ハムナプトラ
監督:スティーブン・ソマーズ
主演:ブレンダ・フレイザー、レイチェル・ワイズ
ストーリー
「古代エジプト。王の愛人に手を出し、王を殺害したため、ミイラになったまま永遠に生き続けるという極刑に処された悪しき神官イムホテップ。そして1923年、彼の墓が暴かれ、悪しき神官は、怨念とともに蘇る。彼が蘇るとエジプトに10の災いが訪れるという……」
評価など
この映画のアメリカでのタイトルは、「THE MUMMY」つまり「ミイラ」ということ。しかし、これでは日本人にアピールしないと思ったのか、日本公開のタイトルは、「ハムナプトラ」となり、タイトルロゴも「インディー・ジョーンズ」風になってしまった。
インディー・ジョーンズ風の映画ではある。しかし、主人公に、ジョーンズ博士ほどの個性も、迫力も残念ながらない。ラストも物語りの中盤でなんとなくわかってしまう。もうひとひねりほしかった。
この作品の正しい見方は、「ヒーローとヒロインの痛快冒険活劇」ではなく、「欲に目のくらんだ馬鹿な毛唐のために聖地を荒らされ、その上巻き添えを食らってその犠牲になる哀れな地元の人々。」という見方が正しい。
何しろ、この作品に出てくるエジプトの人々は、一部を除いて人間扱いすらされていない。何しろ主人公たちは、自分たちのせいで不幸な目にあっている人々を車ではね飛ばしていくのである。ほかにも虫に食われたり、聖地を守るために戦っている人々は主人公たちにばったばったと殺されていくし・・・・・。
ミイラが蘇る原因を作ったヒロインが悪役に向かって「あなたなんてろくな死に方をしないは。」と毒ずくシーンが出てくるが、そりゃーおまえもだ。おまえが余計なことをしなかったら、おまえが忠告におとなしく従っていたら、多くの人々が不幸な目にあうことも死ぬこともなかったんだ。被害者顔しとらんでちったあ反省せい。しかしもちろんヒロインは死にはしない。しっかりハッピーエンドを迎える。頭が悪いせいか、自分達のした事に対して反省すらしている様子はない。
主人公も「俺たちで世界を救うんだ。」などと抜かしているが、自分達の不始末は自分達の手で決着をつける。それが世の中の常識だ。あたりまえの事をやるだけなのに、偉そうな事を言っているんじゃない。