静岡の旅(2000年5月27日〜28日)



5月27日(土)

 旧友Tの車に同乗して、毎年恒例の、静岡へ生シラスと桜エビを食べに行く旅。午前9時頃に出発。天候はしだいに雨模様との天気予報だったが、とりあえず出発時は薄日の差す曇り空だった。小田原厚木道路を通って、箱根の山を上るところで、ポツリポツリと雨が降り始める。多くの観光客で賑わう箱根湯元をぬけて、宮ノ下の温泉街で下車。共同浴場で、一風呂浴びることにする。

 宮ノ下の温泉自治会が運営する公衆浴場。200円で入浴できる。こじんまりした浴室が男女2か所づつ。われわれが入った浴室は、開け放たれた窓から緑の山々の景色を望むことができて開放感がある。お湯は、なめらかなナトリウム泉で、無色無臭である。すいていたので、のんびりとくつろぐことができた。

 箱根の芦ノ湖畔まで、箱根駅伝コースをたどる。三島方面へ下りはじめると、周りは濃い霧につつまれた。慎重な運転で箱根山を下っていった。山の麓では霧が晴れたが、今度は本格的な雨が降り始める。国道1号線を通って、由比の町へ。磯料理「倉沢屋」へ着いたのが午後2時ごろ。昼時をはずしたので、予約なしで入ることができた。1階の座敷に案内される。ここの店は崖ふちに張り出して建てられていて、窓の下には東海道本線、国道1号線、東名高速道路が並んで走り、その向こうは駿河湾というロケーション。

 空腹に、ビールを飲みながら待つことしばし。私の注文した「桜海老のかき揚げ丼」(1500円)が運ばれて来た。桜エビだけをたっぷり使った、かりっと揚がったかき揚げは、食感と風味がすばらしくて満足。あっという間に食べ終えてしまった。一つだけ残念だったのは、悪天候でこの日のシラス漁がなく、生シラスを食べることができなかったことである。

    「倉沢屋」のかき揚げ丼


 この後、同じ由比の町にある「桜えび茶屋」へ行ってみる。その名のとおり、桜エビを使った土産物を販売しているのだが、この一角に「倉沢屋出店」があって、手打ちそば、手打ちうどんとともに、桜エビのかき揚げを楽しむことができる。乾物の土産物をいくつか購入した後、この出店でせいろそばとかき揚げを味わう。「せいろ」は喉ごしはよいが、あまり風味のないソバだった。

 桜エビのハシゴで満腹になって、この日の宿泊地、静岡へ向かう。静岡市内では、まず「ヴィノスやまざき」に立ち寄り、ワインと日本酒を購入する。その後、静岡駅周辺で宿をさがし、静岡オレンジホテルにチェック・インする。


 午後6時ごろ、雨の中を、夜の静岡の街へと繰り出す。1軒目は、毎年通っている「のみくいや・でん」へ。いつものとおり、焼津の銘酒「磯自慢」の本醸造、吟醸、純米吟醸と3種類を味わい、生シラス、生桜エビ、黒ハンペンなど地の肴を楽しむ。あらためて磯自慢の旨さと生シラスとの相性のよさを感じた。
生シラスと生桜エビ

 2軒目は、古くからある感じの居酒屋「たかの」へ。古びた大きな壁時計やレトロなビールのポスターなど、しっとりと落ち着いた雰囲気のただよう店内。地元客で賑わっている。座敷に案内され、ゆっくりと腰を落ち着けて飲む。黒生ビールと静岡の酒「萩錦」の燗酒。酒の肴は、安くてたくさんあるメニューから、鮪のすきみ、しめ鯖、ねぎまなどを注文する。本当に気持ちよく酒を飲める店を見つけた。

 その後は、カラオケ屋、青葉おでん街の店、セルフのチェーンそば屋「桜小判」などをハシゴし、ホテルに帰ったのは、夜中の0時過ぎだった。

5月28日(日)

 
午前9時頃に、ホテルをチェック・アウト。前夜の酒が残り、身体がだるかったが、二日酔いというほどではなかった。朝食はとらずに、浜松に向かって出発。雲は多いが、昨夜の激しい雨もようやく上がった。東名高速では早く着きすぎてしまうので、国道1号線を利用する。それでも、順調な車の流れで、あっという間に浜松市内へ。

 目指すは、Tが浜松出身の人から聞いたという鰻屋。インターネットで事前におおよその場所は調べてあったが、小さい店だったので、一度は通り過ぎてしまった。車を降りて歩いてさがすと、ほどなく広いバイパス通り沿いに「なかや」の看板を見つける。本当に小さくて目立たない店で、地元でも知る人ぞ知るという感じである。午前11時半が開店時刻だったが、30分前に到着してしまって店の前で立ち話をしていると、様子を察してご主人が店を開けてくれる。

 店内はカウンター10席と小上がりの座敷が4席ほど。カウンター席に腰を下ろし、特うな重を注文する。普通の「うな重」が1700円、「上うな」が2200円、「特うな」が3200円だった。目の前で生きた鰻が、すばやい慣れた手つきでさばかれていく。白焼き、蒸し、本焼きと工程が進むにつれて、期待と空腹感でお腹が高鳴る。待つこと30分弱で、目の前に供されたうな重は、期待を裏切らない旨さ。タレのからんだ蒲焼の香ばしさが、まずは何とも言えない。タレの味はかなり濃厚で、変な甘味のないところがよい。蒸し具合も適度にふわっと仕上がっていて絶妙である。サービスで、鰻の刺身(湯引きしたもの)や鰻の骨を混ぜて作った味噌などの小鉢を出してくれた。わざわざ訪れるだけの価値がある店で、ぜひまた食べに来たいと思った。また、ご主人は近頃パソコンを趣味にしているとのことで、そうした話もできて、楽しいひとときだった。

 充実した浜松での昼食を終えて、東名高速道路を東京方面へ。深い霧の御殿場インターで降りる。次の目的地は、御殿場高原「時の栖(ときのすみか)」にある御殿場高原ビールの地ビールレストラン。時の栖は、広大な敷地の中に、ブリュワリーレストランのほか、ホテルや天然温泉、サッカーグラウンドなどの施設があるリゾート開発地である。日曜日ということで、たくさんの行楽客で賑わっている。地ビールレストランも30分待ちだった。席が空いたら呼び出すということで、ポケットベルが渡される。しばらく、各種のオリジナル食品が販売されている売店などを見て時間をつぶす。

 予定どおり30分ほどしてポケットベルが鳴り、地ビールレストランへ。中は広々としたドイツのビアホールという雰囲気である。席へ案内されて、まずは1杯目にヴァイツェンを飲む。甘味はほとんどないが、無ろ過でよくできたビールである。先ほど食べたウナギでお腹はいっぱいだったが、つまみに山賊のスペアリブ(ハーフ)とモチモチポテトを食べる。2杯目は、ヴァイツェンボックとデュンケルを注文。ヴァイツェンボックは、フルーティな甘味とコクがあっておいしい。また、デュンケルもロースト麦芽の香ばしさがさわやかでよい。「御殿場高原ビール」は、地ビール解禁早期から製造されているが、以前に比べてかなりおいしくなっている。

  左からデュンケル、ヴァイツェンボック、ヴァイツェン

地ビールでさらに腹が膨れてけっこう苦しかったので、あとはどこへも寄らずに帰宅した。

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