信州の蕎麦と酒と温泉の旅(1月21日〜22日)

1月21日(日)

 友人Tの車で、毎年恒例の信州の蕎麦と酒と温泉の旅に出かける。午前8時頃に出発。東京は前日降った雪が残っていて、道中の道路の凍結など心配なところだったが、関越道、長野道と積雪、凍結もなく快調に車を飛ばすことができた。上空は、前日の雪が嘘のように晴れわたっている。冬型もそれほど強くはなく、上越、信州の山沿いだけ雪が降っているという感じだ。
 10時半頃には、最初の立ち寄りポイント、東部町の「湯楽里館」と「オラホの地ビール・レストラン」に到着。レストランは午前11時からの営業だったので、最初に「湯楽里館」の温泉につかる。日曜日のためか、午前中から混雑している様子で、下駄箱はけっこういっぱいになっている。ただ浴室内へ入ると、広々としているせいか、それほど人が多いとは感じなかった。広い内湯舟と露天風呂に入って、身体をほぐす。露天風呂は、時折り冷たい風が吹きつけ、寒かった。
 
オラホの地ビール・レストランと飲んだビール(ケルシュとゴールデンエール)

 温泉から上がると、ちょうど11時を過ぎ、お隣の地ビール・レストランがオープンしている。窓際で雪景色を眺めながら、オラホ・ビールを味わう。私は、インディアン・ペール・エール、ゴールデン・エール、ケルシュの3種類を飲む。やはりゴールデン・エールが、香り、苦味など味のバランスがとれていて、最もおいしかった。昨年末、瓶詰めビールで飲んだゴールデン・エールの妙な香りの強さはまったくない。また、インディアン・ペール・エールとケルシュもフレッシュで、地ビールは現地で飲むものだとあらためて実感した。
 東部町を後にして、上田へ。今回は「刀屋」ではなく、「おお西」という蕎麦屋を初めて訪れた。上田市内の国道18号線沿いにあって、古い母屋をそのまま店とした感じである。玄関で靴を脱いで上がると、広い座敷に大きな座卓がいくつか並べられている。ゆったりと落ち着ける店である。一番粉、二番粉、三番粉の「三種もり」(1600円)を食べる。東京だと、さらしな、せいろ、田舎の三色もりといったところだろうか。それぞれの蕎麦粉の特徴が出ていて、おいしいソバだった。今後も通ってみたい店である。
 蕎麦処「おお西」の「三種もり」

 次は、天法酒造のある戸倉町を目指す。これで3回目の訪問だが、初めて道に迷うわずたどり着くことができた。しかし、日曜日のためか、正面入口の扉が閉まっている。道路脇の蔵の作業場に人がいたので声を掛けると、くぐり戸の扉を開けてくれた。今晩飲むつもりで、天法しぼりたて生原酒の一升瓶を購入する。対応してくれた若い蔵人は、われわれが去年も来たことを覚えていたようである。「ちょうど、今日しぼった吟醸があるので」と言って、蔵からしぼりたての酒を利き猪口に一杯、持って来てくれた。中取りのところとのことで、なんともフレッシュで香り高く、久々に感動的な味わいだった。帰りがけに、作業中の杜氏・瀬川博忠さんの姿が見えたので、一言挨拶をして、天法の蔵を離れる。

 あとは今晩の宿泊地、小谷温泉へ向かうだけだった。地図を見ながら長野・白馬間の通称オリンピック道路へ出る。オリンピック道路を走っていると、道路のまわりの積雪がしだいに増して来る。白馬側へ抜けると、完全に雪国の景色。道路の両脇には、除雪した雪がうずたかく積まれ、雪の壁ができている。雪もちらちらと降り出した。スーパーのジャスコに立ち寄り、今晩の酒の肴を仕入れる。
 南小谷の先で、小谷温泉方面に向かう道へ入る。いくつかの村落を抜け、10キロ余り走ったところが小谷温泉である。山間に入るにしたがって、ますます雪深くなっていったが、道路は除雪が施されていたので、さほど難儀ではなかった。小谷温泉の大湯元・山田旅館には、思っていたより早く、午後4時半頃に到着した。この山田旅館へは、昨年の5月にも来ているのだが、豪雪に囲まれた宿のまわりの景色はまるで異なる様相、まさに雪に埋もれる秘湯の宿である。宿の庭には、屋根から下ろした雪を溶かす温泉池も掘られていた。

 この日案内された部屋は、江戸時代に建築された旧館の2階。太く黒光りする柱や古い調度品が歴史を感じさせる。10畳以上ある広い部屋なのでゆったりとくつろげるが、石油ストーブひとつではなかなか室内が暖まらず、炬燵に入っていないと寒かった。そこで早速、温泉につかって温まることにする。430年前から裏山で湧き続ける源泉を引いた内湯につかる。誰も入っていなかったので、のんびり湯浴みを楽しむことができた。
 5時過ぎに早くも夕食。宿泊客が少ないので、大広間ではなく、厨房と隣り合わせの食堂に食事が用意されていた。冬のオフシーズンのためか、昨年にくらべると控えめな料理内容だった。夕食後は、部屋へ戻り、先に買い込んだ「天法しぼりたて」の一升瓶を二人で飲む。おいしいお酒であるが、私の胃腸の具合があまりよくなく、結局、一升瓶を空にすることはできなかった。11時過ぎに、再び温泉につかってから寝る。

1月22日(月)

 翌朝は7時頃に起きて、朝風呂に入る。外は、昨夜は一度やんでいた雪が再び降りだしていた。7時半過ぎに、前日と同じ食堂で朝食。どうも最近たまっていた疲れがどっと出てきたのか、身体がとてもけだるく、食後はしばらく炬燵で寝転がっていた。時間があれば、こういう秘湯で1週間ぐらいのんびりしてみたいものである。
 
山田旅館(旧館)1階の居間(左)、雪に囲まれる山田旅館(右)

 午前10時過ぎに山田旅館を出発する。出発前に、旅館に隣接する「山田資料館」を見学する。小谷温泉と小谷村にまつわる民具や貴重な古文書などが保存されている。
 帰りは、白馬からまっすぐ安曇野を抜けて、松本へ向かう。雪はそれほど激しくはなかったが、信濃大町を過ぎるあたりまで降ったり、やんだりした。松本の手前で、安曇野ビール直営の地ビールレストランに立ち寄る。レストランは、安曇野ワイナリーと同じ敷地内にあって、同じ企業が運営しているようである。
地ビール醸造所直結の「レストラン安曇野」
 ちょうどお昼時だったが、レストラン内は閑散としていて、われわれの他には誰もお客はいなかった。交通が便利とはいえない場所にあるだけに、冬期の平日に店を開けるのも、あまり効率的とは思えない。まあ、開いていたおかげで、地ビールを味わうことができてありがたいのだが。私は、1杯目にヴァイツェン、2杯目にシーズンビールであるマイルドエールを飲む。ヴァイツェンは、バナナの香り高くまずまずだが、もう少し甘味があったほうが私の好みだ。マイルドエールは、いかにもイギリスのパブで出てきそうな、発泡感のあまりない、まろやかな味わいのビールである。つまみには、「手造りコロッケ」と「山賊焼き」を食べる。山賊焼きは、鳥の唐揚げの大きなもので、とてもボリュームがあった。食後、レストラン隣の売店で、この日は飲まなかったピルスナー、ドゥンケル、ペールエールの瓶ビール3本セットを購入する。

 安曇野から松本市内へ車を走らせ、蕎麦処「深志門」を目指す。松本の市街地も再開発で、だいぶ様変わりした感じだ。蕎麦処「深志門」は、残念ながら休みのようだったので、別の店を探す。郊外に「小沢そば」という大きな水車のある店を走行中の道路沿いに見つけたので入ってみる。「ざるそば」の大盛りを注文したところ、三段重ねで供され、かなりのボリュームだった。石挽きの手打ち蕎麦なので味はまずまずだったが、水切りが悪く、今ひとつインパクトに欠けるソバだった。
 
 その後は、中央自動車道を順調に進み、帰路に着く。途中、諏訪のサービスエリアと双葉のサービスエリアに立ち寄る。諏訪湖が珍しく凍っていたのと、双葉からの富士山の風景が印象的だった。
 自宅へは午後5時過ぎに帰宅することができた。

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