シュリ
監督:カン・ジェンギュ
主演:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン
ストーリー
韓国内で多くのゲリラ事件を起こしていた、北朝鮮で訓練を受けた特殊工作員、イ・バンヒ。
彼女を必死で追う、韓国の情報部員、ユ・ジョンウォン。彼は、一ヵ月後に、熱帯魚屋を営む女性イ・ミョンヒョンとの結婚を控えていた。
しかし、新たな事件が起こる。韓国軍が開発された高性能爆薬が、北朝鮮の特殊部隊に奪われたのだ。その強奪事件の陰にバンヒの影を感じる、ジョンウォン。彼らの狙いは何か?
解説
分断された民族の悲劇。それをテンポの良いアクションと、恋愛をからめた、奥の深いテーマを持った、一級のエンターテイメントに仕上げている。
韓国は近くて遠い国とよく言われる。両国には未だに偏見と、わだかまりがある。
しかし、韓国の分断の原因には、わが国も少なからず関係しているのは紛れも無い事実である。
民族の分断と言うテーマは非常に重いテーマである。韓国の人たちにとってはなおさらだろう。この作品をきっかけに、韓国に対する知識、考えを深めるのも、いい事かもしれない。
ベルリンの壁が壊れた時、ヨーロッパの歴史家は、「ヨーロッパの第二次大戦がやっと終わった。」と言った。
朝鮮半島の南北分断が終わらない限り、東アジアにとっての第二次世界大戦は終わらないのかもしれない。
この映画の総制作費は、韓国史上最高の4億円。
韓国の相場から見ればどのぐらいの価値があるか判らないが、それでもたったの4億である。
大金を思いっきりかけ、CGをバカスカ使うハリウッド映画。確かにそれはそれで面白い。
しかし、この映画は、民族の悲劇などの重いテーマのほかに、「金が無くても、アイデアと、ストーリーでこれほど面白い映画を取ることができる。」と言うことも証明している。
日本の映画人の中には、金がかけられないから、面白い映画を撮ることができない。などとぬかす馬鹿もいる。
「この映画を見て、面白い映画がどんなものか勉強しろ!!!」と言ってやりたい。