第四部

気象研究所、高層気象台の謎



(左より「鉄塔」「気象研究所」「高層気象台」

つくばで一番高い建造物。それは気象研究所の鉄塔である。つくばのほとんどのところで見ることが出来る。この鉄塔、表向きは、風速などを計り、気象研究に役立てるため、との事である。しかし、たかだか2百数十メートルの鉄塔で一体何がわかるのだろうか?

大体、日本の各地方気象台などに、似たような鉄塔がたっていると言うのならまだ話はわかる。しかし、各気象台に立っている鉄塔などたかだか数十メートルあるかないかだ。鉄塔の無い気象台だって存在する。この様なものをなぜたてたのか?「気象研究のため」だけでは意味が余りわからない。

そう、この鉄塔にももちろん別の意味があるのである。

鉄塔と言えばなにか?電波である。そう、この鉄塔は電波の傍受施設なのである。当然前線などでは、電波を使ってやり取りをする。電波の傍受は国防上必要な行為である。当然平時は、自衛隊施設などで、電波の防除を行っているが、有事の際は、ここで前線を飛び交う電波を傍受する。そして、そこで得られた情報は、前出の電総研に送られ、暗号解読、分析にまわされるのである。

事実「この鉄塔に落書きをした」と言うだけで首になった高校生の伝説が地元にはある。普通「落書きをした」程度なら、こってり油を絞られるか、せいぜい停学になって終わりである。「国宝」などに落書きをしたならまだしも、この処分の重さは異例である。なぜ彼は首になったのか。そう、彼は「つくばの秘密」、「鉄塔に隠された真の目的」に触れてしまったのである。伝説が流れたのは、十数年前である、高校中退者に対する風当たりはまだまだ強かった時代である。そう、彼は命こそ永らえたが、社会的に抹殺されたのである。

更に気象研究所、そして高層気象台にはもう一つ、現代戦に欠かせない物がある。レーダーである。気象研究所の屋上に一基、そして高層気象台の屋上に一基、計二基ある。確かに富士山レーダーなど、気象観測などにレーダーが必要なのは判る。しかしなぜ二基もあるのだろうか?気象研究所と、高層気象台は、同じ敷地内にあるのだ。共用したほうが、経費削減などの面から見ても、効率的なような気がする。理由はただ一つ、二つなければいけない訳があるのだ。

これは後ほど述べるが、つくばの道は大変良い。これはスウェーデンなどを例に取り、緊急時には、道を滑走路代わりに使うと言う考えからである。しかし滑走路があっても管制システムがなければならない。

たまに勘違いしている人がいるが、空港にあるレーダーはあくまでも、その空港に離着陸する航空機の誘導監視などを行うためにあるのだ。関東などの空域全般の監視などを行うレーダーは別のところにあるのである。(確か所沢)またレーダーを数カ所に分散させることにより、万が一の自体に備えることも出来るのである。

気象研究所、高層気象台にあるレーダーも、これと同じである。一つが、有事につくばに離着陸する航空機の「誘導」「管制」「監視」そしてもう一つは対空監視用レーダーとなるのである。ここで働く人々は当然、傍受要員や、レーダー要員等と化すのである。

そしてもう一つ、気象衛星も、有事には戦争利用される。ひまわりの観測システムは大変優秀である。低高度を飛べば、スパイ衛星に利用できるほどだと言う。そう、有事にはそのまま、静止軌道から、定周回軌道に軌道をずらし、スパイ衛星として利用されるのである。冷戦時は、ひまわりの旧型は、必ずバックアップ機として使われていた。コレは、有事の際に、旧型を気象観測用に、そして、性能の良い新型をスパイ衛星として使うためである。これをコントロールするのは、つくば宇宙センターではあるが、いざと言う時の予備システムが、気象研究所にはあるといわれている。

なぜ両方を使わないのかと疑問に思うだろう。確かに、二機あったほうが効率が良い。しかし、気象予報は実は、戦争と深くかかわっているのである。天気予報が組織的、学術的に行われるようになったのも、実は戦争のためであり、第二次大戦中、国民は、天気予報を知ることが出来なかった。予定戦場などの気象を知ることは、大切なことであり、作戦、戦闘の行方を大きく左右するからである。10年近く前の湾岸戦争でも、イラクから、海外に向けて、天気予報が発表されなくなったことから、アメリカは、イラクのクウェート侵攻を確信したと言われている。

そう、実は気象庁は、マイナーに見えて、実はかなり重要な部署なのである。当然「機密保持」、「戦争協力」のノウハウも相当蓄積されており、強固なものとなっているだろう。またマイナーであるので誰も「気象研究所」、「高層気象台」などには注目しない。また万が一、秘密がばれ、嘘を吐いていたことがばれても、天気予報で散々国民に嘘吐き呼ばわりされて、そのような国民の非難になれている官庁である。きっと上手くごまかして、うやむやに出来るであろう。

気象庁にレーダーなどの重要な施設が隠されているのも、気象観測にレーダーが必要と言う隠れ蓑を使える意外に、気象庁が持つこの様な面が評価されてのことであろう。

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