春の一日

4月16日、久しぶりに越路町の里山を散策した。とても暖かい日だった。いすず川沿いを上流に進む。シュレーゲルアオガエルが鳴いている。川にはオイカワだろう。キラキラと光に反射している。やがて、城(じょう)と呼ばれるところに出る。かつてはここは棚田であった。しかし、耕作を放棄してから、遷移が進み、ハンノキが侵入している(写真1)。南河内と北河内の分岐点は昔から土砂採取が続いており、山は無残な姿を見せていた(写真2)。そこを過ぎて、なおも進むと、キセキレイやカワガラスがいる。メジロやノジコ、ホオジロ、ヤマガラなども盛んに囀っていた。ギフチョウがあちことで可憐な姿を見せる。火振坂と呼ばれるところに小さな水溜りがある。以前は、田んぼだったところである。ここに、クロサンショウウオが産卵している(写真3)。山の斜面では、ピンクの花をつけたカタクリ(写真4)や、ショウジョウバカマ(写真5)、キクザキイチリンソウ(写真6)があった。ヒメアオキも茶色の花を咲かせている。はかま温泉に降りる道の直前、地元ではたたらと呼ばれている地点の斜面にはブナがほかの落葉樹に先がけて、新葉を展開している(写真7)。エゾツリバナとともに、早く、葉を出す種類である。


そこから戻り、秋葉山に登る。まだ、日陰では雪が残っていた。久しぶりにイタドリの茎を折って食べる。すっぱい。秋葉山から三平に降りる。そこには、大きなモミの木があった。そこから「どしんがえる」に向かい、フキノトウを採ってから、家に戻った。フキノトウを料理し、昼食をとった後、また付近を散策した。家の近くは田んぼになっており、イヌスギナが芽を出したばかりだった。ヤブカンゾウも芽を出し、これは「ぬた」にして食べるとうまいという。クサソテツも芽を出したところである。コシノコバイモというかわいい花をつける植物があったところに行ったら、コシノコバイモがなかった代わりに、付近の木の幹にオシャグジデンダが生えていた。かつてはその木には、このシダはなかったことから、ここ数年で発生したものだと思う。













チャボガヤ

越路の四季へ