街路樹の剪定
小学校のときの修学旅行は新潟市だった。中学校のときは東京、高校は京都・奈良だった。東京に行ったときに、印象に残っていたのが、シダレヤナギの街路樹が剪定されていて、中学校のある越路町の来迎寺駅前にあった大きなシダレヤナギとは樹形がまったく異なっていたことである。来迎寺駅前の柳は枝を伸ばし放題であった。一方、東京の柳は枝が強く切り詰められていて、樹形がゴツゴツしていた。これと同じように、プラタナスも街路樹はバサバサと毎年剪定される。
剪定の理由はよくわからない。伸びすぎて電柱や電線に接触したり、信号機が隠れるので切っているのであれば、ある程度理解できるが、電線が地中に埋められており、電信柱もないところでも、同じように剪定されている。ということは必ずしも電線に触れるということが主な理由ではないのだろう。
このようなシダレヤナギやプラタナスだけを見て育った人たちは、これらの木の自然の樹形はああいうものだと思い込んでしまうだろう。剪定をしなければ、いずれも樹形は丸くなる。イチョウは街路樹の樹形は三角形をしているが、これも切らずに自由に伸ばすと、樹形は丸くなる。ソメイヨシノやケヤキの自然樹形は杯を伏せたような形をしている。それらも剪定される。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあるように、サクラは剪定しないのがふつうだ。また、ケヤキはあの樹形があってこそ、ケヤキらしい。
外国では街路樹があのように剪定されているのをあまり見たことがない。樹齢の高い街路樹が道路の両側に植えられている場合は、ちょうど、両側の並木が道路を覆い、緑のトンネルを形成している。秋口に南半球を訪れると、紫の花をつけたジャカランダがトンネルを作っている。見事というほかない。日本でも、そういう街路樹はないのだろうか。とくに、夏場の暑いときにそういう緑陰に入るととても涼しい。緑の量も保たれることから、気温もすこしは下がるであろう。
ぼくの生まれた新潟には、田んぼの畦道に稲架木(はさぎ)と呼ばれる並木状の木が植えられていた。これもじつは剪定されているが、これは理由が明確である。稲をかけるために、そのような樹形を人手を加えて作るのだ。しかし、街路樹はなぜ剪定するのかよくわからない。だれか知っている人がいたら教えてもらいたい。それから、どこかに伸び放題の街路樹があれば、訪れてみたいものである。(2002.4.27)
これを書いた後、剪定していない街路樹として、原宿のケヤキ並木、府中のケヤキ並木があることに気づきました。八王子のイチョウ並木は有名ですが、これは剪定しているのでしょう。(2002.5.1)