信州の蕎麦と酒と温泉の旅 2002(1月14日〜15日)

1月14日(月)

オラホビールのゴールデン
エール(左)とケルシュ(右)

 友人Tの車で、今年も恒例の信州の蕎麦と酒と温泉の旅に出かける。今回は、奉行所の代官も参加し、3人の道中となる。午前9時に南武線の谷保駅に代官を迎えに行き、出発。天候は、冬型の気圧配置もゆるみ、空は晴れわたり、春のような暖かい日が差している。遠くの信州や上越の山々は、霞がかかっていてよく見えない。
 関越道、長野道と渋滞もなく、順調に走行。甘楽のサービスエリアで少し休んだ他は、どこへも立ち寄らず、そのまま最初の目的地、東部町の「湯楽里館」と「オラホの地ビール・レストラン」へ。11時半頃に到着。今年は周辺の積雪も少ない。
 まず、オラホの地ビールレストランへ。私は、ケルシュとスタウトの2種類のビールを飲む。ケルシュは造りが変わったとのことで、以前より、やや味わいが濃くなった感じである。スペシャルビールのスタウトは、かなり焙煎味が濃厚で、とても苦い。もう少し甘味があったほうがバランスよく、おいしいと思った。料理のほうは、ソーセージ盛り合わせやコロッケなどを軽く肴にした。

オラホの地ビール・レストラン入口脇の壁 「湯楽里館」の温泉、浴室への入口

 食後は、「湯楽里館」の温泉へ。祝日なので、入口の下駄箱はあふれるほどになってる。しかし、浴場が比較的広いのと、昼食時で休憩者が多いためか、浴室内はそれほど混雑していなかった。露天風呂にもゆっくりとつかることができた。日頃の身体の痛みが少しやわらいだ感じだ。入浴後は、巨峰アイスを食べて、身体の火照りををさました。

上田の蕎麦処「刀屋」のソバを食べる

 「湯楽里館」を出発したのは午後1時過ぎ。次は、上田の蕎麦処「刀屋」へ。もうお昼時をけっこう過ぎていたが、相変わらずの混雑。狭い店内の一角のテーブル席でソバを食べる。3人とも普通の「もり」(600円)を食べる。ボリュームも相変わらずで、かなりお腹がきつくなった。
 上田から、今度は丸子町の山三酒造へ。予約しておいた「真田六文銭・しぼりたて純米生酒」を購入する。
 お土産に「酒粕」や「自家製巨峰ワイン」をもらってしまった。

天法酒造の正門は閉められていた

 次に戸倉町の天法酒造を目指したが、これがよくなかった。戸倉町までは順調にたどり着いたものの、天法酒造のまわりは、道路工事中の看板だらけ。なかなか酒蔵には到着せず、危うく道に迷いそうになった。そしてようやく着いた天法酒造は、祝日のため、まるで人気がない。声をかけても、誰も現れないので、酒の購入をあきらめて、立ち去ることにした。
 あとは、一路松代へ。途中、松代市内のスーパーで、夜の酒宴の肴を調達してから、松代温泉へ。
 長野オリンピックの時にリニュアルした国民宿舎「松代荘」には、午後5時頃に到着。
 新しく建替えられてから初めて訪れたが、ロビーからして立派になっているので驚いた。敷地を広く使った、中庭のある平屋建てで、旧松代荘を知っている者には、信じられない改築である。

改築された「松代荘」のエントランス・ロビー

 客室に案内され、客室の設備のよさにも驚いた。トイレ、冷蔵庫、テレビなどが完備されていて、ほぼ普通の旅館並みである。
 夕食前に、一風呂浴びに行く。日帰り入浴の営業もしているので、しばらくは混雑していたが、私が湯から上がる頃には、けっこう空いてきていた。
 浴場の場所が変わり、湯舟がやや小さくなった感じもするが、新たに露天風呂ができて、やはり立派になった。湯量は相変わらず豊富で、以前と同じ茶褐色の濁ったお湯、含鉄ナトリウム・カルシウム・塩化物泉である。珍しい泉質の温泉だが、インパクトがあって、なかなかよいお湯だと思う。

「松代荘」の夕食と部屋で飲んだ「真田六文銭しぼりたて」

 午後6時に、食堂で夕食。刺身、とろろ汁、野菜の煮物、白身魚のホイル焼き、カニや魚の天ぷら、きつねソバなど、料理も旅館並みに品数が増えていて、味もまあまあだった。ビールを飲みながらの食事で、再び腹いっぱいになった。
 部屋へ戻ると、すでに布団が敷いてあった。国民宿舎では、自分で布団を敷くのがあたりまえだと思っていたのに。
 しばらくして、昼間購入した「真田六文銭しぼりたて」を飲む宴会を始める。毎年味が違うので楽しみな酒だが、今年は生酒らしい酸味が心地よく、フレッシュで飲みやすい。3人ということもあって、一升瓶は比較的楽に空いてしまった。これでやめておけばよかったのだが、結局お土産にもらった巨峰ワイン半升瓶も追加で飲んでしまい、かなり酔っぱらってしまった。

 最後は夜中の12時頃まで飲んでいただろうか。風呂に入れるのは10時までだったので、飲んでる合間に交代で入浴することになった。われわれのような呑み助が、事故を起こさないようにとの配慮なのだろう。

1月15日(火)

翌朝、出発時の国民宿舎「松代荘」

 翌朝は、7時頃に起きて、朝風呂に入る。前日の酒が身体から抜けきれず、けだるかったが、午前8時に朝食を食べに食堂へ。
 朝食はなんとバイキング形式。基本的には和食のバイキングだが、パンやコーヒーなど洋風の朝食も用意されている。私は、あまり食欲がなかったので、豆腐、塩シャケ、海苔、玉子などをオカズに軽めに済ました。
 午前9時頃に、宿をチェックアウト。一泊8000円余りで、十分満足できる内容の宿泊だった。

 国民宿舎「松代荘」を離れ、昨日来た道を逆にたどり、戸倉町へ。昨日購入できなかった酒を買いに、天法酒造を再度訪問する。この日は蔵人も事務所員もいて、念願の「しぼりたて生原酒」と「しぼりたて生酒」を購入することができた。
 戸倉町からは、一般道を姨捨方面へ進む。しだいに積雪のある峠道となる。途中、千曲川を眼下に望む展望台へ立ち寄る。少し霞がかかっているが、長野盆地を一望に見渡すことができる。麻績、坂北を抜けて、松本市内へ抜けたが、山道が続き、時間がかかった。昼食場所の安曇野ビールのレストランへ着いたのは12時を過ぎていた。

姨捨近辺から望む長野盆地


安曇野ビールのレストランのビアサーバー

 この地ビールレストランを訪れるのは、昨年に続いて2度目だが、今回も店内は閑散としていて、しばらくの間はわれわれ以外にお客は誰もいなかった。場所柄、冬季の営業も難しそうだが、わざわざ地ビールを飲みに来た者にはありがたい。
 昼食ということで、私は「豚肉の地ビール煮」とライスを注文。厚切りチャーシューのような豚肉は、ボリュームたっぷり、柔らかくて味もなかなかよかった。ビールのほうは、1杯目にヴァイツェン、2杯目にシーズンビールのポーターを飲む。ヴァイツェンは、もう少し甘みと清涼感がほしいところ。ポーターは、色が薄くアンバーエールのようだが、芳しい香りが立ち、フレッシュな味わいだった。
 外へ出ると、天気が崩れはじめ、かなり本格的な雨が降っている。雨の中を、松本インターから高速に乗り、岡谷インターで降りる。下諏訪温泉へ。諏訪大社近くの「遊泉ハウス児湯」という共同浴場へ。打たせ湯や露天風呂などがあって、なかなか設備は充実している。200円という格安料金で入浴できるのもうれしい。泉質はナトリウム・塩化物泉のようで、無色透明、かなり熱いお湯である。内湯は長時間入っていられないので、主に露天風呂にのんびりとつかっていた。
 このあたりの下諏訪の温泉街は、昔の街道の面影が残っていて、大規模旅館の多い上諏訪温泉より風情があってよい。一度ゆっくりと散策してみたい場所である。
 下諏訪温泉からは、国道を上諏訪方面へ進み、諏訪インターから中央高速道路に入り、一気に東京へ帰ってきた。途中渋滞もなく、午後6時頃に、出発地点の谷保駅へ戻ってきた。

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