信州と上越の旅(2001年11月19日〜22日)

11月19日(月)

蕎麦処「元屋」 善光寺資料館のある塔 善光寺本堂

 高尾6:15発の鈍行列車で出発。天気がよく、紅葉盛りの山々の背景に青空が広がる。まだ冠雪のほとんどない甲斐駒や八ヶ岳も、車窓から美しく望むことができた。いつものように、岡谷で長野行きの快速に乗り換え、長野10:44着。
 けっこう冷たい風の中を、長野駅から善光寺方面へ。蕎麦処「元屋」で、「大もり」(800円)を食べて昼食とする。
 食後、善光寺へ。今回は内陣を拝観する。戒壇めぐりは、本当に真っ暗闇の中で、金具を探りあて、仏縁を結ぶもの。物を落としたら、見つけ出すことができない暗さである。その他、資料館や経蔵も拝観した。
 酒屋や東急百貨店に立ち寄ってから、長野駅へ。長野13:51発の飯山線の列車で、伯父の家のある信濃平を目指す。午後3時少し前に、飯山市常磐の伯父の家に到着。

信濃平の晩秋風景 戸狩温泉・暁の湯

 少し休んでから、伯父と車で戸狩温泉・暁の湯へ。誰も入浴しておらず、ゆったりと温泉に浸かった。泉質は、41℃のナトリウム単純泉で、無味無臭、やや黒っぽいコーヒー色のお湯である。入浴後は、ポカポカと身体が温まった。
 帰ってきて、伯父や親戚が集まり、いつものように宴会となった。今年の秋の新蕎麦粉で打った、富倉そばも味わった。ツルツルとした食感、シャキッとしたコシは、新ソバらしくおいしかった。

11月20日(火)

 午後1時頃に、伯父の家を出発。飯山線の戸狩野沢温泉駅まで車で送ってもらう。戸狩野沢温泉13:22発の列車に乗車。ポカポカ陽気の小春日和の中、飯山線のディーゼル列車は、ゆっくりと千曲川沿いに進んでゆく。十日町14:38着。
 北越急行、十日町15;00発、まつだい15:09着。松之山温泉行きのバスの連絡が悪く、16:22発までない。まつだい駅舎と一体になった町のコミュニティ施設「ふるさと会館」の中をブラついたり、すぐ近くの小規模な人通りのない寂しい商店街を散策したりして、時間をつぶす。
 待ちに待って、ようやく松之山温泉行きのバスに乗り込む。バスは山中を尾根づたいに、いくつかの集落を抜けながら走る。30分ほど乗って、松之山温泉入口のバス停で下車。そこから、今晩の宿「凌雲閣」まで歩く。宿に着いたのは、日も暮れかかり、午後5時頃だった。

松之山温泉「凌雲閣」 凌雲閣旧館の廊下 凌雲閣新館の浴場

 凌雲閣は、昭和初期建造の木造3階建ての旅館。松之山温泉街からは少し離れて、独立した形になっている。現在は、鉄筋コンクリート建ての新館が増築されている。旧館2階の部屋に案内される。エレベーターが設置されていて、びっくりした。
 すぐに新館の浴場へ。泉質は、含ホウ酸塩化土類食塩泉、源泉98℃の湯を調節して使っているが、それでもかなり熱い。薄緑色にやや濁っている。温泉らしいよい温泉である。
 午後6時に、新館の大広間で夕食。ナラ茸ワサビ和え、キノコの白和え、マタタビの実塩漬け、サルナシのゼリーなど珍しい料理も出て、ボリュームたっぷりだった。ただ、刺身と天ぷらは余計な感じ、ご飯も炊き方のせいかあまりおいしくなかった。
 食後は、部屋でテレビを見たりして、のんびりと過ごす。午後10時頃に風呂へ行き、温まってから寝る。

11月21日(水)

 午前6時30分頃に、朝風呂へ。8時頃に、新館のラウンジで朝食。湯豆腐や温泉玉子など。
 午前9時にチェックアウト。他の宿泊客と一緒に、旅館のマイクロ車に乗せてもらい、まつだい駅まで送ってもらう。
 まつだい9:57発の北越急行の列車に乗車。六日町10:22着。十日町から先もトンネルばかりで、ほとんど車窓からの風景を楽しむことはできなかった。トンネル内の駅もあった。

六日町の田園地帯から見る八海山

 六日町駅の観光案内所で、八海山泉ビール苑の場所を確認する。けっこう駅からは遠い。山口という所へ行く路線バスが、10:50にあるというので、駅前のバス停でしばらく待つ。定刻にバスが来て乗車、下原・三夜塔というバス停で下車。さらに15分ほど歩いた。空は青く晴れわたり、雪を頂く八海山が美しい。小春日和の中、のどかな晩秋の田園地帯をのんびり歩くのは気持ちがよい。
 お昼少し前に、八海山泉ビール苑へ到着。なかなか瀟洒な建物で、ウッディなレストラン内は山の山荘風。

 地ビールのお試しセット(170mlで3種)を注文。ヴァイツェンは、フルーティーでほのかな甘味、すっきりとした造りでもう少し濃醇なほうが私の好みである。ピルスナーは、ホップが利いていて、すっきりしたキレイな味わい、もう少しコクがほしい。アルトは、ロースト風味が心地よく、コクもあっておいしい。
 料理は、地元産泉のスモークド・トラウトと地元産もち豚醤油煮を食べる。いずれも特筆すべきほどの味ではなかった。それより、お通しに付いてきたピリ辛の自家製味噌豆がおいしかった。アルトだけもう一杯飲む。
 バスに乗る時刻まで間があったので、しばらく付近の川原を散策したりしてから、先ほど歩いて来た道を戻りバス停へ。再び路線バスで六日町の駅に戻ってきたのは午後2時過ぎだった。

八海山泉ビール苑 左からアルト・ピルスナー
・ヴァイツェン

 六日町から上越線の鈍行に乗り込み、長岡で列車を乗り継ぎ新潟へ。南口の新潟パークホテルへチェックイン。
 久々に、夜の新潟の街を徘徊する。万代橋を渡って古町のほうまで行ったが、以前よく訪れた寿司屋はなくなっていた。古町全体が、どことなく寂れてしまった印象を受ける。空腹だったので「山文」という蕎麦屋に入って、「きわみそば」というせいろソバを食べたが、香りがなくがっかりする味だった。
 再び、新潟駅付近の飲食店街に戻り、「柊」という居酒屋へ。それほど広くない店内はほぼ満席、かろうじてカウンターに一席を見つけた。新潟県内の高野酒造の「柳都」という日本酒を最初に熱燗で一合飲む。吟醸香がする良質な酒だったので、あと二合は冷酒で飲む。酒の肴は、ブリ刺し、カキ酢、エビしんじょう、のっぺいなどを食べる。甘エビを卵黄でつないだエビしんじょうは、ふわっとしてとてもおいしかった。なかなか腕のよい大将と働き者の女将さんの二人でやっている感じのよい店だった。

11月22日(木)

 午前8時過ぎにホテルをチェックアウト。新潟から、鈍行列車を乗り継ぎ、東京方面へ帰ってくる。高崎で途中下車した他は、ほとんど寄り道せずに戻ってきた。高崎の駅ビル内の「おぎのや」で、麦きりの定食を食べ、昼食とした。

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