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ネコの思い出
子どものころ、黒と白からなるメスネコを近所からもらってきたことがある。当時の私の家はいなかの山の中にあり、タケやぶや杉林、雑木などに囲まれたもところであった。家の前の立木には、ムササビが夜になるとやってきた。家はかやぶき屋根で、ネズミも多くいたし、ネコは家の外と内を自由に出入りしていた。ネコの食べものは、残りご飯に煮干だしの味噌汁をかけたものだった。当然、栄養が偏るからネコはせっせとネズミをとったり、虫をとったりしていた。夜、寝ていると、ネコはネズミをくわえて、枕元まで来て、そこで食べた。父親が「よし、よし」と言うと、ネコは喜んで喉を鳴らした。私が小学校6年のとき、それまで住んでいたところを引き払い、平地に新築した家に引越した。ネコも当然、連れてきたが、彼女はしっかりと元の場所に戻っていた。これが何度も続き、けっきょく新しい家には定着しなかった。
現在、私はチャタロウというオスネコと一緒に暮らしている。部屋の中で飼っており、外には出さなかったことから、すっかり内ネコになった。肩に乗せて、外に散歩に連れ出すと体がブルブル振るいだす。ニャオ、ニャオと不安な声を出す。部屋に戻すと突然、元気になって、わがままを言い出す。子どものころ飼っていたネコが土地や家についていたとすれば、今のネコは人間についているようだ。以前、一晩留守にしたことがあった。かれは、玄関のドアのところに体を寄せて、飼い主を待っていたらしく、体を冷やして、風邪をひいてしまった。どうも人間が一緒にいないと不安になるらしい。
ネコにももともといろいろ性格があるらしい。また、育った環境によっても、性格が変わるようだ。今飼っているチャタロウは、ネコ用の缶詰を食べている。缶詰に対する好みもときどき変わり、缶詰を選ぶことがたいへんである。今の家は、鉄筋コンクリート製で、ネズミは住んでいない。ただし、屋上にはときどき虫が訪れたり、ヤモリがいたりで、それらとときどき遊んでいる。(2001年4月22日)
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当時から何代目か
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