裏木戸通信 １０６号
有難うワールドカップ
世紀の祭典、ワールドカップが、本日、フィナーレを迎えた。
今世紀最初の世界の頂点に立ったのは、やはり強かった王者ブラジル。
今大会も、色々なドラマが生まれた。
フランス、アルゼンチン、ポルトガル、アフリカの王者、カメルーン。
優勝候補と言われた国々の、グループリーグ敗退。
その一方での、48年ぶりに出場したトルコが第三位と言う成績。
共催のパートナー韓国は、第四位、そして、我らが日本は、ベスト16となった。
ある意味、サッカー後進地域といわれた国々が力をつけてきたのかもしれない。そういう意味では、新世紀最初のW杯に相応しい大会だったのかもしれない。
だが、反面、残念な事態も起こった。
誤審騒動。
個人的には、韓国の第四位を心から祝いたい気分ではある、だが、あの誤審騒ぎのお陰と言うのか、今ひとつ、素直に祝う気にはなれなくなってしまった。
韓国代表の選手が、どうこうと言う気は無い。また、ネット上の掲示板に見られるような、誤審騒ぎのドサクサに乗って取って、韓国全体を、蔑む様な、まねもしたくは無い。
韓国の選手は、誤審騒動抜きで、よく戦ったと思うし、試合終了の笛が成るまで衰えることの無い、スタミナ、そして、ゴールを狙う貪欲さは、素直に感心できるし、日本も色々学ぶべき所はあるとも思った。
今回の誤審騒動の影にどんな事があるのかは、わからない。一部で言われているように、弱小のアジアに敗れた、ヨーロッパの、強豪国のやっかみかも在るかもしれないし、また、やはり一部で言われている様な、買収などと言う、許しがたい事態があったのかもしれない。ただ、今回の誤審騒動が、ホームタウンディビジョンで、済ませられない様な物もあったのは事実である。
個人的には、例え、相当の痛みが伴ったとしても、今回の、誤審騒動について、ちゃんと追及し、二度とこの様な事態が起きない様にして貰いたい。
そして、万が一、無いとは信じたいが、買収などと言う事態があったとしたら、それに関わった人々は、徹底的に断罪されてしかるべきだと思う。買収に関わった人は、今回のワールドカップに関わった全ての国、選手、そしてファンを裏切り、永遠に消えることの無い、傷をつけたことになるのだから。
恐らく韓国は、これから先言われ続けるだろう。
「誤審のお陰で、4位になれた。」
とか何とか。では、実際はどうか。誤審が無ければ、韓国は負けていたのか？
こればかりは、タイムマシンか何かで、時を戻し、再度やって見なければ判らない。「誤審のお陰で・・・」と言うのは、繰言であるし、空論でしかない。
ポルトガル、イタリア、スペイン。これらの国々の人は、思うかもしれない。
「誤審さえなければ、優勝していた。」
とか、何とか。だが、これとて、やって見なければ判らないことである。
スポーツにおいて、審判は絶対である。そこには、当然ヒューマンエラーの分も含まれている。だが、殆どのスポーツで、審判の判定が絶対であるが故、そのヒューマンエラーを、極力なくす、努力がなされている。今回の誤審騒動は、韓国、ポルトガル、イタリア、スペイン、いや、今回のW杯に、出場した、全ての国にわだかまりと、すっきりしない何かを残してしまった。
今回の事をこれ以上言っても、仕方が無いのかもしれない、やり直しは無いのだから。だが、今後は、是非ともこんな事が無いようにして貰いたい。出来れば、日本と、韓国で開かれたこの大会を最後にしてもらいたい。
望みついでに後一つ。誤審騒動一つを盾に、隣の国全体を貶めるような御馬鹿さんは、便所の落書きとか、揶揄される、ネット上の掲示板だけで終わって欲しいと言うこと。
少々横道のそれましたが、FIFAの関係者各位殿、今大会を教訓に二度ここのような事がおきないように、ちゃんと対策を打ってください。
そして、次の大会からは、蟠りも無く、一流のプレーを楽しめるようにしてください。
その、次の大会。２００６年W杯
日本は、今大会以上の成績を残せるのか？
個人的には、次の大会はBest８と言いたいところだが、現状では難しいかもしれない。
今大会、多くの人が、日本代表に、声援を送ったと思う。ここで、ちょっと考えてみてください。声援を送ったり、稲本にキャーキャー言っていた人たち。
Jリーグの試合見に行ったことあります？
Jリーグの試合、TVだけでも良いから見ています？
Jリーグの試合、結果だけでも良いから、チェックしています？
もししていない人がいたら、今からでも遅くはありませんから、Jリーグに関心を持ってください。声援を送った日本代表は、Jリーグでプレー、あるいは、Jリーグを元に、世界に出て行ったのである。次の大会、日本Best８を望むならば、Jリーグの試合にも、ちゃんと関心を持つようにしてください。
今世紀最初のW杯は終わった。一流のプレート、試合を有難う、選手の皆様。そして、お疲れ様でした。今大会に関わった全ての関係者の皆様。