない魅力ない場所になってしまったようです。近くの草薮でカトリヤンマがホバーリングを続けていました。
ホソバリンドウ カトリヤンマ


*10/2/2005*
秋本番。実りの秋ですがどこもアレチヌスビトハギの実でいっぱいであまり歩きたくない状況。雑木林はどこも萩が満開。

守山に少ない田んぼも稲刈りが始まっていました。ここでも大型コンバインが入っていました。ヒガンバナが目を惹く状態。庄内川の土手は草刈がすんでやっと芽が伸びた状態。河川敷では外来種のノゲイトウやギンセンカの花が見られました。昨年まであった所にネナシカズラは今年は見られず。約100m離れたところで群落を作っていました。ガガイモの花にはヒメジュウジナガカメムシが群がっていました。

ネナシカズラ ヒメジュウジナガカメムシ

*2004年*

*10/30/2004*
天気が悪いと言う予報なので前から気になっているイヌセンブリを探しに出かけました。ため池の周りは背丈の高い草がはびこっていて存在の雰囲気すらない。それにしてもカクレミノの幼木がいっぱい生えていました。下草はササクサが実を付けていました。多いので脚をかわせられない。林の中でミヤマウズラの小群落を見つけました。上志段味のものが最近見られなかったので朗報です。池畔はウメモドキの赤い実がひときわ目立っていました。

やはり雨が降り出したので庄内川の土手に出かけました。雨が降っていてもセイタカアワダチソウにツユムシが見られました。ウマノスズクサにはジャコウアゲハノ幼虫が雨の中盛んに葉を食べていました。今はホソオチョウは見られず時期の棲み分けをしているようです。

ササクサ ジャコウアゲハ幼虫


*10/23/2004*
大森にタテジマカミキリを探しに出かけました。寄生主のカクレミノやヤツデがたくさん生えており可能性は高いはずなのですが、全く見つからず。枝に噛み痕も見られず完全に空振りに終わりました。セイタカアワダチソウに混じって守山では少ないヤクシソウも咲き出し、アメリカセンダングサと黄色尽くし。アメリカセンダングサにヨツボシハムシが来ていました。

吉根のスズカアザミは林から小川沿いに勢力を拡げ花盛り。ホウオウジャクが求蜜にやってきていました。道端ではダンドボロギクの綿毛が風に揺らいで 冬を待つ風情。
スズカアザミ ヨツボシハムシ


*10/17/2004*
シロツメクサの生えている草原にオオタコゾウムシが見られました。外来種で関東や関西では1990年代には各地で報告されていました。守山でも見られるとは思いもしませんでした。外来種の繁殖力の旺盛さが目立ちます。

草原や道端ははどこもセイタカアワダチソウの黄色一色になりつつあります。庄内川の土手にあると言われているヤマハッカを随分探していたのですが見つかりませんでした。出会いは突然やってくるものでしょうか。蛭池近くの小さな土手にヤマハッカが一輪咲いているのを見かけました。ノコンギクも並んで咲いて、秋真っ盛り。

大森ではマルバフジバカマが勢力を拡げこちらも花盛り。
ヤマハッカ オオタコゾウムシ


*10/11/2004*
大久手池の周りを散策。整地中の荒地にはクルマバッタが多い。ノシメトンボも林縁で休んでいました。池の水が増えて岸辺がなくなり、クロホシクサも水没し頭だけ出しているものしか見られない。土手では時ならぬクサボケが咲いていました。北西側の土手下ではセイヨウハッカが満開。セセリチョウや蜂・アブなど様々な虫を集めていました。ヒョウモンチョウはミドリヒョウモンとツマグロヒョウモンばかりでした。

愛知用水路の周りのメドハギもほとんど花が終わっていました。先週の雨の中ではまだ咲いているものもあったのですが。しかしこのメドハギ葉が丸く小さい種で、花弁も紫色のところが多く、遠くからはまさに紫に見えます。いわゆるメドハギの変種ハイメドハギです。今日は綺麗な画像が取れなかったので先月のものを紹介しておきます。土手のワレモコウが風に揺らいでひっそりとしたたたずまい。

才井戸流れで大型のヒゲナガカワトビケラを見ることができました。
ハイメドハギ ヒゲナガカワトビケラ


*2003年*

*10/26/2003*
イガクサを探していたが見つからず。以前の湿地状の場所は笹で覆われてしまい跡形もない。ここにあったカキランもどうなったのであろうか。近くの下志段味の雑木林は大きく削られています。人為的な環境整備と自然の淘汰による環境の変化は、確実に生き物の数を減らしています。削られた雑木林の縁のヨモギにヨモギハムシが環境の変化にお構いなく子作りに励んでいました。

志段味橋下流の庄内川河川敷にあったネナシカズラは今年は大きく数を減らしたものの何とか健在。守山ではここだけなのでやれやれです。アメリカネナシカズラは小幡緑地公園や大久手池池畔などにあります。河川敷ではシャクチリソバがところどころで群落を作って真っ白になっています。橋の袂でノゲイトウが咲いていました。外来種は環境にも強い。
ノゲイトウ ヨモギハムシ


*10/18/2003*
才井戸流れの周りがきれいに草刈されて、群生しているミゾソバの花がきれい。ハナアブの仲間がいっぱいやって来ていました。シマハナアブが多いがアシブトハナアブも目立つ。あまり見られないホシメハナアブもやってきていました。スズメウリやジュズダマの実の他にアマチャヅルの花がまだ咲いていました。アマチャヅルは以前どこにでもあったのですが、最近はアレチウリやカナムグラに押されて姿があまり見られなくなっています。アカバナも茎や葉が赤くなってきました。

稲刈りもほとんど済んで田んぼのあちこちでヤマトトックリゴミムシがよく目につきます。小幡緑地公園に接している休耕田でヒメサルダヒコがびっしり生えていました。コシロネの母種とのことで茎の途中からの分岐が多い。ゴマ油の代用種として移入されたものが野外逸出したものです。まだ少し残り花をつけていました。
小幡緑地公園の湿地では草刈や整地でシラタマホシクサが激減。笹がきれいに刈られて雑草の住み心地はアップしたと思うのだが。来年はどのようになるのだろうか。コムラサキがきれいな実をつけていました。
アマチャヅル ホシメハナアブ


*10/11/2003*
秋らしくなってきましたが、今回もヒヨドリバナにミドリヒョウモンの姿がない。ツマグロヒョウモンばかりで異常です。どこに行ったのでしょうか。小幡緑地公園の中のヒヨドリバナにはセセリチョウの仲間やアブが多い。変り種はトホシオサゾウムシが口を突っ込んでいました。花に来るゾウムシは少なく、守山では初観察。よく飛んで移動していました。驚きの姿でした。
緑地公園の林縁でスズカアザミが咲いていました。守山では2ヶ所目です。近くの土手ではツリガネニンジンが咲いていました。

9月に高温が続いた結果でしょうか。遅くなった花もあります。守山では貴重なケヤマウコギが花を咲かせています。山地性の木ですが低地では珍しい。山地では7月に咲いて9月には実になっているのもあると言うのに、守山では今が花時。花のつき方も面白い。雄花が数個側生しています。

吉根の湿地にネキトンボが来て日向ぼっこをしていました。

ケヤマウコギ トホシオサゾウムシ


*10/5/2003*
虫の音が大きくなり本格的な秋の到来。
草刈が済んで野積みされた草の下では「セアカヒラタゴミムシ」やこおろぎの仲間が見られました。小幡緑地公園の朽木の下で初めて「クマスズムシ」を見ました。

東谷山では「ムカゴイラクサ」が咲いていました。すでに頂生の雌花は実になっているものが多かった。むかごはいっぱいついていました。麓の「ヤクシソウ」などは昨年より株を大幅に減らしていて環境の変化についていけないのだろうか。どこも「アレチヌスビトハギ」の群落が出来ていて、草の中に入るのは勇気がいる。そのうち外来種だらけになるのだろうか。

吉根の庄内川の土手では「メガルカヤ」が目立っています。萱葺き屋根に使われることもないので今は顧みられない。量も少ないが、教材にはなるだろう。
ムカゴイラクサ クマスズムシ


*2002年*

*10/27/2002*

秋本番なのですがここのところ週末はパッとしない天気が続いたのですがやっと快晴。しかし風が強く冬の気配。
野山は「せいたかあわだちそう」ばかり目に付く。愛知用水路にある「やまらっきょう」も咲き出しました。「われもこう」や「コスモス」がすすきの穂と一緒にゆれて北風の到来を告げていました。守山では今まで知らなかった「やくしそう」が東谷山の麓にあるのを見つけた。瀬戸にはたくさんあるが今まで散々探したが見つからなかった。守山ではどちらかというと暗い所に生えていました。

志段味橋下流では最近草刈が行われたのか、何もない。上流はわずかに草が伸びて「のあざみ」が時ならぬ花を数輪付けていました。その花に「きぼしとっくりばち」や「つまぐろひょうもん」「きたては」「ひめあかたては」がやってきていました。もう「かねたたき」や「かんたん」の虫の声は聞かれない。

 
やくしそう   きぼしとっくりばち

 

*10/20/2002*

十三夜も過ぎて秋たけなわですが、天気が悪く虫の姿も少ない。野山は黄金色に染まり最後のお化粧。「のこんぎく」や「きだちこんぎく」が花盛りです。

上志段味の「みずぎぼうし」が咲いていた湧き水の出る雑木林のもっとも奥で「おくもみじばはぐま」が咲き出しました。夏のひでりで化穂が萎れ今は花の咲いている株は3株しかありません。守山では貴重です。回りの林では「じょろうぐも」だらけ。上はクモの巣、足元は「あれちぬすびとはぎ」の実がズボンにびっしり。雑木林に入るのは勇気が要る。この時期「えなが」が集団でやってきていました。

野添川の土手では「つりがねにんじん」が咲いています。例年に比べ草刈が遅く行なわれたため草丈が低く、見栄えがしていません。ほかの草丈も低くひっそりと咲いていました。「かわらなでしこ」の姿も無く秋の感じがしない。愛知用水路にあった「いぬはぎ」の姿もない。「やまはぎ」は一杯咲いているのに、どうしたことか。草むらではちんちろりんときれいな声。やはり秋。

 
おくもみじばはぐま   じょろうぐも

 

*10/13/2002*

吉根の小さな小川では「みぞそば」や「やのねぐさ」がいっぱい咲いていました。林縁では「すずかあざみ」も咲き出しました。昨年より株が増えた感じ。薄暗い所では「のささげ」の花が1輪だけ残っていました。守山では少ない。林内はせせらぎの音以外は静かで秋の感じがしない。

下志段味の雑木林ではたくさんの「のしめとんぼ」。まだ咲いている「ひよどりばな」に「あさぎまだら」がやってきていました。他の虫もほとんど現れず成虫のシーズンは最終章の感じ。最後を締めくくるように荒地では「つちいなご」などのバッタが元気。

上志段味の湿地では「しらたまほしくさ」が終焉を迎え、「やまらっきょう」の茎が伸びてきました。「みずぎぼうし」が残り花をつけていました。

 
のささげ   のしめとんぼ

 

*10/5/2002/*

下志段味の「ひよどりばな」にいろんなひょうもんちょうが訪れていましたが10月を過ぎてひっそりとしてしまいました。「つまぐろひょうもん」と「うらぎんすじひょうもん」が来ていましたが他の姿は無し。9月に見られたものの撮影できなかった「うらぎんひょうもん」や「うらぎんすじひょうもん」は来年の宿題になってしまいました。近くでは「のしめとんぼ」や「みやまあかね」の姿。

「あれちぬすびとはぎ」や「ひかげのいのこずち」の実が一杯で雑木林には入りたくない季節になりました。上志段味の雑木林の縁で「れもんえごま」が咲いていました。先々週来た時には気がつかなかった。花が終わっている株が多く1株だけ新鮮なものがありました。名前の通りレモンの匂いがするとのことですが、かすかにそれらしき香り。所々で「やぶまめ」がたくさん花をつけていました。

 
れもんえごま   うらぎんすじひょうもん

 

*2001年*

*10/27/2001*

東谷山の麓の愛知用水路脇の草原では「あきのきりんそう」に混じって「せんぶり」が咲き始めました。近くの雑木林の尾根筋にも咲いています。「せんぶり」が咲いて今年の草花はほとんど出揃いました。大矢川の上流では、「なわしろぐみ」の花がほとんど終わっていました。花は11月と思っていたのですが花弁はすでに閉じられているものばかりでした。このままの姿で年を越えるようです。

庄内川にかかる東名高速道路の橋の袂でも「しゃくちりそば」が群生して咲いていました。近くのよもぎなどに「ねなしかずら」がびっしりと絡み付いて、いっぱい花をつけていました。上流の志段味橋を越えた所の河川敷には「やぶがらし」が一面に覆い被さっていますが、その中から「くこ」が伸びだしてきて若い茎に2輪だけ花をつけていました。

吉根では雑木林の林縁で野生化した「しゅうめいぎく」が咲いています。同じ所に「たいわんほととぎす」の花も咲いていました。最近見かけるきれいな花は園芸種の野生化した花が多く、草原の中でははっとする美しさです。

3日前の夜によこばいの仲間の「みみずく」が家に入ってきました。

 
せんぶり   みみずく

 

*10/20/2001*

どこの野山も「せいたかあわだちそう」が黄金色に染めています。愛知用水路の草むらでは「あきのきりんそう」に続いて「やまらっきょう」が咲き出しました。近くの林の中では「こうやぼうき」がひっそりと咲いています。ここの「せいたかあわだちそう」には「てんぐちょう」が数匹求蜜していました。

滝水池では「ほそばりんどう」が花をつけていました。ここのものは守山の中では最も葉が細いし、背丈が低いものが多い。花の色も薄い。守山ではほとんどが細葉であり、普通の葉のものは2株しか知りません。同じところにある「むかごにんじん」はすっかり葉を落とし、茎の葉のもとにむかごだけが残っていました。「さわひよどり」に訪れる虫も「つまぐろきちょう」と「きちょう」ぐらい、とんぼも見られるのは「おおあおいととんぼ」のみで静かなたたずまい。「ひめがま」の穂が風に吹かれて、夏の賑わいからは寂の境地。

小幡緑地の緑ケ池西側の水路ではまだ「ほていあおい」の花が残っていました。

 
やまらっきょう   ほていあおい

 

*10/14/2001*

愛知用水路の周りでは「のこんぎく」「せいたかあわだちそう」の花盛りですが、「あきのきりんそう」や「おけら」の花も咲きはじめました。近くの湿地では、「しらたまほしくさ」「いぬのひげ」や「さわしろぎく」に混じって黄色い「すいらん」が咲いて、華やいだ雰囲気になっています。「ひめあかね」や「あきあかね」少数の「まいこあかね」が方々の枝先に止まって、ゆく秋を楽しんでいるようです。

安田池の池畔では、「ほそばりんどう」が咲き始めました。他に「やなぎたで」や「やのねぐさ」が一杯花をつけていました。ここでは多くの「おおあおいととんぼ」が見られます。池までの道端はびっしりと「せいたかあわだちそう」が並んでいて、「あさぎまだら」が吸蜜していました。南に帰る時期が過ぎていて乗り遅れないか心配です。

野添川は水量が多く、対岸の土手に上がれない。庄内川内側の土手では、草刈が行われていて草丈30cm程しかない。それでも「つりがねにんじん」は少ない花をつけていました。ここには「なんてんはぎ」の株がたくさん見られこんなに多いとは驚きでした。中に明らかに細葉の株があり来年花を見たいものです。河川敷の中は「くず」でびっしり。所々で「しゃくちりそば」の白い花がじゅうたんのように咲き誇っているがとても寄り付けない。「ひめあかたては」が数匹日向ぼっこをしていました。

 
ほそばりんどう   あさぎまだら

 

*10/7/2001*

上志段味の溜め池では「あぜとうがらし」の実が唐辛子らしくなってきました。土手では「ねきとんぼ」が日向ぼっこをしていました。

上志段味の溜め池や道端ではどこも草刈が行き届いています。「いぬはぎ」も刈られて姿もなし。蛭池の近くのやぶの道端に群生している「いもかたばみ」の花もまばらになってしまいました。林下で紅いじゅうたんを敷き詰めたように咲いていたのですが。蛭池では池の水抜きが行われているのでしょうか、水がわずかになってしまいました。魚影がよくわかります。「かわせみ」もおこぼれに預かっているようでどこからともなく現れてダイビングをしていました。

草刈を幸いとばかり9月は「なんばんぎせる」を探していたのですが、見つからず諦めていました。たまたま中志段味の空き地で虫を探していて偶然見つけることが出来ました。すでに咲き終えた花も多いのですが何とか撮影することが出来ました。

「なんばんぎせる」以外でも9月から「うめばちそう」や「みずぎく」を探していたのですが、結局守山では見つかりません。昔生えていたところにも無く、すでに絶滅したと考えられます。とは言うものの今回「くるまばな」を愛知用水路の土手で見つけることが出来ました。何回も訪れている所にありました。今まで気がつかなかったので「うめばちそう」等もどこかで咲いているのかも知れませんが。「くるまばな」は1輪だけまだ花をつけていました。

 
なんばんぎせる   くるまばな

 

2000年

*10/21/2000*

東谷山山麓ではやっとやまらっきょうが色づいてきたがまだ咲きかけの状態。湿地ではおおあおいととんぼが名残の秋を楽しんでいた。
林の中で「てんぐちょう」が蛾のような飛び方をしていたが、カメラをむけたとたん奥の林にもぐられてしまった。守山でも健在な姿を確認できた。
かんたんを探しに野添川と庄内川合流点に向かう。増水により下草がなぎ倒されたままの影響か声も聞こえず。野添川右岸の土手でつりがねにんじんが満開。その中に混じってかわらなでしこがまだ咲いていた。ここは庄内川のように草刈がされてないので遅くまで花を見ることが出きる。
こまつなぎは実をつけたさやが開いて種子をすでに飛ばしていた。

 

*10/15/2000*

秋の空と何とかやらは・・・昨日の晴天がうそのよう。
才井戸流の上空でとびが輪を描いて、何回も”ぴーひょろろろろ”と鳴いていた。
緑ケ池の回りなどで「あきのきりんそう」や「やぶたばこ」がひっそりと花を付けていた。植栽のさいかちの実も黄色く色づいて良い香りをまきちらしていた。
湿地ではすいらんとさわひよどり、さわしろぎくの共演。
水辺ではみぞそばが満開。湿地にも入りこんでいた。赤色が多いが白色も混生。近くで春の花のにがなやこうぞりなが秋の花をつけていた。
まめなしも数輪狂い咲きの花をつけていた。

 

*10/9/2000*

雨上がりのせいか、黄金色がいっそう鮮やか。たんぼの稲穂やせいたかあわだちそうのほかにも黄色の花はよく目立つ。湿地ではすいらんがしらたまほしくさの白の中で鮮やかに咲いている。まだつぼみが多く、これから十分楽しめそうである。
りんどうも花をつけていたが、やせ細った個体で花は一輪のみ。
東谷山山ろくではあきのきりんそうが林の縁を彩っている。他にがんくびそうやおけらも競艶。
林の中からゆったりとあさぎまだらが現れたもののすぐに林の中に消えた。今年は見られないかと思ったが、やっと見ることが出来た。
草むらで招かざるお客のやまかがしに出会った。へびの仲間では大変きれいな配色である。方々でマムシ注意の看板があるが、幸にも今年もまむしには出会わなかった。
蛇も自然の中では重要な構成員である。それだけ守山の自然がまだ豊かということか。

 

*10/1/2000*

天気になったものの風が少しあり。そのせいかひよどりばなには、「みどりひょうもん」しかおとずれていない。ひよどりじょうごがまだ花をつけていた。すでに丸い大きな青い実もつけていた。
いたるところでのこんぎくが満開になってきた。
野添川ではヒマラヤ原産のしゃくちりそばが群落をなしていた。栽培品が野生化したものでいま満開である。土手にはあきののげしやあれちうり、いぬこうじゅなどが花をつけていた。
同じキク科の帰化植物きだちこんぎくもあちこちで花が咲きはじめている。
緑地公園は蝶の姿も少なく静かであった。大池で再びかわせみに出会い、ダイビングを目撃。