3月4日(日) 信州日帰りの旅

 長野県小県郡丸子町の真田六文銭の酒蔵(山三酒造)で、この日から酒の搾りが始まるというので、しぼりたての生原酒の仕入れを兼ねて、Tの車で再び信州へ日帰りの旅に出かける。
 午前9時頃に出発。この日は、全国的に大荒れの天気模様との予報だったが、東京を出発する時から、激しい雨が降っていた。関越道から信越道に入っても雨は降り止まず、横川のサービスエリアに着く頃には、みぞれから雪に変わるという天候だった。横川のサービスエリアを出て少し行くと、路面にも積雪があり、本格的な雪模様となった。その上、前方での事故発生により通行止、碓氷軽井沢のインターで降りる羽目になってしまった。一般道の雪道を軽井沢へ抜けたため、予定していたお昼に酒蔵へ到着することは不可能となった。仕方なく、予定を変更して、先に上田の蕎麦屋「おお西」でソバを食べることにした。

 上田に着いたのは、すでに午後1時近く。蕎麦処「おお西」は、上田の旧市街地へ店が移転していて、ちょうど3月2日に開店したばかりだった。店の前には「祝開店」の花束が飾られている。新しい店といっても、古い商家を改修して使っているようなので、以前と同じく、ゆったりと落ち着いた雰囲気は変わっていない。私は「三種もり」を食べる。値段も味も今年の1月に食べた時と変わっていない。一番粉(更科)、二番粉(挽きぐるみ)、三番粉(田舎)の特徴が賞味できるおいしいソバである。

「亀齢」醸造元の岡崎酒造

 昼食後、すぐ近くにある「亀齢」という銘柄の酒を造っている岡崎酒造に立ち寄る。今年の「しぼりたて生酒」の4合瓶を1本購入する。上田から、丸子町を目指す。天気は再び雨に変わっていた。
 今回の旅の最大の目的地である、真田六文銭の山三酒造へは午後2時頃に到着。しぼりたての生原酒とオリ入りの原酒がすでに瓶詰めされ用意されていた。それぞれを1本づつ購入する。一般には買うことのできない、正真正銘この日搾ったばかりの貴重な酒である。こうした日本酒を入手できるのも、数年来、ほぼ毎年通っているおかげ。蔵元の女将さんはわれわれのことを憶えていてくれて、しばらく世間話をしていた。11歳になるという老犬も同じく憶えていたのか、奥から店先へ出てきた。

 次は、別所温泉へ。このルートは以前から何度も走っている定番のコースである。公衆浴場の一つである「大湯」へ。入浴料が150円になっていた。その昔は50円、前回来た時は100円だったような気がする。いずれにしても安いことに変わりはないのだが。透明の硫化水素泉で、硫黄の香りが温泉らしくてよいお湯だ。広くはないが、露天風呂もある。別所の「石湯」、「大師湯」、「大湯」の3つ公衆浴場のなかでは、ここ大湯が一番気に入っている。

霊泉寺温泉の公衆浴場の入口

 別所温泉を出発したあたりから、天候は急速に回復してきて、青空が広がり始めた。次の目的地、霊泉寺温泉に到着する頃には、ほとんど快晴といった状態だった。霊泉寺温泉は、山間の静かな湯治場の雰囲気が漂っている。午前中に降ったと思われる雪がけっこう残っているのも、風情があってよい。
 公衆浴場の入浴料は、別所より安い100円だった。一見みすぼらしい建物だが、浴室は広く、湯舟も大きい。泉質はクセのないアルカリ性単純泉だが、なめらかなお湯で気持ちがよい。脱衣場にいた地元の人の話によると、この建物のすぐ裏で温泉は湧いていて、加熱していないとのこと。なるほど掲げてある温泉成分表にも源泉45度と記載されている。一般の旅館で使われている温泉は、源泉が異なり、加熱しているという。いずれにしても、再び訪れてみたい温泉場である。

 霊泉寺温泉をを出発したのは、午後4時過ぎ。最後に東部町のオラホ・ビールで1杯飲んでから帰ることにした。日曜日ということで、温泉の湯楽里館のほうはかなり混雑している様子である。われわれは、地ビールレストランのほうへ。こちらは、お客もまばらだ。
 ゴールデンエール、アンバーエール、ケルシュの3種類のビールを飲み、豚バラ肉の胡椒煮、牛肉のビール煮、ブルスケッタなどを食べる。ゴールデンエールとアンバーエールは、相変わらずよい味わいにできている。
   
オラホ・ビールのサーバー(左)、ゴールデンエール(中央)、豚バラ肉の胡椒煮(右)

 オラホ・ビールを午後6時頃に出発、帰途に着く。途中、碓氷バイパス沿いの横川「おぎのや」に立ち寄り、釜めしを購入。帰宅後、真田六文銭の生原酒とともに、夕食として食べた。自宅に着いたのは、午後8時半頃だった。

目次へ戻る

COPYRIGHT 2001 H.NAKAJO