L・A コンフィデンシャル
監督:カーティス・ハンソン
主演:ケビン・スペイシー,ラッセル・クロウ,ガイ・ピアース,キム・ベイシンガー
ストーリー
1950年代のロサンジェルス。暗黒街の大物、ミッキー・コーエンが逮捕されたことにより、彼の後釜をめぐる争いが起きようとしていた。
そんなロサンジェルスの正義と治安を守るロス市警、女性に暴力を振るう奴を許せなが、調査のためには、暴力も振るう、バド・ホワイト(R・クロウ)、テレビドラマのアドバイザーで、ゴシップ新聞の記者シド・ハシェンズとつるんでいるジャック・ビンセンズ(K・スペイシー)、そして、パリパリのエリート刑事エド・エクスリー(G.ピアース)。3人は、クリスマスイブの夜に所内で起こった事件により、バドの相棒ステンズランドは辞職に追いやられ、バド自身も休職、シドは、一時的に閑職に回され、エドは証言と引き換えに、出世し、それぞれにわだかまりが残ることになる。
そんな時、コーヒーショップ「ナイト・アウル」の客と従業員が、惨殺されると言う事件が起こる、其の犠牲者の中には、バドの元相棒ステンズランドもいた。
犯人と思われる、黒人の少年3人組は、まもなく逮捕される。その後、警察署から脱走した、3人は、エドにより射殺される。これにより、事件は解決したものと思われたが・・・・・・・・・
3人は、別々の方向から、別々のアプローチを取りながらも、事件の陰に潜む、真相へと近づいてゆく。
解説
台本とキャスティングの勝利と言っていい作品。
三人三様の個性を持つ刑事たちの衝突と、それぞれの個性が生きた調査方法、事件発生から、色々絡み合った糸が徐々にほぐれ、真相が明らかになって行くまでの過程とその流れの上手さで一流のサスペンスに仕上げている。
三人の刑事は日本の刑事ドラマに出てくる、「正義の刑事」、とは言えないかも知れない。バドは調査の為とは言えやり過ぎな暴力を振るうし、シドはゴシップ記者から金銭を貰っている、エドも己の出世のため取引をしたりする。だが、三人が、それぞれ、己の刑事としての信念に基づいて、「犯罪」と正面から向き合っている。
「正義の警官、刑事」が、正義の為に悪人どもを相手に、快刀乱麻の大活躍をする映画も大好きではあるが、やはり、現実味には欠ける。
この作品は、3人が「正義の刑事」とは違っているため、3人に、それぞれ得もいえぬ人間くささを与えており、物語にも、現実味、深み、緊張感を与えている。バドとエドに絡む、娼婦(キム・ベイシンガー)、一癖も二癖もあるゴシップ記者も非常によい。
最後のエドが取調べを受けて、その後の展開も、非常にらしくていい。
ただ、「やっぱり世の中奇麗事だけじゃあ、やって行けないのかな?」と思えてしまったのも事実。
まあ、奇麗事だけじゃあやってけないのは事実だからしょうがないけれどもね。