衣がえ
かつて、季節の変わり目の6月1日と10月1日は衣替えの日であった。6月からの4ヶ月間は上着もなく、半袖で過ごすのが慣わしだった。それがいつの頃からか、長袖、ネクタイ、スーツの上着を着るようになった。これはとくに男性の話で、女性は今までどおり、夏の服装をしている。むかしは、半袖でノーネクタイでもあまり失礼ではなかった。電車に乗ると、冷房の効きすぎていることが多い。これは、温度をスーツ姿の男性に合わせているからだろう。その結果、女性や半袖姿の男性が寒がり、きょくたんな場合は冷房病、夏ばてとなる。
これは、仕事場でも同じだ。最近のビルは窓が開かないようになっているものが多い。すると、3月から4月はじめまでは、暖房を入れて、その後、間髪を入れず、冷房を入れるということになる。これは、ガラス窓で、温室状になっているからである。最近の夏は暑い。都市はコンクリートとアスファルトでヒートアイランド化する。それにエアコンからの熱が放出されて、拍車がかかる。かくして、建物の外と内とで、ものすごい温度差が作りだされる。あるとき、外を歩いていて、今日はお昼に冷やし中華を食べようと決めたことがあった。中華料理店に入ったら、ギンギンに冷えていて、思わずあったかいラーメンを頼んでしまった。
最近、京都議定書のことがよく話題になる。日本が国際的に貢献したいということを世界に示すために、率先して、日本での開催を誘致した会議で決まった国際合意である。国際会議は開催国が議長役を務めることが慣例になっている。とうぜん、この会議では日本が議長国となり、議長は当時の大木環境庁長官があたった。そこで、各国が削減する数値目標が決まった。米国ははやばやと、この国際取り決めから離脱することを決めた。日本も今のところ、後ろ向きの態度を示している。
服装やふだんの生活面で、電気の消費を減らすことができることは多いと思う。われわれも進んで、電力消費に貢献するべきである。産業界も削減の努力が必要である。都市に緑地を造成したり、自動販売機の数を制限するなど、行政レベルで取り組むべきことも多い。京都議定書は、重荷というより、それをバネに環境問題に切り込んでいったり、新たなビジネスを創出するチャンスだととらえられないだろうか。
まだ9月であるが、ここのところ、めっきり冷え込むようになった。「衣がえ」の10月1日を目前にこうしたことを考えている。(2001年9月22日)